反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第5回。フランスの特異な政党政治状況は新自由主義政治による欧州領域のヘゲモニー獲得へ出口を求めるしかない。経済ヘゲモニーの独、政治ヘゲモニーの仏は一体化しEU帝国主義を推進していく。G7はアライアンス化しなければ覇権を維持できない。 

参考資料①

フランスの政党はなぜ弱体か(2・完)藤 井 *

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W。各政党支持層は<膨大かつ多様な中間層とするモザイク的集合

>しかもこのモザイクは<組織されざる孤立した諸個人>国家ー社会の関係が中間団体を排し「解放された」諸個人が直接国家権力に向き合うルソージャコバン型2極構造の痕跡を留めている(結局、制度法律、文化習俗に刻印され経済社会構造に支えられてきた、<知恵>ということ~例フランスの労働協約~)。素晴らしいことである!

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W.より国民を構成する所属階層を超えたよりベターな各政策ごとの利害調整を通じて決定されていく。政党、中間団体の圧力が弱く、諸個人がむき出しで国家と向きあうことができるので、諸個人の決断による街頭大衆行動の政権への圧力は他国にない程、有効に機能する。政党、中間団体が諸個人の意思表明に対する<リトマス試験紙>や<ハードル>になり難い。

W.代表制民主政下の直接民主主義が発揮されるためにはフランス的統治形態がベターである。アングロサクソン、新大陸の二大政党制は民主政の牢獄である。

>①イギリス市民革命の挫折がイギリス国教と王室と妥協した代表制統治形態の雑炊物を生み出し、イギリスが世界の工場になることの結果として民主政の牢獄を世界的に伝播した。②なおアメリカ革命独立戦争と日本では一括される)はクレオールナショナリズムを基盤とするものであって民主政のモデルにはなりえない。

>したがって民主政モデルはフランスの近代史において見いだせる。

@そしてフランス型の代表制は中間団体の雑炊物を超えたルソージャコバン型の国家ー社会の2極構造であった。

@独裁と民主政下の諸個人の自由が矛盾しないためには国家と諸個々人が直接向き合う2極構造を阻害する既存の中間団体(雑炊物~政党、宗派、資本家団体、労働団体、業界団体)がその典型)の力を目的意識的に弱めなければならない。

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W.資本主義の強力な経済構造の諸個人に対する影響力の強さとその動力に従属せざる得ない現実を踏まえ、政党政治の多数派の決断する政治が常に多数派諸個人を抑圧し暴走しがちな要因を含んでいると観念したとき、下記のようなフランス政党政治の負の側面が肯定的側面に転化する、ことも事実である。

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W,西ドイツ(キリスト教民主同盟キリスト教社会同盟~南部バイエルン)、イタリア議会(キリスト教民主党)圏において主導権を握っている政党は国民各層に満遍なく集票できる中間団体と結びついている。

W.フランス、ドゴール派は特異である。

>「政治と経済の絶縁の結果」政党は規定社会から遊離した特殊に観念的な抽象体」ともいえるが果たしてそれで済まされるだろうか?

レジスタンス/抵抗運動

引用

ド=ゴールの自由フランス

海外にあっては、休戦協定に反対してロンドンに亡命した軍人のド=ゴール自由フランス政府を樹立し、1940年6月18日にイギリスBBC放送を通じ、対独レジスタンスを呼びかけた。自由フランス政府の組織した軍は、まずアフリカ戦線でドイツ軍と戦い、チャド、赤道アフリカ、カメルーンなどで勝利を収めた。
 ド=ゴールの活動は当初は連合国から認められていなかったがド=ゴールは国内の抵抗運動との連携に成功して43年5月、全国抵抗評議会(CNR)を組織、さらに抵抗運動と軍の統合するフランス国民解放委員会を6月に立ち上げてフランスの中央政府であることを宣言した。これには国内の政党とレジスタンス指導者が参加し、ド=ゴールをその代表とすることで合意した。44年6月2日には解放委員会は共和国臨時政府となり、ド=ゴールを首班としてフランスの再建が開始された。」

W。偉大な戦いの結果、ドゴール派が議会圏多数派となった。

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「社会協同性の低さが政党に基底社会とのつながりを貧弱にし、政党に特殊な観念性を与える。」⇒政党政治共同幻想の産物である。従って強い政治性は観念的色彩を帯びる。コレが厳しい政治状況においてのリアル実態である。

  <エスプリ>

esprit. フランス語で「精神」「知性」,特に英語のウィット witにあたる「才気,機知」,すなわち批評精神に富んだ軽妙洒脱で辛辣な言葉を当意即妙に述べる才のこと

>その短い言葉は発言者,場所,時間から独立しうる。

W、その状況にどっぷりと浸かっていたらエスプリは発せられない。状況から一旦離脱し外部から状況を俯瞰する冷静な視点がエスプリを発するものには必要だ。

W。同調圧力の強い日本文化にエスプリは乏しい。体験からもそれは痛感する。エスプリ精神さえあれば防げたことがいっぱいあった。団体内部でエスプリは外側に追いやられる。

W。1930年ごろのドイツ労働組合組織率の高さ、を挙げているが、ナチスの動員力に転化している。なお、ドイツでは中間層を取り込むブルジョア政党は未成熟なままだった。これがワイマール憲法状況下の両極対立を生んだ、ともいえる。

W.論旨が怪しくなっている。ドイツ社会の分析が深堀されていない。

Wの史観ではドイツは圧縮された近代化(急速資本制化~資本の蓄積、絶対優先)の矛盾がある。

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W。キーワード 政党が形成された初期条件。党員の意味の変化。見るべき党組織を持たない幹部政党。電子メディアの発達と政党助成金⇒党員数の多寡が政党間の競争の画技ではなくなった=党員獲得は至上命令で亡くなった。

W。結局、フランスの政党はフランス革命の伝統を引き継ぐ中央集権国家機構の一部として機能してきた。それは度々政権を担ったフランス社会党の幹部が国立行政院出身者で占められていることでもわかる。他方で、フランスの今まで述べられてきた政党政治状況は新自由主義政治による欧州レベルでのヘゲモニー獲得への出口を求める。

>経済ヘゲモニーのドイツと政治ヘゲモニーのフランスは一体化してEU帝国主義を推進していく。

コレが反俗日記の結論である。G7はアライアンス化しなければその覇権を維持できない。

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