反俗日記⇒本編記事作成中、イロイロと疑問点を調べていくうちに、興味深いサイトに出会った。
各国<USA、(フランス、オランダNederlandオランダ語≒Netherlands英語、Dutch、Holland)⇒自国の呼び名が色々ある国は多様化社会である。
<イタリア>、ドイツ、(ドイツ語ではDeutschland、発音はドイッチェランド)。
、スイス>の耕地面積、最後に食料自給率などの農業分野の比較。
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国旗で国を表示し棒グラフを作成しているのだが、フランス国旗とオランダ国旗の区別がつかなかった、というか両者を勘違いしていた。
イタリアの3色の国旗は緑が印象的なのでなんとなくわかる。
フランスの国旗のデザインも赤、白、ブルーも何となくわかる。
今に至ってフランス国旗とオランダ国旗の違いは、
>同じデザインの立て並びがフランス。横並びがオランダとは初めて知った。
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フランス国旗はなぜか三色横並びという印象があった。
国旗はそもそも、正方形ではなく、縦よりも横に長い。
だからなのか、米国旗、などほとんどの国旗は横方向を強調したデザイン。
左上の隅にイニシャルを置いた国旗も多い。
>ドイツ国旗の横並びの黒、黄、赤の三色をそのまま縦並びにしたのがベルギー国旗でフランス国旗の縦3色並びを参考にした。
ベルギー<カトリック70%とは知らなかった!>~~エマニュエルトッド⇒EU地域の70%は直系家族。下図参照。直系家族のイデオロギー類型は不平等、権威主義!
EUは帝国としてしか機能しない(反俗日記)。
王の替わりにブリュセルのEU官僚組、支配層はヨーロッパ規模の共通階層利害。EU政治地図も各国国民の投票では簡単に変えられない制度。支配地域は国民国家の国境を超えているが、税収システムは国単位。考えようによってはEU支配層に便利な広域支配と徴税の手間が省ける制度であり、弱小国はEUの傘に入っていた方が何かと得。この体制が崩れるのは中核国家の労働層の空洞化からだ)
経済社会政策にEUの縛りもあり核保有のグローバル展開力のある米英の集団軍事同盟ががっちりリンクしている。域内核保有国のフランスはそれなりのプレゼンスを得られる。
こういった要素にグローバル資本主義の固有の巨大な金融と生産の拡大再生産システムが埋め込まれている。EUは20世紀さいごに出現した帝国主義である。
収益性の高い支配領域を拡張すること、覇権を拡大することは本能であり、当然にも将来の権益と見なされる地域の市場と政体を自己の活動し易いように変えていこうとして、EUとタイプの違う政体と衝突する。
ユーゴスラビア紛争からウクライナ戦争に至る戦争の実態はコレだ。
その進行方向はかつてのドイツ帝国とナチス第三帝国の時代と一致しているのは偶然ではない。帝国同士の戦争においてどちらが先に軍事を発動したとか、イデオロギーがどうとか、よりも経済と覇権の拡張の衝突から戦争の本質を理解できる。
~~アルコール度数の高いベルギービールは修道院でも作っていた⇒修道院はプロテスタントにはない!~~の南部はフランス語(共同体)~~南北の経済格差~~、北部はオランダ語方言(共同体)、北東部はドイツ語。
ブリュッセルは地理的にはオランダ語圏にありながら、言語的にはフランス語をしゃべる人が大多数(80%以上)という飛び地のような場所。
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① 国名(countries):全ての国
② 要素(elements) :耕地面積あたりの使用量
③ 種目(items) :農薬(総量)
④ 年度(years) :2000年から2020年(せっかくなので)
明らかに当時の Pesticides indicators のデータから除外されている国があるのです。この時すぐ思いついたのは上位にランクインしていたはずのコスタリカとバルバドス。
引用
「得られているデータをメタデータから自力で全て計算し直します。ドン引きするような途方もない作業量でしたが。
