反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

①東アジアの「圧縮された近代」②韓国の「圧縮された近代化」と市民革命、日本の対応力③論文「フランスと日本における家族の類型化と問題」の解読。~日本の現在の家族形態は修正直系家族(世界に類を見ない戸籍制度)+アングロサクソン系絶対核家族で大矛盾!

  

  引用する

「圧縮された近代」という言葉はほとんどの人に耳馴染みのないものだと思う。
この言葉は、韓国の人口社会学者チャン・キョンスプが提唱した、韓国や台湾のような東アジア新興国の社会状況を語るための言葉である。
圧縮された近代とは、次のような社会状況である。
そこでは経済的、政治的、社会的、あるいは文化的な変化が、時間と空間の両方に関して極端に凝縮されたかたちで起こる。
そして互いに共通点のない歴史的・社会的諸要素がダイナミックに共存されることにより、きわめて複雑で流動的な社会システムが構成かつ再構成される。』

   W。詳しくは上記の記事にあるが分かり易くするための努力と受け止める。  

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落合恵美子編『親密圏と公共圏の再編成 アジア近代からの問い』 
  引用する。冒頭の記事はこういう面倒な文章を脚でわかりやすしたのだが。

「韓国は一方で、前例のないほど短い期間のうちに
資本主義的産業化と経済成長、都市化、プロレタリア化(すなわち小作農が産業労働者へと変容すること)、民主化の大幅な進展を経験してきた。
 また他方で韓国の個人的・社会的・政治的生活の多くの側面には、いまだ明らかに伝統的かつ/または土着的な特徴が見受けられる

 韓国のような、ものすごいスピードで近代化が進んだ国は、資本主義や都市化はすみやかに欧米先進国に追いついていくけれども、
人々の習慣やライフスタイルやモノの考え方はそれほど急激には変化しきれない

 だからゆっくり近代化し、人々の習慣やライフスタイルやモノの考え方もゆっくり変わっていったフランスやイギリスとは違った社会状況が生じる。W.同じ位相で日本で確認できる!

チャン・キョンスプは人口社会学者だから、そうした東アジアにありがちな社会状況を、おもに家族問題や少子化問題と関連づけて論じている。」

                         引用終わり

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    反俗日記 注釈

韓国の民主化開発独裁に対する運動圏と議会圏の連動した抵抗闘争によって、一種の市民革命として達成された側面が強い。

②一方日本の民主化帝国主義戦争による敗北の犠牲を払って東西冷戦体制への移行という世界ー東アジア情勢(中国内戦を経た中国統一国家成立)、その波及である独立朝鮮の内乱情勢を大前提に占領米軍事力主導で行われた

①と②戦前の歴史に格差を認めるのは普通の認識だと思うが(ザックリ云えば植民地問題)、

戦後の歴史大きな違いを認めるためには双方の認識のすり合わせが必要

①の市民革命のベクトルの裏面フランス革命に象徴されるブルジョア排外主義がある。国民的排外主義と言い換えてもよいかもしれない。

②の立場で醸成された平和主義外交常識とはGHQの影響下の民主化だからアメリカ流リベラリズム止まりであり、

①の市民革命の裏面である排外主義の取り扱い注意の事情がリアルに理解できない。

逆に自己の「平和主義」を嫌悪すれば政治フレームが狭くなり、東アジアの民衆の政治常識から離れていく

日本では自分も含めて成熟した固有の歴史に根付いた世界観政治哲学がない。

また、①の分断国家に至る戦後のリアルな歴史もよく知らない、知ろうとしない人々が日本国民の中には大勢いる。東アジアの中の日本ということをもっと意識したほうがいい。

ここに①②の大きな齟齬を生む要因を日本国民側にみとめる。

 ①自身の問題を列記すれば、

A、戦後世界体制を引きずる休戦状態の民族分断国家(それを排外的に利用して政治統治や経済力をつけてきた政治手法が根付いている)、

B、中国との陸続き(拡張する中国、北朝鮮問題の切迫感は日本とは比べようがない)、

~それだけに世界的な冷戦体制の終結は東アジアにおいて中国北朝鮮というその残存があっても韓国の対外動向をフリーにした。裏返すと、日本の冷戦を前提にした立ち位置は揺らいだ。安保法制というアメリカをハブに置き、東アジア諸国と繋がるしかない日米体制強化はその証左である。アメリカは日本を金融コントロールし、経済アジア重心の日本を翼下に取り込み軍事使用人にした。

