反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

マル激。12月7日アップ。「秘密保護法が露わにした日本の未熟な民主主義とアメリカへの隷属」全文、書き起こし、と簡単な注釈。

>錆びたナイフ 石原裕次郎
赤木圭一郎 霧笛が俺を呼んでいる
 
>W。一つのたたき台として記載する。たたき台であるからにはは頑丈、柔構造でなければならない。
この中では推進してきた政治家の見解のアップしている。良いことである。
 
 町村衆議院議員の一見とぼけた議論に秘密保全法の1)防衛2)外交の筋が問わず語りに端的に表現されている。
3)有害活動防止4)テロ行為防止の警察公安、つまりは治安維持関連(拡大解釈、実行行為によって、強権支配に転化する法的根拠を与えるもの)については、彼等にとって、一石二鳥のような感覚である、と想定している。
端的に云って、ほとんど無感覚状態に等しい。口先でそれらしい言葉を操っているだけと看過する。実際の行動が別の方向に向いている。
 
 その場合、二つの要素が考えられる。
一つは宮台真司さんも指摘しているように、秘密保全法のような誤用、乱用の余地を大いに含む法制への同時的な縮小化の対抗措置を推進者たちが、そういう意見もある程度に留めておいて、実行問題として事実上マッタク視野にいけていないことである。
 
 コレは歴史に事実問題への向き合い方の問題であり、究極のところ、国政政治家としての国家国民論のあり方の問題である。
選挙でやめてもらうしかない。
 
 結論的に彼等にとっては、戦前も敗戦もなきに等しいものと結論付けられる。
コレは論理構造上のことであり、生きた偶然的情勢の推移とは重なるところもあるが、次元の違うところもある。ここも見極めは大事。
 
 第二。
アメリカさんがコントロールしてくれるのか(たがハメ)?その程度まで断定できない、という問題系列が真実味を帯びてきた。
 
 インタビューの中の西山太吉さんの日米軍共同体の現実という指摘(そういう角度からコレまで記事を書いてきたこともある)は重いが、もう少し遠隔的に考えてみる必要がある。わたしは沖縄返還における密約暴露を過大評価していなかった。当時の巷?常識であり、マスコミや永田町の話題になった要素が強い。詳しく論じる余裕はここでは無い。
 
 ここにおいても対談中、宮台真司さんがストレートな指摘をしている。
集団自衛権情勢下の秘密法制、NSCの3点セットの本家本元のアメリカさんには国内に対抗要因として「市民的不服従」の伝統、制度があるが、他方、日本ではそういったものがなきに等しいというシビアーな歴史的現実を前提条件に、3点セットが強行されると、日本的条件下では、アメリカの現実ではあり得ない事態が生じる可能性が厳然としてあるというjコトである。
コレは米国流民主政という漠然としたモノでなく事実と制度の問題であり、既に度々指摘しておいた。
 
 対談中では宮台さんの指摘にアメリカ経験の長い神保さんが一瞬黙りこくってしまうシーンがある。勿論、機転を利かせて、この方面の深堀を止めて話題を反らしているが。
 この方面では常日頃の自分の意見として、既存の国家行政機構のなし崩し的な強権化という戦前、戦後を貫通する日本固有の政治軍事過程を指摘しておきたい。
この日本固有の政治軍事社会体質の上に中に、3点セットがまるで化学反応のように混ざっていくのである。
 
 単純危機論はいづれポキットと折れる。
一部のものの間でしかしか通用しない。コレが少なくとも40年以上の歴史の教訓である。
いや折れない人たちだけが残っているのかもしれないが、新しく参加したヒトは折れやすい。
ここのところを配慮する必要がある。
見るところ、ミィーイズム的運動者参加者は横のつながりを維持していく配慮が非常に乏しい。元々、日本の所謂、左翼にはこういう傾向はズットあったが、組織維持と拡大の論理(組織依存ー私消去)でカバーしてきた。
組織の紐帯がなくなれば、ただの私がf期晒しに剥き出しにされているだけである。コレでは拡大再生産の構造に無い。ありていに言えば人間的に冷たい人が多い。
そう云った典型的な見解はコピーしてあるので、後に自分の意見とあわせて、俎上に上げて批判するつもりである。
 
 ここの意見には賛同する面、参考になる指摘も多いが、異論も多々ある。
ただ、今とこれから日本の事態に、様々な角度から利用できる内容を持った長編が描けるヒトはいないのじゃないか、と想う。
そういう視点から考えると、ここの意見は評価の対象になる。
 
