反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

北朝鮮核実験と東アジア、世界の激動情勢はIt's no use crying over spilt milk。(昔の受験英語。BC11Cの中国の故事より、零れたミルク。)世界の支配層は同じ穴の狢。

 北朝鮮核実験!ニホン、マスコミどもはここぞとばかり、大騒ぎしているらしい。
先日、近所のタバコ屋の前を通りががった際、新聞スタンドに太目をやると、黒抜きの毒々しい見出しが躍っていた。一紙をヒョイと引き上げて、チラッと視線を注いだだけで、元に戻した。
 
 そういえば、北朝鮮は先のニホン衆院選の期間中に大型ロケット発射事件を強行した。
そして今回の核実験。
安部政権発足、インフレターゲット政策実行、国政レベルは既に初夏の参院選参院選を視野に始動している。
その向こうに増税実施、TPPが見える。
結果、日本国民多数がどういう境遇に遭遇するのか、今からミエミエ。安部政権後のあり方が日本にとって決定的。
 昨日、久しぶりに植草一秀さんのブログを覗いたら、TPP事前交渉で日本の米が特例措置される可能性に言及していた。こういう解りきったことはもっと前に指摘するのがブログを書く意味。
 
 ま、いずれにしても、(小沢一郎さん常套句)北朝鮮中国韓国日本米露、丁々発止、お互いよくやるなぁ~。
テーブルの下では手を握り合っていりかも?共通の利害があることも押さえておく必要がある?
一々具体的事実関係を抑えていけば、強固な繋がりは否定できない。
メダルの両面として、対立と支配層としての共通の利害がある。
 
 今回の核実験によって、以前の6カ国協議の枠組みは、新たな激動情勢に対応する体制を模索せざる得ない。
 
 各国は互い独自戦略性と付随する従属変数があって、アクションとリアクション関係の政治軍事経済過程を踏まえて、コントロール困難な情勢が独自にコロがっていく、だろう。
 
 従って、過程は正義不正義、紆余曲直の次元を大きく超えている。
戦前の日本にも、日本の言い分もあった。正義も合った。中国朝鮮韓国しかり。
今の東アジア情勢も同じ次元の問題だ。
 
 激動情勢の根底には抜き差しならぬ利害対立があるのだから、其々の立場によって、見える風景か大きく違ってきている。
 
 冷戦体制崩壊後の米国中心の世界的モノカネの循環体制の崩壊=アメリカバブル崩壊、それを受けた日本的には民主党政権交代、さらには米バブル崩壊と連動する欧州金融危機
 
 その底には、世界の全地球的政経軍情勢の一体化の反面で、
急速に進行する、当該中国のような新興国の台頭による先進国との不均衡の拡大=世界の多極化、という歴史の趨勢がある。これが世界の基底的条件。
 
 従来の6カ国協議は新らたな激動情勢に対処できる中身を模索せざる得ない段階に深化したのだが、
上記の先進国と新興国の台頭という歴史趨勢的不均衡があるので厳しい。
さらに、そこに北朝鮮の軍事力ある独裁最貧国の過激性(朝鮮歴史の儒教な頑固反動的側面が北体制に集中し、自ら変われない)が加味される。中国と北の間に矛盾がある。
 
 歴史をたどれば、第二次帝国主義戦争の直接の残存体制が朝鮮半島、中国のユーラシア大陸側にある。
この意味では歴史スパンでは清算されていくだろう。
ロシア革命移行の体制は70数年。それから類推すると、10年ほど後か。
 
 が、日本も10年後には大きく様変わりしている。
日本は厳密に言えば、敗戦民主制導入にもかかわらず、大きく形骸化し、戦前の継承が各分野で色濃くなり、長期経済停滞、東アジア世界情勢の激動を背景に、結局はその種の実態に依存せざる傾向にある。
対米独立変数はきわめて脆弱。噛ませ犬の役割にある可能性がある。
国民はまとめられて、誘導されていくだろう。
問題がその後となろう。国はつぶれないが多数の国民生活はきびしくなる。
ドイツも世界に対して、二回もおかしなり、歴史的判断を誤った。
 
 世界におけるアメリカの相対化は世界の認めるところあり、そこから来る足掻きも東アジアにはけ口を求め、独立変数の強い中国とは対立を深め、かつ協調せざる得ない実態がある。
 
 歴史的に見ると中国共産党は中国人民の海にメルトダウンしていく。
が、戦後生まれた近代中国国家、国民としての反発力があり、支配層は人民統治に中華民族主義を利用せざるに得ない。東アジア情勢の13億人の激化要因である。この点でソ連からロシアの転換とは違う。
 
 ユーラシア大陸側ではロシアに独立変数がアメリカに対抗する軍事力、地政学的位置、スターリン主義体制転換済み、などの要素によって、一番強い。
 
 コレ等は現段階のグローバル資本制の法則性に根付いた、複合的な世界市場の分割戦という経済下部構造の主導に基づく政治的軍事的事象。
 
 こういった時代基調を取りまとめた認識は「最新フランス事情」「最新ドイツ事情」ーともに明石書店刊行ーから引用すると次のようになる。ヨーロッパも確認しておく必要がある。
 
