反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

2022-02-27から1日間の記事一覧

第2回。吉本隆明「良寛」。良寛の性格悲劇には緊張と弛緩の二つの位相。緊張の極限では、やがて来る近代の人間悲劇の必然的な形に接続し、 弛緩の極限では師国仙が贈り名にした<大愚>という性格に接続し、両者は僧侶としての厳密な規範において均衡していた。

吉本隆明「良寛」 序(文)引用 W僧侶として詩文家として「近世の制度の堅い網目に絡まれていた」~後世になって評価が高まった。多分、明治の文士の評価によって良寛の詩文の評価はたかまったが、多分にその人生行路と表裏一体で過大評価された。 ただし、…

第1回。吉本隆明著「良寛」。~吉本隆明解釈やその他の良寛像を反俗日記は史実に基づき探究し今、<大愚>を改めて問う~

W。 災難に逢う時節には 逢うがよく候 死ぬる時節には 死ぬがよく候 是はこれ災難をのがるる妙法にて候 良寛 W。良寛没年74歳 1831年。 三条地震1828年に遭遇した知人にあてた手紙の一文。腰の据わった開き直り、というか禅問答的でもある。生きることは…