最近の為替市場の急速な円高の進行、これと連動する日本の株式市場の落ち込みに対してNHKのニュース番組では日本の金融当局の長期に渡るゼロ金利政策、アメリカ、ヨーロッパ金融当局の個別事情から、日本政府の対策は見出しづらいとの、まっとうな報道をしている。
当たり前である。
私の様なシロウトでさえ、少しばかりの経済方面の理屈を寄せ集めるとそういう結論に達するのだから、専門家を自称するモノが、それ以外の結論をいくらマスゴミと揶揄されていても公共放送で述べ立てるわけにいかない。
その枠を外れて踏み込んだ発言をすれば、現状に悪影響を及ぼし、各方面から厳しい非難を浴びる事を承知しているからである。
>> ところが、この事実認識を述べているにもかかわらず、
この金融詐欺師は言う。
詐欺師野郎!
テメエらが11月中間選挙を前にして、金融の量的緩和なる政権の利害、一国の利害だけ追い求める目先の政策に走った結果、世界中の膨大な過剰資金を操る相場師どもが、これを奇貨として、ドル売り、円買いで儲けに走ったのである。
だから、とりあえず、原因はハッキリしている。
当ブログで再三にわたって繰り返し指摘しているように、ヨーロッパ、ユーロ圏の成立、潜在的に巨大な経済力を秘めたブリッグスの世界市場のプレイアーとしての登場はこれからの世界市場が戦後史を画する地殻変動期に突入していく事を指示している。
この戦後史を画する前提条件があり、其れを明確に自覚するから、アメリカは一国利害を根底的に追い求め、この元に周辺衛星国を巻き込んでいく以外にない。政治的のも、軍事的にも、経済的にも、これがアメリカの戦略である。
さらに、今般の金融緩和策の世界経済に対して犯罪的なのは、量的緩和とは単なるドルの増刷でにすぎない事だ。
何が量的緩和だ!格好つけるなよ!
これは資本主義の以前でも、策に窮した権力の一番、デタラメ、無責任な悪貨の乱発政策だ。当然にも巷では悪貨への信頼感が低下していく、という物凄い原始的な動きが発生する。
現状。円高とはいいかえると、ドル売りの裏の側面である。これをやる前に、アメリカ政府は当然、ヨーロッパの金融、財政不安も見越して、結果として、膨大な世界の過剰資金の投機先は円買い向かうしかないのは読み込み済みなのである。
もっといえば、アメリカ政府の当面の事情、一国のみの当面の利害を追い求める手前勝手な金融政策が実行できるのも、衰えたりとはいえども、未だ国際決済の手段となっているドルの地位があるからだ。
さらに。
日本という経済力はあっても、それに全く対応できない、政治力、戦略力の羽をもがれた国が存在するからである。
だが、日本政府は円高阻止=ドル買いをできない。財政的にも世界政治的にも。
今の世界経済で各国、各経済ブロック間の利害はバラバラ。膨大な投機資金が実体経済を混乱させても強調して対処できない。アメリカ政府の金融政策の逆行をして、円高対策=ドル買いをする戦略的能力を歴代の日本政府は形成できなかった。
これをやるということは、金融面で普天間基地海外移設を直談判し、譲らない様なものであろう。
アザトイ魂胆が透けて見える。
円高には打つ手がないと理論的にはキャスターが言っても、映像で国民の意識を反民主、反政権に情緒的に誘導しているのである。
国民はこういう根本問題には情緒で対応してはダメ。
政治や政府ができることには大きな限界があると知るべきである。
当面の生活に困っている方が大騒ぎするのは当たり前で、大いにやるべきで、其れが民主主義だ。
ところが、そうでない方たちまでが、何でもかんでも政府頼みで早急な結論を求める政治習慣がマスコミによって植えつけられている。
すぐ悪人、犯人捜しをする。
頭と感情を事業仕分けしてから、偉そうなことは言うべきである。