反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

最近のテレビは普通の番組でも支配層に都合のいいイデオロギーが巧妙に埋め込まれ国民を日々洗脳している。

  昨夜は珍しく、テレビを見た。
NHKクローズアップ現代、1)長崎の蒙古襲来時の沈没船引き揚げと
2)テレビ東京系の東京湾の5つの漁港を若い二人の女性タレントが地元漁師の案内で訪ね歩き、其々の漁の様子をリポートしたり食したり。
 
 7時半から9時半までびっしり2時間、見ている最中はそれなりに面白かったが、後で振り返ってみると、奇妙な番組だと想った。
 
 まず、視聴したテレビ番組は普通、右から左へと、映像として受け流されていくのだが、めったにテレビを見ないし、偶に見ると眉に唾をつけて眺めているモノにとっては、後から振り返って、そこに共通の奇妙、不思議を見出す。
 
 ひねくれた私から見ると、共に内に隠したイデオロギーを視聴者に巧妙に刷り込む、イデオロギー洗脳番組であると想った。
 
 詳しく各々を点検していくと、次の如くだ。
 
 1)の長崎、伊万里半島蒙古襲来時の沈船発掘番組。
 
 蒙古襲来時の鎌倉幕府の最高権力者は源頼朝に始まる三代将軍家から実権を奪った北条時宗であり、NHKは日曜ゴールデン8時のちょんまげ大河ドラマ時宗を主人公に放送していたはずである。
 
 勿論、まともに一回も見た事はない。
所詮、コネと暴力、聖と俗、貧困、流浪の巷にあふれた中世をちょん髷侍や宮廷の動向で描き上げることは、見ているモノに間違った歴史観を知らず知らずのうちに刷り込んでいると。
 
 エンターテイメントだからと云ってはそれまでだが、他方でリアルな歴史モノが放映されていれば、その理屈も通用するが、全く歴史の偽造の如き番組ばかりを、公共放送が垂れ流し続けては、その云い訳は聴けない。
 完全な片手落ち。だから偏向なのである。
 
 >このNHK偏向路線は今回見た蒙古沈船発掘番組にも、巧妙に隠された形で発揮された。
 
 まず、沈んでいる大まかな場所を特定しながら、水中に放置しておいて、何で今頃、そこそこの予算をつけて発掘作業を行うのか?
 
 襲来した蒙古船は4000漕に及ぶという。
そして、九州地方を襲った台風で多くの船が沈没し、蒙古軍は撤収した。
今まで発掘しようとすればいくらでもできたし、超音波探知機など技術的に何ら問題はなかった。
予算措置も今よりはもっと自由がきいた。
 
 処が今頃になって、発掘作業を押し進め、やっと一艘の沈船を発掘し、地上に引き揚げたら、保存措置を施すのが大変だとかやっている。
 
 >ご丁寧にも韓国の沈船引き上げ保存の先進例を当該韓国責任者を登場させてリポートしている。
やっぱり人口的愛国教育でも韓国に右へならえだ。
徹底した市場原理主義社会に充満する不平不満に対して愛国心の玩具を投げ与える事でガス抜きしようとする。
 
穿った見方をすれば、長期経済停滞、大震災、原発事故、TPPなど日本のいく詰まりが国民的常識になっている昨今、盛んになっている「がんばれ日本!」系の精神主義鼓舞の一環とも想える。
 
>この系列の精神主義が行き過ぎろと戦前の様に蒙古船沈没、神風論、日本神国論となる。
これに織田信長桶狭間の奇襲作戦による完勝が付け加えられて、真珠湾攻撃へとなだれ込む歴史訓話となった。
今からするとウソっぽく感じるが、皇国教育に洗脳されて育った当時の日本人の多くは、受け入れてその気になった。
 
現代日本は、さすがそこまでやる時代でないので、こういった手の込んだ、絡めてから、ジワァーと根拠なき精神主義を吹きこむ政治意図がある。
 スポーツ国際試合が一番手っとり早いアイテムなのだが、残念ながら、玉が極端に不足している。
 
 >しかもこの番組曰く。
 襲来した蒙古軍は精鋭ばかりと想っていたが、水中発掘作業の結果、モンゴル帝国の制覇した南宋の兵士が動員されていた、などと、蒙古襲来に関する歴史の常識さえ知らぬが如きとぼけた説明をしている。
襲来した船は韓国でかき集められたり、建造されたモノが多く、韓国兵士も多く動員された。
 こんなことは、蒙古襲来の実態をちょっと調べれば分かる事だ。
番組制作者ならば知らないはずはない。
 
 沈船とともに発掘された南宋のレンガなどをドラマ仕立てで筋書きを書いて視聴者受けを狙うため、ワザと歴史の常識を知らないふりをする。
 蒙古襲来の実態を知らなかったら、沈船とともに発掘された南宋製のレンガを不思議に思い、学者さんの説明に納得するという作り手の筋書きが通用し、映像がドラマチックに映る。
 