W。コスタリカはなぜかMLBの公式使用球の生産地でもある。NPBミズノ~大阪の埋立地の僻地に本社があるとはあまり知られていない、日本の主要運動具メーカーの本社は関西にある。理由、皮革産業の地~公式球はスリランカ製造。
中南米の近隣の紛争国とはかけ離れたイメージで自然豊かな国防費にカネをかけない平和な国として喧伝されているが、いくら何でも農薬を使い過ぎ。何か特殊な事情があるとおもうが宿題にしておく。
引用
「モーリシャスと日本に対して数値の修正が入り、日本に関しては6.85kg/haから11.82kg/haに変更されているようですね。この修正された正しい数値で以てデータを作成していこうと思います。
⇒下図の棒グラフの数値6,85/haは11,82kg/haに修正されたということだ。 だったら、下図の棒グラフの日本の位置は韓国より少し多く、南米ベリーズと同じ程度。日本は世界的に見て中国と肩を並べる農薬使用大国ということになる。
狭い耕地面積、最終消費者が農産物の見た目に拘り、少量買いをする、など日本的な生産ー消費構造~生鮮食料は通常バイヤーサイドが市場で優位、最終消費者卸業者に従属~~(生産者の出荷作業に余計な負担がかかる~~野菜の収穫作業の動画を見ての感想<そこまでやる必要はない>、市場占有率の低い中小零細スーパーによく見かけるパック詰生鮮品は仲買業者~集荷量が収益の肝である卸はそこまでやらない~が絡んで中抜きがありその分、当該小売りも最終消費者も損をしている)がある。
アメリカは云われるほどの農薬を使っていない。
広大な耕地面積(しかも淘汰された適正地の生産者の機械化生産~儲からなければドライに廃業する~JAと兼業小規模農家のような柵関係は無い)、少数の農業従事者の農薬を大量使用は却ってコスト高になり、大量生産で稼げる、などの要因(補助金、海外販売もある)がある。
世界市場でアメリカよりも価格競争力のあるオーストラリア、カナダは数値に出ていない。アメリカよりもさらに農薬を<使う必要が無い>のだろうか?
ただし、柑橘類、など特定生産物はどうなんだろうか。畜産は農薬使用に入らないが薬物使用。
エクアドルのバナナは大量輸入されている。
チリ、ブラジルの農産物は比較的農薬使用量が少ない。
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【論考】#11 消費者は見た目の悪い野菜を受入れていく価値観が必要なのでしょうか。 | あるのは探究心
⇒反俗日記。
引用
「決してフィリピンの人たちの衛生意識を糾弾するわけではなく、経済と文化の成長・発展の度合いによって、そしてその成り立ちによって、どうしようもなく日本人の衛生意識は高まっていると思います。
きっと世界を均して見ても、日本の衛生意識は高いでしょう。しかしそれは細やかで繊細な日本文化を下支えしてきたある種誇りとも定義できるものです。悪く言えば病的なそれとも言えなくもないですが…。」
⇒W
>日本人の潔癖主義が社会風潮までなったのは
高度経済成長以降の「ジャパン、アズ、ナンバーワン」とまでいわれた日本バブル崩壊以降、東西冷戦体制が終結し、アジア新興工業国の発展をリードする日本経済の戦略的方向性がその後のアジア金融危機を受けたアメリカ主導のIMF型改革の介入により断たれ、東西冷戦体制をを好環境としてきた日本経済の交易条件の悪化した低成長時代に突入した時代であった。
この一連の日米経済「戦争」⇒
プラザ合意受諾⇒日本バブル発生と崩壊⇒アジア新興工業国経済発展とアジア金融危機⇒日本経済のアジア経済発展の雁行の雄たる戦略的展望の喪失とIMF介入(東西冷戦体制終結~中国改革開放ソ連邦崩壊、)⇒日本経済の交易条件が悪化低成長時代に突入のが、今の日本の社会風潮を作った歴史的過程であり、この経過を抜きに何か今の日本の社会風潮が元からあった日本人の性向のように見做すのは事実ではない。
日本人の精神の底流にあった一つの大きな流れが時代状況と共に浮上してきた。
日本映画に例えると
高度経済成長の会社社会を斜に構えて描いた、植木等とクレージーキャッツの一連の無責任シリーズ。イケイケドンドン、無責任大雑把、拡大拡張路線。その他社長シリーズ。
その一方で東映のやくざ映画の歪んだ美意識を表現した復讐劇は上記の陽気な無責任キャラでは成り立たない、潔癖主義が無ければ成り立たない。明が前者なら暗が後者。日本の行く末が不透明になり閉塞感が溢れてくると後者の世界の変形が浮上する!