C、開発独裁時代の経済成長の米日依存、

日韓協定賠償金は当事者に渡さず。ただし賠償請求は①の戦後史を理解すれば仕方がなく、対応できるだけの余裕は日本にあるはず、政権維持のために政治利用しているとしか思われない。近隣諸国と厳しいもめごとの火種を発火状態にしておく。そういう国を指折り数えてみれば、おおよその事情は分かる。<日本の圧縮した近代化>の弊害を受けた国である。

D、急速な近代化の矛盾(金融危機後のIMF優等生国家化)など、多すぎるが、それ等を総和した国民政治的ベクトルは常にどこかに落としどころを見つけなければならないのではないか?事大主義の傾向がある。

                     W注釈終了

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フランスと日本における家族の類型化と問題 

                 立 川 信 子
 W。作者は仏文学の専門家。そのせいか回りくどい社会学的分析を避けてこの領域の問題点に率直、素朴に接近している。

  引用する

「2010年1月末から21時NHK第一放送ニュース で無縁社会というテーマで社会的な関係が希 薄になっている例を取り上げた後,『無縁社会一 無縁死3万2千人の衝撃」(2010年1月31日『NHK スペシャル』,NHK第一放送)で孤独死の増加に ついての追跡取材が放映された。
<親族関係の希薄さ>,<退職後の人間関係の希薄のため>,孤独死(W。孤立死,遺 骨に引き取り手がない例が増えている。
また,離婚と生涯未婚の増加のため,孤独死(W。孤立死)が増えてい る。
2030年には男性3人に1人,女性4人に1人 が生涯未婚という予想をしている。W??
派遣社員など 不安定で不十分な給与の雇用が増加したことなど 種々の理由で,未婚や離婚が増加していることはすでに問題になってきた。
それに加えて従来ある 程度あると思われていた血縁地縁に至るまで薄くなっている事態をあらためて報道している。

エマニュエル・トッドは世界的な規模で家族論を基に社会の分析をしている。
家族のあり方から経済のあり方を導きだそうとしているのである。」

W.トッドの世界の家族類型及びその政治経済への決定的影響については別の機会に取り上げるのでここでは省略する。

「*現在フランスはパクス法(婚姻によらない家族 が家族としての法的権利を一部認められるための 契約)にみられるように婚姻によらない家族がふえ,
また福祉政策のために出生率があがり,家族が復活してきているといわれている。」

W。アメリカでもお手軽に男女が子供を作る環境がある。政治犯の指名手配者が全国逃亡を企て現地で子供を何人も作っている例二つ。国土の広さもあるが日本では考えられない。小規模家族ユニットの規範が個々人の意志に委ねられている。言い換えればユニットの外とも個人の意思次第で連携できる。

    W。以下一気の長文になった。

「*このようなことから,日本の伝統的な直系家族と西洋の自由主義的な家族という対立した 見方が作られた。
これは比較による単純化ということができるだろうが,戦前の世代の日本は直系家族といえる。
 戦後作家の中でも翻訳が多い作家のうち,
<大江 健三郎>を考えると,
初期作品から一貫し,*子供 や,森と村の家族の歴史*決定的なテーマであり,兄弟姉妹はいずれかが抵抗する者と証言する者の役割をしている。
村上春樹の小説では,W。大江は村上を批判しているが当然だろう。
それに比べれば*個人が宙に浮いている*ように感じられる。
ある程度フランスと同じ傾向が見られる
ということができるかもしれない。

 *特に韓国ドラマの 流入を挙げることができるかもしれない。
『冬の ソナタ』(韓国放映2002年,日本放映2003年)以 後,韓国ドラマ。トッドの分類では日本と韓国は同じ直系家族 である。
確かに同じ中国文化の影響を受けて孝は重要な道徳である。
 しかし,日本と韓国の家族にはドラマを見る限りかなりの違いがある。
韓国では直系家族の倫理がもっと確かな倫理である。
韓 国は日本よりも大きく中国の影響を受けて中国 の家父長制共同体により近く中間型を作っている のではないだろうか。
 このようなドラマが日本で流行するのは明確な倫理があれば,ドラマ は単純化できるのでわかりやすいからということ もあろう。エキソチスムもあろう。さらに明確な倫理への郷愁だろうか
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       3 統計に見るフランスと日本の家族の姿

