11月**日。
燐家の漏水修理して3000円もらってがっくりした件。
突如としてGemeinschaft(ゲマインシャフト)Gesellschaft(ゲゼルシャフト)という用語が浮かんできた。そして互酬というポランニーの概念を想いうかべ納得した次第だったが、関連して様々なこと記事にしてみた。
社会学関連の本など今まで1冊も読んだことがない。多分高校時代の教科書で習ったのだろう。無理やり教室の机に座らせて教師が一方的に教え込むと柔らかい脳に傷跡を残す、ということかな。Wなど、高校時代のまま、というかそこに回帰している感がある。そこから先の教育は教室でほとんど受けていないも同然だが、ハッとしたことはあった。難解な日本語訳の本(原書はドイツ語)の英訳で読むと実に簡素、論理的で文脈にイラナイものがくっついていないのでスッキリ実に分かり易い。
もっとも、フランス語やドイツ語なら英語のように分かり易い、ということではないが。
引用 Google
「ドイツ語では、Gemeinschaft(ゲマインシャフト)は概ね「共同体」を意味し、Gesellschaft(ゲゼルシャフト)は概ね「社会」を意味する。 ... ゲマインシャフトでは人間関係が最重要視されるが、ゲゼルシャフトでは利益面や機能面が最重要視される。」
>安富さんがいっていたな。共同体という邦訳は欧米文化や(キリスト教の影響が強い)、日常生活習慣で育まれた用語の意味を普通に反映できず、それらとかけ離れた学問用語だ、と。用語の中身に日常的な生活習慣や感覚が詰まっていない。
日本列島の稲作文化やムラ社会は人間存在の生きんがための本能がそのまま放置されているようで共同体と重なる部分があるが、精神性という面で次元が異なるところが大いにあるようだ。
それで安富さんは儒教など東洋文化を研究している。回り道をして終いには迷子になるよりも、漢字や和文のルーツを研究したほうが良い、ということかな。
>Wは高校時代の漢文の授業で徹底した中国嫌いになり(表現が大げさ繊細さがないと)、漢文の受験を放棄したほどだったが、その後中国に注目し批判的ではあったが、毛沢東の本を読みこみ、そのスカッとした解放感と、欧米思想を中華思想に見事に熟している様に魅かれた。
とどめは大きな図書館で表紙がボロボロになった中国史のエポックを各々の研究者が綴った本を何気なく手に取って読み込んだとき、中国の歴史の底流が解った気がした。
韓国朝鮮に対しても理会はなかったが、韓国の高校歴史教科書(分厚く精緻、日本の教科書の1,5倍分ほど)を読んだり、自分の独自視点から本や情報を仕入れて、最終的に、韓国民主化闘争を理会した。日本の嫌韓的韓国観はここが抜けている。帝国主義戦争敗戦後の日本のGHQ民主化の意義と限界に向き会わなければ、当然にも韓国民主化闘争もスルーできる。
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ge•mein, [ɡəmáIn ゲマィン]
[形]
❶ (-er/-st) *1 いまいましい,腹立たしい
Das ist ja gemein.\それはほんとにひどい
Mir ist gemein kalt.\私はひどく寒い.
❸ (付)普通の,平常の,並の
ein gemeiner Mann\平凡な男
ein gemeines Jahr\(うるう年に対する)平年.
❹ (付)公共の,一般的な
das gemeine Wohl\公共の福祉.
❺ (付)(述)(gemeinsam)*2(…3と)共通の,共同の
Diese Eigenschaft ist ihnen gemein.\この特性は彼らに共通している.
◆et4 mit j3 gemein haben\…4を…3と共有する.
sich4 mit j3 gemein machen\…3とつきあう.
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ドイツ語でよく「○○シャフト」という単語が耳に付くのですがどういう意味合いなん... - Yahoo!知恵袋
引用
「シャフト;schaft
名詞・形容詞・動詞などの語尾について、
性質や状態が集まって大きな1つとなったような意味合いをもちます。
たとえば、
●友達Freund + schaft = Freundschaft 友情
●知識Wissen + schaft = Wissenschaft 学問
●名人、チャンピオンMeister + schaft = Meisterschaft 選手権試合 などなど。」
「ありがとうございます。ドイツ語って音がかっこいいですね。英語で言う○○SHIPですかね・・。
お礼日時:2008/11/5 12:31
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引用
「テンニエス(1855‐1936)は人間の意志をA本質意志とB選択意志に区分し、この二典型に対応してA社会を実在的有機的生活としてのゲマインシャフトと
B観念的機械的構成体としてのゲゼルシャフトに区別して社会生活の根本問題を分析する。19世紀における合理主義と歴史主義の対立の克服綜合を試みた社会科学における不滅の書。」
W。人間の意志をA本質意志とB選択意志には区分できない。学問上の区分にすぎない。従ってゲマインシャフト、ゲゼルシャフトの区別もが机の上での便宜的区別に過ぎない!
W。注目すべきは
ge•mein, [ɡəmáIn ゲマィン]の多元的な意味と
シャフト;schaft
名詞・形容詞・動詞などの語尾について、
>性質や状態が集まって大きな1つとなったような意味合い
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時間不足で先に進む。当時のテンニエス(1855‐1936)は「合理主義と歴史主義の対立の克服綜合を試み」
てはいない。まったく!
