今回の大災害によって、今後、複合的な大問題が被災地の方々だけでなく全国民を覆い尽くすだろう。
この6月ごろまでの政局いかんによって、日本の進路が大きく左右されるだろう、予測していたが、まさか、こういう事態が決定的転換点の局面に加味されるとは。
歴史はこれまで屋外の出来事によって決定づけられてきた。
この甚大な災害は日本史にクッキリとした政治的転換点として刻まれるであろう。
こういうことを今現在あからさまに書いてはいけないが、甚大災害を奇貨として管政権は非常時政権の様な存在に転化し延命した。
それが政治の実態、力学である。
まず、現時点で管政権が6月を目途に「平成の開国」と称してTPP参加を国家戦略として強引に押し出してきていることから、ここ数年の日本の国家政治路線なき政治を振り返ってみる。
成長するアジア市場への戦略を巡って、当該国の日本、中国、アメリカは各々個別に各国に機会あるごとに自分たちの戦略を訴えてきた。
当初、日本の外務省の提起してきたアジア経済構想にはアメリカは含まれていなかった。中国案と違うところはオーストラリア、インドを枠内に入れている所だった。
アメリカ案は調べてないから解らないが、現在の様なTPP路線などではなかったことは間違いない。
この時点で外務省官僚路線の第一回目の変更があった。
だから、この構想は自民官僚合作の(政権として掲げないが)、対アジア国家戦略ともいえる。
そのもっと根底には私が再三指摘している様な矛盾がある。
経済的に相対的に離れて云っている日本を戦後形成した政治軍事の緊密関係を利用して、繋ぎとめようとするばかりか、カネ、モノを還流させようとする。
これがアメリカの対日戦略の基本である。
安保の日米同盟への変質は日米間の経済と政治軍事の股裂き状態から、日米の利権癒着層の利害を見据えて合理化したモノである。この構造そのものが日米間の力関係、アメリカの力の世界における相対的低下から、日本の余剰の収奪に必然化する。
小泉竹中路線が続いていたら、日本国民は手ひどい収奪を受けていただろう。
その意味からも政権交代の選択は正しかった。
>以上の文脈の中に既に管政権の実相が浮き彫りにされているモノと考える。
小泉竹中路線への螺旋的発展回帰であり、多数派国民にとって重税、TPPでもっと酷い内外からの雁字搦めの新市場原理主義による恒久的収奪構造の形成となる。
こういう特殊社会経済構造から利得を得ることができるのは日本の企業、国民の中の極一部である。
その極一部が国家とその宣伝機関を握っているから、彼らの都合のいい情報が絶え間なく垂れ流され、国民に刷り込みを入れる。
>現状への批判はここで時間の都合上、割愛する
>今回の激甚災害。イロイロなことが目の前に提示されている。
何重にも厳しい現実が重なっている。
日本の経済発展神話、技術神話は曲がり角にある。
一度、グーグルその他で日本列島の宇宙写真を見た方がいい。
列島はヨレヨレの複雑な激変進行中のちょうど境に位置して、地形そのものが激烈な天変地異をモノがったている。プレートが衝突し、列島すぐそばに深海が切れ込んで、裂け目からはマグマが噴出している。
でも経済発展第一主義が強行してきた。
全国各地に危うい核爆弾もどきの地雷を国策として配置している様なものである。
それなら、そんな天変地異に左右され、国防の真逆をいくようなモノを全国に配置しなくて、核兵器でも一生懸命作ったらどうか。
原発なんかよりもっと安全である。悪い冗談だが。
>成長市場への官民一体化したインフラ売り込みに躍起になって、経済停滞の脱出口を見だしている。お隣の韓国は先頃、日本など競争相手を差し置いて、アラブの石油省国への売り込みに成功した。
次期オリンッピックの開催されるブラジルの原発受注条件は厳しい。メンテナンスまで付帯条件になっているらしい。
日本の新幹線設備売り込みも安全面から海外基準に合わず、競争条件は厳しいらしい。
電子機器においても後発国の追い上げは厳しい。
日本製品の様な高付加価値製品は後進市場では価格競争面で苦しい。
転換しているようだが、いずれにしても、海外生産は避けられない。
生産設備に重要な役割を果たす機械製品においても、これまで国内生産してきた中枢部分の生産拠点を海外に移転させるようになっている。
日本のこれまで最も得意としてきた工業生産部門においてもユニクロ化は進行している。
海外資本輸出は国内での徴税を困難にする。
企業は巧妙な税金逃れをする。
>以上の様な事情を踏まえると今回の激甚災害。
国家がきちんと対応しなければ、日本の海外での風評は一気に下落する機会となる。
>「国民の生活が第一」で対応せよ!被災者を徹底的に守れ!
>原発事故への対応。
「きっこさん」が世田谷通信でNYタイムス報道の骨子を翻訳している様に時間がかかるというのが一番正しいのではないか。
現場は一種の戦争状態だろうと想像する。
現場作業員を命がけで戦っている兵士にしてはいけないと思う。
作業員は恐怖感と戦いながら作業している。まず何より彼らの安全が確保されなければならない。