反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

12月11日「日本経済新聞」の<日中韓FTA交渉へ>。「日刊ゲンダイ」<橋下、小沢20会談>は片手落ちの事実列記によって読者を好都合な妄想に誘う記事。厳しい現実を開示しない偏向報道。

 日曜、夕刻の込みあった駅のプラットフォームでフト、キオスクの新聞スタンドに目をやると、<日中韓FTA交渉へ>なるメインタイトルが打たれた日本経済新聞
 
 とっさに、TPP参加を表明した支配層とその使用人も、自由貿易体制によって現実に経済相互関係が強まっている近隣の中国韓国、との関係に配慮した多角的外交をやっているのかな?と訝って、買うことにした。
 
 >ちょうど、電車がフォームに滑り込んでくる間際で、日経新聞は140円だという。
 
 >日経新聞一部140円、32ページ。ザット見渡すと、全面広告や提灯記事を入れると、半分以上が広告宣伝の類だ。
 
 いつも書いている様に、正社員年間平均給与、1200万などコストから、新聞販売における、広告宣伝費の%はとてつもなく大きい。
この収入が半分になれば、計算上、日経新聞は一部280円になる。
この方々に公務員給与云々の資格はないと考えるが。
苦しい庶民生活の事情から発する情緒を煽る様なイデオロギー流附は慎むべきだ。
 
 「浅き新聞」、「CIA新聞」などの宅配購読料も月額が今の倍になる。
1万円に届こうかと云う購読料を払ってまで、両新聞を読みたいという読者は一体今の日本にどれ程いるか?
 
 仮に、財界の広告料の援護が少なくなれば、これら新聞の記事は1万円を払ってまで新聞を読みたいという購読者のニーズに合わせて、様変わりせざる得ないだろう。
 新聞資本の大リストラは不可避である。資本関係にあるテレビ、ラジオの現状の在り方に波及する。
 
 >以前の記事に書いたが、堤清二さんが財界活動をしていたベトナム戦争時、財界首脳に誘われて、朝日新聞ベトナム偏向報道の抗議のため、出向き、今の記事を基調を改めない限り、経団連企業は広告を差し止めると脅かした。
 ところが、同席した堤清二さんは流石、そこまで強烈な脅かしは酷すぎると、意を決してその場で反対意見を開陳した。
 相手をする当時の社主、広岡氏等、朝日首脳は、財界の方々にもイロンナ意見が御有りの様で、と云うことになって、広告差し止めの圧力をかけた財界首脳の意向はその場で腰砕けになった。
 
 この事情を堤さんは複数の処で書いたり語ったりしている。
 
>それから、ズット後、朝日新聞阪神支局の記者が、赤報隊を名乗るモノの個人テロによって、猟銃で吹き飛ばされて即死した。
 
またそれからズット経って、野村利秋氏が朝日新聞首脳との会談の席で拳銃自殺をした。
 
 >>マスコミを批判する場合は、一概に切って捨ててはならないと想う。
 
 日本には日本の戦前戦後を貫く、固有の歴史があり、マスコミはその中での日本人の現状認識状況に踏まえて成立している事も確かなことである。
 
 キーポイントは市民の主体的決起が決定的に不足してきた事であり、結局は支配層の方針への強力なアンチテーゼは実体的力として、脆弱過ぎた。
 この反省点に留意いないマスコミ批判も、片手落ちであり、こちらの側も偏向しているのである。
 
 以上の事情、物事の両面を踏まえると、日経新聞日刊ゲンダイが冒頭タイトルの様な記事を書いてしまうのか、良~く理解できる。
 
 >>そこにあるのは都合のいい事実の列記により、対象読者に安心感を与えることで、現実直視を妨げる効果を発揮している。
 こんな記事で満足していたら、国民的決起は遅れ、歴史が勝手に足早で進展して行って、結果的にそれに引きづられて行くのである。
 
