反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

読書日記⇒①「ウクライナ2、0」~地政学、通貨、ロビイスト~塩原俊彦2015年刊行。②「米中分断の虚実」~デカップリングとサプライチェーンの政治経済分析~宮本雄二。③「われ、大統領を撃てり」~在日韓国人青年、文世光と朴正煕狙撃事件~高裕二、2016年。④「死刑台から教壇へ」~私が体験した韓国現代史~康宗憲、2010年。

  反俗日記の書評

①「ウクライナ2、0」~地政学、通貨、ロビイスト~塩原俊彦2015年刊行。

 

 ウクライナ関連を特集した専門的な書籍は少ない。図書館では厳しいと思ったので大きな書店の書棚の前に立った。専門に研究した書籍はこれだけだった。

 著者はソ連ロシア経済政策専攻の学者。

 著者はロシア革命とその後の内戦、それ以降の「ソビエト」連邦の研究から70有余年後の東欧ソ連圏及び「ソビエト」連邦崩壊後のロシアの経済社会情勢を継続性のあるものとして専門的に研究する視座に立っている。

>その一方で改革開放後のロシアや中国を含み全地球を覆いつくすグローバル資本主義の矛盾的拡張(世界資本の蓄積過程とその爬行)が、世界の根本問題を引き起こしている最大要因であると、感知している。

の点において著者とWは一致している。

この基本認識が政治的立場の大きな分かれ目である。

>今の中国経済やロシアの現状を生み出した要因の過半はグローバル資本主義の拡大再生産過程である。それ以前の中国やロシアに科学はあっても技術の蓄積、広がりはなかった。科学と技術の意味と違い・科学技術とは何か

 

 経済開放後の中国とロシアの経済発展の内容を分けたのは<規模の経済>の違いもあるが技術を即時に受け入れ応用する歴史と伝統の違いである。もちろんと地政学的な相違もある。ソ連の周辺に発展した資本主義国はなかった。

<火薬、紙、印刷技術>は中国文明が世界に先駆けて生み出したものである。19世紀中盤、中国とイギリスのとの間で不平等貿易が行われた時期、中国商品はイギリスを圧倒し、その穴埋めに東南アジア植民地のアヘンを中国にばらまくしかなかった。それがアヘン戦争に繋がった。

グローバル資本主義下で愁眉の課題になっているのはサイエンスではなく、テクノロジーである。ロシアの広大な大地は歴史的にテクノロジーの乏しい地域だった。だから偉大なロシア文学が醸成された。実利主義の中国に散文ロマンはない。

 

 ウクライナ20」は購入した本なのでマークをしながら読み進めるうちに「辛く」なって中断した。

大まかに解りきっていることを今更、事細かに指摘され教わると、精神衛生上よくない。

 

 余談になるがWは若いころに他人には披露する機会がほとんどなかったが、ロシア革命ソ連論の素人研究家を自認していた。

特に印象に残っているのは、ソ連経済論の分厚い教科書を知人から借りてきたときだった。自分のそれまで知っている経済の知識の範囲で、この教授の描いている批判的視点のないソ連経済の発展過程に疑問を持った。何を原動力として経済が動いていくのか、全く見えなかった。経済単位それ自体も独自の運動性が乏しくあいまいに想えた。中ソ論争の一つの焦点はソ連の物的刺激を利用した経済体制の当否だった。

 よく言われている計画経済という要素で統一されているわけではない。

それだったら解りやすいし運営上もすっきりするだろうが(改革開放前の中国ではほぼ計画経済を踏襲していた。だから政権の作為による混乱が発生した)、資本主義の利潤計算の要素と利潤を経営に回して経済を回していく要素の二重構造になっていると見た。当然、物資調達には市場的要素が出てくる

 こういう経済構造は拙い経済の知識でもうまく回っていくはずがないと思った

当時流行の学者、羽仁五郎混合経済のような体制はうまくいくはずがない、瓦解する脆弱なものとして、その典型にユーゴスラビアの自主管理を取り上げていた。もっとも中身の説明はなかったけれど。

 当時のユーゴスラビアソ連の経済体制は耳障りがよくもっともらしく映ったが、あれから半世紀以上過ぎて、資本主義経済体制に近い方から無残にも瓦解していった

 

