インフルエンザとは違う恐ろしさ
正しい可能性があるが、さらなる証拠(エビデンス)が必要な情報
(病態)
・年齢に関わらず、感染しても症状が出ない、もしくは非常に軽いことが多い。
・子供や若者では感染して発症しても軽症が多い。ただし重症化することもある。
・軽症であっても、倦怠感や発熱などの後遺症が続く場合がある。
・食欲不振や下痢が主な症状の場合もある。
・インフルエンザと同時に感染することがある。
・心臓にも感染し、炎症や心不全を起こす。
・嗅覚や味覚異常がある時は、重症化しないことが多い。
(感染)
・微小粒子で数時間生存し、感染の原因となる
(咳やくしゃみ、大きな声で話すことにより発生する飛沫のうち、数十マイクロメーター以上のものは、速やかに地面に落下します。一方、数マイクロメーター以下の微小粒子は空中で数時間漂います。マイクロ飛沫、エアロゾル、バイオエアロゾルとも呼ばれます。空中に長時間漂う微小粒子による感染は、エアロゾル感染や空気感染と呼ばれます
新型コロナウイルスは、換気などの条件によってはエアロゾル感染する可能性も示唆されていますが、さらなる証拠が必要です)
病態)
・喫煙者は重症化しやすい
・小児で、川崎病に似た全身炎症性疾患を発症することがある。
・若年者で、脳梗塞などの血栓症を発症することがある。
(感染)
・多くの感染者が無症状、もしくは軽症なのは、自然免疫が関与している
・感染しても80%の人は、他人に感染させない
証拠(エビデンス)の強さによる情報分類
(病態)
・国、地域により致死率異なる(図参照)
・感染後、症状が出るまでの潜伏期間は1から17日とばらつきがある(平均は5~6日程度)
・感染しても30~50%では症状が出ない(無症候の割合はもっと高い可能性もある)
・感染してもPCR検査で陰性となる場合がある
・発症しても多くの場合は発熱や咳などの軽症
・味覚・嗅覚異常が主症状のことがある。
・高齢者や持病を持つ患者を中心に一部の患者では肺炎等で重症化、致死率も高い
(感染)
・咳等の飛沫とドアノブ等を介しての接触で感染する。
・集団感染(クラスター)が世界各地で報告されている。
・クラスター以外(家庭内など)でも感染する。
・症状が出る前から、他の人に感染させることがある。
・症状が出ない場合でも、他の人に感染させることがある。
(対策)
・手洗いやマスクしていても感染することがある。
・いくつかのワクチンが臨床試験で有望な結果を示している。
・レムデシビルとデキサメサゾンが治療薬として承認。
正しいかもしれないが、さらなる証拠(エビデンス)が必要な情報
(病態)
・喫煙者は重症化しやすい
・小児で、川崎病に似た全身炎症性疾患を発症することがある。
・若年者で、脳梗塞などの血栓症を発症することがある。
(感染)
・多くの感染者が無症状、もしくは軽症なのは、自然免疫が関与している
・感染しても80%の人は、他人に感染させない
(対策)
・感染していない人がマスクをすることにより、感染のリスクを下げることが出来る。
https://www.covid19-yamanaka.com/cont4/main.html
科学論文で学ぶ
スペインにおける大規模抗体検査
W参考資料
抗原検査とは ウイルスのタンパク質
検査したいウイルスの抗体を用いてウイルスが持つ特有のタンパク質(抗原)を検出する検査方法
PCR検査に比べ検出率は劣りますが、少ない時間で結果が出る、特別な検査機器を必要としないことから速やかに判断が必要な場合等に用いられることが多いです。
みなさんが病院でインフルエンザの検査をするときはこの抗原検査
抗体検査とは 血液中のタンパク質
過去にそのウイルスに感染していたかを調べる検査です。
ウイルスに感染すると形成されるタンパク質(抗体)が血液中に存在するかを調べます。
体内に抗体ができるまでには時間がかかり、現在そのウイルスに感染しているかの検査に用いることは難しいとされています。
ウイルスに感染した場合だけでなく、ワクチンを打ったことによって抗体ができた場合にも陽性となります。