 >が、こうしたとぼけた、作為の積み重ねがテレビ局制作者の視聴者引き付けていく常道手段化している様だ。
 
2)若い女性タレント東京湾漁港レポート。
 
 東京湾の5つの漁港を訪ね、各地の漁をレポートし、とれた海産物を食す。
 
盛んに水質がきれいになったとはしゃぐ一方で、それとなく東京湾の問題点がさりげなく報じられている処に注目する。
 
金沢八景の漁港の特産品、チャコの水揚げはもう6年間も中止されているという。
理由は、地球温暖化がもたらす東京湾への流入河川の降雨量増大による塩分濃度の低下でシャコが繁殖しなくなったと。
 
 真水の増加は河川コンクリート改修の影響もあるだろう。流域の大量降雨はコンクリート堤防河川によって一気に湾内に流れ込む。だから、塩分濃度は急激に低下してシャコは住めなくなる。
見ているモノにそこまで想像させる部分をさりげなく挿入しているから、良心的と云えるのか、頭隠して尻隠さずなのかわからない。
 
 >浦安沖で取れたボラを刺身で旨そうに食っているが、大丈夫かなと思う。
ボラとかスズキは汚れた汽水域でも平気、と云うよりむしろ好む魚。クロダイしかり。
 
>>やはり、この番組も何か下ごころがありそうだ。
あ~あ、旨い、旨いと東京湾のボラを神経質にならず食す、その延長線上に、市中に出回っている食品ならば、放射能汚染度なんか気にしないで、安心して食べていいよ、と云う隠されたメッセージが埋め込まれていまいか。
 サブミナル効果の事はよくわからないが、東京湾の魚を未だ江戸前と称して、無邪気にはしゃいで食っている姿を見せつけられると、放射能汚染食品を気にするのは、どうでもいいや、と云う気持ちに誘導されるのではないか。間接的に。
 
 怖い事に、メガ都市東京に降り注いだ放射能はコンクリートの巨大な溝と化した河川に集合し、東京湾に流れ込む。そう考えるのが真っ当な思考ではないのか?
とすると、そこの魚は放射能汚染される可能性がある。
そこまで考え過ぎない様に、この番組の様に東京湾はキレイ、ボラまで刺身で食って、旨いとなる。
 
>東京都江戸川区浦安の漁港で水揚げされたと明記されたボラの刺身を売っていたら絶対に買わない。
 
放射能汚染度に疑いのある食品を忌避するのは、現代に生きる人間としてのごく当たり前の意識じゃないのか。
 
>昨日、YAHOOブログには、アメリカでは富裕層専門のスーパーがあると載っていた。TPPをアメリカの事情から、告発した記事だったが、こんなことはずっと前からのアメリカの日常風景。
アメリカでは貧乏人は化学汚染された安い食品を、セレブは高級自然食品を!と人間根源である食の分野から境界線が引かれている。
 そのセレブは「masuter of war」。戦争の親だまとして爆弾を作り、武器を作り、若者に銃を持たせて戦場で殺し合いをさせて自分は豪勢な邸宅に栄耀栄華。
 こんな理不尽に国内の至る所に怨嗟の声が高まる必然があるから、、海外で収奪の犠牲者を作って、国内にモノとカネを還流させナントカ沈静化させねばならない。
オギャーと生まれて死ぬまですべての分野での格差の中でいくるしかないのが今のアメリカ人である。
 
 これがアメリカと云う国の実態ではないのか?
日本標的のTPPとはそういう事でないのか?
 
 尤も、その環境はアメリカだから、我慢できるところがあると想うが、この平野部に人間が密集して処によっては折り重なって生活し、労働している日本にアメリカ的格差を持ち込む政治家の本心を聴いてみたい。
とても国民全体に責任を負う政治家とは思えない。
 
 >>なお、天木直人野田首相早稲田大学でのTPP発言を非難している様だが、50歩100歩の類だ。
不利益を受けたとする企業が政府を提訴できるという条項が今までの日本の法体系に全くなかったものであり、影響力は強烈になるとはわかるが、TPPの最大の問題点はアメリカ制度と市場原理主義の押し付けによるに日米支配層の日本国民への共同支配、収奪である。
こういう総体があって、個別の案件が発生する。
順序を間違わないでもないでもらいたい。
各論から入るということはTPPという総論は賛成しているという事になる。
最初から条件闘争の構えなのである。
 
 偉そうなことを云わないでもらいたい。
橋下に感動すると書く事とTPP反対とは矛盾しない、器用な頭の持ち主である。
渡辺とみんなの党は一端ルビコンの河を渡って支配層と手を切ったはずなのに、TPP賛成でまたルビコン河を渡って、帰っていく。
天木のルビコンの河は行ったり来たりできる、便利な川らしい。
いい加減で腰の軽い、所詮、日刊ゲンダイ、レベルのおひとである。
もうお気に入りからは消去したが、植草ブログに載っていたから批判した。