反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

2012-01-01から1年間の記事一覧

日本国家、日本人論の根源と坂口安吾の敗戦直後の「堕落論」に置ける天皇制を利用するズルイ支配層と国民性。

<メモ>気になる論点。 >国家論。ホッブス国家論に階層国家論を埋め込む。 >自然状態野放し状態から発生する合議体には階層支配の要素が既に含まれている。 (例) 朝鮮半島、古代の百済、高句麗、新羅時代に一番遅れて国家形成した新羅の国家形成過程。 …

大正14年(1925年)生まれ、在学中学徒出陣で海軍航空隊入体の歴史家、色川大吉の自分史から、岩戸景気ー60年安保改定ー高度経済成長の時代を抜粋。第1回。

色川大吉(1925年生まれ)さんは丸山真男(1914年~1996年)の一回り下の年齢で、同じく兵隊体験がある。 飛び級で旧制中学入学、仙台の二高から、無試験入学した東大文学部国史科学生時代、年齢が足りなかったので、文科系学生の学徒出陣を免れ…

丸山真男の永久革命としての民主主義。kim hang「帝国日本」の日本帝国主義告発を超えて。

まず、尖閣、竹島領土問題のが声高に叫ばれる必然性の底の底に横たわる原理的次元の問題を確認する事から始める。この間の記事はこの点(煎じつめると国家論)を巡って試論をやってきたようなものだ。 前回の記事における丸山真男の二通りの国家論(ホッブス…

敬愛する近藤勝重、毎日新聞責任編集委員の「正しい、と云う言葉が世間に声高に叫ばれる世の中になっているが、100人、人がいたら、100人の正しさがあっていい」と云う言葉について考えてみる。

タイトルの冒頭、「敬愛する」としたが、リベラリストとして筋が通っていると云う意味で、大橋巨泉さんの言葉に耳を傾けるのと変わらない次元。ネット上に巨泉氏の週刊現代に長く連載されている「遺言」が公開されているが、なかなか面白い。 好きこそものの…

第2回。シュミット、レーニン民主主義制のぜい肉そぎ落とした骨格むき出し<権力への道><達成すべき国家機構論>と丸山真男の抽象的日本戦後民主主義。

自分に根付いてきた安直な民主主義観によってシュミット議論の核心を批判してきた。 ファシスト党やナチス党は1920年~30年代経済社会情勢が生み出した時代に刻印された特殊運動形態と権力構造である。 日本の軍国体制は民主主義発展の後進のアジア的…

カールシュミット、丸山真男、坂口安吾の主要論点の抜粋。「ワイマール共和国憲法状況と国家学」「帝国日本のイリ」「堕落論、続堕落論」より。第一回。

タイトルに挙げた本におけるカールシュミット、丸山真男、坂口安吾の主要な問題意識は整理すると、自然状態の人間の本性におけるセキュリティー国家の根源~弱者個人に対する脅威(戦争)と国家成立。政治的統一体・民主主義及び多元主義。 丸山とkim hangは…

「ワイマール共和国の憲法状況と国家学」未来社刊。第五節、政治的統一体・民主主義及び多元主義。パスカーレパスキーノのカールシュミット論の抜粋と注釈。

<問題意識> カールシュミットは通常、ドイツ1918年革命の人民蜂起を圧殺した社民党多数派と旧体制勢力の妥協を基礎に成立したワイマール共和国の民主主義的混迷状態に対する政治的統一体への収れんを政治基準とする批判者として有名である。 その国家…

一揆、内乱=戊辰戦争から明治維新へ。日清日露戦争と日本資本主義の本源的蓄積。敗戦、戦前戦後の天皇制。戦後の経済成長。大震災原発事故TPP。日本国家の歴史的在り方を問う。

kim hangさんの「帝国ノイリ」の論旨に沿って、考えていくのは仕方がない。私には最良のテキストがなければ自力では考えられない。 >彼の日本帝国批評の基本視座は植民地支配の歴史的経験である。コレは彼固有に存在するモノであり、私が彼の立場を代替えで…