コチラの検査は自治体の公表する検査実施数にカウントされません。
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スペインで行われた大規模な抗体検査の結果。4月27日から5月11日の間に、スペイン全土の住民61075人(各地域人口の0.75から1%)に対して症状等に関するアンケート調査と簡易抗体検査が行われた。
スペイン全土平均での抗体陽性率は、簡易検査では5%、定量検査では4.6%であった。両方の検査で陽性は3.7%、いずれかの検査で陽性は6.2%、であった。性別による差は無かったが、10歳未満の子供では簡易検査で3.1%と低かった。
抗体検査の14日以前にPCRで陽性であった195名における抗体陽性率は、両方陽性が87.6%、いずれか陽性が91.8%であった。
嗅覚異常など、新型コロナウイルスが疑われる症状を3つ以上自覚した7273名の抗体陽性率は、両方陽性が15.3%、いずれか陽性が19.3%であった。抗体陽性者の約3分の1は、無症状であった。
両方の抗体検査で陽性であった者のうち、以前にPCR検査で陽性であったのは19.5%のみであった。
(コメント)
感染が拡大したスペインにおいても、抗体陽性率は低く、今後も感染が拡大する可能性がある。検査が日本より多いスペインであるが、3つ以上の症状があっても、多くの人はPCR検査を受けていなかった。また抗体陽性者の3分の1は、無症状であった。このウイルスへの対策の難しさが窺える。
クラスター対策班からの報告
(コメント)
国内におけるクラスターを解析した重要な論文。
・1次感染者の多くは20歳代、30歳代
・年齢に関わらず、クラスター発生時に1次感染は無症候、もしくは発症前
の2点は、今後の対策を考える上で貴重な情報である。
マスクの重要性(6月16日)
コメント)
シカゴの小山先生に教えて頂きました。マスクを外さなければならない食事時の対策が重要と考えられます。
アメリカ透析施設医療従事者の追跡調査
(コメント)
感染者の治療を行う医療施設では、医療従事者が、大部分は無症状で、一部の有症状者もPCR陰性であったにも関わらず抗体が陽性となっている。日本でも同様の調査が必要である。
ワシントン大学ウイルス学部門は、全米における新型コロナウイルスPCR検査の先駆けの一つであり、3月1日から4月中旬までに73000件のPCR検査を行っている。
外来診療、救急施設共に3月28,9日頃に陽性率がピークを迎え、外来診療では17.6%、救急診療では14.3%であった。その後、陽性率は低下し、4月中旬ではそれぞれ3.8% と9.8%であった。3月23日に州政府が“Stay home, Stay healthy”令を発令したことが、陽性率の低下につながったと考えられる。
W参考資料。大阪市PCR検査陽性率12,5%。感染拡大の現状を示していると同時に検査数が圧倒的になりていない現実をあらわしている。保健所経由の検査体制はパンクして被害者を出している状態だ。医療介護現場も混乱し地方自治体の統治能力が機能していない。
(コメント)
州立大学であるワシントン大学が、1か月半で73000件のPCR検査を行っていることに驚いた。論文の責任著者に問い合わせたところ、全自動装置を用いて行っている(W.前回の上昌弘さんのPCR検査能力は日本でもある、やれないのはシステム(制度~厚労省、感染研保健所。利権)の問題は発言参照)とのことであった。論文には、PCR反応の能力はもっとあるが、鼻咽頭スワブの採取器具が品薄になっているとある。
子供の感染性は低いか?
子供は感染しにくいか?
日本を含む世界各地のデータでは、20歳未満の感染者の割合は非常に少ない。しかしこれは、子供は軽症や無症状が多く見逃されている可能性がある。先日紹介した下記の論文では、大人と子供では感染率は変わらないと報告している。しかし別のScience誌の論文では、15歳未満の子供の感染率は20歳から64歳の大人と比べると1/3程度と報告している。
子供は感染させにくいか?
