反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

公園道端の野草、第二弾。同科同属→キク科ムカシヨモギ属のハルジオン(春紫菀?)、ヒメジョオン(姫女菀)と、キク科シオン属のヒメシオン「姫紫菀」、及びシオン(紫菀)の紛らわしい違いを徹底的に考える。

  この可憐な野花を調べてみると、同じような名前、姿かたちの三つの名前が交錯して、いきなり混乱してきた。
ハルジオン(キク科ムカシヨモギ)      ヒメジョオン(左と同じ)        ヒメシオン(キク科シオン属
日本生態学界、侵略外来種ワースト100  (左と同じ)         和名は小型のシオン(ギリシア語の星)
イメージ 1           シオンはシノ、カノシタ ほぼ全ての古典文学に登場
イメージ 2イメージ 3                        
 
 
 
 
 
 野草の名前を調べて確定するのは、意外と難しい!
YAHOOジオシティーズ  写真植物図鑑(雑草・野草
で採取した野花を調べてみると、該当するのは<はるしおん=ハルジオン>or<ヒメジオン>である。
花の部分のアップだけで全体像が解らない。ヤッパリ、YAHOOはあたりを付ける程度しか利用できない。
 
そこで、ググッて見ると、A、<ハルジオン>B、<ヒメジョオン/C、<ヒメシオン>と紛らわしい。
どうやら、は花の色、形は少し似ているが、見た目で別品種の野花だと解る。当面、除外する!
 
問題はA,とBの混乱。物凄く似ている。茎の切り口が空洞になっているのが、ハルジオン、全部詰まっているのが、ヒメジョオン、ということで確認してみると、ヒメジョオンだった。

                      ハルジオンとヒメジョオンを食べ比べた人の報告。
 野草の知識のないものが、食ってたら危ないよ。「荒野へ」の主人公、大学卒業を期に地のものを食って生き抜く冒険を試みた優等生マッカンドレス青年が(勿論、植物図鑑と首っ引き)冬のアラスカで絶命したのも、見た目そっくりな毒草を食って、体力を消耗して狩ができなくなったからだった。
(なお、このノンフィクションは傑作。図書館の書庫にあるはずだ。 

JAみな穂、食べられる野草より。http://www.ja-minaho.or.jp/koho/0905/tokusyu.html
「その② ハルジオン~今回はまだ花が咲いていない蕾の部分を収穫して、これまた天ぷらにしてみました。
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う、うまい!これはうまいですよ。灰汁もクセもなくてほんのり甘味があります。おススメです!うちの子供も「美味しい」と食べていました。一緒に料理したウドの天ぷらより売れました(!)
 いやあ、タイムリーヒットです。」
 
W,春菊のような味か?
 
ハルジオンとそっくりの花を咲かせるので見分けが付き難いのですが、茎を折ってみるとハルジオンは空洞。こちらヒメジョオンはぎっしり身が詰まっています。(W、花の大きさ、など違いはあるが、野草を知らない者の、見分ける決め手はコレしかない!)
おススメできません…
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  若芽を湯掻いて、塩昆布と和えてみました。天ぷらが美味だったハルジオンに似ているので期待して食べましたが残念…青臭いし、繊毛が硬いままで食感も良くありませんでした。収穫時も頭頂部にはアブラムシがぎっしり住み着いているものが多くあまりおススメできません。
 
 

 YAHOO図鑑のヒメジオンヒメジョオン姫女)~ムカシヨモギ属~という中国名を無視した、間違った通名ヒメジオン>を使用している、とわかった。<ヒメジオン>の呼び名に該当する花を咲かせる同じキク科の野草はシオン紫苑属である。
*さすが、<野草を食べてみる>JAの方は正しい呼び名を使って、同属ムカシヨモギのハルジオン、ヒメジョオンとしている。
それをYAHOO写真図鑑のように<ヒメジョオン>を<ヒメジオン>とすれば、標準和名として間違いとなる
 


