いきなりですが、タイトル通りのイメージを確定する事故原発主要構造物の数値を列記します。
1、ウラン比重 19 (鉛の1、7倍。鉄の2、4倍)ウランより重い物質はこの世に二つしかない。
劣化ウラン弾の貫通力の一つの要因はこの比重の重さにある。
2、ウラン燃料棒溶融点 2800度
3、ジルカロイド合金被覆、溶融点 1850度 溶け出す時に酸素と結合(水素発生)
4、鉄の溶融点 1600度 1号機圧力容器厚み16センチ 格納容器3センチ
5、建屋の基礎構造は岩盤に柱を打ち込み周囲を太い鉄筋で支持し、床面は重層する鉄筋の分厚いコンクリ
>>今、進行中の事態の方向性が問題になる。
一般的に流附されている一連のメルトダウン爆発連想は間違いである、と想う。
京大、小出さんの様な専門家の権威を持ち出すまでもなく、事態の推移を丹念にたどっていけば、原子力の素人でもそういう結論に達する。
私は未だにこういう連想で騒ぎ立てている人に不必要な「不安を煽るのか!」なんて云わない。
ただ、事実を直視しろって、云う怒りの気持ちはある。爆発連想なら、いち早く東京から、何もかも捨て去って逃げ出す。認識と行動を合致させ、犠牲を払ってもいるので、それはそれでいいと想う。
一つの思想行為の様なものと受け止めている。
>>>ただ現場で進行中の事態は爆発のカタストロフィー、ハルマゲドンではなくチァイナ、シンドロームだ。
タイトル通り、底漏れし、沸騰中のヤカンの中には2000度を超える冷えないマグマの様に溶融している比重の重い20トンぐらいのウランが鋼鉄の圧力容器、格納容器を溶かしつつ、落下していっている。
>制御棒は溶けてメルトダウンした核燃料と渾然一体化している。
ただ、この渾然一体化のバランスの崩れが炉内の温度、圧力変化に影響を及ぼしているのじゃないか?
溶けた制御棒の行きわたっていない個所の核マグマは活性化し、温度を上げて、鉄を早く溶かす。
それに対して現状の即時的対応は汚染水漏れを承知で大量の注水で冷却して、何とか鋼鉄を溶かさないように仕向けるしかない。
>しかし、昨日の記事に書いたように例えば1号機炉内温度100~130度なんて発表されても、それはいったいどの部分の温度測定なのかって問題がある。
メルトダウンした核物質の近辺の温度なのか?そこからかなり離れた沸騰している湯の温度なのか?
>>>溶けたマグマ状の重い物体は全く特殊物体で現状の様な環境で水をかけ続け、冷えていくのかどうかということだ。現状維持だったら、溶融点に開きがあるのだから、核マグマは容器の鋼鉄を溶かしていく。
冷えていかなければ、鋼鉄の融点が1600度だから溶かして、核マグマは下に落下していくしかない。
>>>今現在、注水してもは鋼鉄を溶かし中なのか、底に溜まっているが現状維持なのかどうか?
注水量の変化とか炉内圧力、温度、水位計など計測器のデーターから推測できる。
>>>ただし、計測器が爆発、地震の影響で正確でないという不安が東電側にある、と想う。
中を覗けない、近寄れないという状況で、計測器に不安があれば、事故対策にも重大な影響を及ぼす。
>>>だいたい、冷却系循環の構築は注水できる配管が確保され、水の出と入りが容器内の水中という前提がいる。保安院の西山保安官はそう説明していた。
一番メルトしてダウンの進んでいると想定できる1号機(ここは他の倍の14時間も「空炊き」状態)の底の方にある水位で出と入りの既存の配管が確保できるのかどうか?
>経験上、東電の福島原発現場係員の気持ち、状態は想像できる。
この記事を書く前にネット報道をみていたら、地震直後の超緊迫した環境下の作業内容が報じられていた。
私も経験が浅い時は、今でもすぐ情景を想い出せる様な失敗したことがある。作業経経験不足と技術不足による過失だ。
私の側から、緊迫作業内容を見るのと、事情を知らない第三者の方が読み取るのとでは、かなりの差がある、と想っている。
東電側の当日の対応をリアルに検証していかなければならないが。
>今頃になって、当日の文字に書いた記録、データのチャートが表に出てきている。
すでに東電救済の大枠が決定されたのちというタイミングはどういうことか?
