反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

ビデオ流出釈放43歳海保官へ。I really don't want to know(知りたくないの)

 「知りたくないの」は菅原洋一さんが苦節の末にヒットさせた唄。原曲はカントリー、ミュージック界の大スター、エディ、アーノルドの持ち唄、I really don't want to know 。訳詞をしたのが、当時、無名だった、なかにし礼さんだった。二人にとって共に出世作になった訳だが、訳詞は解り易い原曲を忠実になぞっただけだが、一か所独創的なポイントがあった。
 
 忠実に訳せば「あなたの事など知りたくないの」となるところだが、{あなたの「過去」など知りたくないの}と礼さんは解釈した。その事によって、歌詞が日本人の心にストンと落ちるモノになった。演歌調がフィーチャーされたようになって、大人の歌としてじわじわと売れ始めた。
 
  >>危なかった。「知りたくないの」の歌詞がふと口をついて出た時、don'tを入れ忘れていた事に気付いた。入れなければ真逆の意味になって、海保官のビデオをぜひ見たかった事になり、その行為を前面肯定することになる。
 
 海保官は無罪釈放されたわけだが、テレビ新聞を見ないので、報道の影響でどのような国民意識が形成され、釈放への圧力になったか解らない。
 ただ、煎じつめると、昨夏の政権交代は今のところ日本をいい方向に向かわせていない。次の国民をより一層苦しめる政治の準備段階の様な気がする。
 
有権者の49%の支持を得た民主党だが、その時点でも自公政権側の支持は38%もあった。
 49%の内、半数ぐらいは腰の定まらない浮動票だろう。
 
 日本人は非常に変化を嫌う保守的な国民性である。
 
 これは以前、当ブログで敗戦直後の総選挙における保守票の圧倒的多さを指摘した時、書いた。
日本人は戦争に負けても当分の間、戦前の意識から自力で抜け出せなかった。この国民意識を基礎に敗戦直後の支配層はGHQとの交渉において、憲法に戦前の遺物を混入させようと、狙った。
 
 結果として天皇制と官僚制は軍事官僚を除いて生き残った。日本国憲法は1~8条はいきなり天皇制の権限と義務の規定からはじめている。この天皇制の認証官としての官僚制の頂点に威厳を与えている。同時にそれは、アメリカ占領統治に都合のいい様に換骨奪胎されている。
 戦後の象徴天皇制と官僚はアメリカ製である。
 
敗戦後本当の国民意識の変化が選挙レベルでハッキリしてくるのは数年、経過してからであり、それはGHQ占領政策民主化効果によるところが大きく、国民自身の力で変わっていったとはいい難い。
(GHQ当局は大手新聞の労働組合民主化する一方で、正力松太郎に代表される戦前的経営者を公職追放した。この政策にによって、GHQ好みの民主化政策の大手新聞による宣伝が可能となった。戦後マスコミ報道のの原点はGHQ政策にあり、戦後民主主義もそのマスコミ宣伝によるところが大きい。それでも国民が民主主義を運動的組織的に我がモノにしかけた時、冷戦体制が日本国内で実施され、そういした組織はGHQによって潰され、替わりに公職追放者の公職復帰が行われた。その後、55年体制へと移行するが、その民主主義は形式的な側面が強く、国民生活に根をはっているとはいい難かった)
 
 高度成長後の日本人の意識変化の実態がこれから問われることになるだろう。
 
 東アジアでは第二次大戦後も1950年代半ばごろまで、戦争状態が続いていた。これはヨーロッパのにはないことであり、1960年代にはベトナム戦争が続いた。
 
 日本資本主義は冷戦体制と局地的大戦争の継続の中での需要を満たす形で強蓄積構造を形成していった。もちろん国内的発展もあったが、それだけではない事を我々は知らなければならない。
 
 冷戦体制と局地戦の継続という特殊環境に恵まれた発展であり、冷戦体制が崩壊し、中国が大国化し、アメリカ主導の戦争が実際東アジアでできなくなり各国の個別利害の対立が激化すると、必然的の日本は自主的政治判断を迫られるようになり、高度成長以降の国民意識=国民政治を育んだ冷戦的温室環境は一気になくなってしまう。特殊環境に恵まれその中で育まれた国民意識=国民政治はぜい弱性がある。 
 
 世界市場の再編成過程がドラステックに進行していく時、特殊環境に恵まれ育まれてきた国民意識=国民政治は大きく動揺せざるえない。自公政権末期から現在の民主政権に至るまで、支配層も含んだ国民的政治動揺、ぜい弱性の露呈のただ中にあると理解する。
 
 来年は憲法変える準備をする国民投票条例が施行される。
 
 我々は普天間基地問題で揺れ、結局、退陣せざるえなかった鳩山内閣の8カ月を吟味しなければならない。 あの時、アカラサマになったネットワーク的に存在するアメリカ権益の影響力、米軍基地の力は自主憲法制定なるモノによって、後退するのではなく、より一層、強力になるのである。自主憲法制定によって、むしろ日本は今まで以上にアメリカに隷属するのだ。 
 
 なぜなら、自主憲法制定を推し進める政治的中心は冷戦構造の中で戦後アメリカ培養された政治家たちやその後継者である。また新しい部分は完全なアメリカンイデオロギーアングロサクソンユダヤ)の信奉者である。 
またアメリカは自力の後退から、憲法的制約にない日本の政治軍事で世界戦略を分担させたがっている。もう日本に憲法的制約を課さなくても操れると自信を深めたのではないか。
 
