反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第1回。『想像の共同体』。ウクライナロシア戦争はポピュリズム政治(ゼレンスキー、プーチン大統領)が主導権を握ると国民に多大な犠牲が出るという典型的な事例。

          W。プーチン大統領の演説の全文を検討した。

eritokyo.jp

 反俗日記の<国家、国家権力、国民国家。国民、民族>に対する認識と大きな隔たりがある、というのが率直な意見である。

私が仮にロシア国民であれば、プーチン政権に即時停戦を求めて活動する。そのために投獄されても仕方がない。獄中で戦う。

ウクライナ国民であれば、同じことをする。

日本国が東アジアで戦争すれば反対活動をする。

支配層の引き起こす戦争政治は許すことができない。

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 しかしウクライナ国民であれば、難民を選択することもある

国土が戦場になっている国は基本的に無政府状態と考えている。

コレだけの海外からの武器支援や資金供与があれば、政府の統制の取れない闇ルートができる。役人も腐敗する。

多分、国中に武器がばらまかれている。援助資金の中抜きも横行しているだろう。戦場の人心はますます腐敗している日常的に暴力を使うもの、身近に見聞きするものの人心は荒廃する

 国内が内戦状態になれば、その影響力は長く尾を引く。

スターリン体制が出てきたり、中国政治の紆余曲折は内戦状態の影響が長引いたが故だ。

 

 突然、何が起こるかわからない、我が身は自分で守るしかない武器所持の必要は、良いとか悪いとか問題ではなく自然と生まれる)。

~~2022年10月11日、編集追加~~

始原的な戦乱に個人が投げ出されると武器を携帯することは決定的な意義を持つ

始原的な戦乱における自衛武装とは、単に自分の身辺を守ることだけではなく、対人対社会対自然の心の余裕と行動の自由の獲得、つまり自律的人間への根源的な第一歩である。

  

 もっとも、戦乱に近づかない、巧みにかわす、逃げる、コレが最善の選択だ

 

 兵士と武器弾薬を戦場に送り、戦闘を企画鼓舞し、彼我の大量殺傷行為の交換をさせる一方で、自分たちは安穏と戦場はるか離れた後方や安全な外国から指令している者どもがいる。

<戦争は他の手段をもってする政治の延長>であり、

政治の本質は<奴は敵だ!奴を殺せ!>、

政治家は<世の中の神羅万象を解っているかのように語る>。

騙されてはならない。

古代ギリシアアテネ武装する市民兵士デモスの集会で将軍はこれから始まる戦闘のの企画を語り、デモス戦士の意思一致した行動を訴え、戦場で軍団は果敢に戦って勝利し帰還したが、将軍にデモスたちから死刑判決が下った。

判決理由アテネの掟を破ったからだ。将軍は戦場でデモスの死体を回収しないで放置した。デモスの支配する集会における指導者は命がけで政治と戦争を主導した。デモス戦士で哲学者のソクラテスに死刑判決が下ったのは、当時のアテネにおいて哲学は命がけで語るモノであった証明である。

   ウクライナから難民になって外に出ている人が一番賢明だと思う。

~~2022年10月11日編集~~国境を閉鎖し60歳以上の男子は国外に脱出できないようにしている。武器も民衆にばらまいている。力とカネですべてが決まる半無政府的社会状況では、政権の当事者能力がどの程度あるのかわからない。決定権は欧米諸国にある、と思う。~~

 

 ところが難民になりたくてもなれない人たちが大勢いる。こういう人たちの国外脱出を手助けするのは人道的行為だと思う。他にも戦場のウクライナ国内で人道支援する方法はある。だが、自分はそういう方面に向いていない。

 

 統治機構がはっきりしていれば、突然殺されるようなことは回避できる。

ヨーロッパ封建領主の本分は農奴住民のセキュリティー保障である。

警察消防機能は生活に不可欠なものだ。軍隊となると事情は違ってくる。

この違いは大きい

軍隊は対敵、戦闘戦争機能が優先され住民を守るのは二の次だ。停戦維持軍は別だが。

日本国憲法状況では区別がつかない人が多い。災害援助の自衛隊を見て志願したという女性の動画を見た。セクシャルハラスメントにあったと勇気をもって訴えていた。しかし、ここに軍隊の悪の本質を見る。海外に出て行って現地人にその手の行為を働く可能性についての言及はなかった。体罰横行の旧日本軍は外に出て同じことをした。

