ロシア、ウクライナ戦争の背景を知るうえで、20世紀、最後の10年間にわたって展開されてきた旧ユーゴスラビア内戦における内部の当事者と外部の介入具合を参考にする必要がある。
先日、携帯のGOGLE記事にエマニュエルトッドの月刊週刊文春に送った記事が載っていたが、読み取る時間がなくそのままにした。月刊文春の今月号に全文が掲載されているかもしれないが前回の掲載文のメインタイトルがロシアウクライナ戦争分析の本文より補論めいた<日本は核武装すべき>などというかねてよりの持論になっているところから、トッドの今回の分析は月刊文春からスルーされWeb版の方に回されているかもしれない。なぜそうなるのか、旧ユーゴスラビア内戦のときの西側メディアのセルビア叩き(メディア情報戦略会社が大きく寄与した、と反俗日記に次回から掲載する論文で指摘されている)の状況を見れば一発で解る。背後で蠢く欧米やバチカンの情報も興味深い。日本出身の国連幹部、明石さんは中立的な動きをしたため、追い落とされたらしい、とも記述されているが、こんなことは全く知らなかった。予想通りドイツの積極的な介入はスロベニア、クロアチア方面への経済圏の拡張という思惑があった。そのクロアチアでは1930年代に地元のナチス政党がセルビア人をユダヤ人のように扱って大量虐殺している。
トッドの以前の主旨の変更はロシアのウクライナ侵攻の停滞を受けて<ロシア>の軍事力は世界の脅威ではない、とするところにあるようだが、すでに第3次世界大戦は始まっているという持論はかわらず、その世界戦争の形態が第二次世界大戦型なのか、第一次世界大戦型なのか、というドイツ財界の論者の第1次世界大戦型だ!との結論を自分の分析の導入部分にしている。
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二つの論文を読み込んでいたが、前者は学生の博士請求論文のせいか、重要な情報がいっぱい詰まっているが、整理されていない。後者は物凄く面白くて日本列島の言語地図と比べて論じているあたりは自分の視点とも一致する内容だったが、具体的な内容を読解するためには言語学の知識がいる。驚きなのはスラブ語は旧ユーゴスラビアから、黒海沿岸から北上し北ロシア付近まで話し言葉としてはお互い分かり合えるということでその理由も簡潔に述べられている。
@ウクライナ語はロシア語の一方言みたないなものだと解る。
>それでも戦争する。旧ユーゴスラビア内戦と同じように。
@旧ユーゴの南スラブ内の民族的な共通性と差異、リアルな分裂状況からウクライナとロシアもそれもおおよそ見当はつくし、同じく専門家の評論もある。
@結局、旧ユーゴ内戦は冷戦体制の崩壊を底流に10年続き、そのヨーロッパにおける最終章の1ページがロシアウクライナ戦争である。
同時に、
1.東アジアの激動情勢に連動する必然性と(経済政治地殻変動)
2。守旧国際金融資本の飽くなき膨張によって台頭する新興国家群のヒトモノの従属化ベクトルの必然性、
3,世界的な階層格差の拡大に自由の制限と民族排外主義政治でしか対処できない世界支配層の限界により、
@時代基調は明確に新帝国主義戦争の時代に突入したと認識できる。
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時間不足。次回、チャレンジするためにURLを。
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セルビア共和国のセルビア系難民・国内避難民への
心理社会的支援に関する一考察
~ローカル NGO ズドラヴォ・ダ・ステの実践と関係性の視点から~
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ことばからみた旧ユーゴスラヴィアの一側面
https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/10467/ronso1240400010.pdf