反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

「闘争の詩学」~民主化運動の中の韓国文学~金明仁。韓国の人々は、軍部の独裁化で政治的沈黙を強要され人権を蹂躙され、構造的な品行のために苦痛を受けてきましたが、 >少なくとも自らの現在や未来に対する対する存在論的な不安や恐怖を体験することはありませんでした。

「日本の読者たちへ。

この言葉から始めたいと思います。

アンニョンハシムニカ?(お元気ですか)

この『アンニョンハシムニカ?』という言葉は韓国ではもともとありふれた挨拶の言葉ですが今やただの平凡な挨拶言葉ではなくなりました。

 先日、韓国のとある大学生が、自分の大学の掲示板に、この挨拶の言葉で始まる文章を自ら書いて貼り出し、韓国社会に大きな反響を引き起こしました

その大学生はその文章(学生が学校に任意に掲示するこのような文章を韓国ではと言います)で新自由主義のあらしの中で生存競争の死闘に駆られ、一日一日を苦痛と不安でかろうじて生き延びている韓国の普通の人々に、果たして『元気』に暮らしているかと尋ねました。⇒W.日本の大学では昔は大学の掲示板に学生が意見を公開することが許されていた。しかし今は大学の営業妨害になる、という理由で学生の政治的意思表明の活動が制限され、特定の団体は事実上、大学内の活動を「暴力」的に奪われている。学生が学校に任意に掲示する

世のなかの何か間違った方向に進んでいるのに、眼を隠し耳を塞ぎ、口も塞いで生存の戦場にさまよう人々に対して、果たして元気に暮らしているかと近況を聴いたのです。

 はじめただの大学の片隅に掲示されていただけの、この問いに対する世の中の人々の反応は、以外にも熱いものだったと思います。⇒W。日本ではこのようなフレッシュ,ナィーブな波及効果は起こらない。人々の感性が硬直しタコつぼ社会化している。相互をつなげているのは保守マスコミだけだ。

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始めはその学生の大学の同級生たちがその次はこの文章に接した普通の市民が

子細にこの問いに返答し始めると

その後、ある日刊新聞の紙面に毎日この『アンニョンハシムニカ?(お元気ですか)』というタイトルの文章が、しばらくの間、ほぼ、定例のように掲載されていました。

彼らの返事は一様に『元気ではありません』というものでした。

 

 どうして元気なわけがあるでしょうか。

私が暮らしている韓国社会は、これまで30年もの間、もしかしたら劇的な形で、いわゆる『民主化』というものを成就させ進展させてきた社会と言えるでしょう。

しかし、

>その政治的民主化の成就に酔っている間、

>韓国社会は悪性の市場資本主義といえる新自由主義体制とそのイデオロギーによって、深刻な病に侵されつつあります。⇒W。コレが著者の基本視座であり、反俗日記の韓国民主化闘争とIMF管理早期脱却(たった1~2年でGDP回復)以降の経済発展への意見と一致する!

韓国のこの悪性市場資本主義=新自由主義体制はイデオロギー的に日本の新自由主義体制よりもアメリリバタリアン的である。これが韓国民主化闘争30年の成果であった!言い換えるとそのようなフレキシブルな社会構造を背景に製造される~製品と創造物は、世界的市場において日本を凌駕することも十分あり得る。

韓流ドラマが受ける要素はここにある。日本ドラマよりも演者の身振り表情にアメリカ的要素が強く物語の展開がスピーディー、しかも日韓共通の情緒性がある。

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W。ここから先は著者の基本視座、世界観である。悪性市場資本主義=新自由主義体制とそのイデオロギーは悪条件で高度経済成長経済を達成した韓国社会において、日本よりも先鋭、巧妙、合理的である。韓国社会はアメリカ模倣社会に変貌した。

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 それまで韓国の人々は、軍部の独裁化で政治的沈黙を強要され人権を蹂躙され、構造的な品行のために苦痛を受けてきましたが、

>少なくとも自らの現在や未来に対する対する存在論的な不安や恐怖を体験することはありませんでした。⇒W。日本の評者でこの方向の指摘があるが、ここまで言い切る人はいない!韓国社会は日本社会を先取りしているが、日本は韓国の新自由主義体制の先を越す前に、なし崩しで全体主義社会化する!なぜなら日本に韓国の民主化30年はなく、民主勢力は弱い。

