反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

{1年半前からの反小沢キャンペーンはメディアの「新たな翼賛化」の始まり。3、11の衝撃はその翼賛化をさらに進行させて、この国の民衆を低劣で新たな閉塞に追いやってしまった}宮崎学オフィシャルサイトより。

 宮崎学さんはサイトで第一次中国天安門事件毛沢東周恩来死去を受けての1976年、文革をリードしてきた4人組失脚の結節点)から1980年代後半の第二次天安門事件ソ連東欧体制崩壊北アフリカ民衆決起を一括して体制下の「サイレントマジョリティー」の解りづらい意識の底に蠢いているモノが「社会として、歴史を民衆が統一的指導部なく動かしてきた」として、思考対象にしている。
 
 このサイレントマジョリティーの意識の蠢きは「<意識の外部注入>によって民衆を動員するという手法が限界に達した時代」のモノだから、解りづらく得体のしれない変転の過程にある。
 ヒットラー共産主義の民衆への宣伝、煽動方式の基本は「意識状態の遅れた民衆」に先駆的政治組織が一方向の情報洪水を浴びせることで洗脳し、集団的な意識、行動の塊として、自分の権力の物理力とする。
 
 宮崎は支配層の大衆への情報操作の恣意的思惑(予定調和)を超えて、今の時代の民衆意識は社会的力として蠢き、時代を規定する力を持ってきている、と云いたいのだろう。勿論それが民衆にとって、いい方に転ぶ場合と自分の立場を悪くする場合がある、との前提。
 
 日本マスコミのここ数年の世論調査を節目節目で乱発した反小沢キャンペーンの一方向情報洪水、それを引き継ぐ、3,11緊急事態への大本営的報道姿勢に、以上の様な宮崎の見解を当てはめるとこうなる。
 
 民衆の底に蠢いている流動状態の得体のしれない意識は、一方ではマスコミの巧妙な大衆情報操作によって、方向付けられるが、他方ではマスコミ側の予定調和的な思惑を大きく超えて、巨大な塊となって、云わば勝手に蠢きだす可能性が大なのである。
 
 宮崎の提出した問題を私流にアレンジすると、そういうことになる。
 
実はこの点について、商品、人間をトータルして「物質の氾濫」と云う着想から、唯物論的に問題を立てられないか、と想った事がある。
尤も大衆社会論を応用して分析すれば、一番、解りやすいのだが、私の以前からのモットーは対象の分析の中に変革の契機を埋め込むということで、大衆社会論から導かれる行動的結論は、個人の自覚、目覚めに収れんしてしまう。認識の閉じた円環論では世の中を変える大衆的エネルギーは沸いてこない。
 
 >話題が横道にそれているが、根っこのところまで考えると、その方向に行く。
 
 >>この間、丸山真男にこだわっているのも、宮崎と同じような視点だったが、さすが宮崎はズット深くまで考えていた。私は民衆の底に蠢く流動状態の意識を基本視座に据えるきれなかった。
 
 マスコミはある程度までコントロールできるが、その予定調和を超えて民衆意識が蠢いて世の中を規定していくーそういう観点が大事である。
 
 >抽象的にいえば、今現在の民衆意識の自然発生性は大衆情報媒体を握る支配層の「外部注入的」操作によってコントロールされる面と、その結果として、「独り歩き」し、「暴走」を開始する面がある。
言い換えると、今現在の大衆意識=マスコミ操作反映論は単純すぎて、マスコミの目指す情報操作による予定調和の保守性を過大評価し過ぎている。また、マスコミ情報操作によって生み出されるが、それを超えて独り歩きする民衆意識の暴走の軽視につながる。
 
丸山真男の有名な論文「超国家主義の論理と心理」「日本ファシズムの思想と運動」をどうにか読み終えた。
丸山がそこで展開している論旨に沿って自分が日本ファシズム論を展開していたのだな、と改めて思った。
また聞き、また読み見たいなモノだった。
 
>ただそれはあくまで人的機構的組織的な要素に頼った戦前ファシズムの分析。
今のファシズムを問題にする場合、マスコミの宣伝扇動の予定調和を超えて暴走する民衆意識の問題が俎上に挙げる必要がある。
それが今現在発生、途上にある、とみている。
 
>「きっこ」のブログの最新記事のオチも宮崎さんと同じような危惧で終わっている。
 
 都内有名ラーメン店の店主と客の味を巡るどうでもいい水かけ論かと想って、中途放棄したが、読み返してみると最後に彼女らしい感性からみた、現状分析になっている。
 
「すごく危険な空気を感じる」
「いかに相手を不愉快にさせるかってことを競っているみたいな人たちが、増殖してきて広い範囲でギスギスした雰囲気が漂ってるように感じた」
「東電が引き起こした史上最悪の人災は、空や海や大地だけじゃなく、人の心まで汚染し始めているンじゃないかと想った、今日この頃」
 
 >>やはり、政権交代後、直近の選挙結果に汚染された人の心の一部が政治的に反映されている、とみる。
 石原圧勝3選。次点のそのまんま東の獲得票を合計すると、70数%。
民主党支持層の投票行動は上記に二名とワタミ会長にちょうど三等分されている。
私なら、生涯初の共産党候補に入れたが。
何処かに飛んで行ってしまっている、としか言いようがない。
 
 大阪地方選挙。「大阪維新の会」大躍進。橋下は府知事辞任で市長選立候補して府予算の3倍の氏の予算を府に献上(大阪都構想
ファシスト(もうこの規定をする)橋下の私兵、大阪維新会候補府議過半数制覇。
府下の自治体予算の多くを府に取り上げる大阪都構想なるファシストらしい権力一極集中とそれで経済再生のデマ宣伝に府民過半数は巻き込まれ、翻弄され、完全に判断力放棄。
(歴代府知事が今まで散々繰り返して失敗してきた巨大開発の大規模な再現と府民から権利権限の剥奪=中央集権体制の地方版ーこれは中央官僚の中央集権体制より、住民にとって質が悪い。戦前のファシズム地方分権の主張の再来ー丸山真男の本に載っているー。
 
 橋下の動きの中に今現在のファシズムの基本形態がハッキリと表れている。マスコミ報道、すぐに検証できない大風呂敷=大きなウソ、住民の権利、権限はく奪、橋下改革で生まれる利権に群がる経済界、マスコミ。
煽動されて、暴走する住民意識)
 
>目の前に伝動ベルトに乗って、流れて来る政治メニューに直接反応することも大事なこと。
しかし、それを政治過程の一部として見ていけば、もっと大枠の指摘が必要。
 
 例えば、天木直人氏がウィキーリークから、前原の感じな時のアメリカへの政権の情報を内通していることを糾弾し警鐘を鳴らしている事。
 
では、自民党などだったらどうなんだ、外務、防衛官僚は?と、そこまで書かないと、政治論をやっている事にはならない。
 内通どころではなく、半買弁として、アメリカとぴったり寄り添って、普天間基地辺野古移設を画策してきたんじゃなかったっけ?尤も、元から民主党も大して変わらないが。
目に見える目先のことに反応しているだけ。そんなの誰だってできる。