敗戦、1918年ドイツ革命の内乱からワイマール憲法政治へ。世界不況を背景とするドイツ共産党、ナチス台頭の時代状況から日本国憲法、戦後民主主義、丸山真男を照射する。

時間もない事から、大げさなタイトルの内容は十分詰められないが、問題意識としては間違っていないと考える。 kim hanngさんの「帝国のイリ」の丸山真男論の部分は日本語が母国語でないにもかかわらず、スリリングな論理展開になっており、傑作である事に変…

「帝国のイリ」における金抗、丸山真男の<自然状態に放置された人間同士の争い>想定しての国家生成の根源説と<個人生活に脅威を与える敵との関係>に国家成立を見るホッブス国家観を批判する。

金抗さんの「帝国のイリ」は賞に値する本だと云う、前回の評価は撤回する。 まだまだ検討中だが、この本の優れた処は丸山真男論の部分であって、先のブログの<追記>にも記したように、後半三分の一を占める小林秀雄批判は批判になっておらず、迎合である。…

金抗(kim hang)著「帝国日本の*」2010年岩波書店刊。日本政治思想史の概説(丸山真男批判)としては最高傑作。残念、批判の根拠が過去現在の韓民族の存在や坂口安吾的実存主義に安易に委ねられている

kim hanng「帝国の*」。*の漢字一字。門に或を入れてイリと読むらしい。表紙の真ん中右隅に5ミリ程度のローマ字でteikoku nihon no (iri)と記されているのを発見した。意味はもうどうでもいい。 中身の濃い本でそういう方面に関心のある人はぜひとも読…

金抗(kim hang)「帝国日本*」ー生と死のはざまに見るー岩波書店刊。序文、第1章、丸山真男を引用に想う。今の日本に金抗さんレベルの若い韓国学者はいるのか?

この著書は難解極まるもの。しかも、日本語で書かれている。 おまけに、題名の「帝国日本*」*この一字の漢字が私には全く読めないときている。闇でもないし、閥でもない。門へんに或るを入れて何と読む。このヒトと自分との間にはそれくらい、知識と教養の…

日米安保条約全文の検討。TPP日本参加によって米国制度、基準の日本移植を経済的基盤に米支配層は日本の中東エネルギー依存を見透かし大騒動を当該地域で引き起こし、戦後、肥え太らせた日本回収を展望。

前回の記事の中で岸信介の1960年日米安保改定を自分なりに解釈している最中、どうも納得がいかないところがあったので、今日は早速、日米安保条約の全文を調べてみた。 キーポイントは 第二条。「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くこと…

色川大吉「若者が主役だった頃」岩波書店刊。ー1925年生まれの戦中派、民衆史観の歴史学者の自分史ー

PC画面ディスプレーがどうも寿命を迎えた様だ。仮面がチラチラする。蛍光灯が寿命を迎えたようなもの。 >今回、色川大吉「若者が主役だった頃」を取り上げる。 色川さんは、1925年生まれ、東大国史科卒、関東の田舎の中学教師、1949年共産党入党、…

経済成長路線の挫折=米国圧力のプラザ合意受諾ー米伝授のバブル発生と崩壊ー。冷戦崩壊以降の新帝国主義時代、反国民的市場原理主義は小沢ー小泉ー政権交代を漂流しTPPに座礁。インフレ派の反国民的言説を見よ!