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 @たとえ奴隷的境遇であっても、

@仕事をすれば食べ物を得ることができましたし、

@またさらに多くの仕事をすれば、いつかは貧困から脱して人間らしい生活を送れるという希望を持つことができました。

@持てる者の横暴はありましたが、

@持たざるものをすべてを奪ったりはしませんでたし、

@人々の間には少なくとも同じ社会の構成員としての共同体意識が生きていて、

@誰かを完全な絶望に追い込むようなことはありませんでした。

 

⇒W。日本の個別特殊悲惨この上ない山上さんの家族はどうして韓国発の統一教会に全財産を奪われたのですか。

日本社会よりも「自らの現在や未来に対する対する存在論的な不安や恐怖を体験すること」が「歴史的」~~Wからすれば歴史的!~~に可能な韓国社会の状況で練り上げられた教義抗うことなく跪いた。

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 ですが

いまはすべてがかわりました。

韓国社会はこれまでの30年間で、いつの時代よりも豊かになっていますが、もはやその豊かさを等しく分けるべきだという考えはなくなりました。

以前は貧困は社会的救援の対象でしたが、今や貧困は単に貧しいものの責任になりました。

誰か飢えるならば、誰かが失職するならば、

誰かが自殺するならば、

それは社会の責任ではなく、その人自身の責任になりました。

誰かが富を蓄積すれば、それはその社会の構成員がそうなるように支援したからではなく、彼が上手くやったためであり、

誰かが失職して破産すれば、それは社会がそのように仕向けたからではなく、彼が誤っているためで得るという考えが蔓延しています。

 今の韓国の人々はみなが不安です。

どのようなポストでもどのような職業でも安定できず下手をすると一瞬にしてそのポストから追い出されるのではないかと恐れています。

そして誰もそうなった人を助けたりしません。それはその人の問題だというわけです。

 現在に対する不安とも未来に対する恐怖、今韓国の人々このような環境の中で一日一にを生きています。元気なはずがありません。

⇒W.旧統一教会の行動原理は以上のような現在と未来に存在論的レベルで個々人に不安と恐怖を与える韓国社会の創造物。]

民主化闘争30年の次から次へと沸き起こる犠牲を恐れぬ行動主義は世界で類をみないが、異端宗派主義に結集すれば、旧統一教会の原理となる。しかし韓国で実行すれば法律の網にかかるのでやれないが日本では行動の自由と受け入れる精神風土がある。特攻隊精神、家父長制、上意下達、丁稚奉公、長い物には巻かれよ。内容空疎な帰属主義。ハンの韓国民衆に統一教会のような組織システムは受け入れられない。だから金を使う側に回るしかなかった。

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 韓国の人々は、ようやく、自ら決して『元気』ではなく、また自らが『元気』でないのは自分自身のせいではなく世の中のせいだということを自分一人の力では人生の安寧を守ることができないということを、初めて悟り始めているようです。

⇒W。韓流ドラマに漂うある種の緊張感は日本ドラマには醸し出せないものだが、以上の文脈を読み込めばなんとなく発生土壌が解る。韓国社会は90年代から30年かけてアメリカ社会に近づいた。学校教育がアメリカ流+詰め込み(高校の歴史教科書は日本史の2倍ぐらいの分量があり、細部にわたって記述。近現代史は別枠でディベートを取り入れている。)ハングルも表音文字。漢字は教えていない。

 今や韓国の人々は、その悟りをもって改めてこの世を変えることを始めなければならないでしょう。⇒W。著者の政治的位置を表明している。この人の戦いは反体制~労働者が主導権を握る~<反共法違反、大統領緊急措置法違反>であり、民主大統領時代距離を置き、大学に就職(本人は亡命という)した。

 そのような『元気』でない韓国人の一人として

日本人である皆さんに改めてお聞きしたいと思います。

アンニョンハシムニカ?(お元気ですか)

