反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

昔、小泉竹中、安部側近元財務官僚。今、大阪市長橋下の特別顧問の売族、高橋洋一の騙しのテクニック。関連記事、第一回。

 参照する資料は「増税はだれのためか」。検討対象は収録の高橋洋一トーク、<すぐ捻出できる200兆円を隠して、まやかしの増税に走る財務省の罪>。
 
 高橋トークの内容は財政政策の専門知識と実務経験によって、、アメリカ制度の日本への移植に都合のいい環境整備をすると、要約できる。
その最大の眼目は日本国家機構と行政統治機構を徹底した原理主義政策の実行で丸裸にして日本経済への国家的「規制とコントロール」能力を喪失させ、政治軍事ばかりでなく、経済も従属化させようとしているところである。トークの内容を俯瞰すると結果的にそういう事になっていると云う事だ。
 ただ彼の論議を俯瞰して批判して、しかも具体的に批判するためには、この本の別の論者のトークの内容を参考にするしかなかった。ど素人だからだ。
 時間の都合で具体論は次の機会する。
 
 高橋トークに一貫している騙しのテクニックは3年間のアメリカ、プリンストン大学留学中にアメリカ学会独特の論文の書き方、自論の説得術を徹底して仕込まれる、と想う。
 
 まず、バ~ンと掴みの華々しい結論、タイトル先に持ってくる。その後、以下の各論で説明する。
大学の授業で徹底してそういうやり方を個人指導される。
日本的な論証を積み重ねて、結論に導いて行くと云う方法では、競争の激しいアメリカの人文系では目立たないから、うだつが上がらない。学会もビジネス化されている。
 
 高橋の持論説得のやり方は見事にそのやり方を未だに続けている。
日本の大学教育では、そういう掴みの方法は仕込まれていないし、世に出てから、知識で飯を食う世界でも、まだ十分、浸透していないから、新鮮で威力を発揮する。
 高橋と一緒にできないが、脱原発のエネルギー転換を訴える孫正義さんのやり方もその一種である。
 
 だから、高橋の自説に対して、情緒的に文脈を追っているだけでは、いつの間にやら丸めこまれてしまう可能性が高い。
詐欺師に対しては、ハナから疑いの目を向けられるように訓練しておく必要がある。
そのためには騙しのテクニックのパターンを知っておくことがまず肝心。
 
 <すぐ捻出できる200兆円を財務省が隠している>。
トーク冒頭で<財務省のまやかし>を華々しく物挙げるが、果たしてどこまで本当なのかなぁ~と。
高橋の話で大風呂敷を広げた部分はよく読めば、それと解る仕掛けになっている。
 
 ただハッキリしているのは彼の論法ではバーンと耳目を引きつける華々しいタイトルが各項目に飛びだしている割には、それを論証する過程で彼が証明しようとしている事は一つの政治イデオロギーなのだと割と簡単に解る、片手落ち、単純性がある。
 
 それと、詐欺師としては、意外と小心者。
相手の問いに丁寧に説明し過ぎて、ブチあげたほら話のリアル性を欠如させている。
何だよ、その程度のはなしなのか。
自分で自分の大きな話を小さな話にしているから、ほらと解る。
 
 >ただ、彼の具体的指摘で聞くべきところはある。
 
 例えばこういう処。
国税と保険料の徴収を別の組織で行っている国(国税庁社会保険庁)は、欧州大陸の一部を除いてなかったんです。」
 
 概略を次のようのべている。
日本の自営業者は日本に納税者番号と社会保障番号がないので税金の捕捉が困難だがサラリーマンは源泉徴収されているので不公平。
「欧米諸国は個人を番号で管理しているから、確定申告が変だと想ったら、金融機関に番号で紹介するとすぐ出てくる。一方、年金は年金番号があるから数字で簡単に捕捉できる。
 
 歳入庁を作れば、国税庁の持つ企業リストを保険料の徴収につかえ、年金機構の持つ年金番号を税金の徴収に使える。歳入庁を作るだけでとりっぱぐれが減って、10兆円ぐらい増収できる
イギリスではかつてそうだったんですが1999年に統合しました」
 
 この民主党マニフェストにもあった歳入庁構想(世界では当たり前の事)を彼は例の<消えた年金>の裏事情から、解り易く説明してくれている。
 
 要するに財務省は管轄の国税庁を手放して、年金機構と合体させたくない。国税庁財務省にとって、検察の様に会社、組織団体、政治に強権を発揮することで権力を誇示できるところ。年金機構と合体させたら、イロイロ都合が悪いらしい。コントロールが効かないと云う事らしいが、直轄の国税庁と云う、自らの権力を発揮する部署の中央集権制が組織拡大によって、薄められる。武官でなく、直接権力を持たない文官としての力の集中のリアリズムである。
 
赤字企業も対象になる社会保険料の徴収を行っている年金機構の把握している企業リスト200万件。
極論すれば、黒字企業だけを把握すればよい国税庁の企業リスト280万件。
80万件も少ないのは年金機構が把握していないから徴収にいかない状態を示している。
 
年金記録が消えたのは国民年金より厚生年金の方が多かったのだから、従業員からすると、自分は年金を払っているのに会社が年金料を払らわず、懐に入れている事。
尤も今は、年金定期便を個人に贈ることでコレも有耶無耶になっている。
 
 また高橋は964(給与所得者捕捉率9、自営業6、農林水産業4)の捕捉率の関係が生じるのは日本では納税者番号制がないため、現金取引以外全部捕捉される口座のおカネの流れがなかなか把握できないから、としている。
 確かに名前だけでしか、納税者を把握できない現状では、疑惑が生じた場合、一々銀行に問い合わせても、詳細なおカネの流れの全体像の把握はでき辛い。
個人の過去の単純な普通預金の出し入れさえ、紹介しても、情報が出てくるまで時間がかかった。
アレでは税務署が対象者全部の全般なカネの流れを把握するのは厳しい。
 
>でも、こういったおカネの把握しづらい層は自公支持層に多いとは彼は云っていない。
脱税は別の名で呼べば節税対策。
しかしこういう非現代的な状態を放置しておいて、税金問題を論じている現状が日本にある。
確かにさらけ出される側としてはプライバシーに踏み込まれて、いやなモノであろう。
税金問題を論じるときはこういう側面が必ず出てくる。
 サラリーマンと云うヘンテコなカタカナを振りつけられ、労働者としての立場を蔑にされせられている、給与者奴隷と、曲がりなり、にもその身を売らなくても良い生活手段を私有している、方々との違いはある。
グローバル資本制の道を選択していく日本支配層は今以上に給与者奴隷制をこの日本社会の隅々まで浸透させようとしているのである。
 グローバル資本制は私有財産制と云う資本主義の根幹さえも裏切っているのである。
 
 かくして、自民党公明党を支持する自営業者は自分の身を自分で滅ぼしているのである。中長期スパンで騙されているのである。騙し身にイロイロなテクニックがあり、時間をかけると云う方法もある。
 
 イギリスの例で依然感心したのは、脱税した有名人に即禁固刑が言い渡された事。罰金や見解の相違ではなく、即体罰
強制力が伴う訳だから、国民側と権力の在り方が問われる。
増税者意識だけで済まされるモノではない。
 
>消費税アップにインボイス制度の導入が欠かせないとも言っている。
正しい。
「生活必需品などの消費税率を低くする軽減税率やゼロ税率を導入したいなら、インボイスは絶対必要」
要するに、仕入れで払った消費税分を価格に転嫁する仕入れ業者の中小零細企業仕入れ商品に消費税分が明記された納品書の添付を税務署に証明することで税金控除を受けられる。