前回の記事で<インフレ待望論の危険な罠>を取り上げた。同時に米連銀のバブル崩壊後の基軸通貨国の立場をかなぐり捨てたと云うか、利用するバブル崩壊後のなりふり構わぬ総需要喚起=国債直接購入、今後とも継続するバブル後遺症の対症療法=破たんサブプ…

エマニュエルトッドと佐々木融「インフレ待望論の危険な罠」の引用し米連銀QEヘリから、マネー永遠大量投下作戦=基軸通貨の優位性を利用した一国主義のドル安円高喚起、TPP日本併合に呼応する輩の素顔を暴く。

<最も豊かで最も力のある者にさらに多くの金と権力を!米国のシステムへの全面統合を指向する勢力は米国軍事経済の役割が低下しているまさにその時に、<不平等革命、寡頭制への転換>の全世界的旗頭を米国支配層に見出した>。 エマニュエルトッドさんから…

最も豊かで最も力のある者にさらに多くの金と権力を!米国のシステムへの全面統合を指向する勢力は米国軍事経済の役割が低下しているまさにその時に、<不平等革命、寡頭制への転換>の全世界的旗頭を見出した。

昨日の記事にあった<未だ癒えないバブル崩壊後遺症対症療法>、米連銀QE3の主軸であるモーゲージ担保証券6000億ドル購入。 モーゲージ担保証券の実体についても昨日の記事で実に解りやすい解説を引用した。 掻い摘んで云うと、とても住宅ローンを組めな…

11月6日投票日。オバマ46%、ロムニー44%の最大の焦点は経済再建、雇用創出。カギを握る米連銀の<第3回ヘリコプターからの約50兆円サブプライムローン金融証券救済作戦=QE3>を考える。

11月6日の大統領選挙投票日に向けて10月3日発のTV討論が行われたと云う。 それを受けて、両者の支持率は2ポイント接近したと報じられている。 選挙戦の主要論点は<経済再建、雇用創出>に絞られている様だ。 (なお、情報源はネットだけなので限界が…

ゴールドマンサックスを超える米国一の金融機関JPモルガンチェース債券為替調査部長さえ指摘する、橋下維新、自民安部、民主前原等のインフレ待望論の<危険な罠>

このコラム(ロイターのネット版記載)の筆者、佐々木融サンは米国ウォールの最大手、JPモルガンチェース銀行の債券為替調査部長。 本来でならば、市場関係者として日銀のカネばらまき政策によって、市場に流入する投機資金が潤沢になるから利益を得る役職の…

日本政治は小泉時代から政局主導の連続。政局の連続の政治過程は社会経済実態と遊離してバブル的独走。結果、凝縮された政治過程は歴史過程に。1年が数年に相当する政治情勢の急展開は国民の判断を狂わせる。

タイトルにある様に政局の連続=政局が次の政局を呼び政治過程として、独自運動してしまう。そしてその政治過程の独自運動は日本の実際の社会や経済の実態から、遊離して「バブル化」している。 従って社会や経済のリアルな在り様と遊離して独自運動する政治…

緊迫政局に耐えかねストレス性胃炎発症で重責を放棄したモノ(安部)の総裁、返り咲きの自民の実態は極右、ファシスト政党に純化。橋下維新と連携の日本劇場開幕。が、陰の主役は懐かしいB層国民復活。

ナント!ボクちゃん、ポンポンがイタイの、で政権を投げ出したアベちゃんがまたしても自民党総裁に返り咲いた、とな。 マスコミを相手にする時間が全くなく、政局情報とかけ離れた地点にいる自分にとって、このニュースは実に新鮮な驚きだった。 なぜなんだ…

孫崎享著「戦後日本史の正体」、読了。この本の最大の欠陥はパワーポリテックスの論理に拘束された米国絶対史観。内外の民衆の力不在の「NOと言える日本」を超えられない、閉塞思考。

孫崎享さんの「戦後日本史の正体」の第5章、自民党政治と高度成長、第6章冷戦焼結と米国の変容、第7章9,11とイラク戦争後の世界を読み終えた。 申し訳ないけど本は買わなかった。書店で座って2時間で読了。必要な本は買って手元に置いておく。読み返…

