反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

W。参考資料② 韓国の労働排除的政党体制と第16代総選挙~「制度政治圏」と 「非制度圏」という独特の概念が存在。政治の制度化 した領域がきわめて制限的で、包括できない政治的、社会的空間が広く存在。下からの運動を通 して民主化を達成 し 、下からの運動が強い伝統と して機能 しているにもかかわらず、冷戦反共体制の構造とイデオロギ ーは現在のような政党体制が維持できた社会的基盤。

韓国の労働排除的政党体制と第16代総選挙

           高麗大学政治外交学科 : 教授 崖, 章集
           高麗大学アジア問題研究所 : 研究員 朴, 常勲

引用

「80年代初には男性労働者たちを主軸とする大規模工場体制へと転換した。 さらに、 これら労働者たちは1980年代中葉以降、 大々的な民主化闘争に続いて爆発的な組織化と集団的動員の経験をもっており、 この過程で理念的急進性と強い戦闘性を特徴とする労働運動のリ ー ダー シツブの傾向がつくられ、現在まで労働運動の主流としての影響力を維持している。

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W。大胆にいえば、韓国の世界に向けて誇るべきは、

>民衆が長い苦難を通して勝ち取った民主化過程

>世界に類を見ない戦闘主流派的労働運動

>文の国、韓国の文化芸術、学術、宗教

@文藝、政治理論書は日本よりも韓国のものが状況に対してリアリティー、切迫感がある。

@他は特徴がない。

李王朝時代のあまりにも長すぎる文治政治イデオロギー固執儒教支配政治の党派争いなど外からは理解できない)が東アジアの帝国主義到来にフレキシブルな対応を拒絶させた日本の封建軍事政権はその点、変わり身が早かった。封建軍事貴族にとって戦場の勝敗が価値判断の基準でありイデオロギー固執はない。実際に戦って負けたら次はどうしたらいいか,学ぶ。李王朝はコレがなかった。

>しかし歴史は不思議なもので帝国主義時代の<文治>政治の敗北(植民地化)がグローバル資本制の時代の<文>の優位性に変わろうとしている。

>旧統一教会問題が噴出しているが、日本人の極一部が韓国の土着新宗教オルグられている根っこにはグローバル資本制時代における<韓国の文、優位>という現実がある。韓国を本当の意味で知らなすぎる、言い換えると日本を知らない人たちが教義の根本的欠陥(典型的な宗教形而上学の導き出す結論と出口が異様~後ろから読めば解りやすいのではないか。~)によって急進的な行動に没入し我を忘れることができる。

@韓国を内からみる見方と外からの見方は違う。

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@日本の特性は平安末期から中世中期にかけての文藝。和食文化。緻密な現場労働習慣。原爆を投下された被ばく国。

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組織化した社会勢力としての労働運動の政治的影響力は、1997年1月に政府を事実上の機能麻癖状態に追い込んだゼネストの事例によって、 克明に見ることができる。

 すなわち制度化された政治領域の内外で、 韓国労働運動の位相と影響力は大きな格差を見せているのである。
比較政治の観点から見ても、 韓国の労働排除的政党体制の継続は注目すべき問題である。

民主化以降実施された諸選挙において、 進歩的理念あるいは労働者たちの階級的利害を動員しようとした諸政党が獲得した支持率は平均1.1%に過ぎず、 時間とともに支持票の増大が見られるような成長パタ ーンを示すこともなかった。 1.1%の支持率というのは、 組織労働者の10分のlにも満たないのであり、 労働組合として組織可能な全体労働者の50分のlにも満たない大きさである。 

 産業社会的特性が高度化し、 労働者たちが中心的な社会階級あるいは社会勢力として機能しているにもかかわらず、

韓国ではどうして労働排除的な政党体制を持続することができたのであろうか。

韓国の労働排除的政党体制

「米国例外主義(American exceptionalism) ならぬ

韓国例外主義の新しい説明体系を必要とするのであろうか。⇒W。日本列島住民には韓国固有の戦闘的労働運動の現場と激烈な政党間競争の展開される共同政治幻想空間著しい分離状態は理解しがたい面がある。

@政治は政治分野だけに働く<慣性の法則>があるなどという抽象的な説明では判らない。具体的な政治過程を辿らなければ、ピンとこない。

    

形成期政党体制の持続的効果

W。書いていることの半分しかわからない。韓国固有の事情があまりにも強すぎる。

 

 W。まず大前提。

北朝鮮対峙下の国家保安法(戦前の治安維持法を想起)、独裁体制に抵抗する政党政治活動米国流リベラル中道政治路線の枠内でしか行えなかったという現実がある。

 

そういう既存の反政府=反独裁政党に参与することのない急進民主主義的(1972年平和市場焼身自殺烈士)あるいは社会主義的な政治思想を抱いた政治意識分子が(大学生、知識人)職場、現場レベルに入り御用組合に抗して、