ベトナム戦争派兵の韓国軍も派兵前の訓練が旧日本軍方式を取り入れていたので(健軍当初旧日本軍の軍上層)現地でとんでもない戦争外の残酷なことをしでかした。

 ウクライナの人がノーベル平和賞を受賞したというが、国内で反戦即時停戦)を主張したのか?違うだろう。

人道支援活動は大切なことだが、反戦活動(停戦)をするのが私にとって大切である。人道支援反戦の差異は後者が政治活動の一種であるという点にある。ところが、現地の第3者から見ると人道支援も政治活動に映る場合がある。武器を持っているものは普通の人間の感覚からかけ離れる場合がある。

アフガニスタンの援助活動をしていた有志が殺害されたのはこのためだ。地雷で死んだ人も多い。

だから、国内平和の国では一般人の武器の所持が規制される。米国はいまだにこの観点が希薄である。

 

  ゼレンスキー政権の統治能力を疑っている。

有象無象の戦争屋が世界から集結している様子だし住民の異常な熱狂が想定されるのでは非合法に殺される場合や裁判なしに長期投獄される可能性もある。

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 歴史的にウクナイナの国民統合能力欠如、自己統治欠如他国のせいにできない部分が多すぎる。

そもそもドニエプル川中流域から黒海地方はコサックの発祥地(ロシアのドンコサック~名作「静かなるドン」の舞台~~は本拠地から移住した連中)であり、コサック首領と軍団は支配領域の恵まれた人口扶養力を開発しないで蔑ろにし近隣からの物資の簒奪を日常的な経済行為としてきた。ミニモンゴル帝国方式である。

ウクライナ地方の領主たちが豊富な資源の潜在にもかかわらず、停滞混乱してきたのはコサック根性が抜けきらないからだ。

外部に遠征する、手を結ぶ、あてにする、外部の中で生きて行く、ことに政治が集中してきた。

いつまでも戦国の軍団編成の残滓を引きずる封建時代~厳密にいえばウクライナにヨーロッパ的日本的封建時代はなかった~の支配層の在り方に問題があった

そして「近代化」はロシア帝国支配下で周辺的民族排外主義的都会集中的に遂行され(社会構造的にユダヤ人大量虐殺暴動が発生)

ポグロム - Wikipedia

1917年革命と大戦期ドイツとの即時停戦和平案である、

ブレスト=リトフスク条約

によってロシア革命政権はドイツ支配を容認することとなった。ところが、ドイツの劣勢が進み、ドイツ軍は駐留部隊を維持できなくなって、ウクライナ国内にロシア革命を巡る内戦が持ち込まれ革命支持派が盛り返しの二重権力状態になった。おそらく今のウクライナのような状態が第2次世界大戦でスターリンの戦車が制圧するまで続いた。現下のように国内紛争に外部の強力な影響力が及ばなかったものと思われる。その間、ウクライナは世界史の動き放置されていたのだ。

 

 ウクライナの歴史を遡るとトルコをあてにしたりポーランドとくっついたり(国の西側、中央部はポーランドの影響が強い~ウクライナ語話者<ポーランド語とロシア語の中間>が圧倒的、カソリックも多い)ロシア(東地方は旧ソ連屈指の重工業コンビナート<製鉄>ロシア語話者圧倒的。)に溶け込んだりして

ソ連邦崩壊の20世紀の末尾になって初めて国民国家形成の途上についたが、国境線内で国民国家を形成することができず、その難題を無理強いしたので、もともと歴史的経済的文化的に異質な東の地方に分離要素が溜まった

イギリスもスコットランドの分離国民投票寸前ににまで行った。

EUからブレクジットした。用語まで発明したのだからEU離脱は熱い想いだったのだろう。統合があれば分離の自由もある。国民国家ができる実情のないなら別れるべきが賢明である。お互いのたためだ。

もっとも当地に対して第三者が言うべきではないが。ウクライナへの武器支援は止めて、ロシア軍は撤兵して話し合うべきだ。ただし、もうここまでこじれると自己統治能力のないウクライナ側は後に引けないだろう。

 

こういう重大なセンシブルな問題は時間をかけて解決しようとするのがまともな政治だ。

ポピュリズム政治ユダヤ人ゼレンスキー)主導権を握ると国民に多大な犠牲が出るという典型的な事例だ。

プーチンソ連邦崩壊後の国家の富の簒奪、喪失状態に対するロシア国民の大ロシア主義の政治共同幻想への回帰のムードに乗って登場した強権ポピュリズムの典型である。

覇権国家の権勢が急速にしぼむと、国民は最初は自己認識できず茫然自失し、そのうちに過去の栄光に安住の地を見出す。

ゴルバチョフエリツィンが内外に通じる即席資本家(国際金融ネットワークに通じるユダヤ人が多い)に国家の富の簒奪の自由を許した結果、プーチンの強権ポピュリズム体制を生んだ。