フランスアルプスでのクラスター解析では、9歳の子供が感染し症状が出た後に、3つの学校と1つのスキー教室に参加したが、誰ににも感染させなかったと報告されている。オーストラリアの未公表の研究では、家庭での新型コロナウイルス感染例において、子供が最初の感染者であったケースは8%のみ、一方でH5N1鳥インフルエンザの時は50%が子供が最初の感染者であったという。
一方、別の未査読の論文は、子供のウイルス量は大人と変わらないと報告している。しかし、オーストラリアの小学校や高校での解析解析では、子供や生徒からの感染はほとんど無かったことを報告している。
子供は感染しても軽症か?
多くの研究者が、子供は感染しても軽症、もしくは無症候であることで一致している。
小児でも発症率は同じか
しかし、小児では重症化することは少なかった。再生産数(R)は0.4、Serial interval(1次感染から2次感染までの時間)は平均6.3日(標準偏差4.2日)であった。
抗体検査に関する考査
(コメント)
批判はありますが、PCR検査に比べて、大量の検査をより安全に行うことが出来る抗体検査は、今後の対策を決める上で極めて重要と私は考えています。検査の信頼性を科学的に検証することに、少しでも貢献したいと思います。
感染者は報告の数十倍?(スタンフォード大学の研究)
内容)
査読前の論文。
スタンフォード大学が位置するカリフォルニア州サンタクララ郡の3300名の住民に対して、アメリカで開発された抗体検査(ラテラルフロー法)を行ったところ、50名が陽性であり、過去に感染していたことが示唆された。群の人口動態で補正すると、48000から81000人の感染者がサンタクララ群にいると考えられる。これはPCR検査で報告されている感染者数の50-85倍に相当する。抗体検査の感度は約80%、特異度は99.5%であった。
(コメント)
査読前の論文であるが、内容をみると信頼できるように思える。日本でも同様の調査が求められる。
感染力は発症直前が最強か
2次感染者の多くは、最初の感染者が発症する直前(平均0.7日前)に感染したと推定される。発症後7日までに、感染性は急激に低下すると考えられた。
一方、感染者のウイルス量を経時的に測定すると、発症時が最高で、その後は直線的に低下しており、発症時には強い感染力を示すことと一致する。
(コメント)
SARSは発症後7日目くらいが感染力のピークであり、発症者を隔離することにより2次感染を防ぐことが出来る。
>新型コロナウイルスは、発症前に感染力のピークがあるとすると、発症者の発見と隔離のみでは感染の封じ込めは出来ない。
>社会的距離の徹底が重要である。
数年の長期戦になるかも(ハーバード大学の予測)
(コメント)
1年どころか、数年の戦いになるという、厳しい予測です。新型コロナウイルスへの抗体の寿命を半永久と仮定していますが、HKU1やOC43と同様に1年程度で抗体が消失するとすれば、状況はより厳しくなります。医療体制の整備、治療薬やワクチンの開発に全力を尽くすととともに、長期の活動制限を強いられる方に対する経済的支援が必須です。
日本では、これまでのところ、武漢、イタリア、ニューヨークのような爆発的な感染者増大が起こっていません。一方で行動制限は、最も緩い国の一つでもあります。なぜ緩い対策でここまで持ちこたえているのか、現在のところ不明です。日本特有の何かがあるはずです。その何かを明らかにし、予測に組み込むことが、日本での対策を長期視野から決定するために必須と考えられます。
この冬、インフルエンザはどうだった?
(コメント)
暖冬2019年だった影響もあるかもしれませんが、1月上旬から、新型コロナウイルスの影響でマスク着用や手洗いの意識向上したことも原因と考えられます。このような衛生意識の高さが、他の国に比べて新型コロナウイルス感染者のピークが遅れている一因かもしれません。新型コロナウイルスはこれからが本番のようです。
スーパーマーケットに行く時の注意事項
(内容)
食べ物を介して感染したという報告はない。しかし、食べ物や買い物の表面についてるウイルスが手を介して接触感染する可能性がある。食料品等の買い物では次のことに留意。
・他の客と1.8メートル以上の距離を開ける 〇
・カートや買い物カゴの取っ手の部分を消毒する 〇
・店を出た後は、すぐに手洗い、もしくはアルコール消毒 〇
・使い捨てのバックはすぐに捨てる。繰り返し使えるものは、数日たってから使う。×
W.スーパーレジ袋有料化。バック持参する人が圧倒的になった。
使い捨てレジ袋を止めて常用バックを使うのが当たり前になった。
以前の無料に戻すとコロナ対策になる。W.バックパックはやめて有料レジ袋にする。
・食品の袋はアルコール消毒する ×
・高齢者や持病がある場合は、人に頼むか宅配を利用。もしくは、高齢者用の専用時間帯を設けている店を利用する。 × 実行困難!
