反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第14回福島原発事故事情。<緊急会議 飯田哲也×小林武史>概論。*ー怖いのは、放射能による内部被ばく*

                   *ー怖いのは、放射能による内部被ばくー
小林*チェルノブイリなどでは、事故から10年以上経った後に子供たちのガンが増えたりしているそうですね。
>そういうことも、ちゃんとしたデータとして数値がとれないなどといって言い逃れをしているところもあるんですよね。
 
飯田*単純に放射線の被ばくという意味でいうと、確率的な影響の観点から集団でみていくと発ガン率を高めていることは間違いないと言っていいと思います。
                         被爆量とがん死亡リスク>(確率理論)イメージ 1
       微量放射線の害の評価。確率現象。下俊一も理論的には否定できない。
 有名な閾値論争をグラフで示したもの。当局は被爆暫定基準値を1ミリシーベルト/年から20ミリシーベルト/年に引き上げた時、ネット提示報告書においてこのグラフの確率論に沿って放射能被害の想定を右肩上がりの点線で示していた。
情報は完全隠蔽されているではなく、そっと目立たないように公表されている。
                         
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>>もうひとつ重要な違いがあって、それが外部被ばくと内部被ばくです
今、福島原発から放出されて都内などで検出されているのは、内部被ばくを警戒しないといけない。
あれは体内に入ってしまうと居座り続ける可能性がある放射性物質なんです。
内部被ばくと外部被ばくとでは、根本的に違っています。
これは専門的になりますけど、放射線には、α線β線γ線という三種類と、プラスして中性子という大きく四種類があります。(注W)
 中性子は、福島原発で事故処理に当たっている人以外は、考えなくていいんですね。
で、中性子γ線が主に外から浴びる放射線で、α線β線が内部被ばく型の放射線
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 まず、γ線中性子というのは透過力がすごく強いんです。だからコンクリートとか鉄の壁もぶち抜きながら透過していく。
透過していくので怖い部分と、逆に弾丸が貫通するような感じで透過していくので助かる部分があるんですね。
>>α線β線にはその貫通力がなくて、それこそ紙やアルミ箔一枚で防げるので、外部被ばくの怖さはあまりないんです。
>>そのかわり、アルミ箔一枚通り抜けることができないということは身体の中に入ってしまうとそのまま体内に居座り続けるんです。
 
 
>>α線というのはヘリウムの原子核β線というのは電子なんですけど、それが体内でDNAをひたすらぶち壊し続けるんです。だから身体に入るとめちゃくちゃ怖いんです。
 
 外部被ばくの方は瞬間の話ですから、そこでDNAが壊されても修復されれば終わるんですが、内部被ばくを起こす核種は溜まる場所が決まっていて、話題になったヨウ素131というのは甲状腺に入るから、甲状腺で一定の濃度が入ってしまうとほぼ確実にガンを発症してしまいます。
 
 それからセシウムは一旦肝臓を通って、筋肉でいわゆる骨肉腫みたいなのを起こしたり、生殖器のガンを起こしたりしてしまう。
 
 で、ストロンチウムとかプルトニウムは、身体に入ると骨に溜まって、白血病とかを起こしてしまうんですね。
ブラジルやイタリアで自然の放射線が高いと言われているのはγ線で、福島原発から放出されて都内で検出されているのはα線β線です。
種類が根本的に違うので、福島で検出される放射線のレベルと、たまたまブラジルとが同じだったとしても、怖さはケタ違いに福島の方が怖いんです。
 
飯田*私、一応、第一種放射線取扱主任者の資格を持っているので。プルトニウムを扱ってもいいんですよ。
 
小林*つまり今、報道されている情報は、僕らはどういうふうに対処すべきなんですか?
    W。2011年.04.10時点の対談に注意。 
>両絵図はクリックで拡大できる
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飯田*とりあえず首都圏での日常生活においては、「気にしないといけないけれども、気にしすぎても仕方がない」というレベルだと思います。
東京の辺りは、ですね。ただ、放射能濃度が相当高くなりそうなところだけは、本当に退避しないといけないですし、妊婦や乳幼児は特に注意が必要ですね。
放射能はDNAに作用するのですが、 分裂している最中のDNAは感受性が高いので、妊娠初期とか、乳幼児とか育ち盛りは要注意です。
子供たちの甲状腺放射能の影響を受け易いので、なるべくならできるだけ原発から距離を置いたほうがいいと思います。
これから何が起きるかは本当に分かりませんので、状態が悪化した場合には西日本への退避なども考えておいてもいいかもしれません。
>まだ今のところは容認レベルだとは思うんですが。でもすでに水道水に入って、300ベクレルとか500ベクレルなど検出されはじめているので。要警戒領域であることは否めませんね。
 
小林*水道水については、日によって放射能の数値が高かったり低かったりするわけだけれども、最終的には「合計で1年間にどれだけ摂取してしまうか」というところが問題だという説もあるじゃないですか。
例えば、3日間100ベクレルの水を飲み続けるのと、1日だけ300ベクレルで残り2日はゼロベクレルの水を飲むのは同じことだと。あれは本当なんですか?
W。放射線作業従事者の被爆限界はそういう計算方法。
 
飯田*一応、そういう考えで良いと思います。ただし、その基準が本当に確かな数値がどうかというのはわからないのですが......。
もうちょっと細かい話をすると、
      
      ICRP(国際放射線防護委員会)の基準というのはかなりゆるい>
 W。チエルノブイリ事故で検証されている内部被爆、低線量被爆の過小評価。この二つの点については山下俊一も認めている
飯田*>>ICRP(国際放射線防護委員会)の基準というのはかなりゆるいんですね。
放射線疫学の世界ではもっと細かい緻密な理論があって、それのリスクによっては、ICRPよりは10倍以上、発ガン率も含めて高いだろうという学説もあります。
>>ICRPは内部被ばくのリスクを、あまり考慮しないで基準値を出していると言われています

だからICRPの基準よりも低いから大丈夫、とは、必ずしも言えないW。基本的な留意点
 
>>小林*内部被ばくがそれだけ危険だといっているのに、それを捨てているの?
 
>>飯田*そのリスクをあまり評価しないで発ガン率を検証して、「このレベルだったら大丈夫」といっているのがICRPの勧告している数値なんです。
だから僕はICRPの基準の10倍くらい、厳しくみないといけないと思ってるんですね。

小林*内部被ばくこそ怖いということですよね。やばいじゃない。
 
>飯田*だから「これくらいの数値なら大丈夫ですよ、今日の数値が高くても一年間の平均摂取量で考えれば大丈夫なんですよ」と言われても、
その基準としている数値より本当は10倍くらい危険かもしれないということですよね。
>>その不確実性についてちゃんと知っておかないといけないということですね。