過去1000年の日本歴史を振り返って、直近を直視すると、結局、自分で作り出していくしかないのだ、という結論に達した。ヒトは様々という認識が得られる時代は悪い時代でない。何があっても前に進んでいる。
 
 
神保*われわれがなぜ1999年から秘密法制や盗聴法にこだわっているのか。戦前どのこうのというのは大げさという意見があるが。
 
宮台対米追従を前提とした情報の権益争いに全体的にシフトした(W。ここの意見の参考になるのがウィキ、スノーデン項目からゾロゾロ出てくる一連の現実である。アメリカの方から見たほうが解りやすい。)のであって、それはしかもある種合理的判断(予算と人事の最適化)に基づいている。日本の場合、官僚が自分たちのゲームのプラットフォームを保全しようとして、、当てにできる変わらなさは何処にあるのかという問題意識が自然に生じる。政治にはないでしょ。日本では相変わらず、毎年、ヘタレ総理、ヘタレ大臣の繰り返しで、当てにならないんですね。それだったら、官僚としてはとしては対米追従という前提を一つ置けばアメリカは日本よりもはるかにマシなんですよ
勿論共和党民主党の間で振り子のようなう振れがありますけどそれは想定された枠の中で起こることで、しかもひどいアメリカなんだけども、素敵なアメリカでもあるというある種の、理念の柱や価値の柱が明らかに存在するんですよ。
 
神保ということはじゃあ、アメリカが日本の国体?国体の基本見たいな存在になちゃてる。国家体制の。
 
宮台*行政官僚が何処まで考えているかは別として替わらなさを前提としない限り、官僚のプラットフォームは成り立たないのであって、対米追従に向かうのが彼らにとっては合理的なんですよ。
そうすると、マイクロな合理性の積み重ねによる全体の合理性だけであって、そこに悪の大ボスはいないのであって、だから倒せないんですよ。
 
神保*そうするとわれわれが穿ってつい見がちな悪意も下手をすると存在しないという、
 
宮台*そうですは今日のキーワードはハンナアーレントの悪の凡庸さなんですよ。或いは凡庸さが悪であると言ってもいいんですが。
 
神保*悪意の不在という言葉がね、実は報道の名誉毀損が訴追に値するかどうかの言葉なんですが、悪意がなければ、仮に報道の(省略)~~一人ひとりは悪意はないんだけど、全体として変な方向ににいってしまう可能性があるとー。
だとすると厄介ですよね。ここを攻撃したところで、痛くも痒くも無い。
 
宮台*悪の凡庸さというハンナ、アーレントの概念はルドルフ、アイヒマンの裁判を傍聴して、ユダヤ人だけじゃなくて多くの人がこいつが悪の大ボスだと名指したことに対して、「コレは悪の大ボスではない」。
で、ルドルフアイヒマンに象徴されているような凡庸な悪はユダヤ人の地区指導者にも例外なく存在する、と断言してそれだけで大変なことになる。
 命さえ危ういという状況になるんですけれども、悪の大ボスに見えるけれど単なる何処にいる小役人で、しかも倫理や道徳はあるんだけれども仕方がなかったんですね。
 私がやめても私がつるされるだけだ。私が抗議しても私がつるされるだけで、他のやつらが必ず後釜に付く。
何も変わらないと。
 
神保*そうすると今回これが通るということは総無責任体制でもあるわけ(W。ヤッパリ、丸山真男の政治概念が出たかぁ~)でもあるわけですよね。
それがこのまま総無責任体制のまま暴走してしまうような機会になるかどうかの契機にこの法律は結構持っているので、少なくとも見えるようになっていれば、大ボスがいなくても、コレは明らかにおかしいよといったところまでいけばこの法律は気づくはずなんだけど、この法律は気づかない面が強い。
 憲法改正まで行かない中で、集団的自衛権の行使が認められるようになると同盟国が攻撃されれれば、参戦することになり、そこにこの秘密法制が重なるとどうなるか。
 
 そこで秘密保全法の要約を(4項目に概略された秘密保全法のフィリップを示す)
   
      <わが国の安全保障に関する情報とは>
1)防衛に関する事項防衛)
2)外交に関する事項外務
3)特定の有害活動に関する事項(警察)
4)テロリズム防止の関する事項(警察)
 