あるいは治安警察、暴力団と戦いながら労働者を組織していった戦闘的労働運動の間にはもともと人的組織的物的イデオロギー的大きな開きあったという、事実である。

  引用

「韓国において 1987年6月の民主化闘争以降(W、6月民主化抗争へのリアル政治過程⇒全員解雇女子労働者野党本部籠城事態⇒党首国会議員職はく奪⇒出身地、馬山釜山反独裁暴動⇒朴正煕側近KCI長官~~米国流民主主義の思想(自由のため!)によって射殺~~大統領射殺!軍部新大統領。大統領射殺がなければ6月民主化抗争はなかった?それほどに政治世界は労働現場とかけ離れている

ネトウヨ的山上、アベ射殺がなければ、自民党統一教会の癒着は一般化していなかった。日本は民主政国家である、というのは国家」共同政治幻想おしゃべりな独裁国家である!

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12月の大統領選挙を経て88年4月国会議員総選挙までの約 10ヶ月の時期は、 民主化以降の韓国政党体制の形成期として特徴づけることができる。

この時期は市民が国家権力をめぐる選挙競争で投票できる権利を回復したのみならず、 大々的な大衆動員が行われた

さらに、 この時期の大衆動員は2つの方向に分岐した。

>1つは、1987年7-9月に集中した労働運動の爆発的動員とその組織化であり、

>もう 1つは、 同年 10月以降本格化した選挙競争ある

@注目すべきは、 大衆動員におけるこの2つの流れは時間的には連続しているものの@完全に分離した2つの領域において進行したという事実である

労働運動の大衆動員は職場に限られ 都市中産層と保守的マスコミが主導する市民社会からは隔離された。
一方、 選挙競争において大衆動員を主導したのは既存の政党であった。 少なくともこの次元で労働の政治的動員は事実上機能できなかったのである。

さらに、 6月の民主化闘争を主導した運動勢力(大衆的実力闘争であり街頭集会、デモ⇔職場の組合組織化は関連)も既存政党に対して「選択的支持」を表明することによって分裂した。 その結果、政治の空間は既存の勢力によって先取りされ、 労働者たちは一般有権者へと解体された。 この時期の選挙競争が「労働なき民主化と定義されるゆえんで、ある。」

しかし、 彼らが基盤を置いている政治的支持市場の分画構造は過去のそれとは大きく異なるもので、あったo 韓国ではこれを「地域政党体制Jと呼ぶ。

これは、 全国的に四党体制が成立したにもかかわらず、

地域においてはそれぞれ一党支配体制の特徴をもっていることを指している。

すなわち、 政党と有権者の連合の構造が「地域Jという地理的分割線によって区画されたのである。 そしてこのような政党体制は、 以後7回の全国的選挙競争においても変化することがなく、 新しい政党の実験も継続して挫折した。 それほど、 形成期政党体制の類型的特性は強い持続性、 変化に対する強い免疫性をもっていたのである。」

  

   韓国政党体制の社会的基盤

W。理解できない。別途に調べる必要がある。

「韓国において地域政党体制が続いているということは、冷戦的国内秩序と権威主義産業化が形づけた国家中心的で垂直的な社会構造に政党体制が結合されていることを意味している。

韓国の諸政党政治権力に基づいた受恵 一 後援関係に依存して、 地縁、 学縁のような一次的連帯によって政治エリー ト を充員し、 ボス中心の位階的決定構造を特徴とする権威主義期の政党構造を持続させてきたことがその一例である。

 韓国の政党体制は偏狭な理念的範囲内での垂直的連携W?に基づいて結束し、 それが水平的機能利益の動員と組織化を絶えず垂直的に分解させる力学として働くことによって、 変化に対して抵抗力をもっ類型的特性を帯びるようになったので、ある。

「韓国は権威主義的構造の上で政治競争のルールと制度のみが民主化 し た一種の
混合体制 (mixed-regime) をもつようになったので、ある。
権威主義的国家の存在 垂直的社会構造 冷戦一 反共イデオロギ ーの構造において、 民主化移行期の競争的選挙が労働運動の政治勢力化という結果を生み出すと期待するのは難 し い。」

    

  V民主主義の社会的基盤と韓国の政党体制 

「政策と綱領を発展させることを期待するのも難 しかった。

冷戦反共主義の裏返 し でもある自由民主主義を唯一の理念と し て採択することを強要 し 、 自分が急進主義者ではないことを証明 し なければならない政治社会的条件が、 偏狭な理念的代表体制と政党体制を生じさせたのは自然の成り行きであった。

権威主義的国家の存在

垂直的社会構造、

冷戦一 反共イデオロギ ー構造が、

諸政党に対し てきわめて限られた開拓(hunting ground) のみを開放 した時、選挙競争が地域政党体制をもたら したのは必然的であった。

 

