さてと、前回の記事の最後のほうで取り上げた世界中でミツバチが突然、巣から一斉に姿を消す事態の関連が気になって仕方がない。先に進まない。
子供のころ、実家が趣味で養蜂をやっていた。巣箱は庭の一角の日当たりのいい場所においていた。玄関はナント、蜂の巣箱から10メートルも離れていなかったような気がする。周りには子供の背丈よりも大きいサボテンの鉢植が並んでいた。メキシコあたりの乾燥地帯の風景に相応しいただの野生のサボテンで、象の皮膚の色をした表皮は白髪のような無数の棘に覆われていた。この棘は厄介だった。強く触れると、刺された棘は表皮から剥がれてそのまま、くっついてくる。
イロイロ調べてみると、やはり実家のサボテンはメキシコの乾燥地帯に何処にでも見かけるサボテンだった、と。
このブログに記載されている金鯱(きんしゃち)はポピュラーな観賞用サボテン、実家のサボテンとの唯一の共通点は開花するまで30年以上かかり、パッと華麗、妖艶に咲いて、あっという間に散っていく。ここには書かれていないが、一度花を咲かせると、又何十年も開花しない。であれば、一生に一度か二度見られるだけか。
「サボテンの花の開花は品種にもよりますが、代表品種の金
鯱(きんしゃち)は開花するまで30年以上かかるようです。早い品種で2年程度で開花しますが、咲いている期間は品種によって異なりますが、4~5日が多いようです。短い種類では1日でパッと咲いて萎んでしまいます。」
以前から、この歌の題名、「サボテンの花」はなんとなく、気にはなっていた。
実に日本的な繊細な歌詞。サボテンの花に象徴されるフレーズの前後の歌詞の繫がりは見事。
サボテンの花としたところに安易な情緒に流されない歯止めがかかっている。それが最後のフレーズに意味を与えている。
「サボテンの花」―チューリップ
作詞作曲 財津和夫
ほんの小さな出来事に 愛は傷ついて
君は部屋をとびだした 真冬の空の下に
編みかけていた手袋と 洗いかけの洗濯物
シャボンの泡がゆれていた
君の香りがゆれてた
作詞作曲 財津和夫
ほんの小さな出来事に 愛は傷ついて
君は部屋をとびだした 真冬の空の下に
編みかけていた手袋と 洗いかけの洗濯物
シャボンの泡がゆれていた
君の香りがゆれてた
思い出つまったこの部屋を 僕も出てゆこう
ドアにかぎをおろした時 なぜか涙がこぼれた
君が育てたサボテンは 小さな花をつくった
春はもうすぐそこまで 恋は今終った
ドアにかぎをおろした時 なぜか涙がこぼれた
君が育てたサボテンは 小さな花をつくった
春はもうすぐそこまで 恋は今終った
この長い冬が 終るまでに
何かをみつけて 生きよう
何かを信じて 生きてゆこう
この冬が 終るまで
何かを信じて 生きてゆこう
この冬が 終るまで
採蜜の季節になると、麦藁帽子に防虫ネットをつけて、巣箱から蜂蜜の詰まった巣を取り出し、遠心分離機入れて手動でぐるぐる回すのを距離を置いてジッと見つめていた記憶が蘇ってくる。
余り近寄ると巣を取り上げられて、興奮状態で巣箱の周りを飛び回っている無数の蜂に刺されるのだ。
日本ミツバチのアマチュア養蜂家の動画を見ると、防虫ネットで顔を覆わず巣箱を開ける作業をしていたが、昔の記憶を辿ると、あり得ない。セイヨウミツバチでの巣箱を素面で開けると大変なことになる。
それでも攻撃性は品種改良によって緩和されているという。
確かに、庭に飼っていたのに、刺された経験は滅多になかった。
日本でミツバチといえばセイヨウミツバチ(セイヨウという名が示すように導入時期は明治初頭)。
日本ミツバチは野生種で天敵のスズメバチに自主防衛できる。病原菌に強い。
自家製の蜂蜜は独特のアクのようなクセのある味がして、糖度が高過ぎる所為かよく白い結晶状態になった。
ミツバチが本能に従って集めてきた田園の花の蜜が巣でそのまま凝縮された蜂蜜は店頭に並んでいる商品の蜂蜜とはかなり違う。
店頭の蜂蜜はどちらかといえば、高級な濃い砂糖水で癖がない味がするが、ミツバチが勝手に集めてきた昔の蜂蜜は、糖度高過ぎ、ビールの喉越しに近い、強い甘味入り混じった独特のクセの在る味だった。
今よりもズット食料欠損時代の当時、砂糖はなめて旨いと思ったが、蜂蜜は旨くはなかった。
商品化されたものは普通、一升瓶単位で売られていた、と記憶している。中身の状態は、今と余り変わらなかったのじゃないかな。自家製が出回っている時代には、独特のクセをそぎ落とさないと売り物にならない。
当時から、ミツバチの採蜜する花を選んだりイロイロ、工夫していたのだろうか。
質よりも量の当時は蜂蜜の競争相手は砂糖で大量生産の砂糖優位の時代だった。
今の蜂蜜事情はどうなっているのだろうか?この際、ちょっと調べてみた。
