>円の市場為替レートと円の実効為替レートは違う。前者は為替市場において円を当該通貨と交換する場合のレート。後者は円で当該国において物品サービスを購入した場合、現地の消費者物価による購入量。
実質実効為替レートを解りやすく説明する場合、必ず持ち出される指標。
「ビッグマック指数とは、各国の経済力を測るための指数。マクドナルドで販売されているビッグマック1個の価格を比較することで得られる。」
①外国人観光客の来日数が急増している事情は、下図を見ればよく解る。いわゆる先進国で消費物価が格段に安いのは日本だけである。ただし東アジア東端、極東に位置する日本はまだ欧米からのインバウンド客は相対的に少ない。近隣諸国からの観光客が多い。中国人観光客と一括りにされている内訳は主として香港、台湾からのインバウンドが大半を占めている。中国本土からの環境客は意外に少ない。活発な傾向があるので目立つだけだ。
②EUの物価水準がほぼ統一されていることに注目する。統一通貨使えば、域内後進地域の土地、賃金、インフラ、物品サービスもインフレを起こす。それで生活が苦しく成れば、中心部に移動するのは当たり前だ。イギリスのEU離脱(シティー金融の影響力維持のためポンド維持だが)はポーランドからの移民急増が大きな原因だった。有色人種の移民<難民>がクローズアップされがちだが、中心部の中間層の伝統的な職域に浸透するのは周辺部からの白人移住者なのだが、有色人種の移民問題にシンボライズされ一括される側面がある。それは不法移民、難民問題として顕在化し解り易い社会問題になり強行意見が台頭する。しかしこうした問題(周辺から白人移民の増加も含めた)の根本原因はEUという広域経済圏の拡大がドイツ支配層を筆頭とするヨーロッパ支配層の資本増殖欲、致富欲、権力欲、覇権欲に格好の場を提供しているためである。EU経済圏は資本増殖の法則、金融寡頭制の国内矛盾(現象的には資本過剰、低消費、階層格差の拡大)により新開拓地を求めて東方に南に拡大せざる得ない。その拡大ベクトルにNATOという軍事同盟が軍事的上部構造としてついて回るのでEUの帝国拡大は旧スターリン主義圏の変位形態であり不均等発展するロシアと衝突するのである。
②マクドナルドハンバーガ指数をみればアジアは安価で整備された労働力人口、土地、インフラ、の経済発展地域である、とわかる。
③南北アメリカはアジアのような経済発展の要素が欠けていると解る。USAは地政学的にアジアやアフリカ、不均等発展するロシア、中国に覇権を求める。その際にマクドナルドハンバーガー指数において特殊、狭隘な立ち位置になった日本の利用価値はかつてない程、拡大してきた。
@総括的にいえば、20世紀終盤より急速に不均等発展してきた現代帝国主義の矛盾はEU、あめりか(ウクサ協定国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)、日本と(ある意味欧米民主制資本主義経済搾取構造と次元の違う体制的空白地域)ロシア、中国、アフリカの市場の再分割を眼目とする戦争になって爆発し続ける。
******************************************************************************
W。筆者は政治音痴だ。
もっと本質的な問題(どうして日本国内投資が回避され、カネ余りになり、海外へのカネの流れが止まらないの?資本論ー帝国主義論ー現状分析の視座から問題にしたかったが、)資料の適切な整理に手間取っている。
いかのような見方は百回繰り返しても、何も語ったことにはならない。
一つ一つの要綱に何故?の深堀が無く問題点の羅列だが一応整理されている。
引用
「円安に歯止めがかからない主な要因
円が売られる要因の一つは、わが国の実質金利(名目金利マイナス物価上昇率)が大幅にマイナスであることだ。現在、わが国の政策金利(無担保コールレートの翌日物)は0~0.1%程度である。5月の消費者物価指数は前年同月比で2.8%上昇した。実質金利は、マイナス3%程度ということになる。
