昨年12月の総選挙で自民党が政権を奪還し、今年に入って安倍晋三内閣が本格的に始動した。だが、“大勝”したはずの自民党の得票率はこれまでを下回るなど、
国民の政党不信は変わらず、むしろ強まっている印象すらある。
2008年のリーマンショック後の世界的な不況に、尖閣問題などをきっかけとする近隣諸国の関係悪化。そして二大政党への不信──。
こうした状況を世界恐慌後の1930年代の日本に重ねて合わせて危惧する向きが少なくない。こうした認識や懸念をどう解釈すべきなのか。
日本政治思想史を専門とする梅森直之・早稲田大学政治経済学術院教授に聞いた。
(聞き手は、中野目純一=日経ビジネス副編集長)
国民の政党不信は変わらず、むしろ強まっている印象すらある。
2008年のリーマンショック後の世界的な不況に、尖閣問題などをきっかけとする近隣諸国の関係悪化。そして二大政党への不信──。
こうした状況を世界恐慌後の1930年代の日本に重ねて合わせて危惧する向きが少なくない。こうした認識や懸念をどう解釈すべきなのか。
日本政治思想史を専門とする梅森直之・早稲田大学政治経済学術院教授に聞いた。
(聞き手は、中野目純一=日経ビジネス副編集長)
注目すべきは、投票率だと思います。今回、投票率は59.32%と、2009年に行われた前回の衆院選(69.28%)から大きく下がり、戦後最低の水準になりました。
これは非常に深刻な問題だととらえています。国民の間に政党に対する不信が広がっている証左です。
これは非常に深刻な問題だととらえています。国民の間に政党に対する不信が広がっている証左です。
将来の方向性を決める大変重要な選挙であるということは、選挙前、各メディアでもしきりに報道されていました。にもかかわらず、実際の投票行動に結びつかなかった。???W。一貫して世論誘導してきたのはマスコミ。その指揮棒に沿った合唱が起こっただけ。困った時は何はともあれ寄らば大樹(国家依存)の陰という日本人の集団性本能によるところは大きい。総選挙に至る一連の各種選挙結果において、結論は明らかだった。
何よりもまずマスコミは常に国民間の多数意見を公平にキチンと国民の前に開示する義務がある。
完全に怠っている。
政党に対する不信は必ずしも悪いことではなく、民主政の構成要素。
>確かに、全国の比例得票数を見ると、自民党は1662万票。2005年の2588万票を大きく下回り、大敗した2009年の1881万票にも及びませんでした。
民主党の得票が激減したので、相対的に見ると大勝という形になりましたが、自民党に対する支持が広がっているとは言えませんね
民主党の得票が激減したので、相対的に見ると大勝という形になりましたが、自民党に対する支持が広がっているとは言えませんね
W。ゆり戻しであれば、大きなきっかけがあれば振り子は時代の進行を考慮しても元に戻るはず。
もう元に戻らないの政治過程の情勢から遊離した独自の政治力学が働いての、一人歩きはゆり戻しといは云わない。政治学者なら、その辺をもっと厳密に考えよ!
無駄な危機感は必要ないが、ボケは有害。
問題の焦点は何を持って危機感を抱くかということである。国対国に横の関係のみで良いのか、国内部の関係に大きな問題はないのか、ということである。両方がセットになっている。
>このように2大政党に対する国民の不信が広がっている状況は、日本の1930年代に似ているのではないかという声も出ています。
30年代には政友党と民政党の2大政党がぶつかり合っていました。国民の間では「政党は何も決められない」「既存の政党はダメだ」という不満が高まり、大連立を求める声も出ていました。
当時、日本はそうした環境の中で太平洋戦争という不幸な道を歩んでしまったわけですから、30年代と今が似ていることを不安視する向きがあります。
当時の政治問題の多くは帝国主義のひずみから発生したものでした。
30年代の日本の状況と今とが似ているという議論は、「日本が45年まで帝国だった」という事実を意識的にか無意識的にか、隠蔽、もしくは忘却したものだと思います。
現在の日本は帝国主義とは断絶しています。この点をよく再認識すべきです
30年代の日本の状況と今とが似ているという議論は、「日本が45年まで帝国だった」という事実を意識的にか無意識的にか、隠蔽、もしくは忘却したものだと思います。
現在の日本は帝国主義とは断絶しています。この点をよく再認識すべきです
W。ではいったい、今の世界中でセンセイが帝国と呼べる国はありや否や?
その帝国の定義からすれば何処にも存在しないはずだ。世界は自由民主主義の国だらけということになる。
それにしては世界が騒々しいのはなぜだ?説明は次に紹介する米民主党系ジャパンハンドラーの理屈の全貌を俯瞰した方がわかりやすい。