W。上記赤い色強調部分が今回の記事を書いた唯一の実行可能なことなのかもしれないな。
エアロゾル内や媒介物の表面における生存時間
内容)
新型コロナウイルスはSARSウイルスに一番近いウイルス。両者の生存時間を調べたが、ともに空気中に浮遊するエアロゾル(水分等の微小粒子)内では数時間、プラスティックやステンレスの表面では1日以上、生存した。新型コロナウイルスも、SARSと同じように微小粒子や媒介物による感染で広がる可能性が示唆される。
(コメント)
SARSでは微小粒子(エアロゾル)を介した感染や媒介物による接触感染が、院内感染やスーパースプレッダーに繋がると考えられているので、新型コロナウイルスでも同様の注意が必要。
温州ショッピングモールにおけるクラスターの解析
最初の7名との直接接触は確認されておらず、女性トイレやエレベーターを介しての間接的な感染が疑われる。
(コメント)
日本での感染防止を考える上で貴重な情報。潜伏期間も1日から17日と患者によって大きく異なる点にも注意。間接的感染もあり得るので、ドアノブやエレベーターボタンの消毒なども重要。クラスターのきっかけとなった
Wエレベーターは必要な時しかのらない。階段を上っている。健康のためでもあるがWはやりすぎとわかった。
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以下は今回の記事のハイライト。偶々用意していた動画の主旨と合致する内容に遭遇した。
黒木登志夫先生の解析
4.PCR 検査は何故進まなかったか。⺠間臨調報告書から
アキレス腱
よく知られている事実であるが、⽇本の PCR 検査は⾮常に少ない。私の周囲の友⼈、医師たちは、何故 PCR 検査がこんなに少ないのか理解できないでいた。保健所を通さなければ検査ができず、保健所には電話がつながらず、つながっても検査を断られるような状態が⻑く続いていた。アメリカ⼤使館は、在⽇アメリカ⼈に対して、検査をおろそかにしている⽇本から本国に引き揚げるよう勧告した(今となって考えれば、⽇本にいた⽅がはるかに安全であったが)。アメリカ⼤使館からも信頼されていないのは、安倍⾸相にとってすごく恥ずかしいことであったに違いない。⾸相はPCR 検査の⽬詰まりをなくすと国会で繰り返し答弁したが、厚労省は動かなかった。「⽬詰まり」しているのは厚労省そのものであったのだ。⺠間臨調の報告書は、PCR 検査は、「⽇本モデルのアキレス腱」と表現している。
ダイヤモンド・プリンセス号の全員検査に厚労省が猛反対
厚労省は、ごく初期、2 ⽉のダイヤモンド・プリンセス号の時から PCR 検査拡⼤に反対していたことが、⺠間臨調の報告書で明らかになった(報告書 90 ページ)。官邸はクルーズ船の乗客全員検査の⽅針であったが、それに対して、加藤厚労⼤⾂(現官房⻑官)を先頭に、厚労省が猛反対したのだという。その理由は、
検査は症状のある⼈と、濃厚接触者に限られるべきとする厚労省の⽅針に反するからであった。
「そうやったら他の医療ができません」、「容器が⾜りません」、「試薬がありません」←W,保健所、衛生研究所の厚労省系列の検査体制の事情のみをさしている。と反対した。しかし、この理由は官邸に通じなかった。厚労省の専⾨にとらわれた狭い考え⽅よりも、官邸の常識が勝ったのだ。←W。加藤はいま菅内閣の官房長官。赤字アンダーライン部分は基本方針として尾身分科会座長が今も堂々と首相会見内で主張している。「民間活力を生かして検査拡充をする」(資金援助はしない。そもそも予算がついていない。)「ただし検査報告だけは挙げよ、などと勝手なことを言っている。
この項だけ抜き出して動画と共に記事にすればよかったかもしれないが、何しろ反俗日記は自己啓発を最大目的としている。第三者の読みやすさ分かり易さは二の次。
いづれにしてもこの主旨はまともな学会のコンセンサス。いわゆる感染症村というその分野での地位、名誉、予算の基盤を保障された権益をかたくなに守る人たちがいまだに感染対策のど真ん中にいて差配している現実は不気味でさえある。