足し算は絶対にないにしても国富からの引き算が多すぎる。富は外に持ち出された。そう考えなければソ連邦崩壊後の国力の縮小が説明できない。

ウクライナのようにグローバル資本の跳梁跋扈する21世紀の今頃になって戦後世界体制の残滓の典型である軍事資源大国のロシアのすぐ隣で国民国家を形成しようとすれば多大な軋轢が生じる。

世界市場の資源原材料は高騰するのは自然的経済法則

異常な投機資金の餌食になり、全世界の民衆が生活に苦労するようになる。

大戦争がインフレを誘発するという、当たり前のこと見逃されている

ウクライナゼレンスキープーチン大統領と歴史的現在的な立場が違うだけで同じような次元の認識だ。W注

このプーチン演説の冒頭にある<国家、国家権力。国民、民族>は、

>何よりも古すぎる

 

@<国家、国家権力。国民、民族>認識はざっくり言えば、1975年に終結したベトナム戦争までのものである

演説半ばの2次世界大戦後のアジア、アフリカ、中南米の半植民地の独立、民族解放に貢献した戦後ソ連邦の成果を挙げている下りにそれが証明されている。

こういう認識は第二次世界大戦後、1980年ごろまでは世界の人々の実生活を改善するために多少の寄与したかもしれないが、グローバル資本が跳梁跋扈しその政治支配が強化されているグローバル資本制世界的金融寡頭政治、制度)においては、反動的な政治思想に転化する

プーチンとゼレンスキーはグローバル資本制下の主要課題である階層格差の加速的拡大に苦吟する民衆生活をより一層、苦境に追い込み、国家や国民、民族の無内容に誇張し呼号するハーメルンの笛吹き男のような反動政治である。

G7等一国的限界のある政治(世界のGDPシェアは低下しているが帝国的なマネーの力と核兵器を頂点とした連合軍事力で乗り切ろうとしている=新帝国主義大本山

グローバル展開する経済への主導権を完全に見失い(20世紀末からの新自由主義政治段階の結果である~自由放任産業資本主義段階が金融寡頭制帝国主義の時代を生んだ~)、

 

グローバル資本の階層格差の加速度的拡大という主要矛盾への解決の方途をなくした結果(第二次世界大戦後の欧米民主主義政治の偏差中央値である中間層は急速に分解中

 

新興国や従属国への収奪ルートの強化(辺境極東で戦略的展望を見失った日本はこの中に入っている唯一の貢物必要なG7国)や

④ロシア、中国という戦後世界体制の残滓の残る国を無力化し(国内富裕層、「中間層」を共同累犯者を仕立て上げる。)、新規従属グローバル展開する経済への失い、開拓市場に仕立て上げる方向を基本戦略としている。

以上の実情で、ウクライナロシア戦争は止められない、止まらない!

  ↓   ↓

「エレファントカーブ」とアジア(その1) | 平川均

引用 W.どうして世界的戦争の発生が歴史的趨勢になるのか、R>Gとエレファントカーブの図で解る。グローバル資本の暴走を政治権力が止まられないばかりか、その排外主義政治によって階層格差の加速への歯止めという基本政策を蔑ろにできる。

したがって、G7やプーチン、ゼレンスキーの政治は同じ穴の狸どもである!同じ次元で入りから角を突き合わせて喧嘩する。一方は大人で余裕があれば、喧嘩は収まる。

両者には政治支配階層としての今後の基本戦略=死活運命が掛かっている。

だからこの戦争は新帝国主義戦争である。過去の世界戦争において正義不正義という二項対立の観点は勝者のイデオロギーだった。

第一次世界のドイツ帝国オーストリア帝国、トルコが不正義で英米仏が正義だったのか。

第二次世界大戦は民主主義とファシズム、ナチズム軍国主義の戦いだったのか。だとしたらスターリン主義ソ連は民主主義だったのか。

ソ連(世界の労働運動、反ファシズム運動に影響力を維持していた)というより複雑な<歴史的要因>(20世紀は戦争と革命の時代、という総括も可能でそこに特殊歴史的ソ連が関与する余地があった)が絡まった世界戦争だった。

 歴史は螺旋的に回帰する場合がある。

ウクライナロシア戦争は第1次世界大戦型の世界構造を持った世界的戦争である。

ロシアが衰退し、中国が罠にはまってもこのピケティーの不等式とエレファントカーブの図は、彼らの衰退の結果、より進化すると考える。

戦争は戦争によってしか解決できないのか、ということだ。

 