 わが国安全保障の情報に関して行政の長に秘密指定をする権限を与える。
この4分野、防衛外務警察に情報の秘密指定をする権限を与える。
でその指定された情報を破ってそれを漏らした公務員、並びにそれを引き出したり、それを広げたり、する民間人一般市民も今回はこの法律違反で対象になる。
で、10年以下の禁固刑があるという非常に重い罰則を含め法律を作る。
いうまでもないが秘密を指定する権限というのは、非常にアバウトであり、なんでも秘密指定できるようになっている。
後から坂田(全行政局長官)さんの話をうかがうけれども、行政法とは元々そんなもの。古来、コトを一々書くものじゃないんですと。
 とにかく、まず、なんでも秘密にできちゃうチェックする機能(市民、行政、国会)が担保されていない。
 特に第三者機関に関しては政府は物凄く抵抗しましたよね
本気にやる気があれば法律に書き込んでいるはずなのだが書き込んでないということはやる気がないということだ。
チェックできないということは、都合の悪モノは覆い隠せることになる。
云っていることとやっていることが違うとか、それからおカネの問題なんかもあるだろう。
それになんかこじつければ定義がアバウトなので、外交や安全保障にかこつけて勝手な解釈が可能のなっている。
そんな大変なことになったらいけないんだけど、後でチェックする機能が無い
 
 専門家の意見を聞きたい。
専門家(市民監視者)ー秘密指定の中身が明らかにあらないので特定秘密に指定するルール基準も明らかにできない。
 
神保*ヤタラ拡大解釈される法律にあっているようだけど、この法律の本当の意図を知りたかったので、この法律を作るための議事録というものの情報公開を請求したら、マッタクそれを一切、公開しない。
真っ黒が出てくるということで、ヤッパリこの法律がどういう理念に基づいた法律であるとか、或いはそれを隠さなければいけない理由、知らせたくない何かがあるということ。
 それと表裏一体の関係にあるんだけど日本では情報公開法が機能していなかった。(W.以下の神保さんの発言は、細々と日本固有の体質を押さえていく緻密な作業である)
 そうすると情報公開法がキチンと機能している上に秘密保護法が上乗せされると、限定的なものだけ秘密保護しなければならないとなるはずが、そもそもコレが乗っかっている情報公開法と公文書管理法ー(要するに全ての恒常法は文書なんだという前提なんですね。行政情報の一切合切と思っていいーそれをキチンと管理し情報追う介抱に基づき公開できるという前提が無い中で、
今回さらに非常に定義が曖昧な秘密庇護法制ができる、ってことの意味は、それがキチンとある国に作る場合と、日本のような無い国に作る場合はマッタク影響が違うんじゃないかというコトなんですよね。そこのとコトがスタート地点の差があるし、ヤバイナという感じなんだけど、
 
宮台*僕たちがね。そもそもの立法目的の詳細を知ることができないなんってのはトンデモナイことですよ。
適正な目的を達成できる手段の法律になっているかどうか評価できないし、そもそも立法目的が妥当なのかどうかが一番大事なことですが、それも評価できないんですよね。
 いや立法目的はちゃんと語っていると語っているとかいうけれど、実際に法律を作るプロセスでどういう事件を念頭においているのか、或いはどういう問題を念頭においているのか、ということがわかることが、単なる文言上の問題を知ること以上に重要で、つまりあらゆるコンテキストはテキストがあって遂行的な意味を発揮するのであってテクストが実際にどういう、ナニに向かう様な構造を可能にするのかということを解るためにはヤッパリ、コンテクストとしての、どういう事例を問題にして問題を解決しようとしたのか、という具体的な発言をする必要があるのです。
 
神保*でも今回は議事録があるのに黒塗りに出しているのですよ。
ということは今さっき云ったよう世間や第三者にはお見せできないような内容なんですよ、といっているに等しい。
 
宮台*例えばね。西山太吉さんのような事件が二度と起きないようにするためにこの法律を作ろうとしているのか、むしろあのような事件は歓迎すべきものであのような事件で裁けないような法律を作ろうとしているのか、
 
神保*結局どっちに向いているのかですよね。
 
宮台当たり前として西山太吉事件のようなケースがどういうことになるのか話し合われたのか決まっているんですよ。そのコトがどう話し合われたのか知りたいじゃないですか。
あの~お題目はどうでもいいです、そこを知りたい。
 
神保*裁判所がこの法律の中身を見れるかどうかということだが、この法律でははっきりと書かれていない。
だから下手をすると違反した人がナニが秘密でどの部分が秘密を漏らした行為に当たるのか、解んないまま裁かれて、有罪にある可能性がある。(W.コレ罰刑法定主義の説明でもある)
 今まで秘密保護法なんかないのに勝手に秘密にしてきた。今42万点あるとか云われているが既になんでも何でも秘密にしちゃってるんですよ。既に。黒塗りなんか平気でやっていると
そこでね、逆に言うとシッカリした秘密保護法ができると保護しなければならない情報と公開する情報、見せてはいけない情報と見せていい情報がハッキリするんだけど、この法律の本質はあの黒塗りが答えなんじゃないかと。
そうすると今度は堂々とするようにできる法律ができた。今までは法律の裏付けなく勝手にやっていた。今度は法律によって堂々とバンバンできるようになると、だからヤッパリコレを懸念しないのはおかしいと。
 