 ウィキペディアヒメジョオンの解説の<人間との関わり>の部分は解り辛い!注釈する必要がある!
まず、そのまんま、の解説。
     分布・生育地
北アメリカ原産[3]で、ヨーロッパアジア日本を含む)に移入分布する[4]
日本には1865年頃に観葉植物として導入され明治時代には雑草となっていた[3]。現在では全国に広がり、山間部にも入り込んでいる。在来種の植物の生育を邪魔する可能性があり、とくに自然豊かで希少な植物が多く生育する国立公園亜高山帯では問題となる[3]。そのため、ヒメジョオンは、ハルジオンとともに要注意外来生物に指定されているほか、日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されている


    人間との関わり  W、ココ重要。
ヒメジョオン漢字に直すと「姫女」となる。「姫」は「小さい」、「女」は「中国産の野草」を表す。小さいシオン(紫菀)の一種であり、別種のヒメシオンと区別するために「ヒメジョオン」という名前が付いたという説もある。
また、標準和名ヒメジョオンであるが、同類のハルジオンと混同して、「ヒメオン」と呼ぶ間違いがみられる
見た目が非常に似ている上に、名前も紛らわしいので、注意が必要。同じように、「ハルジオン」を「ハルジョオン」と呼ぶ間違いもみられる。
日本に入ってきた当初は、「柳葉姫菊(やなぎばひめぎく)」と呼ばれたり[2]鉄道線路沿いに広がったことから「鉄道草(てつどうぐさ)」と呼ばれたりした


 
W。とりあえず赤字マーカーの部分を正解としておく
ハルジオンと同科同属の当該の野草の標準的な名称は<ヒメジョオン>とされており、<ヒメジオン>は標準和名ではない。


同科同属のハルジオンと混同している、と解説は決め付けているが、そこまでは断定できない
>そういう呼び名をすることによって両者を区別している場合も想定できる。
実際にYAHOO写真図鑑は両者をキッチリ区別した画像を載せて、<ヒメジオンとしているのだから、標準和名の<ヒメジョオン>を俗称の<ヒメジオン>としていることは、表面的な間違いである


他方で、<ジ>と<シ>で紛らわしいが、<ヒメシオン>と呼ばれるキク科シオン属の野草が存在する。
同じキク科の「野草」?だから、<ハルジオン>と<ヒメシオン>程ではないが、両者と外見も似ている
ただし、画像でも見分けが付く。
ややこしいので、ココまで、解っていればOK。
ここから先は自己流の理屈編。


 冒頭に挙げた画像の右端はヒメシオン。
ヒメジオン>と紛らわしいがキク科シオン属の野草<ヒメシオン>。
 
 ヒメシオンの花~少し極端に違いがわかりすぎるが~構造自体が違うようだ。~
コトバンク引用~キク科の多年草暖地原野自生し、高さ約60センチ。へら状の葉が互生する。夏、周囲が白、中央黄色頭状花をつける。
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ヒメシオンを検索すると、ウィキペディアでは記載されていない。
イロイロな記事と画像を総合すると、過去はともかくも、現時点で野草として、野によく見かけるのは、ハルジオンとヒメジョオンである。
一般的に野菊と呼ばれる種類も繁殖力の強いハルジオン、ヒメジオンヒメジョオンであって、ヒメシオンではない
また、ヒメシオンは「夏、周囲が白、中央黄色頭状花をつける。」なかなり無骨な花を繊細な日本人は野菊と呼ばない。
一般的に野菊と呼ばれている野草はハルジオン、ヒメジョオンである。
「日本には1865年頃に観葉植物として導入され、明治時代には雑草となっていた。」
ヒメシオンが野辺によく見かけるならば、ウィキペディアに載っているはずである。
園芸用に栽培されているという記事もあった。
 
*ところで、冒頭のヒメシオンの画像の説明にシオンを入れて、
「和名は小型のシオン(ギリシア語の星」。「シオンはシノ、カノシタと呼ばれ、ほぼ全ての古典文学に登場。」とした。
 