2021年東京五輪開催への固執もあろう。さらにまた日本独特の民間病院の割合の多さも絡んでいるだろう。上昌弘さんによれば検査技師協会などという自民党の票田になっている業界団体(自称7万会員)の利権がPCR検査を政府の後押しで民間、大学、研究機関に拡充すれば浸食されるらしい。日本看護協会も自民党に議員を送り込んでいる圧力団体である。
国会議員に対する PCR 検査のネガティブ・キャンペーン
⾸相官邸は、PCR 検査が進まないことに対する国⺠の不満と不安を深刻に受け⽌め始めた。
国際的にも、アメリカ⼤使館の帰国勧告のように、⽇本は検査⼩国と⾒られ,信頼されていないことを憂慮し、厚労省に検査拡⼤を指⽰したのに進まなかったのは何故か。⺠間臨調の報告書は、驚くような事実を明らかにした(報告書 197 ページ)。厚労省が 5 ⽉、PCR 検査拡⼤に反対する内部秘密⽂書を作り、国会議員、官僚を対象にネガティブ・キャンペーンを⾏っていたのである。⺠間臨調報告書は、その⽂書を「補⾜資料」として明らかにした(図7)。「不安解消のために,希望者には広く検査を受けられるようにすべきという主張について」という⽂書には、PCR 検査の感度と特異度が 100%でないことを指摘し、検査を広げた場合、擬陽性者が増え、医療が崩壊するという内容であった。図 7 国会議員、官僚に PCR 検査拡⼤に反対して説明を⾏った厚労省内部⽂書。偽陽性 1%、偽陰性 30%のため、100 万⼈を検査すると、擬陽性者が 10000 ⼈になり、医療崩壊が起こると強調した。わざわざ韓国の検査指針(⾚字)を引⽤し、単純な不安から検査を受ける必要はないと説く。この考えに対する反論は次号に記す。
検査権と既得権益
さらに、厚労省と外郭団体の中には、「⾏政検査による検査権と既得権益の維持を優先」する⼈たちがいたと、⺠間臨調の報告書に書かれている(50 ページ)。これも驚くべき事実である。厚労省が「⾏政検査」に固執していたのは、「検査権と既得権益」のためだったのだ。コロナ禍という国家的⼤事件の下で、縦割り⾏政がここまでの弊害を残していたとは信じられない
消極的な専⾨家会議
専⾨家会議のメンバーの多くも、PCR 検査の対象者の拡⼤に慎重な⽴場だったという(報告書(196 ページ)。拡⼤すると重症者に対する検査に⽀障を来すことを懸念するメンバーがいたと報告書は書いている。さらに広範なテストが、⾏動変容などと⽐較して感染抑⽌効果が弱いという論⽂を根拠に反対する者もいたという。尾⾝専⾨家会議副座⻑(当時)の記者会⾒(5 ⽉ 4 ⽇)のパワーポイントには、PCR 検査の少ないことを正当化するエクスキューズが並んでいる*。厚労省と専⾨家会議が消極的では、PCR 検査がさらに広がることはない。かくして、⽇本は世界でもまれに⾒る検査⼩国となった。
*https://www.youtube.com/watch?v=5ASBthOcKhY
渋⾕健司教授の証⾔
報告書は、WHO 上級顧問で Kings College London の渋⾕健司教授のコメントを引⽤している(32 ページ)。「検査を抑えて医療体制を守るという議論は世界で全くなかった。⽇本の現状は、検査をしないことにより市中感染と院内感染が広がり医療崩壊を招く危険がある」。←W。スウェーデンもほぼ日本と同じような政策をとって、施設収容の高齢者を軸に多数の死者をだし、経済にダメージをあたえ、直近では国王も遺憾の意を表明している。責任者は更迭されたという。
4 ⽉ 18 ⽇の渋⾕教授のコメントは、半年後に現実となった。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
W,以下アップした動画は岩上さんの菅首相批判の意に反して尾身さんが間違っていると断言し、感染症村の利権構造をを挙げる上昌弘さんの見解が出るという面白い組み立てに結果的になってしまった。
最初の1時間は前振りのようなもので、本題は上氏の見解が打ち出された1時間3分以降に注目。主旨は黒木登志夫さんと全く同じである。二人とも勝手な自分の見解を述べているのではなく厚労省発の一つの文書という証拠を基に感染症村の現実を明らかにしている。