宮台~(省略)宮台は官僚の立場に成り代わって、その民衆不信から自分たちの判断を民衆に邪魔されたくないという心情を想定する。
 
神保しかしそれは一言で云って民主主義の否定ですよね。
 
宮台*民主主義の本質は試行錯誤の学習によって賢くなっていく、コトを含めてのことなんだけど、基本的に民をピープルを信頼する。
或いは事実として信頼するということではなくて、ピープルが信頼できる存在でなければいけないという規範を背景とするものであるわけだけど、日本にはそういう事実も規範も両方とも無い、ということですね。
コレはねぇ~僕の見るところマスメディアもこうした感覚から無縁じゃないでしょ。
何処もかしこも寄らば大樹といっていいし、市民メディア?!あんなやつ等に何がわかるんだよ!って。
 
   <専門家の意見>日弁連対策委員会、清水弁護士。
 この法律の1条と2条以下で書いてあることが全然整合性がありません。
日本にも秘密保護法に該当する法律はある。
外務、自衛隊、その他の国家公務員法アメリカとの関係法制も既に作ってきている。
 そこで抜けているのは警察公安。
3号4号の特定有害活動とテロ関連法制は、それが定義として書かれているものを見ますと一見詳しく書かれているように見えますが、実はその他の活動というような用語も入っているように、範囲が無限に広がるかの性を持っている。
 かつ実際の運用がその定義の範囲内に収まっているかどうかも秘密ですので、納まっているかどうかは外部のものが検証できません。
つまりこの法律を梃子として警察公安がその活動を無限に広げていける仕組みになっていますね。
 
   罪刑法定主義との関係>
 この法律が国民の様々な人たちを処罰の対称にしてく仕組みになっているから刑法の大原則である罪刑法定主義の原則から、反対する。
既遂事件ではなく未遂事件、共謀教唆事件において行為者は特定地秘密であるという認識をしていない場合があるので裁判所は困るでしょうね。
なので故意をどう追い詰めていくのかという点で検察も苦労する。
 
    <戦前の軍紀保護法>
裁判を傍聴している人もナニが秘密なのかはかわからなかった。弁護士も(被告が)知っていたのか知らなかったのかもわからなかった。
 
神保実はコレによって公安権限の拡大というのが見えるよ、という意見が多い。
1(防衛)、2(外務)条について既に法制の手当てはできてる。今回罰則は強くしたけれど。
 ところが、今回、3、4条で公安警察がどうも便乗して、自分たちの捜査権限というか秘密指定権限というものを
拡大できる。法規に触れているという理由で家宅捜査などができるようになる。
 警察公安権限の拡大を清水弁護士も言っているし、青木理さんなんかも言っている
それから、罪刑法的主義の観点からこの法律はありえんだろうと。
(罰刑法定主義は)具体的にどの法律のどの部分に違反したからという理由でしか裁かれない。簡単に言えばそういうことですよね。
 ところがアンタなんか秘密を漏らしただろう、といって捜査官が僕のところに来る、秘密保護法違反で逮捕すると。
 すると、僕何の秘密漏らしましたか、捜査官はいや我々は知らないと。
ただ漏らしたといわれたから捕まえにきたと。
ただ検察官も安全保障の情報を漏らしたと書いてあるけど、どの情報を漏らしたかもわからない。
場合によれば裁判官もそんな状態がありうる。ただ裁判官は解っている場合が多い。
 問題なのは未遂や共謀。
入手しようとした、それで僕らは罪を犯したことになる。
又入手しようとした対象がわからないままお前は入手しようとしただろうと罪に問われる。
そうするとどう見ても罪刑法定主義の原則から外れている。
しかも公務員だけじゃなく一般の市民も罪に問われる。
 
宮台罪刑法定主義に反する訴訟式を裁判官がやった場合は世間の反発が予測されるのでバカジャない限りそういう法律の運用は控えるだろう。
未遂犯に関してはスルーする可能性が強い。
西山太吉さんの事件が典型だけど国民が政府に知られたくないところを知るという可能性があったときに、
事後的に秘密を漏らしたやつに仕返しをできるという、そういう風に運用するのじゃないでしょうか。
 