結局、政治体制が危機的な状況に陥った時期に国家権力によって(政権独裁)経済機構をどうにか維持できて、状況に対処する有効な政策を実行する指揮系統が、予め放棄されるか弱く、いざというときに経済無政府状態に陥ったのだろう。

>混乱時の政権は国民に飯を食わせ生活を保障する手足を失ったこういった時の美辞麗句や理想は無力である。むしろ政治犯罪に近い。なのに真実味を持たせようとすれば、プーチンように国家や民族の共同幻想にもたれかかるしかないがそのときには、冷徹な状況判断、決断の余地は無くなっているウクライナの指導者も同類である。だから戦争への道を転げ落ちた。

 かつての日本の戦争に至る指導者も同じことが言える。

>ただし、別の視角からみると、残虐な非道な植民地主義を経た資本主義の老獪な先行政治の罠に嵌められていたのだ。

>世界を巻き込んだ大戦争には双方の言い分があったが、予め管制高地を獲得していた勝者が罠にはまった敗者を裁いた。

>しかし、少なくとも植民地主義帝国主義であろうが経済的帝国主義であろうが、帝国主義的経済拡張の歴史段階における戦争に対して民衆レベルで<善悪><正否><正義、不正義>はない即時停戦戦争を遂行している戦争指導者をその国の民衆が裁く。とくに隣同士の国で外国勢力を味方に戦争をしているのは、もうそれだけで双方の責任である。欧米に支援されたウクライナと戦争していること自体がロシアの責任でもある。古くは朝鮮戦争を引き起こした南進。

 残虐を本質とする戦争することで利益を得るためにはキリスト教的な殉教と「正義」の自己正当化が必要である先に手出しを十分させる状況を作っておいて」、あるいは味方に有利な謀略情報を流して国民に戦争手段の正義性を浸透させ、キリングワードワールドに正当性の旗を立てる。国民国家と民主政は過去も現在も戦争もあり、の制度である。

 広島と長崎への原爆投下した国の軍事指導者やその追従者は、自分たちに同じ惨禍が降り注ぐのを警戒し、同じ武器をもっている体制の違う国を滅ぼせば、圧倒的優位な管制高地を得ることを知っている。

多大な犠牲を払ってでも戦争し、それよりも巨大な利益を獲得したのは英米だけであろう。

 究極的に言えば、英米の軍事力にに守られず「共産化」してもいずれは打ち破ることができる。

なぜなら地理的拡大によって得られる共産化は経済の政治からの自律化がないので、長い目で見て機能を失う。それに支配者の世界と民衆世界は次元が違う。

文明国の歴史とはそういうものなのに東アジアの外れの日本列島だけが違っていた。

戦争に負けのに東アジア、東南アジアの冷戦体制がもたらす戦争によって兵站基地として特別な「恩寵」を受けた。日本の歴史は特殊である。もっと言えば、歴史時代からの列島引きこもりの遺伝子が偏っているという日本認識がこれからの時代には必要となる。

 欧米にはそれなりの血塗られた歴史があり今に至っているが、だからといってその歴史で獲得した現制度がスタンダードではない

前々回の記事で英国の典型的な戦争指導者のチャーチルのシニカルな民主主義制度における政治家評を挙げたが(最低に人間の中からよりましなものを選ぶのが議会制代議士制度である)、あれから80年以上経って、そういう冷めた政治選択(代議士選挙)も上滑りし跳ね返されるほど制度構造物は強固に肉付けされ、民衆の立ち位置から遠く離れて行っている。

この点において、EUも帝国ならば、米国も帝国であり、ロシアや中国は未遂の帝国である。

そして帝国と未遂の帝国同士が世界を舞台に鎬を削りあっている。結果はどうなるのか、現時点で予測できる。しかし問題はその先にある。さらにその途上におけるロスと犠牲の問題である。誰がその代価を支払うのか。戦争的危機を煽るものは傷つかない。犠牲は民衆である。兵士も民衆の一部である。危機を煽ることによって民衆に規制をかけ不払い労働の時間を長くする古くて新しい企みもある。

世界の民衆は生活において実損を受けている

それで民衆として戦争の片方が正しくて片方がが間違いだといえるのか?そうであれば生活の実利とかけ離れたイデオロギーに毒されている、と言わなければならない。世界的な戦争危機において実損を受けるのは民衆である。

