反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

APECはイラナイ!グローバル資本制とアジア太平洋諸国民の利害は水と油

 11月13日14日横浜で開催されるAPECはグローバル資本の強盗どもとその手先が一堂に解するセレモニーだ。
 マスコミはこれら反国民的な輩のセレモニーにすぎないモノをあたかも何か意味ありげにねつ造報道し、アジア太平洋諸国民にグローバル資本制への共同幻想を煽っている。
 
 当日、横浜現地に駆けつけ、APEC反対の集会、デモ、講演会を開催するモノこそ、アジア諸国民の本当の友だ。心から彼らとともにある事を誓う。
 
 官憲は不必要な警備を解いて、APECに反対する人たちの、アジア太平洋諸国民への意見表明を邪魔してならない!
 
 グローバル資本の世界中でやっている事の病根が至る所で吹き出ているのに、これに反対する声が日本国内に上がらないとしたら、日本人の恥である。横浜現地に賭けつけてAPECに反対の狼煙を上げる行為は日本人の良心を代表しているモノであり、正義の戦いだ。
 
>>>以上、あくまでも正統派の立場を貫き、大情勢から問題を立てる方法論を大切にしているモノとして当然の見解だ。重要な問題になればなるほど、己の立ち位置を鮮明にせよ!これを肝に銘じている。
 
>>> しかし、ここから先はいつもの理屈部門に突入する。
 
1)GDP=賃金+企業利益+固定資本消耗+輸出入に課せられた税金ー補助金
 
2)GDP=民間消費+民間投資+政府支出+(輸出ー輸入)
 
 私はネットで閲覧できる範囲の最高の経済財政の理論家として植草一秀さんを高く評価している。シロウトにも解り易くて奥が深い。
 
植草さんが財政、経済問題に関する大枠の意見を述べられる時、根底にある公式は、多分、2)である。
 
>>民間投資のGDP押し上げ要因としての具体的指標は機械受注額など設備投資要因。ここが上向きにならないと実体経済はキビシイ。今、この部分の数値が変化がどうなっているか?
 
 長期の動向からすると、日本では大企業が生産する工業製品の中核部品生産の分野までコスト、パフォーマンスのいい海外生産に切り替えている。さらに、大企業の下請け工場群も上から買いたたかれているので、海外移転を積極的に推し進めなければ、経営が成り立たなくなっている。
 
 >>次に、政府支出部門である。
 
 この点に関して植草さんの基本的立場は日本経済の現状は厳しいから、緊縮財政をやれば経済は失速する、と財務省の姿勢を財政再建原理主義と過去の政策の不要なジグザグの具体例を挙げて批判している。財政出動しなければならない時、緊縮に転じている。今がその時で、財政が出動して縮小傾向にある経済を底支えしなければならない。
 
ところが管内閣の予算措置は緊縮である。
 
 日本の支配層は3分の2の国民を助け後の3分の1は官民の強制力によって支配するか、マスコミを使った共同幻想で取り込み統合するしかないと腹をくくっている、これが私見であり、植草さんの様な穏健な立場に立たない。
 
 民間消費部門の低調はバブル崩壊後のGDFデフレーターの一貫した低数値の主要因である。
 この点に関して、日本はアングロサクソンユダヤ社会並みの格差社会になっている現実を相対的貧困率社会保障費給付率という具体的数値を挙げて私は再三説明してきた。
 
 これを別の観点から見ると、日本の労働市場は韓国や中国という低賃金中進、新興工業国がすぐそばに存在するのだから、何もしなくても賃金水準は下がっていく。日本の労働者階層は事実上、中国や韓国の労働階層と同じ市場で争っている様なものだ。水は高いところから低いところに流れる。資本とはそういうものだ。
 
 小泉竹中路線はこんな状態の原則的方向性があるのに必要以上の規制緩和をしてしまった。
当然、資本の基本動向としての低賃金の海外流失による雇用機内の減少に環を掛けて国内に低賃金労働層を生み出していまった。
 