神保*まさにそこなんですよ。
よっぽど酷い情報をもらした場合には額面どうりの形で使ってくるかもしれない。
でも、そもそもの意図はこんなの漏らしてけしからん、というのは建前で、本当に漏らしたヒトは10年に一人ぐらいいるかもしれないけれど秘密指定権限の拡大が意図だとすると、全て納得できる
 
宮台罪刑法定主義問題というのは本質ではなくて、実際絶えず事実行為として、犯罪捜査と称してね、
ありとあらゆることができるという、
 
神保*まず秘密指定ということができる。次に脅しをかけることができる。
パソコンなんかを全部押収することができると、
あのね、記者なんかも配慮規定が入っているけれども起訴する段階では配慮するかもしれないが、捜査はできますよね。だから全部丸裸にすることができる。
その意味では罪刑法定主義ということが成り立っていない法律を作った意味というのは、裏読みをするとホントの意図は清水弁護士が言っていたように法廷にはない捜査権限の拡大或いは秘密指定権限の拡大にどうもある、ということは結果的に意図だと読める。
 
宮台*ただ僕はね。悪の凡庸さということから見ることも大事だと思うんですよ。
実際にこの法律を運用する時にどういう機能を果たすのか、今さっきシュミュレーションをしたわけですすよね。
法定では実際になかなか使えない、特に未遂犯についてはマッタク使えないでしょうね。
既遂犯について使うとすると従来の法律でもできたはずだ。西山さんの事件なんかにしか使うことができない。
そうすると従来と違う機能は何処にあるかといえば、任意に秘密指定をして、それによって任意に捜査権限を拡大して、実は何でもできるようになるということ
しかしそれをね。どの程度、意図したのかどうかはよくわからない。
例えばね、コレ実際の細目1)防衛2)外務3)特定有害活動4)テロ防止、の警察公安関連に全部<など><その他の>という用語が入っているが、コレは官僚が法律を作る時には必ずなど、その他のということを入れることになっている。
 
神保*坂田元法制局長官によればからならず、前段があるので、それに類するものという意味なんだと。
しかしどうも後から使う人がいろんなものを投げ込んで、利用する、作った人に悪意はない。
 
宮台そんなに深謀遠慮は無い可能性があるんですよ。
 
神保*後の人は使えるなと思ったら使ってくると。
 
宮台*それを最小化する工夫がなくちゃいけないよとズットといってきたんだけど最小化するという工夫をしようとしない!そこに問題があるんですよ!
 
神保集団的自衛権解釈改憲をするやり方はそれはおかしいと批判された。
そんなことをやってしまったらそれこそ日本の法律の意味がなくなる。
やるんだったらちゃんと憲法改正して堂々と集団的自衛権を行使できるようにして9条2項がダメだったら、ちゃんと2項を改正すればいいじゃないかと。
 
宮台国際法で合法化された戦争には二つしかない。個別的自衛権の行使と集団的自衛権の行使。
次に日本国憲法第9条の既になされている解釈では、個別的自衛権はOKである。
つまり9条で禁止しているのは集団的自衛権の行使である。(W。以上は法制局の見解)
もし今後、解釈改憲集団的自衛権の行使をOKだということになれば、個別も集団も両方OKだということになって、それは国際法そのものであって9条の存在する意味はなくなるということになる。(W。法の論理の世界ではということ)
 
神保*(坂田インタビュー要約)
法律の構造としては問題が無い。
ただ、法律が何をしようとしているのかとか、どっちに向いていているのかということは内閣法制局としては判断できる立場でない、と神保は理解しました。
政権がそれをしたいというのだったら法律としてちゃんと成り立っていれば、法制局はOk。
 でそっちに歯が向いていることがいけないのだったら、次の選挙でちゃんとその人たちを落としなさいよ。
歯が向いている方向が別の法律に違反するのだったら法制局は何とかの何条に違反しますというと。でもそうじゃないのだったらそれに反対する理由はなくて、その意味では今回は法律的にな問題が無い。
おそらく法制局もキチンとチェックした上で問題がないということででてきている。
以上が坂田元長官の意見だった。
 
宮台*なるほど、他の法律と矛盾するのかどうか、屋上屋を重ねるということー。
要するに矛盾さえしていなければ、矛盾を発見するコンピューターとしてはOKだと。
でも矛盾がないからといって僕たちが許容できるかというと、いや~矛盾が無い法律を運用することができた結果、こういうこともできるああいうこともできる、そういう社会的機能を持つじゃないかということについては判断できませんという、こういうことですね。
 