刷り込まれた現実生活と肉体から離れたイデオロギーは払しょくすべきだ。

 しかもそうした民主主義制度の中身は移ろい行く。

高度資本主義であればあるほど、経済的な拡張を基本とし国境を越え、国民国家の下半身を養分に浸透していき、コレに対して当該の政権が別路線を打ち出せば実力行使に容赦はなかった。

 

 @ウクライナ、ロシアはソ連邦崩壊過程でどうしようもない状態に陥った。ドサクサに紛れて膨大な国富を奪われた体制は歪んで救いようがないと思っていた。

だから今更、ソ連邦崩壊の中心部の矛盾が吹き寄せられたようなウクライナの内紛過程を示されてもげっぷが出るだけだ。国や民族の違いを超えて民衆の立場で考えると、内紛や戦争の犠牲で得られるものはいったいどの程度のものなのか、両国と世界の民衆はイデオロギー抜きに考えてみる必要がある。

平和を守り平和を獲得するとは戦争を仕組むことで支配を強化する自国の政府を倒すことであり他国の戦争の是非を問うことではない。そういう思考は冷戦体制時代の場内平和状態を歴史条件とした思考であり、グローバル資本主義の行き過ぎた段階では帝国の政治軍事を容認し推進するものに転化する。

 

  大情勢に切り込んでいく方法論に核心的な問題がある。

激動情勢のエポックになる事実の一つ一つを積み重ねて、善悪や価値判断を自然に導き出す方法より<理論の大枠>を組んで大情勢に切り込んでいく。

グローバル資本主義がもたらす激動の世界情勢を取り扱う場合、帰納法よりも演繹法が必要である。ウクライナ情勢もこの基本視座が必要。

www.bizreach.jp

引用

帰納法とは別に、演繹(えんえき)法という思考法があります。演繹法の特徴はルールや法則に基づく物事から結論を導き出すということです。帰納法は複数の事実や事例から一般論となり得る結論を導き出しますが、演繹法は一般論に基づく物事に当てはめて結論を導き出すという違いがあります。」

ウクライナ」塩原俊彦は典型的な帰納法に基づく「理論」書であり、その意味で事実の列挙は読む人を憂鬱にさせるがその気持ちの出口は学者さんの絵空事の啓蒙レベルでしかない。

こういうことを説いても暖簾に腕押しであり、これなら平和宗教を布教する方がましだ。

  こういった時代に読者を勇気づけるのは演繹法によるはっきりとした理論のバックグランドのある書である。

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 レーニン帝国主義論」⇒マルクス資本論」を原理論として意識し書かれたものである。項目を列挙するとよくわかる。

帝国主義論 - Wikipedia

  1. 生産の集積と独占体
  2. 銀行とその新しい役割
  3. 金融資本と金融寡頭制
  4. 資本の輸出
  5. 資本家のあいだでの世界の分割
  6. 列強のあいだでの世界の分割
  7. 資本主義の特殊な段階としての帝国主義
  8. 資本主義の寄生性と腐朽
  9. 帝国主義の批判
  10. 帝国主義の歴史的地位   W、以下、帝国主義論の参考文献

    ジョン・アトキンソン・ホブソン - Wikipedia

    ルドルフ・ヒルファディング - Wikipedia

     

     

     

    マルクス資本論」第1部 資本の生産過程

    • 第1篇 商品貨幣
      • 第1章 商品
      • 第2章 交換過程
      • 第3章 貨幣または商品流通
    • 第2篇 貨幣の資本への転化
      • 第4章 貨幣の資本への転化
    • 第3篇 絶対的剰余価値の生産
      • 第5章 労働過程と価値増殖過程
      • 第6章 不変資本と可変資本
      • 第7章 剰余価値
      • 第8章 労働日
      • 第9章 剰余価値の率と総量
    • 第4篇 相対的剰余価値の生産
    • 第5篇 絶対的および相対的剰余価値の生産
    • 第6篇 労賃
      • 第17章 労働力の価値または価格の労賃への転化
      • 第18章 時間賃銀
      • 第19章 出来高賃銀
      • 第20章 労賃の国民的相違
    • 第7篇 資本の蓄積過程
      • 第21章 単純再生産
      • 第22章 剰余価値の資本への転化
      • 第23章 資本主義的蓄積の一般的法則
      • 第24章 いわゆる本源的蓄積
      • 第25章 近代的植民理論