  フランス国立 統計経済研究所国勢調査
 フランスでは独居の数が増えているが,単親の家族.子供のいない家族も増加傾向にあり,家族の数はあまり変わっていない。
子供は早い段階で独立し,離婚が多いことは独居に関する報告から推測できる。
    1999年の独居に関する報告では,
>「30年間に独 居人口は2倍になった。1962年全人口の6.1%からユ1999年には12.6%になった。これはあらゆる年齢で起こっている。」

   2〕独居率は年齢や職業によって異なる。
農業では少なく,社会的地位及び学歴が高いほうが女性は独居率が上がる。
管理職で は21%,労働者では9%。男性では職業差は少な い。

高齢者問題というのは家族の形態の明らかな指標となる
年齢による差別は,先進国では社会問題となっている。
現在スペイン政府は財政難から公務員の退職年金支給年齢を67歳にする提案 をしている。
個人差はあるだろう が70歳以上は高齢者に属するだろう。

>ここから言 えることは,伴侶または子供など家族と暮らして いる人が多い。
60代から70代では60%,
80代で 40%である。 高齢になるほど一人暮らしが多い。 伴侶や子供が死亡している率が高くなることもある。

>また高齢者用の施設に暮らしている人は高齢になると増えるとはいえ,少ない。
これはこの報告が次のように説明している。
>「施設で暮らす人は非常にまれである。家にできるだけ住みたいという願いは社会政策,特に家での介護サービスの発展によって増えている。」
*女性の就業率が高くなれば,介護はむずかしくなるので,就業率は高齢者の同居と関係があることが予想される。

     2000年国立統計経済研究所の家族の消費
>トッドの指摘しているよう に,教育費などはフランスでは多くなく,現在の生活のために使われる消費が多い。
>日本 では,戦前から戦後にかけても,つい最近まで,男子に,特に長男に,将来の扶養を期待して,多 くの投資を行った家族もあった。
男子にはよい勉強部屋を与え,進学校の高い教育費を払った のである。さらには結婚資金を与え,同居を想定 して共同で家を購入する親もいる。
    
  (平成12年 9月14日公表)によると親との同居率は42.5%。
>子との同居率は50歳以上56.3%と5割を超えている。
*高齢になるほど子との同居率は高い。女性の方が男性よりやや高くなっている。

>平成7年の全国における有配偶の女性人口3,204 万人のうち労働力状態が家事の人すなわち,
専 業主婦は有配偶の女性人口の45.2%を占めてお り,半数近くが専業主婦である。


 内閣府発表平 成21年12月21日「高齢者の生活実態に関する調 査」結果,同居家族(本人を含む)について
「2人」が44.3%と最も高い。
次いで「3人」の21.5%,
「1人」の11.1%。

 性・年齢別に見ると,女性は高齢になればなる ほど一人暮らしが増え,80歳以上の女性の一人暮 らしは2割を超える。
>さらに詳しい研究では

「子どもとは,40代において男性の約80%,女性は 86%ほどが同居している。
>高齢層ではこの数値は 低まるが,

それでも男性は70代で約4割,女性は 5割近くが子どもと同居している。」←W。フランスの同種の統計年度1999年、日本約20年後、日本のほうが同居率高い。多分圧倒的に。理由、欧米では70年代以降急速に家族の規範が変わった。反俗日記過去記事では<婚外子増加率の推移グラフ>で示した。フランスでは婚姻と嫡子の制度改革の影響が大きい。

> 問題がある時,頼れる人について,「いない」 と回答した人は,総数で3.3%であった一方,
「未婚」では5人に1人。一人暮らし世帯では,14.O% が頼れる人がいないと回答。

* 従って,独居は増えているといっても8割近くは家族と同居している。
*又いつの場合も家族を最も頼りにしている。
 *『「親が年をとっ て,自分たちだけでは暮らしていけなくなったら,子どもは親と同居すべきだ」という意見と,
「年をとって収入がなくなった親を扶養するのは,子どもの責任だ」という意見に対して,長男 のほうがそうではない者(次男以下の男性)より 明確に肯定している。
両者ともおおむね賛同者が 多いものの長男は,親との同居や扶養により責任感をもっている。」
女性の就業については,「夫のみ就業32%,共 働き45%,妻のみ就業5%,夫婦とも無職18%。
>つまり現代日本では,『夫は外,妻は内』という 性別分業型のパターンよりも,共働きのほうが多いことが確認できる。
男女差別が減少し働きやすくなった。雇用が不安定になり,かつ十分な給与がいつもあるとはかぎらなくなった。電化などで家事が楽になった。その理由は相当あるだろう。