 
 <<<日経新聞のメインタイトル<日中韓FTA交渉へ>は記事の本文をよく読むと、東スポ並みの煽動見出しである。
 
 サブタイトルの<来夏にも投資協定は月内合意>は事実に近い。
 
もう一本のサブタイトルである、<日韓EPA経済連携協定)も再開で調整>の中身は疑問点満載。
 
 >記事本文によって、政府や官僚はTPPの一方で東アジア近隣諸国との経済交渉も進展しているが如き印象を与える様に仕組まれている。
 
 サブタイトルの一つである、<投資協定月内合意>の事実を膨らませ<日韓EPAも再開で調整>の大階段を駆け上って、強引に<日中韓FTA交渉へ>の頂点にムード的に結び付けたモノある。
 
 >>韓国の市場原理主義純化した輸出立国によるドル安、経済発展において日韓経済関係の基本は日本の貿易黒字になっている。
 
 韓国経済の現在の発展段階では高級部品供給は日本企業に頼っている部分がまだ大きいからだ。
後発韓国企業の基本動態はの儲かればいい、市場占有率を大きくすればいい、と云う方向である。
 
 日本の高度成長期の様な内発的経済発展の機会と余裕に恵まれていないから、政府の主導する裾野まで見通した経済政策はとれない。
 
 >>中国の高度経済成長の特徴も日本の様な個的企業の技術革新を伴った高度経済成長と大きく異なっている。
 
 基本的に外国からの資本の流入に支えられた、高度経済成長であった。
グローバル資本主義の膨大な世界的過剰資本の中国への流入が経済成長の起動力であった。
 
 >>この点を中国政府はよく認識しており、12億の市場規模の将来的強みも加味して、従来の海外資本の流入は排除しないが、自国企業の各分野での育成は一貫した方針である。
 
 中国共産党政権が反植民地の民族自立の武力内外戦争を通じて成立している重みを軽く見てはならない。
民族的次元の事、国家統一に関しては強固な姿勢が内在している。
 
 この点において、日本、米国、ヨーロッパの支配層の共通性、相互浸透性、と異なる次元に立っている。
 
>以上の基本認識から、日経新聞の記事を読めば、まず何より<日中韓FTA交渉へ!>などと云うメインタイトルが煽動であることが解る。
 
 記事は後半の結論部分で現状を白状している。
 
 >「日本は投資協定とFTAを通じてアジア太平洋での広域経済連携を推進する考え。」
これはあくまでも日本側に都合のいい願望。
 
>ところが、
「中国は自国産業育成の観点から、工業製品の関税引き下げには消極的だ。日本が輸出増を見込む自動車や電気製品に関しても譲歩を引き出すのは容易でない。」
 
こういう一番困難な問題の底には、日中韓の経済発展段階の相違と、そこにおける韓国や中国政府の真っ当な自国民と自国経済の権益頬保護の突き崩せない壁が存在するのだが、この日経の論法を延長すれば、
中国側の態度がかたくなで、FTA交渉の入り口さえ到達できないという、反中言論に行き着く可能性が強い。
 
 北方領土問題や竹島問題の一種の経済版と云えなくもない。
 
>相手の経済発展の底を踏まえた記事のキチンとした書きようがある。
 
 米国関係だと必要以上に詳細に書き込むくせに、東アジア諸国に対してはフォローが足りな過ぎる。
こうした日頃の積み重ねが、東アジアへの偏見となって国民間に根付いていく。
 
結果日本の東アジアからの孤立を招く。
先進国において近隣諸国と日本ほどトラぶっている国はない。
 
>次に韓国とのEPA交渉も再開について。
ナント
「韓国政府とは2004年以来EPA交渉は中断していた」が、来年前半にも交渉を再開すると。
 
>>常識的に考えると日韓両国とってにとって日韓のEPAなどは大して必要じゃなかった。これがこれまでの現実jじゃないか。
 トコロが、
「政府のTPP参加表明をきっかけに中韓が対日交渉に前向きになっている(外務省幹部)と分析しており、両国への働き掛けを強める方針だ。」とくる。
 
>>TPP断固推進、TPPをイデオロギーにまで仕立て上げている外務省幹部の得手勝手な言い分じゃないか?
TPP推進によって東アジア、近隣からの孤立への配慮して仕事をしていますよ、と云う自分の都合云い訳。
 
>>裏読みすれば、長期経済停滞、、大震災、原発事故、TPP交渉参加表明の国内政局流動化の隙に乗じて韓国や中国から、揺さぶり攻勢をかけられている、と云えないことはない。
 