神保理念的なものを法制局が持つと怖いかもしれないから、そういう意味からいうとキチンと機械的にチェックしていると。
しかし逆に言うとこの法律は危ないんじゃないか、法律的にきちんとしているんですよ。
意図まで法制局が問わないんだったら、その意図はさっき示した黒塗りですよ。その意図が達成できるようになっているという構造のお墨付きを受けたことになる。
その機能をよしとする人たちにとってはこの法律はいい法律なんですよ。
良しとしない人たちにとっては、コレはヤッパリ拙い法律になると。
で、アナだらけの法律だったらいざ始まったら、グジャグジャになって、裁判なんか成り立ちませんよ、ということになる。
 
宮台*ハンナアーレントの話にもどるが、この法律を作った人たちにとっては、必要性だけがあった可能性がある。こういうのがないと困ります、こういうのがないと困りますと。
 しかしそれと、この法律が他の機能を果たす可能性の問題が別の問題である。それを考えていたのか、考えていなかったのか。こういう問題に対処するには必要があると、
其々の担当部門が考えていくと、審議会のメンバーに誰を呼んでも大体こういう結論になっていく。
 つまり、そのときにどう振舞うことができるのかということがとても大事で、アメリカはいい面も悪い面もあるけれど
市民的不服従という概念をですねぇ、強く前面に押し出してくる国という面ではアメリカはいい国なんだ、というのがハンナアーレントの考えで、
 
神保スノーデンもやっぱりでてきますしねぇ。
 
宮台市民的不服従は良いのだ、ということをピープルも、行政官僚も政治家もある種コモンセンスとして持っているんですよね。市民的不服従は良い!
でぇ~そのことは日本には期待できないということが最大のポイントで
 
神保その前提はデカイですよねぇ。
 
宮台デカイ!
 
神保デカイしもしかしたら本質的なものかもしれない。う~んだだねぇ。
 一人ひとりは野望を持っているとかね、戦略的にしめしめコレでこんなことができるぞなんて、思ってないけど、目の前の要請に従ってやっている人たちと、しかし後から乗っかる人たちには悪意ないと云いますが悪意はありますよね。
 日本の場合はここが全体構成し、集団化して一つの意思を結果的に持って、一つ方向にいくじゃないですか、大きな質問だけれどその場合の意思はナニによって司られているのですか?偶然ですか?それともそこに意思を構成する、日本な場合大体同じ方向に医師が向かうじゃないですか。
 
宮台全体主義の起源というか全体主義の悪を悪の大ボスに帰属させるような考え方を否定して、悪の凡庸さが隅々にはびこっていることがコレを支えている、(W。マックス、ウェーバー論は難し過ぎて省略)
アイヒマンは総統の決定したことを順繰りに下ろしていくこと、その決定を担っていただけだと、上からの決定にに対して手順を自分は決めただけで、その決定はおかしいという権限は自分には無い。
 そうしたものが何処にでもはびこることによって、総統の決定のようなものが発生した場合、一切、市民的不服従のようなものが発生する余地がない、それが全体主義を作り出すんですよ。
総統の決定が全体主義を作り出したんじゃないんですよ。総統は確かに決定したかもしれない、総統じゃなくてもいいですよ、首相とか内閣府の決定、それが直ちに拘束力を持つんじゃなくて、それが全体主義的に現に機能するのは、さっき申し上げたようなアイヒマンのようなやつが隅々にまでいるからだという、からだとういうのがアーレントの結論です。
 
神保*それに我々というには変ですが市民社会は太刀打ちするのかということ
それで今、全体がどういう構造になっているのかということが、おぼろげながら見えてきたんだけれど、我々は署名や抗議行動、勿論選挙もありますけど、今回推進している側の政治家のインタビューを
 
  <町村自民党保護法座長>記者会見。
この間の議論でヒューミント>とか<シギント>とか専門用語(W。コレの何処が専門用語??)をぽんぽん使ってかなりいい議論を野党の方を模されている。なかなか勉強をされておられるなぁ~ある意味うれしくなりました。そういうレベルの議論が出て来ることは大変いいことであります。(W。小ばかにしたような物言い。コレでは人望はできない)
 
   神保氏質問
対談発言の主旨の繰り返しなので省略
 
   町村回答
ここで云われてるインカメラどうのこうのは警察検察の可視化問題と秘密保護法成立のバーターのような議論が野党側から提案されていたということだ。神保氏の質問にはマッタク答えていない。
 
  安部側近、総理補佐官参院政治家(内閣官房の中でこの法案を取りまとめた人、元総務官僚)
神保質問ー中身が見れないから、乱用されるんじゃなないかという恐れがどうしてもあると多くの方が心配されていおられる。そこまで心配しなくてもいいのだという確証があるのか。乱用のリスクのどう対処するのか。
 
   安部側近
 行政はキチンと監視しないと適切じゃないことが私は起こると思います。
よく解っておりますけれども今回は国家安全保障上の秘密でありますから、それを守るための目的と、今云ったようなそういう恐れと、比較するしか最後はないと。
 そうするとそういうリスクはマッタクないといいませんがそのために何か外部の人の目を入れるというコトのリスクを比較すれば、今回の法律が今の段階では限界ではなかろうかと。
事後的なチェックをしてもらえばこんなものを秘密にしていたのかということになる。
日本お役人は真面目にやるンじゃないかと考えている。?
 