なぜこういう構造ができてしまったのか?彼らは彼らなりに形成してきたエスタブリッシュメントの合理性に則って実力を発揮しているのである。コロナ渦で構造を合理的に運用延命させるのに都合がいいから彼らがそういう行為をしているのだ。彼らは彼らなりに大きな利害を背負っているのだ。それがどこまでの国民レベルの利害と合致できるのかが問題である。マスコミの影響力<利害>も並行している。通産省、電力会社(重電メーカー~家電メーカーも~)、マスコミ(電通)、御用学者、の原発村構造と同じような構造が厚労省を含めた感染症村に見いだせる。
冒頭オープン【12/28 17時~ライブ配信】岩上安身による医療ガバナンス研究所理事長 上昌広医師インタビュー
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https://shard.toriaez.jp/q1541/751.pdf
コロナウイルス arXiv(22) 2020 年 12 ⽉ 27 ⽇ ⿊⽊登志夫
1. イギリスで発⾒された新しい変異ウイルス、スパイク領域の他、ゲノムの全領域に 17 の変異をもつ。そのうちスパイクの N501Y 変異が ACE2 レセプターとの結合に影響し、感染性を 50−70%⾼めていると思われる。重症化への影響は不明。ワクチンの効果にも影響がないという。⽇本を含め、世界に拡⼤中。今最も注意を要する変異ウイルスである。
2. 南アフリカで発⾒された新しい変異ウイルス
南アフリカでも N501Y 変異をもつウイルスが感染の 90%を占めている。
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変異ウイルスの性質についての Q&A (BMJ)
その重⼤性から、BMJ(British Medical Journal、12 ⽉ 16 ⽇)は、このウイルスについての疑
問に答えている(4)。回答者は Jacqui Wise.
この変異ウイルスは、17 の変異をもつがそのうち最も重要な変異はスパイクの N501Y
変異である。
最初は England の南⻄地⽅で発⾒されていたが、Wales, Scotland にも広がっている。
英国の外から持ち込まれたという証拠はなく、英国で⽣じた変異である。
この変異ウイルスは、感染の拡⼤に関わってと思われる。
スパイクの変異だけでも 4000 の変異が報告されている。その⼤部分はウイルスの働きには影響を及ぼさない。
この変異が重症化に関わるかどうかは分からない。分かっているのは、感染が広がっている地域で発⾒されていることだ。
現在先⾏している三種のワクチン(Pfizer, Modena+AstraZeneca)はいずれもスパイクを標的にしている。しかし、スパイクのいくつもの領域に対する抗体が作られているの
で、⼀カ所の変異によって効かなくなるとは思えない。さらに変異が進んだときには、
ワクチンは対応ができる。新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスよりも変異が遅いので、対応が可能である。
本当に感染性が⾼いかどうかの実験が、614G と同じように、細胞レベル、動物レベルの実験が⾏われている。
いずれにしても、マスク、⼿洗い、ソーシャルディスタンス、換気が重要なことは同じである。
重症化のリスクは? There is no strong evidence that it does, at least not yet. しかし、
B.1.1.7 と共通する変異をもったウイルスが南アフリカで発⾒されている。南アフリカのウイルスは、上気道への感染ウイルスが多いので、重症化する可能性がある。
このウイルスはどこから来たのか? 議論の多いところであるが、⼀つの可能性は、免疫⼒の弱い⼈に感染した場合、より多くの変異を繰り返すという報告がある。あるいは、他の動物を経由した可能性もある。
アメリカにこのウイルスは⼊っていないか? Not yet.