    第2部 資本の流通過程

    • 第1篇 資本の諸変態とそれらの循環
      • 第1章 貨幣資本の循環
      • 第2章 生産資本の循環
      • 第3章 商品資本の循環
      • 第4章 循環過程の三つの図式
      • 第5章 通流時間
      • 第6章 流通費
    • 第2篇 資本の回転
      • 第7章 回転時間と回転数
      • 第8章 固定資本と流動資本
      • 第9章 前貸資本の総回転。回転循環
      • 第10章 固定資本と流動資本とにかんする諸学説。重農主義者とアダム・スミス
      • 第11章 固定資本と流動資本とにかんする諸学説。リカード
      • 第12章 労働期間
      • 第13章 生産時間
      • 第14章 通流時間
      • 第15章 資本前貸の大きさにおよぼす回転時間の影響
      • 第16章 可変資本の回転
      • 第17章 剰余価値の流通
    • 第3篇 社会的総資本の再生産と流通
      • 第18章 緒論
      • 第19章 対象についての従来の諸叙述
      • 第20章 単純再生産
      • 第21章 蓄積と拡大再生産

    第3部 資本主義的生産の総過程

    • 第1篇 剰余価値利潤への転化、および剰余価値率の利潤率への転化
      • 第1章 費用価格と利潤
      • 第2章 利潤率
      • 第3章 剰余価値率にたいする利潤率の関係
      • 第4章 回転の利潤率に及ぼす影響
      • 第5章 不変資本の充用における節約
      • 第6章 価格変動の影響
      • 第7章 補遺
    • 第2篇 利潤の平均利潤への転化
      • 第8章 相異なる生産部門における資本の平等な組成とそれから生ずる利潤率の不等
      • 第9章 一般的利潤率(平均利潤率)の形成と商品価値の生産価格への転化
      • 第10章 競争による一般的利潤率の均等化。市場価格と市場価値。超過利潤
      • 第11章 労働賃金の一般的諸変動が生産価格に及ぼす諸影響
      • 第12章 補遺
    • 第3篇 利潤率の傾向的低下の法則
      • {\displaystyle r={\frac {M}{C+V}}={\frac {(M/V)}{(C/V)+1}}}
      • 不変資本C 、可変資本V 、剰余価値M 、利潤率r 
      • 「資本の有機的構成C /V が高度化すると、剰余価値M /V が一定である限り、利潤率r は低下する」
      • W⇒一国の純粋な資本制経済を想定した場合の<原理論>である。
      • W⇒日本高度経済成長は冷戦体制を絶対的な大前提とした日本一国内の内発的な経済発展だった。1970年代に入ってマルクスの「資本論」が指摘する利潤率の傾向的低下が国内で発生し、過剰になった生産設備と資本は列島改造論にみられる土地開発、投機に脱出口を見出した。さらに韓国、東南アジア、米国への輸出大攻勢となった。そこにOPECによる原油価格つり上げの打撃を受け高インフレと世界的な同時不況スタグフレーション)が発生した。
      • その後の日本資本主義の歩みは、当時の先進国でとびぬけた人口ボーナス(戦前の東アジア侵略は近代化と歴史人口学の観点から分析するとリアルに納得できる)の余韻を利用した生産点の<濡れた雑巾>を絞るような合理化と日本独特の官僚差配資本主義、年功序列企業社会で切り抜け<経済大国>に浮上し、
      • 遂にプラザ合意受諾、日本バブルとその崩壊に至る。
      • 以降の日本経済長期停滞の最大の要因は、日本の経済発展のエンジンであった恵まれた特殊な内外環境が東西冷戦崩壊後のグローバル資本主義環境への転換で取り払われ~当時の日本経済への米国を中心とする外圧は、今の中国、ロシアへの外圧と<米国、EUとの政治軍事リンクの有無、地政学的歴史的独立性という次元を取り外せば、同質の帝国の権益の問題であり政治決着された。
      • 日本の支配政治は要求を呑んで経済体制の不利な改変を行い、その付けは過半の国民の肩に背負わせた。
      • 長期経済停滞の要因はココにもある。
      • 中国やロシアは逆らった。世界の新興国はどの道を選ぶのか?
      • 同時に日本は世界資本が生み出した新興国の急台頭によって交易条件が悪化した。
      • 【対談】岩井克人 x 孫泰蔵 経済敗戦の要因は「1周遅れの株主資本主義」にあり | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