マスコミ情報社会、識者の間では政治と経済の構造改革が声高になる一方で(アメリカ制度とネオリベ思想を取り入れる)対抗的に一斉に日本社会の特色を内向きにあげつらい出した。
「、高い日本の衛生意識が細やかで繊細な日本文化を下支えしてきたある種誇りとも定義」されだしたのは、
元々日本社会の底流にあった一方のメンタリティーが上記の歴史の流れと時代風潮を画期として日本社会の表層に浮上し社会を覆ってマイナス的に作用している現象である。
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エマニュエルトッド「我々はどこから来て今どこにいるのか~民主主義の野蛮な起源~」(下)より引用
「第16章 直系家族型社会、ドイツと日本
非ヨーロッパ諸国のうちで先頭を切って日本は19世紀末に経済的に離陸し、今なお世界の最先進国の一つに留まっている。
⇒W「留まっている?」⇒ファンダメンタルズに相応しい立ち位置に回帰する。周囲の環境に恵まれて前に進んだ高度経済成長の分だけ後退する。日本はイタリア程度のファンダメンタルズである。~GDPだけではなく資本収支プラスの肝入りである対外資産もドイツの次になった。EU帝国の戦略性(ドイツは弱小を収奪する側に回っている~~ドイツ本国の生産力に対して安すぎるユーロ為替レートは本国からの日本輸出に優位に働く)とアジアでの米国の戦略に完全に組み込まれている日本の(米国に収奪される)差は大きい。日本の経済後退については反俗日記の過去の記事で具体的に取り上げた。比較的短期間で栄華盛衰を体験した国は歴史上幾つもあった。
****引用
「ところがその日本は世界で最も高齢化したもうひとつの国であって、年齢の中間値は46,5歳と非常に高く(W。衛生観念の発達などの異様な社会風潮も人口構成と関連性が高い、ともいえる。昔は今のような風潮が日本社会の前面にでていなかった。)
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~東京は人口(首都圏全体で)3800万人を擁するが世界の風習とは無関係に独自の道を歩んでいる(W!)。
>何しろ道端にゴミが落ちていることが無いのだから、しかも、この驚くべきネイションが台頭したのは、地震に絶え間なく晒されている列島の上なのだ(W情報社会の発達が常民の脳の奥底の動物的本能を刺激し、安心安全<この聴きなれたフレーズも昔は耳にしなかった>の希求を前のめりにさせる。)。
~日本とドイツの資本主義の構造上の類似点を超えて、
積極的な対外行動の道を再び見出す外向きのドイツと(W戦略的に広域帝国化したEUの主導権を利用してきたが~~ウクライナロシア戦争で米国にロシア、中国カードを切り取られ戦略の幅を狭められ(ノルドストリーム爆破に沈黙)パレスチナ、イスラエル戦争ではこの国の建国以来の一貫したイスラエル支持の本性が明らかになった。ドイツはナチス第3帝国を引き継ぐ二度にわたる世界戦争の敗戦国だった。~~ならばEU帝国の侵略性、G7支配層の共同戦線を担うしかない。)、
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>「隣国中国の台頭がもたらす拘束の下で、何よりも自分自身を再び見出そうとしている内向きの日本という(W。内向きとは文化、メンタリティーの問題にとどまらない具体的な政治体制と経済体制の在り方。法律専門用語の<未必の故意>に該当する。)二つのネイションの現時点の国家戦略上の分岐点を説明しなくてはならない。
(外向きにドイツと内向きの日本)