ワクチンが効かなくなることはあるか? No. B.1.1.7 はスパイク遺伝⼦に 8 つの変
異を起こしているが、免疫システムは、⼀つのウイルスタンパクに対して幅広い抗体を作っているので、ウイルスが抗体の攻撃をくぐり抜けるとは思えない。いま、スパイクタンパクの構造を分析しているところだ。もしかすると、ワクチンの効果がなくなることがあるかも知れないが、そのような機会は⾮常に低い。しかし、われわれはそれに備えていなければならない。
日本の状況
カリフォルニア州の基準からみる大阪の現状(11月18日)
大阪府の感染状況はカリフォルニア州のモニタリング基準を上回る(8月13日
カリフォルニア州は人口約3700万人ですが、これまでに50万人以上が新型コロナウイルスに感染しています。
カリフォルニア州は科学的データに基づいた対ウイルス政策をとっています。
過去2週間の人口10万人当たりの新規感染者数が25以上で、かつ過去1週間のPCR検査の陽性率が8%以上を満たしたCounty(郡)では、厳しい経済行動制限をとっています。
参考までにこの基準で東京都と大阪府を見ると
東京都は
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
過去2週間の人口10万人当たりの感染者数 32.8名
過去1週間の検査陽性率 6.8%
と基準を下回っています。
しかし大阪府は
http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/corona_model.html
過去2週間の人口10万人当たりの感染者数 28.92名
過去1週間の検査陽性率 9.3%
と基準を上回っています。
あくまでも参考値ですが、感染者が世界一多いアメリカのモニタリング基準を上回っています。
また大阪府では人工呼吸器を必要とする重症患者も急増しています。
Googleによる行動解析(カリフォルニア州との比較)7月15日
このレポートの分析情報は、Googleアカウントのロケーション履歴の設定(デフォルトではオフ)をオンにしているユーザーから集計された匿名のデータセットを使用して作成されています
緊急事態宣言により、外食・小売・娯楽(レストラン、カフェ、ショッピング センター、テーマパーク、博物館、図書館、映画館など)の人出が減少し、解除後は再び増えていたことがわかります。6月下旬以降は横ばいのようです。
図2は東京・大阪と、感染の再拡大により経済活動を再び制限したカリフォルニア州との比較です。東京の人出は、感染者が急増しているロサンゼルスと類似しています。大阪はさらに多い人出となっています。私の第2の活動拠点であるサンフランシスコは、6月1日の経済活動制限緩和以降も、自主的に人出が抑えられていることがわかります。それでも感染者は増加傾向にあります。
各国の比較
サンフランシスコで外出禁止令 大阪は大丈夫か?(12月8日)
私は大阪とサンフランシスコで活動しています。二つの都市の現在の感染状況を図1で比較しました。サンフランシスコの人口当たりの感染者数は大阪の2倍強ですが、検査数が20倍程度であること、陽性率が1.8%と低いことを考えると、両市の感染状況は同程度と言えると思います。実際、両市とも、重症者用ベッドがひっ迫しつつあります。大阪も医療緊急事態宣言が出さていますが、実際の対策は、サンフランシスコに比べると非常に緩やかです。大阪の医療が持つのか、府民の一人として心配です。
日本の対コロナウイルス政策の世界での位置づけ(7月29日)
7月25日現在(図1)でも、緊急事態宣言中の5月5日(図2)でも、日本の対コロナ政策が世界の中で緩かったことがわかります。
日本より感染者数が多い国で、日本より政策が緩い国はベラルーシだけです。同国のルカシェンコ大統領は、新型コロナウイルスはサウナやウオッカで退治できると主張しています。人口は950万人ですが、6万人以上の感染者が報告されています。
日本は、世界の中では緩い政策で第1波を克服しました。今後もファクターXが続き、感染者がこれ以上は増加しないことを切に願っています。しかし、より厳しい政策でも感染増大を抑えることのできていない他の多くの国の存在を忘れていはいけません。
オックスフォード大学による評価では、日本の国内移動に関する規制は、「移動しないことを推奨」になっています。実際にはGo to Travelにより国内旅行が推奨されていますので、実際のスコアはさらに低い可能性があります。