前説
W。1)論文は韓国政治のリアルな変化を前提に韓国側の当時の視線にそって書かれており、日本側の現時点いるWにとって興味深く、新鮮、価値あるものだが、
内容をイマイチ掴みがたいので理解しやすいように改変した。
「反俗日記」では当初、白井聡の最新の見解~「朝鮮戦争終結が『戦後国体』を揺るがせる」末世見聞録①~を取り上げようと準備していたが読み込むうちに
*Wの東アジア認識とは隔たりがある*、
とわかり自分の足元である過去記事を振り返って論点を整理したほうが良いと考えた。
白井聡と*Wの東アジア認識の隔たり*
白井聡を引用する。
「ここで注目せねばならないのは、日本政府が反対している事柄は、制裁緩和や対話路線といった個別的事象ではなく、本質的には朝鮮戦争の終結である、ということだ。
W。以上同意する。
朝鮮戦争が終結宣言が出されることは、北朝鮮がまさに熱望していることだとみられるが、(W。米帝国主義世界覇権による北体制の保障前提という半島の戦後史を画する要求は一見平和要求に見えるが、東アジアでの戦後世界体制の残存国家を前提とするのだから敵対関係にある北の立場ゆえに経済を犠牲にした軍事力確保を背景にしかありえないジレンマ。さらに3代世襲は敵を作り金体制崩壊回避第一にせざる得ないので自らの身を守る先軍政治必要。)
これが実現すれば同国の置かれている状況は一変する。
米日を含む周辺国は、北朝鮮国家と正式に国交を結ぶことになり、通商関係も飛躍的に発展することになる。
(日本との間では、当然賠償問題も発生してくる)
金正恩体制は、先軍政治から並進路線への転換を打ち出しているが(軍事の重油制と経済発展の重油性を等価とする)北がこれまでどれほど北が軍国主義政策をやってきたか鑑みれば、金指導部の本音がどこにあるのか明らかであろう。
経済発展をするためには「開国」しなければならず、「開国」するためには朝鮮戦争を終結させねばならない、という論理連関がここにある。」
引用終わり
*以上のような思惑通りに事は進まない、その障害要因を確定すること今の情勢理解のためには大事。
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①地理上の一番近い国どうしの政治権力が融和関係から摩擦敵対関係を深めていっても次元の低いいわゆる嫌韓に安直すぎて吐き気がするが
「反俗日記」Wは韓国国家と日本国家、その政権どうしが摩擦所歌に陥ることは気にすることは一切なく、さもありなん当たり前の事象とみていた。
仲良くすることと国内権力によって抑圧されることは韓国民衆多数にとって同義でさえあった。日本側には戦前戦後を通底する国体勢力に対する内外からの抑制があった。
その縛りが解けてきた情勢(①冷戦体制崩壊、②韓国民主化「革命」)が生まれてきたので、醸成されてきた日韓摩擦が表面化した。
米国の世界経済覇権はその後退に反して
敗戦占領国経済大国日本と半島新興従属国、中国スターリン主義体制の戦後世界体制の残存の脆弱性をついて
米国利益第一のために機能するのであって、東アジア民衆民衆の利益にならない。
民衆同士が仲良くするためには試練が必要である。
>もはや朝鮮半島の政治経済体制の優劣の結果は明白である。
いわゆる北朝鮮国家体制は自己解体し、韓国国家に民族統一すべきである。これがWの基本政治スタンス。
それは半島の歴史、国内体制の負の報告本を読みこみ納得した。
北朝鮮体制は民衆多数の牢獄と化している。
韓国政治経済体制にも大きな問題があるが民族統一をなしたほうがいい。
ただし、その政治軍事過程において大混乱が生じるのは必至であるが、その次元に当該民族が踏み込むべきではないか。
ベルリンの壁崩壊は「宗主国ソ連邦自壊によって連鎖的自動崩壊した。その意味で中国専制国家体制の崩壊が北朝鮮体制の自壊に連動するかもしれない。ただし、北朝鮮体制は核武装しているので支配層崩壊に伴って暴発する可能性を否定できない。
ただし、朝鮮戦争休戦の終結→~~民族統一至る政治過程に目に見えないベルリンの壁がある。
イ)北朝鮮体制崩壊ドミノを警戒する中国共産党独裁体制の統一抑止力がある。
ロ)北朝鮮独裁体制支配層は民族統一によって自らが重大政治犯に落ち来ることと連結するので身の危険を感知するレベルで絶対阻止する。
ハ)韓国独占資本支配層にとっても民族分断は経済成長の要因だったのだから破棄すべきことではない。ただし、IMF理想国家としての成長が止まった先に統一金儲けチャンスの志向が芽生えてきた。
ニ)米国の立場は中国の北朝鮮体制保守と位相を異にする。
その1。中国経済発展が先端技術部門に至ってけん制する(ジャパンアズNO1時代に日本に対してとってきた)立場から、半島の民族統一はドミノ波及を中国に及ぼすという意味では歓迎すべきことである。
その2。とはいってもその1状況の現出は第2次世界戦争→朝鮮戦争において東アジアにおいて確保した自らの政治軍事の管制高地の眺望(パワーポリテックス)をぼやけさせる可能性がある。ハブ地位希薄化。
その3。1と2の狭間で米国政権にとってもとりあえず朝鮮戦争休戦ラインは(半島民族分断)を維持する方向性が濃厚である。
ホ)日本政府は半島政治軍事における変数プレイヤーに過ぎないが戦前戦後の歴史過程を通じて経済成長のエンジンをなくし立ち往生している日本政権は中国共産党体制と同じ位相で半島の民族統一は抑止したい。
*以上の要因によって1953年の朝鮮戦争休戦ライン=民族分断は固定されているのである。
イ)~ホ)の朝鮮戦争休戦終結の各国政権のパワーポリティックスは以下のような北朝鮮支配者の思惑を統制し現状固定要因になっている。
北当局にとってもロ)情況があり、改革開放経済体制のブレーキになる。イ)の中国体制との関連はとくに重要である。
ニ)の米国が最も遠い国であり当事者というフリーハンドを得ている。ゆえに北朝鮮体制は米国と直接交渉を志向する。
当事者ハ)にも経済成長の時期には統一はブレーキがかかっていたが、経済行き詰まり情況において統一が金儲けにもなるという思惑が出てきた。
冷戦体制の崩壊は北に対する西側最前線の地位の呪縛をやわらげ中国、ロシアとの交流を促進させフリーハンドを得た。
日本の立場から見ると、韓国フリーハンド獲得は北や中国ロシアとの間の地政学的防波堤を低くし、支配層は朝鮮戦争によって形成された55年体制でもやっていけないと企画するようになった。
ホ)はこの件に対する米国の変数である。
>韓国経済制裁は対中貿易戦争の間隙を縫っての貫徹を本質とするものであり、改憲を最大限政治綱領とするため没落しつつある中間層を民族排外によって取り込む方便に過ぎない。国内政治向けなので米国の許容範囲が狭められると改変される。
なお、韓国側の事情は次回の論文を詳しく引用して明らかにする。
②韓国、北朝鮮の民衆と世界戦争における日本帝国主義の敗北、戦後世界体制確定途上の朝鮮朝鮮動乱によってできた戦後分断国家は朝鮮半島を日本帝国主義が植民地化した戦前はいうに及ばず戦後も韓国経済開発軍事独裁体制の融和時期を除いて本質的に摩擦敵対関係を常にしていた。一番近隣どうしが背を向けてやってきた。
もちろん、対中関係はもっと際立った敵対関係を状態にしてきた。