反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

日本の軽自動車規格、撤廃、TPP意見書をビッグスリーが米国政府に提出。TPP推進、法人税減税に無関係に、輸出産業の生産拠点海外移転に歯止めなし。TPP推進の急先鋒、読売は米国出先機関。

 時計を見上げると、記事を書く時間が極端に不足しているが、やるしかない。
 
 多くの国民が「税と社会保障の一体改革に不退転の決意」を、と内閣改造をして意気込む野田内閣に注視している間に、<TPP事前協議>=実質的交渉が急進展している。
 
 TPP参加国のうち日米両国のGDPを合わせると、90数%。しかも交渉過程を見ていくと、米国と各国の関係は米国がハブの役割を果たしており、他国の対日要求は米国が実質代弁する。
 
 さらに、交渉において、日米両国の力関係は米国のGDP日本の2倍。またその中身が大問題で金融、産軍複合体の軍事的金融的比重が大き過ぎる。事実上、他国からの貢物(収奪)で成り立つ国家。
 冷戦体制の残存し、激変する可能性を秘めた東アジアにおいて、日本、韓国に巨大な軍事基地、支配的人脈を要する。
 
 以上の様な、根本的不平等関係にある国同士の対等な交渉はあり得ない。
EU推進の原動力となったフランス、ドイツ、イギリスの均衡関係と対比すればよく解る。
不平等関係を下に経済条約を結べば、不平等経済格差を国同士、国内国民同士に拡大し、終いには大変なことになる。戦前の歴史が教える処である。
 
 政府や官僚の云う「平成の開国」は原発安全神話と位相が同じで、国民騙しの政治幻想。
戦前なら、国民を軍国主義に縛りつけての軍部の独走だ。
事態が進展し、惨禍に見舞われるのは国民多数派。
解りきった事。戦前と戦後、惨禍の実態が違っているだけ。
 
 時事通信によれば、こういう事態になっているらしい。概略する。
 
 「日本のTPP交渉参加方針を受け、米国通商代表部、USTRが実施していた国内業界などからの意見公募が13日の期限を迎え、USTRは今後、1月中にも始まる<対日事前協議>に向けて、議会との調整を本格化させる。
  
 一方、日本政府関係者は意見公募は一つの節目だ、と述べ事前協議の準備を加速させる考えを示した」
 
 米側が対日協議の関心事項に挙げている項目は時事通信によれば、次のようになっているらしい。
自動車、郵政、牛肉、医薬品、医療器械<など、様々>。
 
 <など様々>って。ここに金融、保険、農業、司法制度が含まれている。自分たちの国の制度、政策と違っている処は全部、障害とみなしている。TPPの本質はアメリカ制度の日本移植であり、それによって、自国の利益になる<オイシイ処>を持っていこうとする事。
 
 >さてこのような事態にもかかわらず、経団連企業(自動車産業を中心)の言い分は概略次の様になっている。
 
ナント、現状で6重苦に見舞われているという。
1、FTAへの対応の遅れ  2、為替の円高  3、高い法人税  4、製造業派遣禁止などの労働規制
5、温暖化ガス削減目標  6、原発事故による電力不足
 
 身勝手、厚かましいも程がある。
 
 しかも、TPPに参加後もハンデが残る、と正直に事態を告白するが、その事実を逆手にとって、その様な厳しい競争条件に日本の輸出産業は晒されているのだから、「数%の価格差が非常に大きな差になっている」から、関税を下げるメリットという意味でTPP断固推、と。
 
 日本自動車企業の対米輸出よりも米国現地生産の割合がズット多くなっている現状から、関税2,5%の撤廃された場合の実質的儲けも試算されている。1000億円(一説には850億)に満たない数字だと試算されている。
 米韓FTA締結の韓国自動車産業が当面の競争相手と念頭に置いている。
 
 関税撤廃しても日本国内からの輸出には、大して競争力強化にならない事実を重々承知しているから、
「米国市場で韓国に先行されそうな、乗用車への関税2、5%がTPP参加によって解消したとしても、為替要因の方が市場での競争要因により影響を与える」とシビアに指摘している。
 
 「ウォンはこの2年間で対ドル6,5%上昇したが、円は倍以上の13,5%の上昇になっている」
 
 だったら、2,5%の対米輸出関税が解消されたところで、韓国企業との<価格面での市場競争>には大して関係はない、とは尤もな事。
 
 それでも政府が競争条件に何も手を打たなければ、<企業の海外移転が加速すると警告>する。
 
 こういう<企業の海外移転の加速化>の殺し文句は日本の競争相手の当の韓国でも激烈に叫ばれている。
中国が追い上げてきている、韓国企業は先進国との市場での激しい競争に更紗ている、から、財閥有利な法人税など法制を実施せよ。国民は劣悪労働条件を我慢しなければ、失業の危機が待っている、と。
 