⇒W。トッドの観点、グローバリゼーションの要素としての第2の人口転換ーー直系家族の適応不全。そのベースとなった価値観は~~米国でおこりその後世界に広まった一つの革命と見なされる(W家族革命~バブル期の中曽根政権は家族革命の逆方向のシングルマザー徴税対象その裏側で専業主婦主婦アルバイト、パート収入¥105万円免税の壁を作った。W注①)個人主義的で自由主義的で、女権拡張主義的な価値観、~~~まさにこの価値観に適応しようとしたからこそ、ドイツと日本の直系家族社会は人口面で機能不全にきたし始めたのだ。」⇒W。現在の日本で見かけは直系家族は極少で核家族形態をとっているが、修正直系家族~子供のうち一人は同居していないが親の近隣に居住するケースが増加している~~という報告がある。
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>「仮に英語圏の圧力が無かったとしたら」~~。
日本は
「子作りの規模をぴったりと人口置換率(1対1)を確保するために必要な合計出生率2,1人に調節する有様を想像してみることができる。
技術の完璧化と人口の停滞を組み合わせて、そのような準均衡状態に遠くないところにいた。ただし当時の日本では直系家族はすでに完成したというにはほど遠かった。」
⇒W。①日本は米国の世界戦略と中国市場分離の東アジア戦略にのって動き、
②激動化する東アジア情勢、
③日本のファンダメンタルズに相応しい経済地位への回帰によって(アベ等のいったJAPAN IS BACKは文字通り的を射ている)、
⓸いまの閉塞感を帰着する社会風潮はさらに深化し、
⑤国内のリアル政治体制は代議制民主政を鎧にした疑似身分社会化した社会運営になっていく。
@もう一つは安保体制を打破する道、である。
内向き日本のメンタリティーは自由を疎外し、ヒトを後ろ向き(JAPAN IS BACK、アベ等のスローガンではこの和製英語は日本再興と読み替えるらしい)、内向きに下向きにするしか作用しない。(VS 上を向いて歩こう!60年安保闘争が終わった後の永六輔の次の時代への歩の唄とも受け取れる)
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上を向いて 歩こう
涙が こぼれないように
思いだす 春の日
一人ぼっちの夜
上を向いて 歩こう
にじんだ 星をかぞえて
思いだす 夏の日
一人ぼっちの夜
幸せは 雲の上に
幸せは 空の上に
上を向いて 歩こう
涙が こぼれないように
泣きながら 歩く
一人ぼっちの夜
(口笛・・・・・)
思い出す 秋の日
一人ぼっちの夜
悲しみは 星のかげに
悲しみは 月のかげに
上を向いて 歩こう
涙が こぼれないように
泣きながら 歩く
一人ぼっちの夜
一人ぼっちの夜
筆者もこの経過と事情を何となく自覚しているのか「どうしようもなく日本人の衛生意識は高まっている。」「悪く言えば病的なそれとも言えなくもないですが…。」などと云わざる得ない。
>もともと、日本人には上記のような精神の古層にあった深層心理が時代状況の切っ掛けを得て一気に大衆心理として浮上する傾向がある(丸山真男)。
もともと、日本農業は人糞をたい肥として使用する(田園には肥溜めがあった~野菜栽培にも平気で人糞をかけていた<当然にも子供たちに回虫が沸いた>~循環農法が発展していた。
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W、参考資料
「中国、韓国、琉球列島では「猪 ちょそく厠」あるいは「艮 こん」 などと呼ばれる人糞をブタや池の魚の餌とすることは漢代以前から知られており(図7)、今でも観 ることができるが、水田や畠の肥料とした記録はみられない。
農書の研究で著名な有薗正一郎によ れば、12世紀の『陳䕁農書』に小便を肥料とした記録があるという(大沢正昭1993)26)。
日本におけ る人糞尿の肥料としての利用は鎌倉時代に遡るという説があるが根拠が示されていない(樋口清之 2014)27)。
しかし、平安時代末から鎌倉時代初頭の『餓鬼草子』には道路で排泄する人々が描かれて いる(図8)(小松茂美1994)28)。