      • 引用
      • ヨーロッパはもちろん、非常に株主主権的なシンガポールでさえ義務付けられていない会社の四半期開示の実施が象徴するように、本は、世界の中では最も株主主権論が強い国になってしまった。日本の株式市場は、海外のハゲタカ・ファンドの草刈り場になってしまっている。」
      •  「日本の国富が収奪されているのです。これも、株主資本主義を考えなしに、外国のモノマネで入れてしまった結果です。」
      • バブル崩壊のショック、失われた10年での自信喪失が大きい。それまで、大企業間では株式の持ち合い(「Point3」)が行われW⇒「レーニン帝国主義論」、株主資本主義は米国資本主義の経済民主主義の一変種。かつての「豊かな」中間層対策。今必要がなくなったのでグローバル資本家に都合の良いように改変されている。帝国主義論の下記で描かれた金融寡頭制に至る道程は大企業間の連携でありこの手法が経済合理主義に合致している。働くものへの報酬は政治圧力によるほかない。資本の利得を株式投資の割合によって一般に分配するというのは労働貴族、労働官僚を育成、培養、保持する労務管理の一形態であった。
      •   ↓
      • 生産の集積と独占体
      • 銀行とその新しい役割
      • 金融資本と金融寡頭制
      •  
      • 「日本の株式市場はその役割の一部を果たしていなかった(W護送船団方式だったので、各金融寡頭制内部で資金調達はできたし公的融資も受けられた。言い換えると経済競合を含む<国家寡占資本主義>だったのだ。)。だからこそ、「会社は株主のものだ」という株主主権に基づき、株主に還元する利潤を追求する会社にリスクマネーが供給される、という主市場が本来もつ機能への憧れが芽生えた。⇒W。クラウドファンディングじゃあるまいし!

        孫:自信の喪失と憧れ。それまでの日本のやり方が、ことごとく悪く見えてしまったわけですね」アメリカの中で、金融的に最も成功している会社はウォーレン・バフェット率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイバフェットの成功の秘密は長期的な株式投資⇒W。資源に投資している。ウクライナロシア戦争で大儲けしているだろう。
      • バークシャー・ハサウェイはA株とB株という2つの種類株を発行しており、A株はバフェットと共同経営者、B株は株式市場の投資家たち向けに発行されていますが、B株に与えられている議決権は、A株の議決権の1万分の1しかない
      • バフェットは保有株の大半を、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などに寄付。それは慈善事業であるとともに、日本で言う安定株主工作でもあるのです。慈善団体は短期的利益を求めませんから。バフェットが長期の株式投資ができる理由は、「モノ言う株主にモノを言わせない仕組みをつくっている」という逆説があるのです。

        そのやり方をまねしたのがグーグルです。04年に米ナスダック市場に上場した際の株式は2種類。A株は市場で売買する投資家向けで、B株は創業者のラリー・ペイジセルゲイ・ブリン、CEOも務めたエリック・シュミットの3人が所有B株にはA株の10倍の議決権があるアルファベットに社名変更後に発行したC株には議決権すらない。⇒W。詳しくは知らないが日本の株式市場で上場する際は同じ会社の2種類の株の公開は証券会社に断られるのではないかな?会社を最初から分割した場合はOKでは?日本銀行は日本の株式市場に投資し下支えしている程の官製株式市場だから、上記のような抜け道は許さない。ハゲタカファンドが利用する。

