2019-02-10から1日間の記事一覧
第3回 姨捨 太宰治 W注釈 姨捨←おばすて 姥捨て←うばすて 前回に続く 酔っていた。笑い笑い老妻とわかれ、だらだら山を下るにしたがって、雪も薄くなり、嘉七は小声で、あそこか、ここか、とかず枝に相談をはじめた。かず枝は、もっと 水上 みなかみの駅に…
姨捨 太宰治 前回に続く 嘉七は立って、よろよろトイレットのほうへ歩いていった。トイレットへはいって、扉をきちんとしめてから、ちょっと 躊躇 ちゅうちょして、ひたと両手合せた。祈る姿であった。みじんも、ポオズでなかった。 水上駅に到着したのは、…