モーゲージ担保証券の実体についても昨日の記事で実に解りやすい解説を引用した。
掻い摘んで云うと、とても住宅ローンを組めない様な金融的信用力のない方に住宅を売り付けると云う離れ業を画策した場合、余りにも大き過ぎるリスクを回避するために、その住宅ローンを証券化し、一見、信用力のありそうなローンとゴチャマゼ、=実態をかくして、一つの金融商品として、市場で売りさばく。
信用力がないのに住宅バブル前提でローンを組める住宅購入者の米国的特殊事情がある。
住宅を手放した時点で破たんローンの、負債返済の義務は生じない。
コレは住宅購入ばかりでなく、自動車などの耐久消費財など消費生活全般に及び、庶民レベルで借金漬けになる経済環境はアメリカには充満している。経済にとって個人消費の比重は米国が断トツ。あらゆる分野での格差容認で金持ち天国。逆に貧困が蓄積するすう勢にあり、他国からのカネとモノの大量流入なしでは国民全体の生水準は2,3割落ちると云われている。
そもそも、サブプライムローンの始まりは、貧困者向けの中古車販売ローンだった。
SBI証券<回復傾向を持続する住宅市場と金融緩和>より。
「つまり、FRBとしては好調な住宅市場に(QE3、6000億ドル破たん金融商品購入で)追い風を吹かすことで、住宅市場以外の市場にも好影響を与え、結果として雇用環境にも追い風を吹かせようと目論んでいる」
>QE36000億ドルは破たんした住宅担保証券の補てんに充てられているのであって、それが追い風にどうしてストレートに結びつくのか疑問だ。
>むしろ、「MBSの購入はQE1以来2年半ぶりとなる。あえてMRB購入を再開した点」が問題である。
SRB証券サイトより。
「年初にはQE3の実施については専門家の中でも意見が割れていた訳だが、実際に実施されたいま、それほど米国経済の状況が悪化しているかを把握しなくてはいけない」
>QE3の実施の意見の相違があったが実行した背景。経済情勢の厳しい現実もなるが、11月6日の大統領選もある。大統領の後退と共に2000人以上の役人入れ替わりの政治主導の弊害面も米国にはある。
失業率は
「6月、7月の発表数値もそれぞれ下方修正されており、依然として米国の雇用環境は厳しい状態になっていることが分かる。同時に発表された失業率は8.1%と前月の8.3%から4ヶ月ぶりに改善した訳だが、職探しを断念した人数が増えたことと労働参加率の低下が主な要因であり、実態としては出てきた数字とは真逆の状態であるとの認識で問題ないだろう」
「住宅市場はこれまでみてきたように回復傾向を維持している。 」
>回復傾向を維持している、って当たり前のこと。資本制の法則から落ち込んだ市場は一応上向きなる。
>が、世界はその回復の中身を問題にしているのではないだろうか?
「海外では既に「QE-eternity」といった皮肉めいた言葉をちらほら目にする事があるが、更なる追加緩和に期待するのではなく、」
>QE<<eternity>>の意味
1、永遠、永久
俗語でeternity box。棺。エタニティリングが指輪だからエタニティーボックスは普通に使われている。
>QE3が終われば、次はQE4.。その次は別の名前に変わったQE5。
そして、両大統領候補共に外交重要案件に掲げるTPP、というのが水が高きから低きに流れる様な必然。
その前に橋下維新、みん党。自民カムバック安部総裁、民主前原は意向をくんで日本における米国じ仕込みのヘリコプターマネーバラマキを提案している。
前原如きは日銀のカネで外債購入をブチあげている。
外債は米国債の事。
やっぱり、こうなったら謀略論論も援用しなければ事態が呑み込めないように思えてくる。
口では勇ましく煽動の日の丸愛国の食えない餌を国民に投げ与えておいて、もう本人は日本人じゃなくなっているんだね。
>やはり、タイトルにある様に<米国のシステムへの全面統合を指向する勢力は米国軍事経済力の役割が低下しているまさにその時に不平等革命、寡頭制への転換の全世界的旗頭を見出した>と云う事か。
古くて新しい常道手段であっても、詐欺師の騙される人は何度でも騙される。しかも砂の真砂は尽きぬまじ、ってか。ともども御苦労サン。何とかと何とかの絡み合い、と云うフレーズが鶴田浩二さんにあった。
題名は昭和維新の唄だっけ?