アカシアの樹の花から採取したものが高級品とされているようである。アカシアの樹は西田佐知子の「アカシアの雨にうたれて、このまま死んでしまいたい」という歌謡史に残る名曲から連想するような樹ではく、幽霊屋敷の巨木のような感じの不気味な風情の樹で、開花期には独特の芳香を放つ。一般にアカシアと呼ばれている樹は正確には偽アカシアである。最近は街路樹として滅多にお目にかかれない。枝が四方八方に伸びて大きく成長する樹なので手入れの手間がかかるから敬遠されているのだと想う。
日本産は勿論なく、中国産、ハンガリー産も見かけた。値段が高過ぎて関係ないので覚えていないが、どうしてアカシアだけの蜂蜜を集めることができるのだろうかと不思議。
一番安いのは中国産の蜂蜜で、1000ml(1L)のビニールチューブ入りで本体価格¥934だった。¥790の安売りも見かけた。蜜の色は濃い茶色で、昔の蜂蜜はだいたいあんな色をしていた。
平均価格レベル(ブレンド蜂蜜)で、日本産と中国産の比較してみるとー。
日本産120g¥760 中国産200g¥380。
120gの容器の大きさの感覚は何とか軟膏の大きな容器程度で、とてもじゃないが日常的に使用する食品とは思えず、大さじでいったい何倍分なのだろうかと気になる。
中国産は価格でいえば、少し高級品のジャム程度と想えばよいのだが、そういう一般価格帯のブレンド蜂蜜はジャムの代替品にはならないとおもう。
メープルシロップという蜂蜜もどきも在る。樹から直接採取するか、樹の花のめしべからミツバチを媒介に採取するか、どこがどう違うのか?余計な神秘性を抜きにしたら、成分的には大して変わらんのじゃないか。
ところで、ビニールハウスのきゅうりやトマトの受粉はどうしているのか?
ちなみにグーグル航空地図で世界中の田園地帯を旅して回ると、日本の田園地帯に必ず出現する大きな白い長方形の構造物に目を奪われてしまう。日本農家はハウス栽培によって、国土の限界性を超えようと苦心しているのだ。
この方のブログによれば、NAGAI pro mobileー健康・環境・感動・未来ー
【ミツバチが消えるのは?】
前半は、農薬や電波障害などミツバチの消える関係を述べた上で、
「近年、ミツバチの蜂蜜を集める能力ばかりでなく、花粉を交配させる能力についても最大限利用しようという方法が広く行われるようになりました。
イチゴ、メロン、スイカ、ナス、キュウリ、カボチャなどの果実をとる野菜のほとんどが現在ビニールハウスで栽培されるようになっています。
このハウスの中にミツバチを放して受粉させれば、今までのように人手で受粉させるか植物成長調製剤を塗布するといった手間と費用を省くことができます。
ミツバチたちは、巣箱ごとレンタルされ、野菜の花の咲く頃をみはからってハウスの中に放され、ハウスからハウスへと移されながら受粉作業をさせられることになります。
(W.的外れだが、合鴨農法のような気がする)
毎日スーパーに行く消費者は、手にする野菜や果物の陰でこれらのミツバチたちがどれほど一所懸命働いているか、そのありがたさを知らされているでしょうか?
しかも、真冬だというのに、なぜ店頭に日本産のイチゴやナスやキュウリ、トマトなどが並んでいるのか、ふしぎには思わないでしょうか?
多くの果実は春に花を咲かせ、夏から秋にかけて果実を実らせます。この時期こそが、果実を食べてもらうことで種子を拡散させようという植物の意向で、いちばん美味しく栄養価も高い「旬」の時期なのです。
ところがこの自然の実りに反してスーパーに冬でも野菜や果実が並んでいるということは、開花が秋から冬にかけて行われているということになります。」
WAWAC。それとハウス内で、次のような事態が発生する、とレンタルされたミツバチの集めた蜜は、どうなるのという疑問が湧いてくる。
「過酷さは労働の内容ばかりではありません。労働条件も劣悪です。
ハウスの中にはさまざまな農薬が散布されることもあります。化学肥料をまいた土に、一種類だけの野菜を大量に栽培する場合に起こることは、植物の免疫力の低下であり、そこにつけこんでさまざまな病原性のウイルスや細菌が取り付きます。
そうなると農薬をまかないわけにはいきません。植物の葉に付くダニもいますが、ミツバチの体に取り付くダニもいます。病氣になって死ぬミツバチも続出します」
次にハウス栽培の野菜果物のミツバチによる受粉が一般に普及しているとは思えず、「今までのように人手で受粉させるか植物成長調製剤を塗布する」作業の実態を調べてみた。
植物成長調製剤とはホルモン調整剤のことである。
引用。 <トマトトーンは絶対使いません> 2013年3月22日