孫崎享著「戦後日本の正体」を読み解く。ー残存日本国民多数はもはや、日米支配層の収奪と統治対象物に過ぎない。が、情報シャワーを浴び過ぎて、勘違い。誰が得をし誰が損をするか。

孫崎享さんの「戦後日本の正体」の見本が岩上安見サイトに出ている。 全ページ数はあとがきも含めて360P余りで、今回読めたのは第一章の「終戦」から占領へ、の部分だけ。 それでも88Pもある、処がこの本のポイントの様な気がする。 第二章、冷戦の始ま…

韓国高校歴史教科書におけるBC2333年建国、古朝鮮<檀君王検>神話、その後の衛満執権への疑問と日本歴史教科における実体乏しい任那日本府。

この間、韓国の高校歴史教科書を検討してきた。 近現代史における日本への厳しい目線は仕方がないと想っている。 江華島条約に始まり、日清日露戦争を通じ、日韓議定書、第一次日韓条規、第二次日韓条規、そして遂には1910年の日韓併合までの、日本と李…

領土問題は正義不正義、紆余曲直の領域にあらず、<風が吹けば桶屋が儲かる>!人買ひ船は沖を漕ぐ、とても売らるる身を、ただ静かに漕げよ、船頭殿(閑吟集)

何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ 世間は霰(アラレ)よなう 笹の葉の上をの さらさらさっと 降るよなう 世間はちろりにすぐる ちろりちろり ー以上、<つれづれの文庫>様の閑吟集、特集から引用ー <風が吹けば桶屋が儲かる> 1、大風で土ぼこりが…

尖閣島など領土問題はイロイロ多方面に渡って、考える契機になる。

昨夜、NHKラジオのニュースでは、尖閣諸島の領海内に日本政府の尖閣島国有化を受けて、中国の海洋調査船20隻が7時間余りに渡って侵入した、と報じていた。 嗤えるのは、中国は周辺のフィリピン、ベトナムとも領土紛争を抱えている、とか云ってあたかも東…

「国定韓国歴史教科書」と「検定韓国近現代史」を読み、日本の歴史教科書の教育現場の実情を振り返ると、そこに歴史教育以前の体制順応の若者製造の止められない止まらない教育の檻が。

韓国の高校検定歴史教科書が明石書店の世界教科書シリーズで出版されています。 この間、国定韓国高校歴史教科書、「韓国の歴史」と検定高校近現代教科書、「韓国の近現代史」を読んでみました。 韓国の高校社会科では1年生で韓国歴史の通史(日本で云えば…

竹島、尖閣、領土問題は先進日本の金融寡頭支配の進展による非民主化すう勢と、韓国中国の後発国の大衆民主化のミスマッチによって、激化する。尖閣では小軍事衝突を日米中支配層は織り込み済み。

日本では韓国のイミョンバク大統領、竹島=独島訪問、中国香港の民間活動家の尖閣島上陸がマスコミによって大きく報じられ、世論?が沸騰気味である。一昨年は尖閣列島付近で操業中の中国漁船の拿捕、連行事件が発生している。その間にロシア首相の北方4島…

コレからの時代には民衆の歴史観の確立が求められる。

先日、岩上安見さんのサイトでTPP参加反対の国会議員の超党派の集会を見たところ、イマイチ、本気度に疑問を感じた。事実、この間、支配層が企画した重要な政治方向は国民の反対にもかかわらず、次々と可決してきた。悪い方に修正さえされている。 TPP参加反…

「ドイツ人が見た日本」ードイツ人の日本観形成に関する史的研究ー中埜芳之著。独の新聞、雑誌等の生情報を掲載。参考になる。

この本のサブタイトルは仰々しいが、「ドイツ人が見た日本」が本の中身で、難しい内容ではなく、江戸時代から、現代まで日本を訪れたドイツ人の滞在記や日本情報、日本観を生のまま掲載している。 中野さんはドイツ文学者の大学教授。ケラー作品集の翻訳があ…