神保*安全保障だといわれればこっちは自由しても良い。
町村産自身も知る権利というのは基本的権利で無いということを云ったのだが、どういう気持ちで国を統治しているのかと。どうですか話を聞いていて。
 
宮台お二方とも基本的な言い回しが共通でしたよね。お二方とも誤用乱用の余地を最小化する必要についてはそれを言う人がいるのは知っている、とそれで終わりなんですよ。
実際、自分たちが予想している枠の中でなそういうことはマァ~起こらない。
必要性の枠内で適正な運用をする以外は想定していない。
それが暴走かする余地を最小化しないさい、という意見は知っているそこで終わりなんですよね。
 
神保*そこはお人よしなんですか?
 
宮台*二人ともお人よしそうな顔をしていましたね。W。現実はシビアー関係は一切ない。
 
神保*人が良くてそんなことを心配しなくてもいいよということなんかね。
だけれどもアベ政権でコンスタントに感じることはね。
本当に問題がわからなくてあんな答えをしているのか。それとも実は解っていてすっとぼけている、というとコトが定かじゃないんですよね、政治家がすっとぼけて、知らない不利をしてやっている。であればそれはそれで、レトリックなんだけどなんかわかっていないんじゃないかと。
 
宮台*わかっている人が一部いたとしてもね。判っていない人がどれだけいるのかで全てを決めてしまう。
でー、例えば歴史がなぜ大事なのか、二度と過ちを犯さないためだという考え方がありますけれども、
この方々はかつてマァ~戦前戦中の特高警察や秘密法関連のそれが必要とした悲劇をどれだけ知っているのか、或いはは韓国でも似たようなことがありました。そうした事件をどの程度、どれだけ知っているのか、
あるいはアメリカの場合には市民の不服従という問題があるんだけれども、しかし他方でスノーデン問題の背後にあるようにね、ある種の必要性に基づいてですね、ドンドン、驀進的にコンボイのように進んでしまう。
 
神保*今回のアメリカのNSCは完全にそうだったですよね。外国の首脳まで軒並み盗聴していたわけでよ。
 
宮台*そうした具体的な事例をどれだけ念頭に置くのかという、それが黒塗りの部分だということなんだけど、それが運用者側の適切な資質があるかどうかを判断するかのポイントにあるんだと思うんです。
ところが残念ながらそこが非常に危ういわけですよ。
つまり過去に最小化措置がないことによってどういう誤用乱用、或いはそれによる暴走によってどういう悲劇が生じたからそれを抑止しなければいけない、というマインドを持つ人が非常に少ない或いはかなり少ない。
かなり少ないとほんの一部、ほんの一部ですねぇ悪辣な意図を持っている人がいたとして、そういうのはいつもいるわけですよ、はっきり申し上げれば。全然とめることができないんですよ、止めることが出来ないどころか、先ほど話で言うと、誤用乱用の余地をなくすということがKYな感じ、おそらく安部政権のなかではそういうことが左翼的であるかのような
 
宮台*そういう凡庸な方々は云わないんじゃないかと思うんですよ。或いは本当はそうかもしれないなと思っていても自分のポジションを維持するためにここでそれを言うと今後に触るかもしれない、
 
神保*そこは政権の空気ですか。結局坂田さんのような官僚としてキッチリ仕事をするという人たちが大きなバルーンののようになっていて、それがどっちに行くのかということは、政治がある程度強い意思表示をすれば、そんなに右に言ったり左に言ったりという強い意思はそんなに持っているわけじゃないから、外からシッカリとした意思表示がされればキチンと動くんだろう、と。
それを意思表示する政治があの体たらくでは、あのヘビーウェイトなバルーンはとても動かせないのじゃないか。そうすると何処に進むかということは歴史の偶然にゆだねられた、ということになりかねないということですよね
 
