<普天間基地海外移設で小沢は何もしなかった>
青い海を埋め立てて良いのかなどと語っただけだった。鳩山は小沢が首相にしたといっても過言でないのに鳩山が無理難題に立ち往生している時に何の手助けもしなかった。いや、正確にいえばできなかった。
政治弾圧されているとか、内閣が小沢の意向を意図的に無視していたとかの言い訳が用意されているが実情は何もできなかった、というのが正しい。訪米要請も中止となった。
「第七艦隊の核の傘だけでよい」発言は大いに結構なことである。
ただ、そこまで至るプロセス、国民的合意、など中身がすっぽり抜け落ちている。
交渉するからには思いやり予算や日米安保さえ解消するぐらいの気構えがなければ、無理と考えている。また国民の間に交渉する者への後押しがいる。小沢のこれまでの政治的軌跡をみるとそれを可能とするかけらもない。そもそも、80%の国民から早く止めてくれなん切り捨てられている、国民的忌避政治家が日本を代表してアメリカに交渉できるわけがないだろう。小沢ができる最大の政治行動は幹事長辞任であり続けた。
支持者どもが勝手にアメリカと対峙できる小沢を夢想しているだけである。
<「対米従属」の解消という大きな問題を小沢に託すのも大きな間違いである。>
この点は立ち止まって考えてみる必要がある。
例え、アメリカとの関係で日本が自立的方向に歩んだとしても、日本の多くの国民が政治的に自由になれるかと言えば、逆の場合もある。戦前の日本は中国、アジアでの権益、覇権をめぐり、アメリカと決定的に対立していった。この時、日本国民に自由が拡大していったのか。
自分たちの自由権利を守る戦いが同時に推進されなければならない。
<官僚と小沢は本当に戦うのか。>
これも眉唾ものと言わなければならない。
そもそも、政治権力を握っている自民党大物政治家は口先でよく官僚批判をくりかえしていた。
しかし実際、その真の目的は官僚機構をけん制して自分と官僚との間で政治的利権を分配する事であった。
小沢の主張に徹底した官僚批判はないのに支持者が勝手に自分の主張に都合のいいような小沢像をでっち上げているだけである。地域主権で官僚の権限を削ぎ落す方向は間違いである。地域主権は日本の実情に合わない。地域の大多数の住民とって良い事は何もない。税源移譲されたカネは権益として地域ボスのところに転がりこむ。
<小沢は検察と戦ったか>
検察から一貫して政治弾圧をかけられたことは間違いのない事実である。
しかし、この戦いに敗北してしまった。
記載ずれの事実を認め検察側の検察審査会の利用も視野に入れた攻撃に対処しきれなった。
検察の作戦は今年の三名逮捕で最低でも期ずれだけは認めさせ、その中に小沢関与らしいき文言を入れることだった。
逮捕された3名のうち誰が期ずれを認めたか明らかにされていないが、この事によって小沢は検察審査会全員一致の起訴相当にされてしまったのである。
この対検察闘争はやってないモノはやってない、という次元を超えた質の高い戦いが要求されたが、小沢側には戦い切るだけの思想も政治もなかった。
未だにこの件で小沢をかばい続けている支持者は小沢対検察の攻防の先端でどういう質の戦いが展開される必要があったのか、全く理解していないか、目をそむけて一般的な暴圧反対論で誤魔化している。
確かに戦いに間違いや敗北はある。しかし小沢側にはそれを糧にして戦う体制がない。小沢に想いをこめて自分の意思を付託するに値する政治家とは全く思えなくなった。がから、小沢には見切りをつけた。
こういう者に幻想を持つ必要を認めない。気休めである。
行き着く先が同じなら、最初からはっきり行先を掲げてくれた方が判断し易い。
それが正直で効率的な政治政治というものだ。
国民の生活が第一は誤魔化しだった。
普天間問題にしても対検察問題にしても実に厳しい領域の問題であった。小沢に戦う内実はなかった。
そういう政治家なのに小沢の悪いところは自分が権勢を得るためにお題目をその都度掲げて、自分の権勢を得るための都合で作り上げた政治の枠組みを壊し、結局、政治混乱を引き起こしてしまうことである。その結果、国民生活や経済は打撃を受ける。確かに局面では破壊することによって国民のためになることはあってもトータルとして小沢を見て行くと実に国民にとって危険な政治家である事が解る。
おそらく、このままいくと民主党を分裂させることになるだろう。小沢は民主党内にとどまって自分の政治意思を反映させる道を選べない。そうするとまた、党を割ってどこかと組むことになる。自民、公明、自由党の連立の再現の様な事をになる。以前やっていた事と同じである。
日本の今おかれた内外状況は政治混乱を繰り返す場合でない。