@@人糞尿の肥料としての利用は、世界史的視点に立つと、かなり特異なものといえる。
>人糞尿を肥 料とするためには、そのままの状態で田畠に入れると根腐れが発生するため、便所や野ツボに一時 ストックして発酵させる必要がある。
>人糞尿肥料としての利用は、近世や近代の日本においては、極 めて常識的なものであったと言えよう。
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日本の労働生産性が低くなってきたのも細部に拘った非生産的労働が足を引っ張っている面がある。生産性向上するための生産現場の改善運動にその特性が向かえばよいが、どうでもいいようなことに労力をかけすぎる。合理的生産的労働という単一の物差しの他に一生懸命仕事をしている姿勢が評価される。
一般的に職人みたいな仕事はどこの国でもあるレベル以上のヒトならだれでもできる。
引用
「昨今の食の安全性やフードロスの解決の糸口はここではない。ここにはないと、私はそう思うのです。」⇒W。タイトルとは論点が違う。農業生産者に産品の出荷のため体裁を整える作業に労働時間をかけすぎると労働生産性は落ちる。流通ルートに仲買いが挟まると野菜や果物パック詰めなど余計な仕事が付加された商品が出回る。結局、パックは捨てられゴミとなり生鮮品はきちんと洗う手間がいる。それは邪魔だというヒトは惣菜を買えばよい。その方が経済が回る。
W,注①
1980年代日本の家族主義的改革 中曽根政権時代の勘違い、大失政。
欧米諸国が構造転換に直面し制度変革を実施した1970年以降、日本でも「家族」や 「女性」が政治課題となった時期が2回あった。
1980年代の中曽根政権時代と、戦後の 自民党単独政権時代が終焉した1990年代以降である。
しかし、二つの時期にとられた 政策は対照的だった。
中曽根政権は、大平政権の打ち出した「日本型福祉社会」建設の方向を受け継ぎ、欧 州型の福祉国家とは異なる方向を取ることを明確にした。
中曽根政権がこのような選択 をした背景には、グローバルな要因とナショナルな要因の両方がある。
グローバルな要 因は、英国のサッチャー首相、米国のレーガン大統領が主導した新自由主義の高まりで ある。
1970年代以降の経済的不調の原因を福祉国家の肥大に帰そうとしたこの流れに 同調して、中曽根政権は日本の福祉国家を育てる前に抑制する方向へ舵を切った。
他 方、ナショナルな要因は、
>改革の必要などないような絶好調の経済、そして日本文化の 特殊性が日本の経済的成功の理由であるとする文化的な自信である。
日本社会は欧米社 会とは異なるということをアイデンティティにした「自己オリエンタリズム(self-Orientalism)」 がそ の背景にある。
それまで欧米諸国の政策の後追いをしてきたのをやめ、
@日本に適した独 自の政策を打ちたい、打つべきだという志向は、
>当時、世界的潮流となった文化主義的 な日本研究(Vogel 1979など)と、それに呼応>するかたちで形成された国内の日本社会 論を追い風としていた。
しかし実際に中曽根政権が実現したのは、
>夫に経済的に依存する主婦であることを前 提とした女性の年金権の確立(第3号被保険者)など、
@男性稼ぎ主―女性主婦型の近代 家族の制度的強化であった。
@1980年代の中曽根政権は、個人単位社会と共働きの制度 化に向かっていた欧米諸国と反対に、家族単位社会と性分業の制度化を実施した。「家 族主義的改革」と呼んでよいだろう。
W.日本現代史において右翼思想の持ち主が政権を長期間握ったらろくなことは起こらなかった!アベ首相しかりだ。異次元金融緩和につけは必ず支払わせられる。コレは国際経済の原理だ。チャラにはならない。
強調しておきたいのは、
>男性稼ぎ主―女性主婦型の家族は、けっして日本の伝統では ないということである。
日本の伝統は共働き家族であった。