米国、ユーロ圏などは実質金利がプラスだ。米国であれば、政策金利であるFFレートの誘導目標レンジは5.25%~5.50%。5月の個人消費支出の価格指数は、総合、食品とエネルギーを除いたコア指数ともに前年同月比で2.6%上昇だった。米国の翌日物金利の中央値は実質ベースでプラス2.5%程度だ。⇒W.コレほどの経済格差があれば、それを利用する甘い金儲けの方法が出現する(日本買い!)。
他の要因として、国際収支の変化もある。海外とわが国のマネーフロー(おカネの流れ)は変化している。わが国の経常収支は黒字を保っており、これは貿易サービス収支の赤字額を、第1次所得収支の黒字で補っている格好だ。
国内企業が海外に設立した子会社の配当金や、保有債券からのリスクの受け取りが、第1次所得収支の黒字を支えている。
ただし、第1次所得収支の多くは国内に戻らず、海外で再投資されている。23年度の速報ベースで、国内企業の対外直接投資からの収益は約21兆円あった。うち50%は海外で再投資された。
クラウドコンピューティングやネット広告関連などの“デジタル赤字”も増え、国内から海外に流れ出る資金は増えた。
わが国の財政赤字は増加傾向にある。財務省の資料によると、17年(暦年)にGDP比で4.1%だった財政赤字は、22年に5.5%に拡大した。G7の中でイタリアに次いで高い。
22年、国債など公的な債務の残高はGDPの257.2%に上昇した。G7だけでなく、諸外国と比較して突出している。
その財政赤字は日銀により賄われ、その分が資金供給となって市中に供給されている。
>市中に過剰資金がだぶついているため、どうしても投機筋から調達通貨として利用されやすい。」
GーG´
面倒な国内の生産過程への投資よりカネによってカネをうみだすことが経済活動の眼目となる(株不動産などの投機と海外直接投資)。
円安を食い止める要素は?
内外の実質金利差の縮小には時間がかかる。⇒W?無理!
米国の賃金上昇率は、物価の上昇ペースを上回っている。
⇒W.You Tubeに米国発の生活苦の動画が満載されている感があるが、全般的な実情とは違うようだ。物価上昇ペースについていけない層(年金生活者、下層、周辺労働層)の光景を動画にしているのだろう。⇒米国社会の分断。
資本の増殖という環境が賃上げのベースであり、そこから遠ざかるほど、賃上げは実現しない。⇒W。トランプ保護貿易主義、排外主義を支持するが結局、トランプは双頭の鷲のグローバル資本制の一方の頭の一つに過ぎない、とわかる(ヨーロッパの民族派も同類)。
****
実質賃金がプラスの間、米国の個人消費はそれなりの底堅さを維持する可能性がある。
日本銀行は金融政策の正常化を慎重に進めるとみられる。ただ、内外金利差の本格的な縮小には時間がかかる。すぐに円安を止められるパワーはないだろう。⇒W.日銀は日本の経済力を背景に為替市場ににらみを効かせられる。
わが国の企業の多くは、今後も高い成長が期待できる海外に進出するだろう。国内から海外に向かう資金は増える可能性がある。中長期的に経常収支の黒字幅は、縮小することも考えられる。
米大統領選挙の結果が、円の為替レートに影響を与えることも考えられる。トランプ氏はドル高を好んでいないようだ。トランプ陣営が「ドル切り下げを検討」との報道もあった。トランプ氏再選の場合、米国の為替政策はドル安重視に傾く可能性はある。
米国の個人消費支出の伸びのペースが穏やかになり、日米の実質金利差が縮小することも円売り圧力を弱める要素になるだろう。ただ、ドル安は米国のインフレ懸念を再燃させるリスクもある。また、わが国経済を取り巻く主な円安要因に大きな変化がない限り、円の本格的な反発は難しいだろう。当面、円安傾向は続くとみた方がよさそうだ。」
W。奇妙奇天烈な原理論、一国経済論、企業会計論を組み合わせた幼稚な理論体系を現状の日本経済の特殊に行き詰った状況への処方箋であるかのように語り、金融緩和、財政膨張によって救われるというのは、大間違い。コメント欄はそいう類が多い。日本経済、財政の現状はケインズ経済政策の基本原則も適用もできないほど特殊である。他の国はソコソコ適用範囲内。その異常な日本の現状に、かつては日銀を悪者にアベ的金融緩和策を取らせ、いまは財務省叩きをして財政膨張をすればなんとかなるという戦前の繰り返しのような政策を信じる人たちが出現する。