    西山太吉インタビュー>
 米軍事同盟なんていうけど今ね、航空隊の司令部は横田に入って米第五空軍の司令部と同居している。
それから陸自の中央即応集団といってアメリカが作れ作れと言われた部隊も座間に入っている、アメリカに基地の中にはいっている。
 要するに今指揮系統が一本化されているもうはっきり云えばもう境界線が余りないんですよ。
そうすると日米軍事同盟というけれどコレは同盟じゃない、共同体。
 そうすると今度の問題は空海統合戦略を遂行する場合、情報を共有しなくちゃいけないようになる。
そういう差し迫った問題が今出てきているので、一挙にこういう問題が表面化した。
アメリカの空海の要請と日米が共同体化していると。
 
 急進展したのは小泉内閣の時だけれども、その日米一体化を推進した一番、張本人たちのグループが今、政権の指導権を握っている。だからそういうことにならざる得ないでしょうね
そういう背景があるから権力を集中しなくちゃいけない。
今度の安全保障会議というものを作って、そこに共同体化した同盟を運用していく。
そのためには今度は日本がいろんな面で協力していくからそういう情報を絶対出しちゃいけない。
それは何かというと憲法に違反する問題がたくさん出てくるだろうし、表立って云ってることと実際に運用されていくこととぜんぜん違うことをやっている、だからますます情報を隠蔽しなくちゃいけない。
 
    孫崎享
集団的自衛権というものが背景にある。
かつてのアメリカは独裁者を排除しなかった。日本は今そういう国として扱い始められたんじゃないですかね。
自分たちの利用価値に協ずる形で動いてくれれば、それでいいんだと。
 
神保*両者の指摘では集団的自衛権行使。日本版NSC。秘密保護法。三点セットという認識。日米作戦行動の情報が漏れてはいけないということでNSCと秘密保護法があるだろう。
 
宮台アメリカはある時期から日本に便所のスリッパとして機能すればいい、履物として美しいとか、はどうでもいい訳で便所に行く時のスリッパであればいいとう、つもりですね、利用の目的が余り高くないんですよ
ある崇高な理念を世界に広めていく時の共同者ではなくて、もっと下半身的なコトなんですよ。
実はアメリカの変化はとても合理的な変化ということが理解されないと問題に上がることができない。
実はアメリカ自身が必要性に煽られているんですよ。
どういう必要性なのかというと、要するに技術なんですよね。クラッキングやハッキングの当事者から見るとですよ、最小化措置をどうのこうのとかいっていると相手が何でもやってくるぞ。
W。テロリスト危機論を当局に成り代わって展開しているが、対象を具体的に明らかにしていない。危機管理の肥大化
(省略)
 
   W。以下、宮台真司はグローバル資本制下の政治経済の特質を典型化している。
ヨーロッパ方面からの最新政治論でイロイロな論者の論じる角度は違っても、中身に共通点がある。この状況認識から導き出せる、戦いの方向性は反グローバル、地球規模のマルティチュードの戦い、喪失しつつある民族と国家、国民国家の論理を基盤とするものに分類できる。
 
宮台*昔は社会というボディーがあって経済があって国家もあるという社会が自立しているという認識があったんですよ。
 しかし今は社会が文句云ったら或いは不穏になったら資本は何処にでも移動できるンだから焼き畑農業をできるんですよ。
その結果社会はどうであれ経済は回るって云う状態になりつつあるわけ
だから、経済のパワーホルダーの方々は社会を保全しようという意欲をもはや持たない
 
神保*中国がどんなに環境が悪くなっても、次にベトナムがある、それで、もうその次のミュアンマーまで手をつけているじゃないですか。
 
宮台*実が政治も同じなんですよ。
政治も国際的影響力という観点から考えて、政党制の影響力という観点から考えて、社会が本体で政治や国家はその道具という観点が本来だった。
 社会の中に数匹の鼠がいようがどうってことはない。
それよりも国家が暴走したほうが遥かに怖い。歴史の経験に学ぼうと。
 
 ところがテクノロジーが発達して、そうすると社会の中のたった一匹の鼠が社会全体を破壊する可能性があると人々が思い始めたとき、そうすると推定無罪じゃなくて推定有罪、やってくれって、現に社会に人が言い出す
そうすると先の経済と同じですよ。
社会はどうあれ、政治は回るんです。
なぜ回るかといえば、社会が安全保障、それもミリタリー軍事的な安全保障をより強く要求するのでそこにだけ選択的な集中で資源を集中していれば政治は持つんですよ。
 
 結論。社会はどうであれ経済は周り、社会はどうであれ政治は回る、コレは日本だけの現象ではなくて一部先進国共通の現象だということ。
コレに抗うというのは余り目標を小さく設定すると自己満足に終わると思いますね。