>アベノミクスについて、彼等の理屈に沿って問題点を指摘してほしい。
ー省略ー
>もっと詳しく、説明してほしい。
既にここ数年の貿易収支赤字は地域国際分業への質の転換に根ざしたもので、今後とも以前のような大きな黒字に転換することはない。
経常収支の6000億円程度の黒字の内容はマイナスのサービス収支と貿易収支を所得収支の大幅黒字がカバーしている状態。これも米国のようなキャピタルゲイン構造ではなく、通常の投資利得。
そういう前提とアベクロ、ヘリコプターからマネー特定投下作戦及び
欧米経済のリスク後退、回復基調を受けて、以前のような円高への回帰はないので、食料品や原材料の輸入価格は上昇する。
だから、単純なインフレ目標値であれば、円安ー輸入価格上昇で、達成される可能性は高い。
>コア2%、コアコア2%インフレ目標値達成はどうして困難なのか?
株式、不動産など、内外の資産価格の上昇はアベクロどもが既に新規国債の70%程度の日銀の直接、引き受けまで、踏み込んでいる現状では、現在値を基準として、売ったり買ったりが続くだろう。
資産バブルさえ引き起こせない可能性が高い。
(省略)
とすると、アベクロが日銀当座預金口座にいくらニンジンをぶら下げても、今後は国内の資産上昇さえ、順調に推移しない、もみ合い状態が続く。
投機熱に浮かれた馬さえ走らなくなっている。
頼みは欧米投機市場の復活だが、
そもそもバブル崩壊以前の欧米好景気の持続は、冷戦体制崩壊や新興国台頭のボーナスが欧米にもたらされた、という時代限定的要因によるものであって、一時代が過ぎて世界の多極化が進展して行く状況から、もうかつての状態に戻ることはない。
米国の住宅バブルの牽引する信用膨張、過剰消費を軸とする世界的なモノ、カネの循環体制には二度と戻らない。
歴史は進歩している。後戻りはない。
なお、現アベクロ政策の源流である小泉時代の量的金融緩和が功を奏したように見えるのは、上記の世界体制があってこそである。
いくら日銀当座預金にカネを積み上げても、資産を運用する側の投資範囲は地球規模に広がっており、何もことさら日本限定にする必要などサラサラない。
最大限利潤を確保できるところに投資する。日本投資は儲からない。
日本国内には借金して事業を拡大しようにも、それに見合う儲け口がないということだ。列島経済は既に飽和状態だ。
またバブルをやって危機管理を徹底的にやればいい、という思考も台頭してきているが、大勢に至っていない
ー省略ー
>かなり、話題が飛んでいるようだが、三本の矢の後の二本が備わって初めて、インフレと好景気の連動が成立すると想うが。
理屈の上からしてまさにそう云うこと。
所詮、金融操作だけで、コレだけ大きく、世界との連動性の強まっている日本経済の軌道修正ができるわけがない。
消費、や投資(経済成長という意味では設備投資に注目点が集まる)は政府が直接関与できるものではない。政府が実体経済に直接、働きかけることができるのは政府支出の増加である。
{GDPの等式から、アベクロ政策を考えてみる}
需要=消費<政府は直接関与できないし、大きく変動しない>
+投資<この数値の増加が経済成長の目安で工業国日本では設備投資、実体経済の信用創造が拡大しなければ、設備投資に資金は向かわない。実質金利の低下が目安になるらしいが、その線から云っても、アベクロ政策では期待インフレ率上昇ー名目金利上昇はあっても、実質金利低下が起こるような要素が見当たらない。実質金利低下は経済の実物要因に規定される(野口悠紀雄)W。当たり前の事実だ!>
+政府支出<財政規模の拡大。当面、金融緩和と平行してここに踏み込み、金融寡頭制強化の政治目的のために、見せ掛けの景気上昇を印象付けるしかない。>
+(輸出ー輸入)<ここは既にマイナス基調>
{なお、フリップ曲線をもちだしてアベクロ政策を正当化する使用人どもに反撃する。}
グローバル資本の使用人そのものである。
ウィキでもクルーグマンなどを引き合いに出して、イロイロ能書きをたれているが、
ポイントはこの部分。ウィキより引用。
一人の労働者の過労死させるほどの残業はもう一人の新たな雇用に比例しない。
コレが日本とアメリカで只今現在発生していることである。
