反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

福島原発事故。素朴疑問。海岸線立地。原発の熱交換率、追従負荷運転。日本での本当のコストパフォーマンス。ETC。

 ネットで調べても、福島原発事故の現状で解ることと解らないことがある。
その方面の基礎知識がないので解説されている内容の字面を追っているだけの部分が多い。
 
 物凄く込み入った解説は理解不能だった。
でも、そこが理解できていないと、現状を自己判断できないような気がする。
 
 直接、被害の及ぶ範囲の方はアレコレの情報を選別する能力をつけるため、差し迫った問題として基礎的な勉強をした方がいい、と思う。ネットの閲覧だけではダメ。読みやすい解説書をひも解くしかないだろう。
 
 私ならそうする。難しいことは基礎的学習がなければ、理解できない。
そうしないと、結局、解説者のあれこれの文字や言葉を感情で判断していることになる。これでは、自己判断の類からは程遠い。
 
 >そんな状態だが、ネットで調べて意外に知らなかったことをいか羅列してみた。理解できないことは除外したが。
 
 
1)原発はなぜ海岸線にばかり立地しているのだろうか?
 
 圧力容器って平たく言えばボイラーのこと。ここにジルコニウムで被覆されたウラン燃料棒を突っ込んでウラン原子核が分裂するときに発する巨大な熱を利用し、水を300度に沸騰させて蒸気タービンを回して発電している。
 この基本構造は燃料に油を使うかウランを使うかの違いだけで、火力発電と変わらない。
ただし、ウラン核分裂の熱を利用することで大きく違っているところが何点かあるが、後に取り上げる。
 
 
 >ここでは原発海岸線立地をみていく。
A、海岸線立地は300度沸騰ー蒸気タービンー熱交換器ー圧力容器の水の循環系統の熱交換器部分で熱湯を冷やす必要から海水を汲みあげて利用しているからだ。
 
B,、熱湯を冷やした海水は高温であったまる。
その海水を海に排水する必要もある。冷却装置で冷却しているかどうかは解らない。
 結果として海から大量にの海水をくみ上げ、海水より、6~7度高い処理海水を垂れ流している。
一説にはその総量は日本の河川が海に注ぐ量と等しいと云われている。
普通の海水温度より高い分だけ海水に溶け込んでいた二酸化炭素は大気中に蒸発する。
 
 <従って原発二酸化炭素を出さないとは大ウソと>
 
C,、海水が絶対必要だから海っぺり立地しているだから、巨大津波対策は一番肝心な事。
 地震対策は私も現場作業従事者から直接聞いてかなり入念と想ったが、それでも万全でない。
 
 津波対策はお粗末限りなかった。完全な人災だ。
植草一秀さんの指摘する過去の巨大津波への対策は原発施設の周囲を鉄壁な巨大コンクリート塀で覆うしかないだろう。海岸線に防潮堤を設置する程度ではダメだ。
 物凄い工事になり、はたしてコストパフォーマンはどうだろうか?
 
2)原発は熱効率が悪い。
 これは知らなかった。
火力発電所の蒸気温度は600度。原発の蒸気温度は300度。
ボイラーの熱効率は蒸気温度が高いほどいい。
高い温度の蒸気の方がタービンをより強く回転させる。電気を効率的に発生させられる。当たり前のいことである。
 
 原発が300度の蒸気しか発生させられないのはウラン燃料棒の被覆するジルコニウムが450度以上の高温では溶け出すからだ。
 
 火力発電の熱効率43%。 原発30%
 
3)様々な負担(マイナス要因)の割に発電出力は低い。
建物への重大配慮。人員の被曝可能性。 燃料消費量(これは多分、冷却運転などに要する電力やウラン精製にかかるコスト?)。
放射性廃棄物排出の問題。
 
>もっともアレコレ説明されるまでもなく、目の前の事態を終息?させるためにかかるコストを想定すれば、解ることだ。付けは必ず、回ってきた。
 
日本の様な条件下では国家と国民生活が傾いてしまうほどのコスト面での問題点が実際にあったということだ。
 
 >この項目を突き詰めていくとなぜ?原発推進派が二酸化炭素排出の温暖化問題を原発推進の最大の理由にするか理解できる。
 
 コスト面では理屈からいっても原発は安上がりでない、だから後は、温暖化対策で原発の必要性を持ってくるしかない。
 先日、ラジオで原発スポンサーの付いているシマ、カズヒコの深夜番組を8時から特別枠で放送し、先年開かれた環境国際会議の話題を取り上げていた。
 奴らはこんな事態になっても巻き返しをしようと企んでいる。
とんでもない事態を引き起こして、何が環境問題かよ!本当の意味で事故の終息なんかない。聞いてあきれる。
 が、こういう太い腹の奴らだ。
 
 話は変わるが、私の実家では子供のころから、ソーラーを利用していた。風呂なんかこれで間に合った。ずっと以前のことであるが、どうしてこういう自然エネルギーを利用する方向に国全体が向かわなかったのだろうか?
やればできたんじゃないか。
 
 
4)原発は負荷追従運転はできない。
燃料棒、と被覆は450度以下しか耐えられないばかりでなく、電力需要に応じた減速運転をすれば、ピンホールなどの様々な問題点が生じるため、主ベース需要を受け持ち、変動部分は負荷追従運転の可能な火力発でに頼っている。
 
 要するに原発発電は融通が利かない、危険もある、コスト面でも問題がある。
だから、原発推進は限りがあるということだ。
 
 この辺の事情は危険性はよく指摘されていたが、明らかにされてこなかった。
 
>今回の事故で東電側の計画停電が予告されては中止されてきた事情も原発発電の限界から見ると明らかだ。原発はあくまでも全体の電力需要の一部しか負担できないモノだったのだ。
大陸プレート上の原発大国と日本とでは立地条件がまるっきり違っていることもある。
最後の附けは結局払わされた、と云うことだ。  
 
5)台風の季節になると巨大な渦巻状の気流の外側まで放射線物質が拡散される。
 だから、現在の気流想定は一部で無効だ。
台風の渦巻の中心では核汚染物質を巻上げる集中力が、外側では遠心力が働いて、核汚染物質を全国的に拡散する可能性が想定される。
 
今想定している大気の状態は台風時を予測していない。
ネットでこういう意見は開陳されていないがどうだろうか。
 私が旅した限りでは日本は狭い。安定的気候にも恵まれていない。
季節の変わり目ごとに大気の状態が不安定になっている。
今の核汚染物質の飛散範囲の想定は見直す必要がある。