反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第3回分。平成24年6月22日 財務省。 「国際的な資金フローに関する研究会」(財務総合政策研究所)の報告書に対する批判的検討と学習。

国際的な資金フローの現状
  
 国際的な資金フローは世界金融危機を受けて急激に縮小したが、再び拡大の動きを見せている。ただ、世界金融危機以降はリスク回避の傾向が強まっており、資金フローが安全資産に向かう動きが顕著になっている。
 
 2000年代にはグローバル・インバランスの拡大などを背景に<大きな対外純資産又は純負債を有する国の顔ぶれが多様化>している。
 対外純資産・純負債ポジションを決定する各国の資金過不足の状況に目を向けると、<<家計部門の資金剰と企業部門の資金不足が縮小する傾向>>が見られW。家計の貯蓄減と企業内部留保拡大のこと。
その縮小の速度が一致しないために財政収支や対外収支の不均衡が生じる傾向にある。
 
<G20では>
日本を含む「継続した大規模な不均衡」を有する国に存在するインバランス(不均衡)の原因や背景の分析を行った。
インバランスの是正には、財政再建、生産性の向上、競争力の強化、社会的セーフティネットの整備などの構造改革の断行が求められる。
W。お題目に過ぎない。
 
 大幅な経常収支の赤字を有する米国は、<英国を中心とする欧州との資金のやり取りが大きく>、<特に世界金融危機直前に欧州との資金フローが急拡大>していた。
 
 今後の<米国の資金フローを巡っては財政赤字の動向に注目される>が、政治的な対立が続くなか、<財政政策の先行きは不透明な状況>にある。
 
 >>W。再び、バブル経済へGO!の重要ポイント。
また、米国の金融資本市場では、<確定給付型企業年金から確定拠出型企業年金への制度的移行>のなかで<<投資信託が拡大するなどの動き>>が見られる。
 
 <欧州(ユーロ圏)>では
2000年代においてリジョナルな(地域的な)インバランスが拡大し、これを背景とする域内の北から南への資金流入の拡大ーギリシアに象徴される南諸国危機からの脱却には痛みを伴う財政再建構造改革、財政統合をどのように進めるかなど課題も多い。
W。EU統合、と金融危機で経済成長のエンジンを使い切っている。後は社民的政府分配の縮小に向かう。

 世界金融危機の影響が軽微であったアジアでは>
 黎明期にある金融資本市場においても投資家が育ちつつある動きが見られる。アジアへの銀行与信が大きい欧州の危機は当面の懸念材料だが、成長期待が高まるアジアへは欧州以外の地域からの与信供与も見込まれ、影響はあまり大きくないと考えられる。

 第2部 国際的な資金フローに関する分析
第4章 対外不均衡と国際資金フロー:グローバル・インバランス論を超えて
 高騰にもとづくその他要因が、グローバル・インバランスと呼ばれる現象について、その発生メカニズム。
2000年代以降、経常収支赤字国、黒字国ともに構造的要因および資産価格のグローバル・インバランス拡大の重要な要因となっていたことが明らかにされる。

 各国間の資金取引は、基本的には資金余剰国から資金不足国へのファイナンスとして捉えることができる。
 
 グローバル・インバランスの拡大は、
A)中国、日本などの資金供給国から、資金需要国である米国へ巨額な資金が流入していたことを示唆している。
B)また欧州域内では、ドイツを中心とする経常収支黒字国が、経常収支赤字を肥大化させていた南欧諸国に資金を供給するというリジョナル・インバランスが発生していた。
C)さらに2000年代に入り、米国と欧州の間では、おもに英国を経由する形で、巨額なドル資金の流れが形成されており、この資金フローは米国の住宅価格を高騰させていた可能性が高い。

第5章 対外インバランスと評価効果の非対称性-「富の移転」に関する日米比較-
 国際投資ポジション(IIP)から発生する「評価効果  日米のIIP構造や対外収益率格差の違いなどを分析することによって、日米の評価効果が完全に非対称的であることを示し、貿易収支の縮小と所得収支の拡大という経常収支構造に転換しながらも、今なお米国とは対照的なIIP構造を持つ日本にとっての示唆を考察している

次回に続く。