  家族の類型は『現代 日本人の家族」(2009年)では次のような結論

①多くの世帯は夫婦を中心に構成され,子供 が小さい時期には夫婦と子供からなる世帯 (いわゆる核家族世帯)が形成されること,
子供は成人するにつれて別居を開始するが,

部はそのまま世帯に同居をつづけること←W。直系家族
③高齢期になると,より高齢の親と同居を開始するようになること,
*また一方で有配偶者の 子供との同居もなされること,
*こうした親と子夫婦の同居は夫方に傾斜する傾向をしめす。

    W。③は修正された直系家族と総括できる

>こうした世帯構成の動態は,直系家族制 と呼ばれる家族制度の類型(子が結婚後親と 同居することを原則とする家族制度)と親和 的である。
*高齢になった親との同居は頻繁にとられており,夫婦家族制に基づく直系家族が高齢層では観察されることになる
>「家族 のあり方としては夫婦家族制が主流になっていることを意味する一方で親が高齢になっ たときに子供が親と同居する慣行も広く見られる。
>文脈を推測すれば,
*それは家産や家系 の維持・存続を目標とした伝統的な直系家族 制に基づくものではなく,←W家産や家系ともう一つ家業の存続。農家ではそうなる。伝統的な直系家族など持ち出すのは的外れ。がしかし、自民党世襲議員が多いのはどういうことか?日本の議会制民主制の中身って何だ?欧米流民主観ではそれだけで問題視される。多分制度規制がされると思う。中にいたら皮膚感覚がマヒし当たり前の光景に映る。
*原則として夫婦家族制にたち,親の介護などの事情が発生,または予期される場合に同居が選択されていると考えられる。
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     <著者の総括> 
配偶者又は二世代以上で同居 している家族は日本では現在でも大多数である。
同居していない理由には遠隔地で働いている。ま たは住居に十分な広さがないという理由がある場 合があることは推測できる。
 
 また日本の場合同居してない場合でも家族が高齢者の主な支えである。
つまり精神的物理的に何らかの援助を恒常的 に行っているのである

>これは日本が西洋文化を取り入れるときに行った和洋折衷のような家屋のようなものである。←W.そんな簡単にかたずけていいものか?
*日本はトッドが言うように単純な直系型家族であるのではなく,
直系家族の効率性に,
一部平等←W?核家族。親が高齢化すると長子との同居率が高くなる。コレのどこが平等的核家族なのか構成員の能力を最大限に活用する方法の両方を組み合わせるという型を作り出してきた。 W.修正された直系家族が日本の家族形態の主流でありアメリカの文化的影響を受けて絶対主義的核家族も多い。そういう両極端の家族形態が混在している社会状況で制度側が対応力が直系家族形態を基本とするに基づくのだから深刻な問題が沈潜拡大していく。

政治制度で何を保守するのか方向性がちがうのではないか?グローバル資本制の上部構造の在り方に問題がある。
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 今,数多くの家族が個人の努力によって支えられている。
伴侶の介護疲れから自殺する老人や親の介護のために職を失い路頭に迷う子供のニュースは絶えず流れている。
特に同居 しているのが単身者である場合には過重な負担が多く問題が生じることは前掲書でも指摘されている。
+++++++++++++++++
 
  *もし,このような平等主義的W。?アングロサクソン的絶対主義的核家族である。核家族と直系型を組み合わせた社会で,
直系型家族の部分が機能しない場合にはどうなるであろうか。

修正直系系家族の対応力が劣化する一方でアメリカ流絶対核家族の自律性のある個々人のつながりも希薄、というかそのそも方途がない。ここが問題。

   日本社会は『菊と刀』などの日本文化論ではしばしば,
*倫理に対して,つまり世間の評価に価値を見る世界*と論じられてきた。
これは内在化した規範ではなく,外在的な圧力である。*

この図式が果たして日本人 全部に適合するかは問題だが,

  *この<圧力が物理的に有効に作用>するのは,
   地縁や血縁という共同体が有効に成立している時>であるが,
   <あらゆる関係が表面的でしかない時>には何が起こるだろう。
        ↓       ↓
>多数の家族が個人の人間性と努力によって支えられる社会に,
>空間や時間があっても病気の老人に必要な支援をしない家族がいれば,また親に援助は 受けたが,援助はしないという家族がいれば,どうなるだろう。
困窮している老人にインタビュー すると,子供に,迷惑をかけたくないと答える場合がよくある。
世界中の多く地域で,家族は自らを養うために子供を作る。そういう地域は多産である。
>日本は長年,年功序列の直系家族であり,コミュニケーションは暗黙になされるはずであった。
自分の例に習わないことを子供に期待はしないだろう。
+++++++++++++++++