平成の維新は戦後日米関係の文字通り、トドのツマリを実行する様だ。
住宅不動産投資以外の目立った経済部門は、軍需産業。
日本で云えば、土木建設の公共事業に相当する。非効率的で雇用確保の意味もあり、公共事業の様な役割を果たしているから、止められない。世界にとって、まことに危なく、経済的にも費用対効果の薄い公共事業ではある。
以上、米国の主要生産部門(農業には補助金が投入されているので、補助金なしのカナダ、オーストラリアなどのケアンズグループとは違う)の生産財に占める輸入の割合は高い。工業製品の国内供給力は日本ドイツの半分程度。
>1990年までのアメリカは
「グローバリゼーションと呼ばれる事態は、1970年代の先進国における利潤率の低下、慢性不況と云う危機から始まっている。その原因の一つは、耐久消費財が普及して、これまでの市場が飽和してしまった事にある。
>このため米国の資本はグローバルな自由競争に活路を見出そうとしたが、
>その事は米国の軍事的なヘゲモニーに依拠することなしにはありあえない。
>現在はアメリカ帝国の没落期であってコレは避けられない。
が、もはや以前の様な全面的ヘゲモニーを持ちえない一帝国に留まる。」
が、これは自由主義と関係ない。
かつての世界覇権国家イギリスが真のヘゲモニー国家であった時の福祉や労働者の生活の保障が後退し、帝国主義に転じた時代それまでの自由主義に代わって、社会進化論が支配的になった。コレはダーウィンの自然淘汰論(弱肉強食)を社会に適応したモノだ。
「帝国主義の時代には<国民>の契機は切り捨てられる。資本は自国の労働者を捨てて、他国に向かう。福祉は切り捨てる。
が、これは、国家を解消するモノでは全くない。
まさに国家と資本が他の国家や資本と<競合>するために、それを実行しているのだから。
また、EUの様に国家が主権を制限して連合する様になっているのは国家の弱体化ではない。
>近代主権国家と云う概念は実際は<<少数の大国にしか当てはまらない>>
ほとんどの国は他国に従属している。
古来国家は存続するためには連合や従属をいとわない。
EUなど<広域国家>は世界資本主義(世界市場)の圧力の下、諸国家がが結束して<広域国家>を形成している事にしかにすぎない」
「近代世界システムのサイクルは産業資本によるものだが<<世界商品の交代>>と云う観点からみても、次はなにもない。
情報産業と云っても事実上は耐久消費財を生産し消費する人々を行進国に見出すしかない。
中国やインドの農業人口の比率が日本並みになったら、世界資本主義は成り立たない。
だから、米国に代わるヘゲモニー国家が出現するどころか資本主義が終わる可能性がある。
と云ってもその前に、ヘゲモニーを巡る壮絶な闘争があるだろう。
其れを目指す事自体が何をもたらすのか?
勿論、<戦争>だ。
エネルギー資源を求めた諸国家=資本間の闘争が激烈になる。またそのためのイデオロギーも出てくる。
一国と云うより、経済圏による保護主義。
>もう一つ大事なことは1930年代と決定的な違い。
この帝国間の競合に置いて、中国やインド、イスラム圏と云った帝国が存在している事だ。ロシアも忘れてはいけない。
この様な帝国は18世紀まではヨーロッパに優越してものだ。
だからそれが再登場したからと云って驚くべきではない。」
<追記>
今日までの3日間で無理矢理、原理、段階、現状は網羅した。
日本の経済力の後退はすう勢として必至。戦後今までが環境に恵まれ過ぎていた。何度も挙げている戦前の最低レベルから、戦後の先進国の中で突出した経済成長の数値を見れば、こんな状態がいつまでも続くはずがないと、考えるのが当たり前。
各種の反米論の中で、事ここに至って、これまでため込んだ利得を吐き出すのが嫌だと云う本能に突き動かされているモノがある。尤もなことで、その利得の過半は国民の中ではなく、企業蓄積の中にある。
可能な時期に成長スピードを鈍らせても、国民の生活に富を振り向けるシステムを構築すべきだった。
しかし、戦後の出発時点から、ボタンの掛け違いがある
たった150程前だ。
この大間違いが敗戦でも修正されず、コツコツと積み上げた経済的プレゼンスが目減りする時代に、本性むき出しで排外主義で対応しようとしている。コレは世界の一部には理解されても過半には通用しない。
結果、コレを巧妙に利用されて、なけなしの国民的利益は目減りしていくであろう。家電電子業など規格製品の大量生産、大量販売の部門の日本企業も後発の追い上げには太刀打ちし難く苦しい。またしても鉱工業生産指数の後退から景気後退が予測されているが、日本の経済力後退の象徴がこの部門である事はトレンド数値がハッキリと示してる。