 ヒメシオンと同じ、キク科シオン属のシオンという野花が在る、(らしい)。
ほぼ全ての日本の古典文学がどの程度かといえば
古今和歌集源氏物語更級日記、今昔物語、徒然草太平記近松浄瑠璃集、蕪村句集、一茶句集
その他は古典の博物本の数々。」
 要するに、古から近世まで、日本の野辺によく見られ、際立って咲いた(最大丈は100cmだから大きい)風情は近代化以前の日本人の心にしみわたったのか。今パッと浮かんだのは、萩の花。
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花弁は淡い紫である。やはり、シオン属の特徴である独特の
群生していると、いい風情を醸しだすのではないか。
ハルシオンも古、近世を通じた野花(花弁は白い)である。
 
シオンは在来種であるとされているが、一説では帰化植物ということらしい。
 
 
 
 
 
 
ヒメシオン、シオンは古来からの呼び名は、シノ、カノシタ
ところが、近代化以降、ギリシア語の星という意味のシオンと称されるようになったはずだが、コレはキク科シオン属という学術用語の導入によるものだろう。花弁の色に相応しい紫という漢字があった
 
一方で、同科別属(ムカシヨモギ科)の「ヒメジョオン漢字に直すと「姫」となる。「姫」は「小さい」、「女」は「中国産の野草」を表す」。
 
*ここまでは理屈が通っている。
 
他方、同科同属のハルジオンは漢字に直すと、春菀。
 
オカシイナ。
 
ハルジオンの花びらは紫ではなく白い。名は体をまるっきりあらわしていない。
当て字なのか?
そもそも、文法的に菀をハルジオンと読めるのか。
 
*ハルジオン春紫菀は同科同属の一見、見分けが付かないヒメジョオン菀」と区別した当て字と考えたらどうか?
 
 明治時代にハルジオン、ハルジョオンが日本に導入されたときの漢字によって両者を区別するための、妙な学術的見地になるが、その可能性は強い。
 
 近世日本までの学術用語であった漢字、漢語に替わって西洋語の学術用語が急速に導入され、翻訳日本語に統一する際の非論理的な混乱があった。
ヒメジョオンは典型的な漢語が学術用語?になっていた例であろう
ハルジオン菀は学術用語に急速に西洋スタイルが導入した結果、当て字をしたわけだが、一応、ヒメジョオンとの区別は付いていても、日本在来種の
ヒメシオン「姫紫、シオン紫との関係が紛らわしくなった
 
 *しかし、明治初期に観賞用に導入されたハルジオン、ハルジョオンが急速に野辺の雑草となって繁殖し、野菊といえば、これ等の野草を指すようになり、ハルシオン、シオンは野辺では少なくなっていった。
<野菊の如き君なりき>伊藤左千夫原作木下恵介監督の名画、のセピア色の潮来湖の名画面を想い浮かべて書いている 。尊敬する杉村春子先生が、間違って出演されておられるが、名演技といわれている。さすが、である。笠智衆はどうでもいい。でも、ああいう俳優を生み出した日本映画は素晴らしい!この役者演技の在り様の現代映画とのミスマッチを利用したのが<ふうてんの寅さん>の和尚登場の名場面である。彼が主演した「東京物語小津安二郎監督は今でも日本映画のNO1名作!と想う。>
 *従って、ハルジオンはヒメジョオン菀と区別する漢字の菀で良い訳だ。
もっとも、中国の漢語で、この辺の区別がどうなっているのか、調べてみると面白い。
予想としては日本的な当て字はしないと想う。
区別できる漢字が各々に振られていると想う。
 
 古代からの書き言葉の日本語は在来の言葉に漢字を当てはめたことから出発し、かな文字が発明され、漢語文法ではなく、漢字とちゃんぽんにして使用されて明治の急速な近代化に至り、西洋学術用語が導入され翻訳された。
 
 この過程において、古代日本が在来語に漢字を当てはめた時に似たような状況が生まれたものと想われる
日本語は融通が効くといえば利くが、それも非論理的な要素が強いからできることであろう。
 はっきりしていることは日本語は学術用語には適さないが、繊細な表現ができる言語である。日本の心と風景に溶け込んでいる言葉である。
 