~日本の社会のことはよく知りません。

ですが私の短い所見でも日本や日本の人々もやはりさほど元気ではなさそうです。

>いや単に元気ではないのではなく、かなり元気を喪失しているようです。

日本社会はたとえ相当期間、停滞の状態にあったとしてもアジア最高の先進国らしく安定した国でした。

一億総中流を豪語した社会だっただけに

日本の人々にとって人生の不安と恐怖というものは、さほどおなじみの感覚ではなかったのでしょう。

ですが今や日本の人々も、その長年の安寧の感覚から引き離され、

まったく馴染みのなかった不安と恐怖の世界へと引きずりこまれているのではないかと思います。

⇒W.朝鮮戦争、民族南北分断、独裁の韓国には存在論的な不安や恐怖はあった。そもそも若者は徴兵制で兵営入りの義務がある。著者は独裁時代に存在論的な不安と恐怖がなかったようなことを言っているが、それらは圧倒的免疫作用を果たしている、とみるか、徹底した新自由主義体制時代の新しい不安と恐怖の呼び水効果を果たしすぐに恐怖心と不安感が社会に充満してしまうのか、判断しずらいが日本人とはかなり違うことも確かだ。

 対して日本はどうか?付加体列島原住民の心理状態の本体は<無常観>である。方丈記平家物語で日本人の精神の有り様は解釈できる。

山上氏は虚無的なことを発しているが<無常観>に想いをはせたことがなかった。知らず知らずのうちに母親の宗教観が浸透していたのか、徹底した不安感、焦燥感に苛まれていたのだろう。ハンの精神もあるようだ。

一方の側も無常観とは全く無縁なところにいた。特攻隊員の詩を「美しい国」で引用しているが、典型的な浪漫主義文学調で、無常観と全く無縁だ。

 

 2011年3月11日。

~~

これまで自然の威嚇によく耐えてきた日本の社会的な防御の壁が一気に崩壊した事件でした。⇒W。無常観はノー天気。防御の壁の崩壊感はない。忘却とは忘れ去ること成りで、記憶のダムの水は逐一鳳雛されている。付加体列島現住民は忘却装置内蔵でなければ生きてゆけない。

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「日本はもはや安全な国ではないという感覚、長年の安定感の裏で、怠惰と手抜きと危険が毒素のように蓄積され、ついに仮面を脱いでその醜悪な素顔意をさらしてしまったというその感覚こそ、~~~

 わたしは3,11以降、数万人の日本の市民が外套に出たことを知っています。

~私もやはりこのような日本の市民の決断と行動に深い感銘を受けました。

~~W。韓国民主化の長い闘いしか引き付けられるものがないと同じように、著者にとって、反原発デモに立ち上がった民衆しか、関心がないというのが本音。

「結局、韓国も日本もそれぞれ異なる理由ですが

まったく「元気でない国」「元気でない社会」になってしまいました。

そして両国の人々ともに、いつ終わるとも知れぬ、際限なく続く不安と恐怖の中で全く元気のない存在になってしまいました。

「同病相憐れむ」です。

>日本の人々が嫌いになったことはありませんが、

>とはいえ率直に言って特に好きだと思ったこともなかった私は、

>3,11以降、急激に日本の人々が気になり始めました

誰かのことを考えるとき、胸が痛くなるならば、その人のことが好きだということではないでしょうか。

私は元気でない国の一知識人として

@それよりも遥かに元気で亡くなってしまった隣国の皆さんに、言葉にならない連帯感を感じるようになりました。

どのような慰労とどのような激励が皆さんにとって力になるかを考えるようになりました。

@それは苦痛の連帯です。傷の連帯です。

私は胸を痛めますが、それよりも胸を痛めている皆さんとその痛みを分かち合いたいと思います。

皆さんが元気でないことはよく知っています。

ですがその傷に打ち勝って元気になるように祈ります。」

***

ですが残念ながら日本全体を変化させるほどの意味のある結果繋がらずにいくと思います。

>そうではなく日本社会は、危機に直面した支配勢力が状況の反転のために試みる古くて危険な選択によって、今一度大きく動揺しているように見えます。

最近、安倍首相とその政権が示している日本の平和憲法に対する威嚇好戦的な軍事化、東アジアの隣国に対する挑発的な敵対政策などは、

3,11で触発された日本社会内部の不安と危機を対外的な危機醸成を通じて隠そうとする⇒W。排外主義という指摘である。

典型的なファシズム的戦略のように見えます。⇒W。直ぐ側で、見る人が見たらやはりファシズム的戦略の典型に見えるのか?