 フランス最新事情から。
 
「フランス社会学者によれば金融、経済のグローバル化が進み、国家が経済政策、社会政策の領域で影響力を減少させているなか、<国内治安の維持>は<国防>と並び、国家が存在意義を誇示できる数少ない領域であると指摘する。
フランスをはじめとする西ヨーロッパ福祉国家では1970年代以降、国内の企業が人件費と法人税の安い国に生産拠点を移転を図ったため、国内の失業が増加し、税収が減少し、それまでの福祉国家体制を維持することが難しくなった。
失業が増大し福祉は削減されれば、必然的に貧困層は増大する。
だが貧困層の増大は、貧困層以外の人々にも不安を与え、社会全体に不安を与えることにもなる。
そこで、人々に不安を与える貧者を監獄に収容する、という厳罰化政策が軒並み先進国で取られるようになったというのである。
実際に、1985年と2005年を比較するとフランスの受刑者数は倍増し、受刑者の多くは貧困層であることが自称されている。
9、11以降、テロに対する恐怖が世界中に浸透し、身を守る安全の要求がいつになく高まっていることも、治安対策が強化される要因ひとつである。
ブッシュ政権の推し進めた米国の対テロ戦争には、国民の安全を守るためならば、国際法違反も厭わない、という姿勢が見られ、
ここには、フーコーが1970年代指摘した<法を凌駕する安全性装置に統制される社会>が極めて今日的な問題として現れている。
本来は多様性に富んでいつはずの<安全概念>が(犯罪やテロに他する)取締り、という一側面に落ち込んでしまい、
<非安全に備えての安全という保険の論理が世界中に浸透しているように思われる。
このような時代にこそ<安全>という概念をもう一度考え直す必要があるだろう。」
 
>経済政治統合のもっとも進み、米国と並ぶ、グローバル資本制の典型のヨーロッパ情勢を踏まえた見解である。
情勢認識の中に我々側のモチベーションが含まれない啓蒙的消極論、という批判を持っているが、支配層の手口を知る上で、踏まえるべき面が多い。
 
>ドイツ最新事情より。ここではグローバル資本制を積極的に推進する新自由主義政策に注目する。
「格差の原因として~ひとつは経済のグローバル化がある。その結果企業は安い労働力を求めて外国に進出したり経営力ない企業は淘汰されたりして、歓呼によって格差を拡大してきた。
又倒産にまでいたらなくても、
国際的な価格競争に打ち勝つために、パート採用における無理な低賃金の雇用は行われているという事実もある。
 2003年から国内では新自由主義的な規制緩和構造改革が行われ、コレも結果的に貧富の格差を広げ、潮流階級が減少するという結果をもたらした。
 
 1990年代に進展した世界健在のグローバル化は、国際間の競争原理を加速させ、<「先進国」と発展途上国><資源を持つ国と持たない国>という南北問題や国家間の格差を生み出した。
その結果地球規模で<豊かな国と貧しい国。に色分けされるようになった。
ニホンでも勝ち組の企業経営者が多額の収入を得ているのに対して生活に苦しむワーキングプアも増加し格差も問題が深刻化した。
<<そのケアとして、派遣労働の問題点や最低賃金制度がクローズアップされるようになってきた。>>」
 
>以上、フランス、そしてニホンと共通するグローバル資本制の強烈な最大限利潤追求のための<世界性、無政府性、衝動性>が明らかにされている。
 
最後の<< >>部分は今の日本の雇用情勢からするとブラックユーモアである。
最低賃金制がクローズアップし、、それをなくせ堂々と主張する輩の政治集団が50数人議会進出している。
派遣労働の規制どころか、正社員の一方的な大量解雇も合法という裁判所の判決が飛び出している。
 
 なお、細かく言えば、
ドイツでは日本のような派遣労働への雇い止め規制されている。
 
EU積極推進、治安維持に回ったフランスの社会党でも同様だが、ドイツ社会民党シュミット政権の時代に、上記の新自由主義構造改革が開始された。
 
西ドイツ時代ではニホンの自社さ政権いよりもズット以前に、戦後一貫して西ドイツ政権の座にあった、キリスト教民主同盟社会民主党の連立政権が成立している。
 
伝統的左翼の社民支持者に失望が広がって大きな政治分岐が生まれたが、そのときはドイツ経済にまだ成長の力のあった時代で、議会圏外の大衆運動の力があり、議会圏の分岐と運動圏のパワーがうまい具合に融合した結果<緑の党>が生まれた。
 
 さらに、シュミット政権時代の社民党新自由主義構造改革に反対するラフォンテーヌ等の幹部の分裂は
東ドイツ時代の支配政党を継承する政党など、統一ドイツ左翼を糾合し、中央議会にかなりの議席を有するようになった。
 
 結論的に云えば、こうしたドイツ政界再編の動きと日本と比較すると、政治的成熟程度において、大人と高校生程度の差がある。
 
 小沢さんたちが昨年暮れにやったような、重大な岐路における国政選挙を舞台にした、醜悪な寸劇の如きものは、西ヨーロッパ、北欧では絶対にありえない。
 
 日本政治の場は、メキシコに近い様相である。
 
 >原爆を二発も投下されたにもかかわらず、激震列島に54期も原発を林立させ、挙句の果てに、大地震の直撃を受けて人類史上に未曾有の大惨事を引き起こし、自らの国民と国土に決定的な量の放射能を撒き散らかしいまだ収束できない日本支配層と核実験強行の北朝鮮は本質的に同じ穴の狢である。
 日本は戦争に負けていなかったら、今頃大いに核武装していただろう。