>国内政治が不必要な混乱にある国は外国勢力の干渉を受けるのである。
この事に関しては後に述べる。
 
 
>>時間や制限のため日刊ゲンダイ記事<橋下、小沢20日会談>は手短になる。
書き出しはこうなっている。
 
 橋下氏は「あってもらえて非常にありがたい」と強調。会談の目的は大阪都構想に向けての法改正の協力を依頼するとみられる」
 
>処が
小沢一郎は自身に近い議員に橋下について
小泉純一郎元首相に似ている。いづれ国政に出てくるだろう。と評価した」
 
小泉純一郎の様な奴に目と鼻の先の地方自治を牛耳られる府民の身にはこれから、凶暴な市場原理主義による災難が降りかかってくる。
 
記事は最後にこう締めくくっている。
 
国民新党亀井静香と橋下会談は政界再編の動きとの憶測とした上で、
 
>「小沢と橋下が提携することになれば、政界再編の流れが一気に加速するに違いがない」
 
>>寝言、うわ言の類であり、これまで書いてきた小沢記事の帳尻をこんな処で合わせるしかないマスコミの悲しさである。
 
 橋下は小沢と組むつもりは最初から毛頭ない。
大阪都構想実現の政治目的のためダブル選挙圧勝の自分を高値で売り付けているだけに過ぎないし、小沢氏はそれを承知で相手をしている事は小泉純一郎発言でも解ろうというモノ。
 
>>ただし、再三指摘している様に橋下大阪都構想と小沢全国300基礎自治構想は共鳴し合う政治傾向があり、そのすぐ隣は経団連自民党道州制、その向こうはTPPである。
 
小沢熱烈支持者はここら辺の問題点を情緒ではなく、論理で突き詰める必要がある。
 
       
 >>大阪、橋下は今の世界、日本、大阪という限定の下では「ハシズム」程度で収まっているが、その歴史的限定のパレットから、引き出して、検証してみれば、「運動主体」、「運動形態」、「政治内容」、「主要打撃方向」を考慮すれば、ファシズムである、と断定する。
 
 これは経済飽和状態でこれ以上、大阪経済と云うパイが大きくならない危機に立つ大阪財界の意を受けたマスコミが没落傾向が避けられない自営業者を先頭とした小市民を巻き込んで、凶暴な市場原理主義によって、パイの取り分を大きくしようとする、橋下というカリスマを起点とした反住民運動である。
 
 全国のみなさんに悪いが、大阪は、直近の日本である。
 
 封建の昔から、全国に先駆けてカネ、カネ、カネ。
カネが全ての市場原理主義世界だった大阪が歴史的に日本に先んじていたのである。
 
 その結末が経済飽和で資本逃避の大阪である。
 
>これを起死回生する手立ては皆無である。
 
 >>>だから、橋下の様な凶暴な奴を使って、パイの取り分を制度的にガッチリ固めようとする。
大阪都構想の本質はここにある。
 
 二重行政の問題点など表面を取り繕っているが、「ジャングルの掟」からすれば、防衛、外交、徴税など自分たちの支配構造を維持する国家暴力装置など統治機構を維持する以外のモノはすべて、無駄なのである。
 
 産業資本主義段階のイギリスがそうだったし、その植民地は、もっとそれ拡大し実現しているが、新大陸と云う恵まれた条件に依拠しているにすぎない。
 
 こういうアメリカ制度、風習に同化するほど間抜けは世界中で、アメリカ支配の神髄を行く韓国日本だけだろう。
 
 追い詰められているアメリカは劣位の東アジアにしか国家的収奪構造を強制できなかった。
 
>故にそこにおける、アメリカ云い国家利害に基づく、今後の収奪は過酷にならざる得ない!
 
言い換えると、日本や韓国支配層のアメリカと共同した自国民収奪行動はアカラサマニなる。
隠ぺいするマスコミの役割は課題にならざる得ない。
 
 日本がアメリカ制度をを直輸入するのは、根本的に日本の伝統と歴史の破壊、ひいては、日本人の生活、労働、共生関係の破壊に繋がる。
 
 しかしそんなことに関係なく生きていけるのが戦後体制順応的に魂を抜き取られた日本人である。