   <従って,直系型を期待して作られた社会>では
家族の充分な援助のない高齢者はより多くの問題をかかえることになるだろう。
又こういうケースが増えれば,トッドの言う直系家族の効率があるとしても作用しなくなるだろう。

親子兄弟という血縁関係以外に,社会的な人間関係は現在の日本の社会には強力には存在していない。

W.中間団体の繋がりが壊滅状態。
無縁社会の解決策として,NHKスペシャ ル『無縁社会」が言うように近所付き合い,いわば偶然の地縁がそれを補うことができるのだろうか。
   
  <家族とは自分の利害の範囲だけという狭い概念>が通用し
親子関係の人間性さえいつも確かどば言えない社会ならば,偶然 の近所の善意に大量高齢者の時代は期待すること ができるだろうか。

>日本型家族においては血縁による人問関係が薄くなったというよりは,
   ↓                 
 *内と外という日本の従来から言われている人間関係の区別の仕方,関係の有無の範囲が*
   ↓ 
 核家族という名の下に狭くなり
   ↓
 *個人の利益に直接関わる関係に制限されてきているといえるのではないだろうか。
   ↓
>日常的な習慣でいうなら,
 *こういう情景は欧米諸国では見かける。
方向が同じなら知らない人でも話を始める。

重い荷物を持つ人がいれば,手の空いている人が手を貸す。
夫婦単位の社会と言われるが,友人,数世代,兄弟一緒に休暇をすごす家族は少なくない。

 *W。日本では 
出かける時は夫婦と子供荷 物を持つのも家族のものだけというのは,
内と外 という従来の関係を自分の利益に合うように制限 解釈しているからであろう。

W.この習俗は江戸時代末期の事実上の無宗教において、

生産力の内在発展を起動力

家単位の台頭による旧来の年貢ムラ請負共同体の後退以外から説明できない。

その家単位を維新政府が国家支配の家父長制の原子単位として利用育成し

敗戦後今日に至ればアングロサクソン形だけをまねた夫婦子供単位の絶対核家族と修正直系家族に変転した。

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  引用に戻る

*こういう解釈は無縁 社会を容易に作り出し,自分もその中で生きることになるだろう。
トッドの言うように家族の類型はひとつではな く,多様である。

むしろトッドの言うようにすべて分類できるというよりは,社会の機能によって様々な中問や複合型があるのではないだろうか。
W。直系家族→修正直系家族(アングロサクソン亜流の不平等的絶対核家族を含む)と解釈すれば分かり易い。
W。もっと大きな歴史地理的観点で言えば、東アジアで魁て近代化を達成した日本においてもやはり日本的<圧縮した近代化の様相>は避けることができなかった。

>又西洋型の個人は,税や社会保障などのシステムの中で存在しているのであり,
それに適合したメンタリテイも形成されている。

また必ずしも歴史がたどる到達目標ではない。
いずれ全体が核家族になるというものでもない。

トッドが言うように フランスの社会は不完全ではあるが,高い消費税 などで支えている社会保障や<連帯のようなもの>を作り出してきた。
W。著者の方法論は的外れ。東アジアの中の日本という措定と比較対象が必要。
W。幸か不幸か日本は欧米と東アジアを横並びにすることができる立ち位置にいる!
W韓国世論は中国と陸続きの地政学的位置や文化歴史から中国を意識した問題の立て方を自然としているが日本は欧米に直結した課題の設定をしがちである。


>今まで日本では,この不在を家族が長い間埋めてきたし,
>今も苦労して埋める努力をしている家族は多い。
>日本の社会を支えている,その直系型と平等な個人が折衷した家族が核家族に変化するというなら,
*その前にフランスのような社会が長い歴史を経て作り出し,維持しようとし,又作り出そうとしているものを少なくとも代価を払って作らなくてはならない。

W。1980年代のジャパンアズナンバーワン経済における中曽根政治がその後を準備した。戦後の総決算とは真逆、継承そのものだった。アベは戦後レジュームの転換、そして~。