日本女性の労働力率は明治 初期には現在のスウェーデン並みに高く、その後低下したものの、1970年まではほと んどの欧米諸国よりも高かった。⇒農業人口が多く一家総出の就労形態が普通。貧しすぎて共働きでなければ労働力の再生産ができなかった。
男性稼ぎ主―女性主婦型の家族が日 本で多数派になったのは第2次世界大戦後であり、ピークは1970年代以降であった。
日本は「半圧縮近代」であるがゆえに、性別分業型の近代家族が欧米諸国よりも遅れて 成立し、
>欧米諸国で近代家族の揺らぎ出した時代に、近代家族の制度化がなされるとい う皮肉な現象が起きたのである。
(W.中曽根政権。ジャパンアズナンバーワンの偽の追い風経済で勘違い、米国が日本の低賃金と潜在的技術力に目をつけて米国の工場にした、という見解もある。
そして対抗的経済力をつけると叩く。
今の日本は米国に叩かれ地ならしされた状態で、加えて台頭する歴史的に根を持つ中国への排外対抗意識や大震災原発事故によるダメージ(核溶解デブリの取り出しは無理筋、核汚染水の海洋放出もほぼ永続化する)起死回生の五輪はコロナパンデミックの直撃を受けたこともあり、確信的無気力的安保体制依存が増えて、アメリカに批判的な議会圏政治勢力は以前の数十分の一になった。
中国に今やっていることは依然日本にやってきたことと本質は同じだ。
ただし相手の核保有の軍事力は大きすぎる、政治軍事の縛りが効かない、などの要因があるので東アジアの国々を何とか巻き込み、先陣を切らせたい。)
「しかし、中曽根ばかりでなく、日本人の多くが男性稼 ぎ主―女性主婦型の家族は日本の伝統だと勘違いしている節がある。
自己オリエンタリ ズムによって、わたしが「近代の伝統化」と呼ぶメカニズムが作動したためである。⇒W。時代体験が無いために日本特殊の高い衛生意識なるものの出所に何の疑問も抱かなず日本人の特性なのだとする若い層が出現してきている。日本経済が右肩上がりの時代、そんな特性は脇役を演じていただけだった。それが目立ちすぎる特徴になれば推進力にはならない。インバウンド歓迎の一葉を担うのが精一杯。むしろ労働生産性を落とし、何かと経済循環の足を引っ張る要因になる。大雑把に言えばそれは低経済成長時代が作った「自己オリエンタリズム」「近代の伝統化」のメカニズムの作動した結果である。しかしその意識は無根拠に生まれたのではない。脳の奥底に刷り込まれたも意識があるきっかけで表面化したのである。
1990年代日本の不完全な改革。~世帯単位から個人単位は遅きに失した~。空回りしている。戸籍制度、夫婦同姓、和暦、天皇制も欧米の王室とは別物で今風の家の権威、各ヒエラルキーのひな型の頂点となっており、止めなければならないことが邪魔になる制度が多すぎる。
これと対照的に、1990年代の政策は欧米諸国とほぼ同じ方向をめざしたものだった。 エンゼルプランや新ゴールドプランを推進し、介護保険制度の筋道をつけるなど、1990 年代の改革を中心になって進めた橋本龍太郎首相は、みずから国会で「世帯単位から個 人へ」 (1997年)、「男女がともにバランスのとれた職業生活と家庭生活を送ることがで きるよう」 (1997年)などという発言している。橋本は「日本型福祉社会」の元祖であ る大平内閣の厚生大臣を務めており、その当時は家族主義的方向を志向していたとい う。
しかし、その後の想定しなかったほどの出生率低下や介護問題の深刻化を見て、 「家族の機能を社会的にバックアップしていく必要」~~W.制度と同時に文化風習思想の問題~~を痛感したと1996年の国会答弁で 述べている。⇒W.中曽根時代に周回遅れ後ろ向きの家族主義世帯モデルの制度設計にヨーロッパ的介護保険制度で個人の権利を継ぎ足しても経年劣化して結局、家族単位に荷重介護を負担させ、独居者増加分の個人単位の訪問介護であったが、今は財政難から通所施設集団サービスに軸足を移動させている。北欧も日本の事情と大なり小なりで本質は変わらない。