反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第3回、色川大吉の自分史より、<岸信介の志>。60年安保改定を巡って。

 今朝もウォーキング3キロ。階段登り500段。腹筋200回。腕立て伏せ120回。鉄アレイ、ハンドプレス3セット。
体の調子は良いが、頭の方がいつものように?。時間もない。
 
 イラクの現状のネット情報を読みこんでいた。
 
 60年安保改定を考える場合、現状の日米軍事同盟の在り方の原型、出発点が60年安保改定にあると云う視点が大切。
 
 米軍世界戦略の最大の矛先は膨大原油埋蔵量があるが、政治軍事力に乏しい中東であり、この地帯にイスラエルを一方の拠点に確固とした橋頭堡とプレゼンスを打ち立ている事に或る。
 
 同時にこの世界戦略は、中東、原油に依存している日本、ヨーロッパの、独自戦略性をけん制し、自分の戦略に取り込めるという<冷戦体制崩壊後の主要国の利害対立激化のすう勢を見据えた一個二重の米国独自戦略となっている>。
 
 日本の軍事力はそうした米軍の中東戦略によって生じる東アジアー東南アジアの軍事力の過疎化?を積極的に補完する戦略方向に或る。
 
>が、この米軍事戦略の主要打撃方向を東アジア、東南アジアで積極的に補完する日本軍事力は中東の米世界戦略が対日戦略と云う一個二重性を有する以上、日本政治軍事力の中東地域への拡大を必然化しよう。
日本支配層はTPPを経済的基礎にそうした米軍世界戦略への積極的随伴者の役割に踏み込むつもりである。従って、日米両支配層にとって、日本国憲法は邪魔なのである。
 
 こういう観点からイラク侵略、米軍撤退後のイラクの現状を知っておく必要がある。
が、各種報告書は当地の階層分析がなく、十分でない。宗派対立、民族対立、原油利権の行方は理解できるが、そういった見方で満足できないの今後の課題にして今日は、現イラク情勢を踏まえての米中東戦略の有効性を見極められない。
 
 以上の現在的視点なく、60年安保改定の岸信介の志を取り上げても大きな片手落ちである。
 
>もう一つの視点は中国統一、朝鮮戦争を中心とする東アジア情勢、まだホットな政治軍事過程であった冷戦体制という情勢を前提とした60年安保改定で在ったと云う事。
 
>三点目は、この時期の米国は黄金の50年代であって、国力の充実は頂点に達していた。
同時にソ連、中国や世界の民族解放、自立闘争もピークに達しようとしており、米国はコレらの勢いに対しての西側の防衛を責務とし、またその余裕のある時代であった。
詳しくは2012年01月15日付のブログ記事の後半のグーグル引用箇所に或る。(まだ不十分だが)
 
 上記の二点は米国が<岸信介の志>を受け入れた大まかな条件、理由となる。
色川さんの記述は自分史だから仕方がないが、<岸信介の志>の過大評価に繋がる点がある。
 
 なお再三指摘している様に孫崎さんの「戦後日本史の正体」の岸信介評価は間違いである。
基本的にあのような観点からの指摘は、現に色川さんの自分史2008年出版の論点が先行している。
またそれ以前の論壇でよく云われていたことである。
おそらく孫崎さんは遅まきながら、そうした観点にインスピレーションを享けて、追随派と自主外交派の仕分け作業を行ったものと想われる。
 
 こうした観点は日米支配層の現段階や将来の世界戦略を批判するのではなく、迎合するモノである。
 
 
>さて、色川自分史、<岸信介の志>重点か所の編集。
 
東条英機岸信介のくされ縁>
東条は関東軍参謀長ー岸信介軍部に嘱望された満州国産業開発の実権者。岸信介は巨額の資金を自由にできる関係で、利権を巡っても東条とつなっがていた。
 
<東条決戦内閣1941年~1944年に置いて岸信介は商工大臣>
 
1948年東条等7名絞首刑された翌日、岸信介は釈放。
岸信介反米感情は反ソ反共感情にに転換される」
「1948年獄中で米ソの対立激化の情報を聞いた時、<再興日本の好機>至ると歓喜したという。
 
<釈放後、岸信介の歩み>
1951年、 サンフランシスコ講和条約締結=日米安保条約締結。
自由党吉田茂に対抗して民主党結成。
1955年、 自由党との保守合同自由民主党結成。総裁鳩山一朗。幹事長岸信介
1957年、 石橋湛山の後を受けて首相就任。
 
<米軍占領下で協定された日米安保条約は{対等の条約}(W、対等の軍事条約とは何か}でなかった。>
 
>問題点。
1、「数百か所の軍事基地提供にもかかわらず、米国の日本防衛義務規定なし。(W、10条の中に米国の日本防衛義務規定は明記されているないと云う意味に解釈)
内乱発生における米軍介入=内政干渉条項。
2、条約の期限の定めなし。
3、日米行政協定における不平等。日本側の主権制約。
 
>是正点。
1、内乱条項削除(W,こんなのは当たり前)
2、事前協議制の導入。(W、防衛庁内に日米制服私服の統合参謀本部の如きものが設置されている現在、形骸化)
3、条約に有効期限10年。(W,色川さんは10年存続の後~どちらか一方の当事者による通告が行われた後、1年で終了する、という安保条約10条の大切な規定をキチンと自分史に追加しても良かった」歴史家として甘い!
 
>日米の双務の相互防衛義務は明確な条文化できず、難航。憲法第9条の制約による(岸信介=官僚、自民党主流派の認識)
 
<米側の言い分>ーー「米国が日本の防衛義務を追うと云うのなら、日本も米国の防衛義務を負え」(真意は米国の世界戦略上、発生する世界各地の敵との攻防を日本側も積極的に担え!日米安保の相互安保化の事だが、実際上は日本側に独自戦略性なく、米世界戦略への追従になる構造。)
 
>岸。 「もし憲法上の制約(第9条)がなければ、日本が侵略された場合に米国が、米国が侵略された(W、太平洋を越えてた東アジアの米軍事基地やその作戦行動への攻撃という意味であり、米側先制攻撃への敵の反撃に日本は米国と共に自動的に応戦すると云う事)米国場合は日本が助けると云う完全総務条約に成っていただろう」
 
<米国防衛??が違憲で或る以上明確な条文化ができないので、日本側は第6条の「極東条項」と云う譲歩した。>
 
第6条。
「日本国の安全に寄与し、並びに?極東における国際平和及び安全の維持に寄与するため(安全保障の領域を極東に拡大)米国政府は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国に置いて<設備及び区域!?>を使用することが許される」
 
 W,米軍基地、設備、軍事該当区域の自由使用であり、事前協議は事実上関係ない。ベトナム戦争など過去にそうしてきたし、現にそうしている。将来は今年、改定された自民党綱領にあるように、日本軍事力を米、世界戦略を沿って、積極的に展開していこうと云う事なのである。
 
 そのためには日米支配層にとって、現憲法は邪魔なのである。9条改定ばかりでなく、国民は公(支配層)に尽くさねばならならない、とい自民党憲法草案である。
 
 TPPはその経済的基盤である。
コレは戦後の日米関係の着地点である。
日本にアメリカの様な1%と99%の富の偏在が将来発生する経済的軍事的根拠がここに完成する。
問題はそこまで至る時間の経過になろう。