自由放任資本の強蓄積の結果、20世紀に突入し金融寡頭制の世界的な成立と他方における労働力商品群に貧困を蓄積させ、世界市場において先発資本制国と後発資本制国の世界戦争によってしか解決できない対立を生み出した。
この時代のトレンドは帝国主義世界戦争(ヨーロッパ戦争)と革命であった。
この時代の最先端の政治ー思想の究極の形は、社会主義とコーポラティズム - Wikipediaであった。
アメリカ流の民主政はまだこの時代、世界化する条件はなかった。それが世界化するのはアメリカが世界戦争で荒廃する西側諸国唯一の資本、資源、そしてイデオロギーや制度の供給国になって以降のことだ。
ワイマール憲法は当時の資本制に変わる社会主義制度への道が多少なりとも盛り込まれ、同時に資本制を守る奥の手である政治家個人とその政党の独裁が明記された国家基本法=憲法であった。
当時の社会主義(社会民主主義をそれぞれ自称)には3つの政治潮流があった。
1つはイギリス労働党の徹底したイギリス市民革命によって成立した伝統的議会尊重と穏健労働運動擁護の社会主義(伝統的な議会~貴族、地主、資本、労働層~で構成)が政治を差配していたので社会民主主義を自称する必要がなかった。
2つ目は独仏の社会主義(イタリアもその一種)<社会民主主義>。
ここではイギリス的議会の伝統がない~遅れた暴力市民革命=王政打倒~ことから、戦闘的な労働運動の権利拡張を議会主義的社会民主主義政党が応援するという形をとっており、それら政党内部に労働者社会主義革命を原理原則とする勢力と伝統的な労働運動で培われた労働貴族層に寄る労働官僚層を抱え込んでいた。~なお、労働貴族とは日本の今に照らし合わせると、トヨタなど大企業の正規社員の状態を指す。労働官僚とは、労働貴族層の労働組合の幹部。金融寡頭制の支配層の利害と一致する不労的所得と特権に依拠する労働貴族層を形成し、その政治幹部は率先して帝国主義戦争推進の旗振りをする。
その3の潮流。
資本制国同士の戦争の危機が深まると、ヨーロッパの労働層がお互いに銃をもって殺し合う事態がリアルに現出する。ヨーロッパの社会民主主義政党は相互に、こういう事態に陥ったときに連携する原則と国際会議の場での討論を約束していた。
>ところが各国議会で国民徴兵と戦時特別予算の審議が日程に上ると、
@戦争に身構える各国の支配層と一体となった労働官僚とその政党の主流派は戦争体制の一翼を荷い、戦争に反対する国内の政治勢力を潰そうとする。
>この社会民主主義陣営内の2つの政治潮流の分岐は社会民主主義の政治目的が一国において遂行されるのか、国を超えた協調によって達成される本質を持っているのか、という根本問題を提出している。
>金融寡頭制の創り出す格差の拡大傾向とそれが生み出す国内経済対立、政治矛盾がはっきりしてくると支配層は外国勢力の脅威によって自国民が困難に陥っていると国民の目を外にそらす。ヨーロッパの国民国家の成立はこのような排外主義を根拠に達成されら側面がある。だから、国民国家と排外主義の相関関係は根深い。
@一国内の社会民主主義政党の最大の政治経済眼目は進行する政治経済格差の改良である。ところが目の前で起こっている事態は真逆、格差拡大の大本の金融寡頭制支配層と一緒になって各国の労働層同士が戦争する政治体制を担っている。
ここに当時の社会民主主義政党の政治綱領的矛盾が集約された。
@この政治綱領的矛盾をイデオロギー的に解消する理屈がコーポラティズム - Wikipedia
である。
引用
「ーポラティズム(伊: Corporativismo、英: Corporatism)とは、政治・経済分野における共同体の概念の1つで、国家や社会などの集団の、有機体的な関連性と相互の協調を重視する[1][2]。
コーポラティズムの概念は19世紀のヨーロッパで、当時の個人主義的自由主義による個人主義的な社会観に反対する形で発生し、共同体を人間の身体のように見做し、個人の間における有機体的で社会連帯的で機能的な特質と役割に基礎を置いた。
20世紀にはベニート・ムッソリーニなどファシストがコーポラティズムを主張し、国家組織に経営者や労働者の代表を組織し、統制経済を行った。これは「国家コーポラティズム」や「権威主義的コーポラティズム」とも呼ばれる。
また第二次世界大戦後は、北欧などの民主主義諸国における政府と利益集団のパートナーシップに基づく政策立案・政策運営・利害調整もコーポラティズムと呼ばれる。これは「ネオ・コーポラティズム」(新コーポラティズム)や「社会コーポラティズム」、「民主的コーポラティズム」、「社会民主主義的コーポラティズム」などとも呼ばれる。」
W。以上を読み込むと、グローバル資本制の今、「国家や社会などの集団の、有機体的な関連性と相互の協調を重視する」統制経済の「国家コーポラティズム」や北欧などの民主主義諸国における政府と利益集団のパートナーシップに基づく政策立案・政策運営・利害調整もコーポラティズムと呼ばれる「ネオ・コーポラティズム」(新コーポラティズム)や「社会コーポラティズム」、「民主的コーポラティズム」、「社会民主主義的コーポラティズム」は機能を有効に発揮できない、と解る。
国際的に流動するマネーの力(個々人と言い切って良い!)があまりにも大きすぎて、国家や社会、ましてや所謂共同体を飲み込んでいる。