自分で自分のことは解らないものだ。

ほとんど政治本能で蠢いているので。

だから本人の結末はあんなふうな不条理劇になる。

***

「このことをよく知っている多くの日本の市民は、このような安倍政権の煽動戦略に簡単に振り回されないだろうと信じていますが

>耐えがたい災難によって、不安や恐怖、あるいは無気力を感じざる得ない、

>より多くの普通の日本の人々にとって、

>このような安倍政権の好戦的な動きは、

@もしかしたら国家主義を呼び起こし相当な呼応を引き出しているのかもしれません。

わたしはそれを

ストックホルム症候群ではないかと考えてみました。

W。「精神医学用語の一つ。 誘拐や監禁などにより拘束下にある被害者が、加害者と時間や場所を共有することによって、加害者に好意や共感、さらには信頼や結束の感情まで抱くようになる現象。」

 

人質犯につかまった人質は、最初は抵抗しますが、時間が経つにつれて自暴自棄の状態で犯人に感情移入してしまう現象です。

⇒W.先に東日本大震災福島原発事故への言及があったが、この時の政権は事実上、戦後初の政権交代による政権だったということをこの著者は重きをおいていない。

そして、政権交代に絶望した人たちは政権政治は外部の状況に大きく左右される、

政治経済を通底する利権構造が骨がらみになっている歴史的な経済停滞の改善は見通せない日本では一期の政権が政策的に実行できることは少ない、というリアルな政治状況を直視していなかった。たまたま、あの時、民主党政権だったが自公政権だったら、どうだっただろう?新型コロナパンデミック当初、綿製マスクを国民に配った、しかも利権がらみで自公政権の対応から凡その類推はできる。

戦前の政党政治絶望し、軍部の強力政治を近づいっていった<普通選挙>の有権者と政治心理は似ていると思う

自分の中に原理原則があれば戦術的には柔軟に対応できる

それと政治は潮流というものがある。

一つの政治潮流から別の潮流に合理的思考を疎かにして乗り換えるのは、民主政の原則に反する行為である。古い昔を持ち出すことはないが、こういうことをやる人が多くなると国政は外道に向かう。

W。著者の以下の言論は半分肯定する。日本のリアルな政治過程について不案内な分だけ否定する。もっともこの人は日本にはあまり関心がないようだ。理論的思考は日本に向かわない。日本政治はアメリカ政治軍事と≒極少変数みたいに思っているのではないだろうか。

この本の本文の韓国民主化闘争とその結末の分析は冷ややかだが、納得できた。

政治の民主化

経済の財閥主導、非正規雇用58%、給料半分のグローバル仕様が、同時進行した。

***本文に戻る

地震が起きても津波が襲い放射能に汚染されても止む得ずそれを信じて頼るしかない状態に置かれているのではないかと思うからです。

おそらく韓国でこうしたことが発生するならば、私もやはり同じ態度を示さないとは言えないでしょう。

>私は最近、安倍政権の動きを不安に想えば思うほど、(W.日本にあまり関心がない著者でもアベ政治は不安を与えた。外部勢力を動員する政治だった。院外団の威嚇、威力が議員集団、ネットや市中で威力を発揮した。

その結果、外道政治に精を出した末にもめ事を抱える身内の<痴話げんか>の余波を受けて命を落とした。何とか協会はまず、殺されたヒトに謝罪すべきが筋だ。)

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‘彼らの人質のなってしまった日本の人々の苦痛と傷をさらに深く感じざる得ません。

隣国の韓国の人々が不安と恐怖を蹴散らして再び立ち上がろうとするように、

たとえ手に余る不安や恐怖の支配下に置かれてたとしても

みなさんもやはり再び立ち上がると信じています

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W。著者の韓国民主化闘争の結末に対する分析は自分の以前よりのシニカルな見方を大幅に補強するものだった。