 日本の財界擁護の論者によれば、TPP参加はたいして積極的要素はないと指摘する。
 
「<劇的なメリット>を狙うと云うよりも、競争条件のデメリットをなくして、<とりあえず>、国内の空洞化に歯止めをかける、という意味合いがある」程度だと。
 
 マスコミ、特に読売新聞などが主張する、TPP参加によって日本農業の生産性の向上を図り再生を!などと云うのは、張ったりだと解る。
日本農業は自動車産業などのわずかな対米輸出利益のための、生贄。良く云って交渉道具である。
 
 国民の大切な食料を食えない産業商品輸出のわずかな伸長と引き換えにしている、国家戦略なき、間抜けぶりである。民族分裂国家韓国と同じ位相で、チキンゲームの様な競争に狂奔している。
 
 そして、TPP参加は法人税減税の思い切った減税などに踏み込むなどの日本の立地競争条件を挙げる努力をさらに進めることによって、初めてTPP参加の意味が出てくる、と云う。
 
 国民には逆累進性の高い消費税増税を「税と社会保障の一体的推進」と称して、政府の最大の課題とし、国会の自民公明を含め、多数派はすでに形成されている一方で、国を開くとして、TPP推進を掲げ、この1月中に具体的交渉が開始されようとしている。 
  
 日本政治得意のなし崩しで事態が既成事実化しつつある。
 
 マスコミは読売新聞を先頭に、こういった真の戦略なき方向に手を変え品を変えた進撃の旗振りをして、社会的空気=世論を作り上げようとしている。
 
 >現状の日本の輸出産業の真の課題は製品の差別化である。
コレは「国民経済白書」「世界経済白書」を毎年、発行しているの総理府内閣局も認めている。
 
ドイツ輸出産業の様に、他にはない商品のクォリティーを高める努力をしていく以外に、韓国の様な後発の価格競争圧力をしのげる道はない。
同じような地平で価格競争をしている現状がある以上、日本企業の海外移転は今後とも加速していかざる得ない。
 
 例え、TPPに企業減税をかみ合わせても、日本と韓国の国と歴史の発展段階に違いがあり、国民の生活労働条件に違いがある以上、日本企業の海外移転のすう勢はやまない。
 
 >内閣総理府の最新の現状分析によれば、自動車産業では、製品の差別化は進んでいる。日本の車のクォリティーは海外でほぼ定着している。だから自動車産業は本当の処は、TPPにあまり関係がない。
 
 >問題は、日本の電化製品の量販店に陳列されている様な商品。
この分野では、韓国の様な後発の価格面での激しい追い上げにあっている。
 
 しかし、元々、製品としての、付加価値の低さから、この分野での後発との価格面での競争不利は慢性的なモノ。
従って日本国内に生産設備を留まって欲しいと云う方が無理がある。
この趨勢を阻止するために、国民は犠牲にしなければならないモノは余りにも多過ぎる。
 
 個別産業分野の利害と国民全体の利害のかい離があまりにも大き過ぎる。
 
経団連傘下の企業は、全部ひと塊りになって、要求をごり押しし、国民経済を犠牲にしようとしている。
 
>外務省、経産省の官僚の大方針は、輸出大企業を頂点に系列企業、内需関連企業も含めて、海外進出して稼ぐしかないというモノである。
 残ったモノは基本的に切り捨て!
 従って、少子化高齢化対策など本質的にない。
 
>このような本質的に日本民族、売族次元まで支配層の腹が据わっている事を多数派国民は肝に銘じておかねばならぬ。
時代と世界は急速に変わったのである。
 
 なお読売批判は時間の都合で割愛するが、
ナベツネなど幹部はアメリカCIA要員である。
 
ナベツネ児玉誉士夫に連なる人物だった。
 
 先頃、民主党のつじ恵議員関連で特捜が動いていた事案の舞台は六本木TSK、CCCビルと云う、暴力団東声幹部で児玉誉士夫の子分で有名な在日韓国人組長松井久之の経営ビルの地上げ物件である。
 
1973年のこのビルのオープニングセレモニーの運営委員長は読売新聞の渡辺恒夫である。
渡辺は当時、新聞編集幹部ではあっても、経営幹部としての権力を握っていなかった。
CIAスパイ正力松太郎を引き継いだ務台が読売社長だった。
 
しかし渡辺は、そんな身分で、児玉関連の曰くつきのビル完成のセレモニー実行委員長を買って出ている。
 
 「世に噛む日々」と云うブログ(小沢熱烈支持者でない方のブログ)では、渡辺が日本のアメリカ人脈に抵抗し
、小泉に批判的な事実を勝手に解釈しているが、穿った見方そのものである。
闇の政治世界を単純にまとめて整理するのは、間違っている。
複数の複雑なルートが確立している。
アメリカの対日戦後支配と日本支配層の関係が体制的「運命共同体」なってきた歴史は長過ぎる。
 
 天木直人の云う様な「さらば日米同盟」なんていうのは日米に渡る体制的支配関係をみていない幼稚な議論を多数派国民に吹き込むモノであり、弊害がある。
国民自らが決起することなくして、日米支配関係は打倒できない。国民決起があって初めての官僚、政府の仕事ができる。天木の順序は逆である。