ケティによる主要先進国の所得格差の研究は,資本主義の富と所得の偏在構造を長期のデータに基づいて明らかにするものであったが,こうした研究はその後,一段の飛躍を果した。ピケティの問題意識を今日のグローバルなレベルに拡張したのがブランコ・ミラノヴィッチの研究。

富を築くために理解しておきたい「r>g」という不等式

21世紀の資本』の主張は「資本主義の富の不均衡は放置しておいても解決できずに格差は広がる。格差の解消のために、なんらかの干渉を必要とする」というものだ。その根拠となったのが、

「r>g」という不等式だ。「r」は資本収益率を示し、「g」は経済成長率を示す。W。G7では経済成長よりも投資は優先するほうが高い収益率を得られる。ということはウクライナロシア戦争も絶好の投機を提供している、ということ。需給曲線だけで価格が決定されているとみるのは大間違い。その前提として巨額マネー(架空資本)が待機し投機のチャンス狙っている。

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裕福な人 (資産を持っている人) はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」というわけだ。
富裕層の資産は子どもに相続され、その子がさらに資産運用で富を得続けることができる。もちろん各国で所得再分配政策は行われているものの、ピケティ氏は、多くの富が世襲されていると示唆する。

格差は現在も拡大に向かっており、やがては中産階級が消滅すると考えられる。

彼が比較した期間

ベルリンの壁の崩壊から世界金融危機までの時期」,つまり社会主義諸国が資本主義に組み入れられると同時に,情報通信革命によって周縁国の労働力を自由に使えるようになった高度グローバリゼーション」期である

     グローバリゼーションの明白な受益者

10人中9人まではアジアの新興経済の人たちで,中国人が圧倒的だが,インドやタイ,ヴェトナム,インドネシアの人たちも含まれている

大きく伸びているのは,それぞれの国の所得分布の中位に入る層で,……世界でみても中位に当る W。象の背中部分

鼻先に当たるもうひとつの勝ち組の人々を再び記せば,世界の所得分布で1%の超富裕層である

   

では20年間,実質所得がほとんど増えなかったのはどの層の人々か。

……この層の約4分の3は,西ヨーロッパ,北アメリカ,オセアニア,そして日本と言う『古くて豊かな』国の人たちだ。

/簡単に言えば,最大の勝ち組はアジアの貧困層および中間層で,最大の負け組は豊かな世界の下位中間層だということだ

W。このエレファントカーブの解説に対して、別の視点からの補足がある。

旧ソ連圏(ロシア自身、ウクライナベラルーシ等々)と日本の中間層の所得増加率の停滞によってグラフを修正すると、

エレファントカーブの象の鼻の口元の凹み部分は修正できるという。

独立後のウクライナGDPの伸び率はロシアとほぼ同じ波形のかなり下位にある。ウクライナは独立後<1990年100>、ほとんど経済成長はマイナス。

見出し画像

W注

ゼレンスキーは被圧迫民族、新生国民国家解放指導者気取りだが真逆新帝国主義の手先=世界の軍産複合体とグローバル資本支配層の手先。

 同じ次元に存在しているから相争う。しかも多大な人命をかけて。

過去の世界規模の戦争(1次世界大戦、2次世界大戦)に正邪はなかった。

ロシアウクライナ戦争は世界規模の戦争である。

今わからない人はそのうち実生活の不都合という現実で実感する。

歴史に学ぶということはあらゆる方途で当時の実態を頭の中で再現することだ)

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 ナショナリズムという言葉は日本語ととして定着しているが、下記に挙げる国民国家研究の古典的名著(とはいって1980年代

といわれるベネディクト・アンダーソン - Wikipedia

想像の共同体』では国民国家成立の時期に発生する国民主義を、<ナショナリズムと称しているようだ。

ところが日本でいうナショナリズムは、一般的に民族主義と解釈されており、国民主義という観点はあまり聞かない。

 この違いが起こるのは当たり前である。

 誤解を恐れずに言えば、日本国の構成員は日本人と一括される民族である。自民党の首相経験者や政治家は時折こういう発言をして俎上に挙げられている。

極端な例を挙げるとアメリカ<合衆>国の成立、発展過程では旧大陸で食い詰めたものや犯罪者、政治的宗教的亡命者、アフリカ大陸から動物狩りのようにして集団拉致、監禁されたもの、カネに目がくらんだ強欲もの、野心だけを追い求めた雑多な衆があつまった。

米国に民族主義はない。

『想像の共同体』概要 : 社会学しよう!

             次回に続く