        「株式市場に開かれているので、株価が下がれば株主から文句は出る。しかし、実際の経営には、株主は介入できない。だから、従業員は長期的な視野で研究開発に励めることになる。これこそ、グーグルが最も成功している会社である理由のひとつです。
      • レーニンの「帝国主義論」はその原理を新旧資本主義国内の資本力と労働力商品の格差急拡大による過少消費がもたらす資本輸出による超過利潤の獲得と同じ行動をとる新旧のタイプの違う資本主義国どうしの世界市場の<再分割戦>と第1次世界大戦を規定し、帝国主義同士の戦争の危機の時代の人々の戦いは一義的に戦争をする自国政府の打倒であると結論付けている。
      • ~~イギリスのホッブスの「帝国主義論」~反俗日記で特集済み~とドイツ社会民主主義の理論家であり政治家であったヒルファーディング「金融資本論」を参考にしている。なお、ヒルファーディングはナチスに殺されている。
      • 第13章 この法則そのもの
      • 第14章 反対に作用する諸原因
      • 第15章 この法則の内的矛盾の展開
    • 第4篇 商品資本及び貨幣資本の商品取引資本および貨幣取引資本への(商人資本への)転化
      • 第16章 商品取引資本
      • 第17章 商業利潤
      • 第18章 商人資本の回転。諸価格
      • 第19章 貨幣取引資本
      • 第20章 商人資本にかんする歴史的考察
      • 第21章 利子生み資本
      • 第22章 利潤の分割。利子率。利子率の「自然」な率
      • 第23章 利子と企業者利得
      • 第24章 利子生み資本の形態における資本関係の外在化
    • 第5篇 利子と企業者利得とへの利潤の分裂。利子生み資本
      • 第25章 信用と架空資本
      • 第26章 貨幣資本の蓄積、その利子率に及ぼす影響
      • 第27章 資本主義的生産における信用の役割
      • 第28章 流通手段と資本。トゥックおよびフラートンの見解
      • 第29章 銀行資本の構成部分
      • 第30章 貨幣資本と現実資本1
      • 第31章 貨幣資本と現実資本2(続)
      • 第32章 貨幣資本と現実資本3(結)
      • 第33章 信用制度のもとにおける流通手段
      • 第34章 通貨主義と1844年のイギリス銀行立法
      • 第35章 貴金属と為替相場
      • 第36章 資本主義以前
    • 第6篇 超過利潤の地代への転化
      • 第37章 緒論
      • 第38章 差額地代。総論
      • 第39章 差額地代の第一形態(差額地代1)
      • 第40章 差額地代の第二形態(差額地代2)
      • 第41章 差額地代2 その1、生産価格が不変な場合
      • 第42章 差額地代2 その2、生産価格が低下する場合
      • 第43章 差額地代2 その3、生産価格が上昇する場合。結論
      • 第44章 最劣等耕地にも生ずる差額地代
      • 第45章 絶対地代
      • 第46章 建築地地代。鉱山地代。土地価格
      • 第47章 資本主義的地代の創世記
    • 第7篇 諸収入とその源泉
      • 第48章 三位一体の定式
      • 第49章 生産過程の分析のために
      • 第50章 競争の外観
      • 第51章 分配諸関係と生産諸関係
      • 第52章 諸階級

  引用終わり。

演繹法

@具体的にいえば、

@広島、長崎への原爆投下とその惨状を受けた日本の政治行動。

ベトナム反戦

 

帰納法になりがちな戦争事態(演繹法が求められる)

朝鮮戦争(「戦時下」の日本で民同=総評運動が産別会議を超えて台頭したのは演繹法による敗戦の痛手消え去らぬ時期の日本政府の戦争協力に対する(警察予備隊、後方兵站基地化)反戦平和の呼びかけであった。コレに対して帰納法をとって情勢分析をした産別会議と共産党は方針が揺らいだ。

ウクライナロシア戦争に対して日本支配層は断固としてウクライナを支援している。野党はロシアを糾弾しているが停戦は言わない。

政府と同じ土俵にたっている、客観的に。

東アジアで戦争の暗雲が広がると日和見の立場になり、最後は中国が悪い、という立場になる必然性がある。

そうなると日中の民衆はお互い敵どうしになってしまう。

@イランイラク戦争

イラク戦争

 

著者もその演繹法の必要性は痛感しているようで、この本の最後に。

 終章、新しい世界観

を打ち出しているが、どうかな?絵に描いた餅ちがうかな?

この理論の大枠が実効性に至らないものだから(世界政府の系譜)、事実の積み重ねが<告発>の域を出ないものとなっている。

この本の前半はロシア侵攻より10年以上前のウクライナ内紛とロシア及び米国の関与の事実の一つ一つを丁寧に抑えている。後半はロシア情勢を取り扱っている。

双方言い分があり、事実の羅列の告発に終始していたら、心のドツボに嵌る。

               時間不足により次回へ。