その論理的帰結は民主政を希求する永続革命みたいになってしまうが、これから先はもうそんな政治手法(日本欧米では戦後民主主義の政治)がますます通用しなくなる。

韓国では30年の戦いで民主制度ができたときに経済においては新自由主義が徹底され、グローバル資本制の動向に縛り付けられ(弱肉強食、総取り)現在と将来に対して不安と恐怖を抱く人々が増え、格差社会の拡大再生産システムが確立した。これ以上の民主的改革が足踏みするようになって<政治>は議会圏の党派争いに集中されるようになり、公共福祉充実、格差是正の政治手段は採用される見込みは無くなった。

韓国は日本や欧米の国々の分配が課題になる立ち位置に到達したが、その方面で歪なところが目立っている。

 そこで米国という国が問題系の俎上にまず上がる

戦争マシーン軍産複合体の世界的消費活動、世界的格差拡大システムの震源地、公共福祉を蔑ろにする(できる、と言い換えてもよいが)特殊国家が未だに世界的影響力を発揮していることが人口増を続ける人類にとって幸い、なのかどうか

米国流民主政に前記のシステムは埋め込まれており、それを未だに世界中に伝播しようとしている。冷戦体制崩壊後、米国のような自国の政治(経済)システムを世界に移植したいというミッションを持つ国は無くなった。したがって問題はその世界覇権の中身の是非である。

ミッションによってグローバルスタンダード化すれば、当然米国型企業と米国の活動領域の拡大につながる。ミッションは経済利得に直結している

 諸々、に考えることができる。

ロシアや中国のような新しい独裁体制(ハード国家形態)は民衆の力で倒せば、政治と経済の民主化の可能性が広がる。

欧米や日本の古い国家体制(ソフトとハード兼用の国家体制)は民衆の力で倒れそうになると、強権的な統治形態に転換し倒すことはなかなかできない。新型コロナのように厄介だ。

国家権力の強制力が発揮できなければ、拡大する格差は是正できない。地球環境を維持し、人口爆発を矯正できない。過剰消費を是正できない。

 もう一つの視点が必要。

地球上を一つの政治形態が覆いつくせば、そのシステムの人間性否定面が強固に地球上に広がる。ヨーロッパ中世の暗黒時代のような、少数者の専横と多数の服従の社会になる。

したがってそれを是正するためには対抗勢力の存在が必要だ具体的には米国には強力な対抗物がなければ好き勝手をする。EUは東方拡大することによって新規加入国中間層のエレファントカーブ待望と中核国の金融寡頭制支配層肥大、中間層の階層分解に押され当初の構成各国民衆の意思が反映しない帝国になって、米国の対抗要因になる時代は終わった。

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 W。重要参考資料

diamond.jp

引用 W。ユーロ統一通貨はドイツ経済にとって有利。

統合進展の結果は「ドイツ独り勝ち」。そう解説するのは、前駐英大使の林景一・三菱東京UFJ銀行顧問だ。

 ユーロ圏の中で、ドイツの経済力・生産性は抜きんでて高い。

 ただユーロの為替レートは、ギリシャなど生産性が低い国も含めユーロ圏全体の平均で決まるドイツにしてみれば、自らの経済的な実力に比べ、ユーロは割安で輸出に有利に働いた

 困ったのは他の加盟国。

ユーロ圏内では対ドイツで貿易赤字になっても、自国の通貨安で調整することができない。

しかもドイツはEUに加盟した東欧諸国から、低コストの労働者を「輸入」して雇用

かくしてドイツはユーロ圏内外に対して輸出を伸ばし、輸出大国の地位を築いたというわけだ。

ドイツの独り勝ちによって、欧州ではドイツを頂点とするヒエラルキーが出来上がっている。かつての「ドイツ帝国」が再現されたというのだ。

  ドイツと各国の支配・被支配関係を表したのが、次のページの地図である。

図表:米国と「ドイツ帝国」の人口の推移

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W参考資料

ドイツ“一人勝ち” そのわけは?|NHK NEWS WEB

   ヨーロッパの稼ぎ頭

2016年、世界最大の経常黒字国に

2016年の経常収支を対GDP比で比較しました。ドイツはおよそ8%と2番目に高くなりました。

ドイツは2015年、EU全体の経常黒字のうちおよそ8割を稼ぎ出しました。翌2016年には、前年の首位だった中国を抜いてドイツは世界最大の経常黒字国となりました。

  EUで最も低い失業率

図は省略 4,5%失業率