  VI 脱冷戦と韓国政党体制変化の展望

韓国には「制度政治圏Jと 「非制度圏Jという独特の概念が存在する。

言い換えれば、 政治の制度化 し た領域がきわめて制限的で、

それが包括できない政治的、社会的空間が広く存在 しているということである。

 それは、 市民社会の多様な要求と変化にもかかわらず

@政治的代表体制が冷戦体制下で形成された偏狭な理念的、階層的基盤の上に立っているということを意味する。

⇒W。この傾向は韓国だけではなく日本も似ている

東アジアの米国主導ハブの冷戦構造が議会圏の支配政党、マスコミを一定の理念的枠に閉じ込めている

そのことによって市民社会の基本的な要求は分散され支配体制に収斂される。

従って何回選挙をやっても国の将来ベクトルは修正することはできない(個々人が実力行使できるわけがなく、投票行為は抵抗権のようなもので駆使すべきだが)

個々人の政治意志は萎え、経済基本動向が行く末を決める政治関与の範囲は限られている

>「制度政治圏を構成する諸政党のもっとも大きな特徴は、互いに区別される排他的支持基盤をもっていないという点である。⇒W.一種の逆説!区別がないがゆえに、地域性に拘り特色を出したい政治家。政策的に差異がない。人口規模の小さな国はみな似たような傾向にあることも確かだ!

「、 政党問の政策的、 理念的違いが政治競争を分画する対立ラインを形成することを難 しくしている。

その結果、 一方で、政党間競争を通 し て参与の包括性が保障できない労働排除的政党体制が続き(スクラム組んで労働排除、翼賛体制から外される)、

他方、 政党聞の支持市場が地理的にのみ分かれる地域政党体制も持続するようになっ
たのである。⇒W。ようやく韓国議会圏の政治事情がぼんやりとわかってきた。

 

 IMF危機の衝撃が第16代総選挙で階層的対立と して表出できなかったという事実は(Wそういう理念の政党は国家保安法で目が出ないうちに潰されてきた)、 韓国政党体制の変化のためには偏狭な理念的代表体制と垂直的社会構造を主導し てきた冷戦的囲内秩序と権威主義産業化の遺産を共に変化させる必要があることを暗示 し ている。

「冷戦が南北朝鮮の分断と戦争という形で展開 し たため、

>南北が今まで見せてきた政治体制とは異なる何ものかがもたらされることを期 待するのは難 しかった。

@韓国が下からの運動を通 して民主化を達成 し 、

@また下からの運動が強い伝統と して機能 しているにもかかわらず、

@冷戦反共体制構造(W戦争マシーン)とイデオロギ ーは

>現在のような政党体制が維持できた社会的基盤の1つであった。」

「そ の後 そのよ う な 政治構造が産業化 と民主化の衝撃 に も耐え ら れた土台 は 、 国 内化された 冷戦的政治、 社会構造で あ っ たとい う 事実で あ る 。

W。何もかも冷戦構造に収斂するのは間違い。

W。韓国経済の急速発展は戦闘的労働運動を許容する経済基盤だったことも確か(労働現場の外部からの政党の政治介入、組織化は禁止されていた~国家保安法~)

W。現代財閥系など財閥企業にも民主労総の組合が浸透している。

 

 韓国の労働排除的 一 地域政党体 制 も 一種の均衡状態で ある。
IMF危機の衝撃 に も こ の均衡状態 は崩れる こ と がな かっ た 。

しかし、 IMF危機の衝撃が外部か ら加え ら れ、主に経済的次元に限 ら れたのに対 して、

脱冷戦化が及ぼす衝撃 は よ り 構造的で全面的で、 ある」

 

政治学者や労働政党の活動家た ち の多 く は次の2 点 を 指摘 し ている。
1 つは、 現行の小選挙区制 を 政党名簿式比例代表制へと変えな け ればな ら な い と い う こ とである。 地域区で 1 位得 票者のみが当選す る 現行の選挙制度の下では、 労働者の階層投票が現実化す る の は難 し い と い う のである。」

「韓国の非制度圏進歩勢力は、 制度政治圏の特性はその 「保守性」にあるとする。

「このよう に進歩と保守の理念が経済的基礎による区別ではないため、 保守の概念は 「北朝鮮の脅威Jという 誇張された 「仮想の敵」に基づいた反共安保主義に依存している。

進歩の概念も経済的基礎が弱いのは同じで、 既成体制に対しての反対あるいは道徳的イメージが際立つ て強調される。」

IMF危機以後、韓国労働運動が抱えている内部の問題

企業別組合体制の制度的条件は、 失業と賃金下落に対する労組の抵抗を個別企業の労使関係の次元へと分解した。

国際的脱冷戦化が、 グ ローバリ ゼー シ ョ ンのよう に、労働市場において労働運動の影響力を弱める巨視的変化をともなっているという 事実も重要

 

過去ケインズ主義や社会民主主義が果たしたよう な、労働運動の現実的基礎をもっ理念的、 マク ロ経済的代案を組織することが、 きわめて難しい世界史的条件が今日あるという 事実である。