バブル崩壊後の米国の企業収益は過去最高を記録している。
そのようなインフレと失業のトレードオフとかの資本に都合のいい言い訳よりも、失業という現実には構造的要素が働いている。
資本蓄積率アップに伴う必然的な相対的過剰人口の増加傾向という資本制の原理に根ざした問題もある。
さらに高物価ー不景気ー高失業のスタグフレーションもある。
資源のない日本では一歩間違うとこの可能性が常に存在する。
日本国民多数にとって一番経済的に厳しく、苦しい現実が突きつけられる期間である。
{金融政策}
今、アベクロがやっているというか、もうコレしか手段がないので仕方なくやっているのは、
所謂、A)買いオペ+それでも当座預金口座に積み上げが間に合わないから、
B)新規発行国債の日銀直接引き受けである。
A)は高校の教科書にも載っているもの。
財政の出動がなければ、異次元の云々は所詮、極一部のものだけが潤う小バブルを引き起こす程度で収束の道を模索するしない。
その間に政治経済における金融寡頭制が強化されているだろう。
そういう時代の分岐点で、アベクロの大風呂敷の誤魔化しが効いている期間に一気にコトを運びたい思惑から
日銀口座ブタ積みと平行して、財政出動を無理やり実行していく理由はある。
自分のやることの意味が、わかっていたら、日本国債の今後の価値を既存するような発言は絶対に慎むはず。
戦前の昭和金融恐慌の引き金は当事者の政治家の不用意発言による金融界の動揺であった。
まして企業の論理が国境を越えている現在である。
4位が日銀である。
日銀をの除いた各国債購入機関の投資目的は余剰資産の安全安定、直ぐ現金に交換できる利点もある資産運用である。
外国資本率は8%程度で、コレがわが国の特徴となっており、よく言われる、国内貯蓄で800兆の国債債務補填している状態。
それで、アベクロは日銀当座預金の積み立て目標のスケジュールを実現するために日銀とタッグを組んで、
新規国債の70%を買っている。
コア、コアコア物価指数2%もキツイ事情は述べた。国内よりも海外に資金は流失する。
乱暴に言えば、国内では即効高利潤の見込めるブラック企業に投資されるのではないか。
時代の残酷なまでの変転を感じる。
適当なところでお茶を濁し、大胆な財政出動に踏み込んでいけない。
支配層内部でもこの部分で政策対立がある。
締めはTPP事態ということになるが、それに向けて、日本国債と国内購入機関の蜜月関係?は薄まっていくだろう。
アベクロどものやっている経済犯罪行為の動機、背景を捜査することが重要であると想っている。
重大な歴史点転換期において、進むべき道を踏み外している。
その意味では戦前と同じ。中身や環境は違う。特に外側の環境変化は決定的。
戦前、日本の国民は銃を持つ兵士になったが、これからはグローバル資本制に奉仕する兵士に仕立て上げられるであろう。これが日本残存国民多数の個々の想いとは離れた客観的現実である。
頭脳支配は恐ろしいものである。
>成長戦略について
語るに及ばず。
<追記>
「金融危機前までの日米の評価効果も非対称的であり、米国の評価効果がプラス(マイナス)に動いた時は、日本の評価効果はマイナス(プラス)に動いている。これは日米間の富の移転を意味するかどうかわからないが、為替レートの動きから類推できることは、ドルが減価すれば、外貨建てで保有している米国の直接投資や株式投資などの対外資産に為替差益が発生し、それがキャピタルゲインの源泉になっているという「評価経路」である。」
ー対外インバランスと評価効果の非対称性-「富の移転」に関する日米比較ー
平成24年6月22日
>W.ACWAC関連グラフ作成。
乱暴に言えば、アメリカ政府の得は日本政府の損。それで民間の決済が上手く回っているうちはいい。TPP事態ではこの関係は無理。日本国民に多数に年貢の納め時、がきた。
その結果がコレ。ドル信用を刷っているだけでいい。米国は経常収支マイナスは経済指標の目安に過ぎない。
それが破綻したから、今度は組し易い日本にたかって来ているんだろ。TPP事態で。
アベクロ政策は完全なそのお先棒担ぎ。
>日本国民多数派の労苦によって、(TPP事態)戦後日米関係の年貢の納め時に至った、って訳か。