この記事は理研ー小保方騒動の連載記事を仕上げる途上で大きく回り道をしているモノであるが、あの騒動も、小保方本人の本質的に学術に適さない非論理性的情緒性が、バカンティの西洋的論理のキッチュに徹した所を大きく誤解したことが、大きく影響している、と想う。
 
 西洋的異端を正面から日本的情緒で大真面目に受け取って実行しようとしたら、巨大な壁にぶつかる
そこで、非論理性的情緒性が強い者はどうするかが問題であった。
 
 小保方のような研究者が曲がりなりにも通用してきた環境が日本にはあるのだ。
それは、一科学分野だけに留まらないものと考える。
 
 傾向としてそういうものが避けれないとすれば、意識的に是正しなければならないのは当然のことである。
それを組織維持のために、誤魔化そうとしているのが、理研調査委、検証委の方向性である。
その他、小保方を取り巻く、若山、笹井も多かれ少なかれ小保方と似たようなところがある。

                      <追記>
 ハルジオン、ヒメハルジョオン(キク科ムカシヨモギ属)は日本の侵略的外来植物種ワースト100に指定されているが、1865年観葉植物として、導入されたものが、雑草化した。←ヒメジョオンのことだった。ハルジオンは1950年代から全国に拡大し始めた。

日本の侵略的外来種ワースト100 ウィキペディア W.面白い!
ハルジオン アメリカ→本土全域
「キク科ムカシヨモギ属の多年生草本。近縁のヒメジョオンよりかなり遅く、1920年頃に観賞花卉として輸入された。全国に拡大を始めたのは1950年代で、本土全域に定着した
1970年代に除草剤被曝を受けた結果、生き残った除草剤耐性株が席巻している。耕作地や畦道・堤防・道端など、あらゆる土地に適応し、繁殖力が強い。刈り取りや踏み付けなどの物理的負荷にも耐性がある。」
 
ヒメジョオン 北アメリカ→本土全域
「キク科ムカシヨモギ属の二年生草本観賞花卉として幕末の1865年に輸入されたものの、定着せずに野生化した。本土全域に定着している。多年生のハルジオンよりも短命ではあるが、種子量が多く、根茎によって群落を形成する。根茎の再生能力は高く、地上部を刈り取ってもやがて根茎から再生する。亜高山帯への進出が目立ち、外来種根絶駆除活動でも対象となっている。」 
 

 同じくキク科の別属、シオン属のシオンは古今和歌集源氏物語~蕪村句集、一茶句集に登場していることから、中世初期~江戸時代を通じて、日本の野辺にあって、最大丈100cmだから目立つ野花だった。俳句に詠まれているということは、シオンの花が季語になっていたのだろう。シオンという呼び名はギリシア語であり、和名はシノ、或いはカノシタ。日本の近代化に伴って、シノ、或いはカノシタからシオンに呼び名が変わっていった。」
ところが、シオンは元々日本の野辺にあったかといえば、帰化植物ではないかという説があるそうだ。
この辺のハッキリしない事情を整理して説明する専門用語として、在来種、帰化植物以外に、史前帰化物という用語が在る。

   高校生物 環境の保全生物多様性  by 池田博
●第1項 在来種と帰化
 在来種=ある地域に古来から生息していた種。自生種,野生種ともいう。
 帰化種= 本来自生していなくて外国から侵入した種。帰化植物帰化動物
 帰化種は天敵がいなかったり,風土にあったりすると大繁殖し,分布を拡大することがある。昔から生活してい た在来種の進出していない所に侵入する傾向があり,一般に定着初期には個体数が多い。
 帰化種は開発された場所によく侵入するので,帰化種の割合は都市化や自然度の指標となる。
 帰化種の割合が高いほど自然度が低い。

 史前帰化植物=有史以前に持ちこまれた帰化植物
   例.カナムグラ,イヌタデナズナなど.(水稲や麦の渡来に伴って移入した)
そうすると、ヒメシオン、シオンはす  
       ↓
   帰化植物 ウィキペディア W。長文だが、なかなか面白い!