 敗戦による制約性から解き放たれた日本の政治、軍事はより一層、アメリカのコントロール下に置かれ、アメリカの世界戦略に隷属していく。
 
 しかし同時にその方向は日本の東アジアで孤立する危険をはらんでいる。気がつくと周りが敵だらけ。
 
 残念ながら、日本の様な基本が変わらない保守的な政治には必ず、歴史は繰り返す、と思う。
今現在、日本人は間違った迷路を進んでいる途中。
 その歩みは次第に足早になっている。
 
 民主党政権の次の政権は国民の多くにとって過酷なモノに成るしかない!断言できる。自民党参院選の選挙綱領を見ると、とても温かい血の流れている政治家の書いたものとは思われない。経済合理主義一辺倒のロボットの作文である。新市場原理主義が満開し、多くの国民は至る所ところで格差に苦しむ。
 
日本経済の戦後の急発展に捨てるモノが余りにも多すぎた。均衡発展では全くなかった。附けは必ず、回ってくる。国民が決済しなければならない。  
 
   <<<と、ここまで書いてきて、43歳海保官に辿りつけない>>>
理由はハッキリしている。
タイトル通り、私は海保官が職を掛けて国民に知らせようとした情報にトントと関心が薄い。
 私はネット上にばらまかれた当該映像も全く無視した。正直、こんな事で大騒ぎするのは馬鹿じゃないか、と。
ヒジュウニセイシンテキニヨウチデアル。
 
 ただし、これだけはハッキリしているから、何度でも繰り返してもいい。
 
 私は、尖閣事件の発生当初のブログで、この問題を領土問題ととらえる一方で、海上保安庁問題、前原誠司問題、管内閣問題として提出しておいた。
 43歳海保官のビデオ流失が明らかになった時、正直言って、余りにも予想がぴったり当たっている事に胸が高鳴った。海上保安庁に問題はやはりあったのだ。過去の事例もある。そこから類推できる事だった。
 
 >>>あのような中途半端な組織は必ず、現場段階でトラブルを引き起こす。
 
で、問題の核心は馬鹿な役所が引き起こした、現場トラブルを指揮ルートに沿って、どういう形で迅速に措置するかだ。
 現場、海保組織体制、政府レベルの政治判断力。これらすべてに問題があった。
 
 >>次のブログでこの問題を海保庁の歴史に遡って調べてみた。
 
 すると、この役所は元々、現防衛省の前身組織、保安省への合併対象にされていたが、当該の激しい抵抗で現状の様な国交省管轄に経緯している。
 こういう官僚縦割り行政に甘えた様な役所が中国との国境紛争海域の{漫然}と制海活動を行っている事に問題の核心がある。
 現場では一生懸命やっているとかは関係ない。組織体制を問題にしている。だから、それを問題にしない、できない、から、漫然なのだ。
 
>>>43歳海保官の様な甘えた、精神年齢の低い役人が出てきても何ら不思議でない。
現場では「人のいい、真面目な人柄だった」というが、裏返せば、そういうある種の「異常環境」で真面目なら世間では非常識になる。もっといえば、その行為を許容する世間が非常識なレベルに落ち込んできている。
 
 >>>海上保安庁自衛隊。どれも世間と隔絶された密封空間である。
従って、世間になじまない人格が形成される危険性が絶えず、ある。私は多くの元自衛官が仕事環境になじめない現実を見てきた。
 彼らは特殊職である。
世間はそういう目で見なければならない。
だから、深い意味でシビリアン、コントロールが要求される。
 
 こういう軍事関係の人間、行為が世間でもてはやされるようになれば、世間が軍事化されているということである。日本の様な通商国家としてしか生きる道がない国にとって、それがいい方向なのか、若者が中心になって考えなければならない。これは日本の長期的な問題である。情緒の問題ではない。
 
 も一点重要な事を付け加えると、尖閣事件の政府の初期対応の背景には日本政府が自らアジア諸国に提出してきたアジア経済圏構想を引っ込めて、アメリカのTPP構想に乗っかっていこうと決断したことが背景にある。
 
 アジア地域での苦労の多い外交交渉を避けてアメリカ戦略に移行した、その最先兵をになった前原だからこそ従来の日本外交における尖閣問題処置の範囲を大きく踏み出した。
 
自民党時代にない事であった。
 
>>前原の様な日本の利益を損なう政治家が指弾されず、堂々とまかり通っている現実はいかに今の日本政治の中枢にアメリカが浸透ているかの証左である。
 
 アメリカは根本的に将来的に世界市場において経済利害の対立する日本から、どうしても利益を引っ張りたい。
そこであらゆる手練手管を要して日本の政治と軍事を籠絡しようと必死なのである。
 時代が冷戦時代と全く違っているのにアメリカは極東アジアで偽冷戦構造を演出し、日本や韓国をそのくびきに繋ぎとめようとしているのである。
 
 自由貿易が続けば、近隣諸国との取引がしだいに多くなる、こういう当たり前の事実が進行し、今や日本の中国韓国台湾とのモノ取引は対アメリカを大きく上回っている。この傾向はこのままの状態が続く限り、拡大する。
 
 そもそも、日本中国のアジア経済圏構想にアメリカは含まれていなかった。
バブル崩壊を受けてアメリカのTPPなどを口実とする巻き返しが始まっているが、この過程は自由貿易体制の拡大ではなく、世界市場の再分割戦の進行と見なければならない。
 全ての国は一国の利害で合従連衡する。
 
日本はどうしたらこの中で戦略的選択肢を確保できるか、単なる外交問題としてではなく内政問題として取り組まねばならない。