 国内の広範な低賃金層もあって民間消費は冷え込んだままだった。
 
>>>最後に、経常収支。日本国内の産業構造は輸出独占体とその下方関連企業群に占める位置が大きい。
経団連企業の中核はこれら輸出独占資本である。GDPデフレーターが低迷しているのに日本経済が何とか持ってきたのは、経常収支のプラス部分があったからと、判断できる。
 
 が、言うまでもなく、ここに取り込まれた付加価値は定式1)の企業利益に分配され、賃金額総体への反映は鈍かった。
 換言すれば、輸出独占体が獲得した利潤は一部の労働貴族に分配され、下方には回ってこなかった。
 
 なお、この際だから確認しておくと、労働貴族という概念は帝国主義の超過利潤の恩恵を受ける労働階層一部上層部分である。マスコミ正規社員、電波芸者などはここに含まれる。単なる規制ががどうしたこうしたよりも根深い問題が見えてくる。
 連合大組合幹部などを労働貴族と呼んでいるが、正しくは「労働官僚」。
 
 これらの論議を政治的経済的にキチンとしたのはレーニン帝国主義論」である。
レーニン労働貴族、労働官僚の概念をキチンと区別して使っている。高賃金労働層の広範な存在を基盤として資本との戦いを回避する労働官僚を広範に生み出している、さらには彼らは民族主義愛国主義に労働者を動員し、本来なら、立場の同じはずの他国の労働者と帝国主義の不均等発展に起因する世界市場の再分割戦情勢の中で排外主義的に敵対させ、終いには戦争に動員する一翼を担う、こういう文脈で、レーニンはこの両者の概念を使い分けている。
 
        <水と油は交わらない>
 資本と労働の利害は対立する。この点で絶対的矛盾であるが、労働者は自分の労働力を市場に売る事でしか生活の糧を得ることはできないのだから、資本制の枠内では資本がなければ飢えてしまう、という同一性もある。
 
 TPPが実施されて、外国の安い農産物が入ってきて生活が楽になるのか?
ならないばかりか、賃金はそのために下がる。これが経済法則だ。
 
上の解説は労働力商品論の入口のつもりで書いた。
労働力商品は価値は他の商品と同じくそれを作る社会的必要労働時間によって決定される。
 
 では労働者の労働力商品の決めてなるのは何か?
 労働力を再生産するために必要な日常生活費+子供の教育費などである。家や車も国の生活水準によってはこの中に入る。大方の労働者は子供にたいした財産も残さず、一生を終える。
 
 で、安い農産物が日本に流入してくれば、労働力商品の再生産費がその分だけ安上がりになるから、労働者の給料は下がってしまうのである。これは時間を掛けた傾向的経済法則である。安上がりでキチンと使える労働力商品を手に入れる事ができる。
 
 デフレ状態が長く続いて、生活費全般が安くなって、賃金が下がったのである。一般的説明では賃金が下がって購買力が落ちたから、生活関連商品の価格が下がっているといわれているが、事はそんな単純なものでない。
 
 経営者は感覚的にこの事実を知っている。だから、生産性の低い農業なんか守るカネはできるだけ節約したい。特に金融資本に国境はなく、実にアナーキーな存在である。生産的資本も今は国境を越えて展開している。
当然、一国規模の経済を大きくはみ出した存在である。
 その恩恵を受ける労働貴族の生活形態も国境を越えて「自由」がきくようになっている。
 
 しかし、それが多くの国民の生活実態に即したものであろうか?
また人間の生きる上での本質的必要物をむしろ否定するものでないだろうか?
 
 水は絶対にいきていく上で必要だが、油は本質的になくても生命は維持できる。
グローバル資本は世界中を油まみれにしていく。そして人間が生きていく上で大切なモノを商品化し破壊していく。
 世界中の人々のグローバル資本への戦いが遅滞しても、地球環境が氾濫していくだろいう!!
経済が停滞すると成長戦略が出てくる。そして成長できるところに巨額の資本が移動し、全体の経済規模を仕上げ、環境を破壊する。
 
 こうした連鎖はどこかで止めなければならない。新しいモデルが実行に移されないと破滅する。