反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

8、15。日本は民族、国家の分母よりも個性、人格の分子を大きく。

 多くの日本人にとって民族や国家は自分の存在の基盤、前提であり、その特性から逃れる事ができない。
だから、民族、国家は分母の様なモノ。
 一方。それだけは個人は存在しているわけではない。個性属性は人の数ほどある。
 
 冷戦後の世界資本主義の「発展」で地球規模で市場化が急速に進行している。企業活動は世界市場を前提とし基盤としているし、その他どの分野でも世界に直接つながっている。
 
 世界市場を見渡してみると、ブラジル、ロシア、インド、中国のような人口も潜在的経済力、大きな市場規模の国が世界市場のプレイアーとして急速に台頭している事実がある。さらには韓国やシンガポールの様な小回りのきく高度資本主義国の台頭も見逃せない。
 
 日本の戦後世界で形成してきた政治的立場、経済的立場も、このような新たな新生事物と旧来のアメリカを筆頭とする先進国との絡み合いの中から変転していかざるえない。
 
 具体的には現憲法改憲、GDP世界第二位と称する経済的立場の後退である。
  
 日本の新たな世界情勢における国家的民族的将来像もある程度予測されている。日本には限界があり、其れを前提とした国のあり様が求められている事は否定しょうがない。
 
 人口、資源、政治力、軍事力、資本力、市場規模などの要因での日本の限界は新たに台頭してくる国々と比較しても明らかだし、先進国の間でも大きな限界を背負っている方だという事実が明らかにされつつある。
 
 さらには、今世界市場はかつてない様な地球規模の急速な再編過程に遭遇している。
世界には膨大な過剰資本が渦巻いて投資、投機の機会をうかがっているし、生産資本は過剰である。
これを背景にこれまで世界市場で先進的であった国が国内的には成熟、過剰から停滞に突入し、先に示した様な潜在的な力を持つ国々が世界の過剰資本の投資先となって急速に台頭いている。
 
 ここにおいて、世界市場は古いものと新しいものとの激しい葛藤の段階に突入しているのである。
 
人類はこれまで世界市場規模の急速な再編過程を世界戦争によってしか解決できなかった。
この事実の強烈さはロシア革命という新体制が成立したにもかかわらず、人類は二度目の世界市場の分割戦に行わざるえなかった、事でも明らかである。
 
 もちろん、今の世界市場の再編過程はこれまで資本制の中で、あるいは外で眠りこけていた国々が世界市場の重要なプレイヤー路として台頭してきているという事実の違いはある。
 しかし、この世界史的変動を主導するのは人ではなくて、モノ=世界資本、世界金融であることに変わりはない。この点でもはや、世界史の大きな流れは政治のコントロールの効かないモノとなってきている。
 
 かくして日本の現状もこの流れの中に翻弄された一部になっている。。
 
これから先の政治の課題は本質的にコントロールし様がない世界経済を人類がなんとか自分たちにこれまでの様な世界的被害をもたらさずに、少しでも良い方向に向かわせられるかということである。
 
 この点において世界中の人は英知を全力で傾けなければならない。
決して過去の様に国家や民族を前面に掲げては解決ではなく対立と混迷を深めるだけである。
 
 英知とは個々人が分母である民族や国を強調するよりも、個性属性の分子を大きく、高めて様々な方法で結びあっていくことである。
 民族や国家には其々特色があり、良い所もあれば悪いところもある。
一面の強調は世界で受け入れられるものではない。日本人というただそれだけでは何者であるか、全てを体現できない時代、世界が今後ますます日常生活で迫ってくる。
 
 だから、個々人は個性属性を磨く必要が出てくるし、その総和の中に日本の未来はある