事故調査委員会立ち上げも含めて順序が違う。
>また、その中で緊急対応を巡っての官邸側、東電本店とのやり取りが記録されていない、と報じられている。
一切、記録されていないのか?文字に書かれた記録としては、そういう作業の途中経過までは記録しないのであり得ることだが、一切ないというのもオカシナ事とみる。
エライヒトまで後のち責任が及ぶ個所が見事に抜け落ちてるという訳か?
>東電現場ー本店ー官邸ー官僚のリアルなやり取りと決断から現場の決定的作業(ベント、海水注入)は行われている。
一般的な即応体制問題にしてしまうと、結局、誰も責任を取らず、想定外の事態への体制が整ってなかった、という無責任体制容認に行き着く。
大体、東電発電現場の様な平常、平穏が常態化している制御室の日常業務はマニュアルでは事務屋さんのように点検し記録することが重要な部分を占めている。
そういう人たちが今回の様な破滅的超緊急事態に即応できるかどうか?想像できるだろう。また本店側の海水注入=廃炉をためらい、抵抗した理由も根深い問題を孕んでいるのじゃないか?
>東海村ウラン濃縮作業中の臨界事故現場に駆け付け、陣頭指揮にあたった当時の原子力安全委員会代理の住田健二は当日の福島原発現場対応に「私としても何があったのか、聞きたい、教えてほしい、昔からすると考えられない対応のようだ」との独特の感情を「たねまきジャーナル」で吐露していた。
水野晶子アナはどうして、そこを突っ込まないのか?聴いていて歯がゆかった。
私なりの解釈では、彼がJCO事故収束の陣頭指揮をした時代と今の時代では原発現場を取り巻く社会経済環境が大きく変化している。
かつては技術と作業実務を重んじる世の中だった。
ところが、日本に小泉、竹中一派によって急速に市場原理主義が導入されて以降、社会経済環境が大きく変わってしまった。
そこに強引に騙す様に導入したから、個人、団体、社会が混乱し、市場原理主義の悪い面が一気に噴出したが、私に言わせると、
よその国だと、一昨年の政権交代は大衆反乱を前提としたものだっただろう。
大衆の戦いを背景とした政権であれば、民主党政権のその後ももっと変わっていただろう。
しかし、日本人は、粛々と投票所にだけ淡い「救いと希望」をたくした。
その時点で自公支持票が37%もあった。
私はこの日本人の辛抱強さ、保守性に唖然とした。
DNAを持ち出すことまでしないが、日本人は変わっていることは確か。
東アジアの韓国とも中国とも違っている。
両国で福島原発事故の様な事態が発生すると、まるっきり違った対応が取られていただろう。
韓国だったら、大群衆が街頭に出ていた。東電幹部はタダです生れない。
中国では多分、東電幹部は収監。地元の被災者の所にノコノコと出かけて行って、土下座するような機会は与えられず、収監先で死の恐怖に晒されながら、コッテリと絞られていただろ。
国民性が変わっていようが、世界レベルで見れば、戦う時には戦いの痕跡ぐらいは残しておかなければならない、ということだ。日本国民の今度のためにも。
戦って負けるのは仕方がない。
負け方が問題になる、と想う。
<追記>
巨大な装置に巨費を投じて、回収していく装置会社でも、市場原理主義に犯されてカネの受け第一主義になれば、老朽施設には窓際族的社員や、関連会社の社員が回される、傾向にある。
老朽施設が立ち並ぶ東電福島第一原発でも同じことが言えるのではないだろうか?
住田健二が第一線で活躍中、F1と称する福島第一原発を監査した時、キチンと管理が隅々まで行き届いていて感心した、と述べているが、あの当時はまだ小泉竹中改革の時代ではなく、F1にはF1にふさわしい人材が配置されていたのじゃないだろうか?
理屈からいって、老朽施設は問題を起こしやすいのだから、それに対応できる人材が配置されていた。
ところが、会社が金儲け一点張りになると、利潤率の悪い老朽施設には、窓際に追い詰められた人や関連会社の人の吹きだまりになってしまうことがある。
それらの人たちに恐ろしく、切羽詰まった時の対応力を要求するほうが間違っている。
彼らが、あくまでも、自分の身を守る、を優先するのは人間として当たり前の行為で、間違っていない。