反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

解散総選挙批判。異次元金融緩和の現状→毎日社説:日銀の追加緩和 泥沼化のリスク高まる。リフレ派高橋洋一ヘリコプターマネー論にアベノミクスの経済原論をみる。

  町角の要所要所に常時貼られている公明党の政党ポスターが何時の間にやら新しい選挙区選出議員のポスターに差し替えられている。アベ首相と当該議員の両者が並列してこちらを向いている。
アベ首相の顔も、時折テレビで見かけるむくみ気味のむさくるしさはなく、どこか頼りなげで育ちのよさを強調し、何となく親近感を醸しだすように仕組まれている。2年前の衆議院選挙用の画像で、現状の安部首相にどんな修正技術を加えても無理筋なので、使いまわしているのだろう。
公明党議員の顔はいわゆる学会顔丸出し、信者さんたちの厚い輪の中で学会階段を駆け上って議員に出世し、独りよがり境地に浸りきっている様子が透けて見える。創価学会公明党は全有権者に責任の持てる政治を行えるだけの歴史の検証をいまだ受けていないと考える。自民党が右向け右といえば(左向け左の号令はなし)、キッチリと<ワンテンポ>置いて指示に従うこと(こんな関係は大きな政治世界によく見受けられること、米国→ワンテンポ時間差、を置いて日本従属しつつネジレて<覇権、希求>=複雑骨折ニホン)で、宗教活動のパワーを拡大する基本戦略がある。基本、政党本体の中身に、独自の政治思想性もなく、宗教活動と全国政治活動を合体させた純日本的で奇妙である種、不気味な政党である。おそらくこの政党と宗派を政治学の立場から研究すると、戦後日本という国の特殊なあり方が、照射できるだろう。日本の政治学者は、日本に場違いアメリカ、ヨーロッパの政治を研究時間を割いて、創価学会公明党の実証的理論的研究をしたほうが、日本政治によっぽど寄与するというものである。日本には、根強いタブーがあるが、新たなタブーが加わった。


 このポスターに下段のスローガンは<責任ある実行力!>とあった。
丁度1年ぐらい前に目立ったスローガンは<安定は安心です>などというものだった。
永田町のコマの回りは速い。
いよいよ創価学会最大最高不可欠な全国イベント、国政選挙という宗教政治活動の戦闘開始だ。
 
 がしかし、目の前の事実によって、アベノミクスは失政という認識が定着しつつも、1年前の公明党のいう<安定は安心です>という永田町の政治地図にいささかの変更のない。さらにまた、永田町ー霞ヶ関(官僚)の外にも、集票マシーン公明創価学会自民党系各種業界団体、草の根利益誘導部隊の地方議員系列集団など挙げたらきりがないほどの政治基盤を有する。加えてそこに、現状、マスコミアメリカ関連を付け加えなければならぬ。
 
 アベ首相は来年10月に予定されていた消費税8%→10%増税スケジュールを18ヶ月先延ばしにする公約した。そうすると、アベ政権の任期中は、増税はしないと宣言したに等しい。勿論その後は増税は必要といっているが、アベノミクスの異次元金融緩和=日銀による貨幣記号物の大盤振る舞い、にも拘らず、低迷する経済成長率の対策として、来年度には補正予算を組むという。
 
*さらに1ヶ月ほど前に、日銀は「量的緩和を一段と強化した。」 毎日新聞 社説:日銀の追加緩和 泥沼化のリスク高まる 2014年11月01日 02時33分
「今回の追加緩和により、日銀が年間に買い増す長期国債の額は30兆円拡大し、約80兆円に達する。」 
>この毎日配信記事をネットで見つけて <カモたちの飛来する季節がやってきた。(スズガモとキンクロハジロ)。雑草を植栽にすると。金融緩和80兆円とレイモンドカヴァー> 
2014/11/1(土) 午後 3:26
などというタイトルの例によって、アレもコレもごった煮の勝手気ままな記事を作成したわけだが、記事作成後、ピィ~ンをひらめくものがあった。選挙対策だな、例によって旧来の支持基盤にカネがまわるように仕掛けている。もう長年日本人をやっているといくら議会圏の政治に無関心な自分でも、彼等の手口が身にしみるように解ってくる。
 
 魚を集める撒き餌じゃない、直接、注射のカンフル剤注入。こういったやり方が歴史的に積み重なると南米の原産地とアメリカ本国の麻薬ルートのようなものが確立する。
前は公共工事発注の財政ルートだったが、そのルートが事情によって、先細ると今度は新手の荒業、貨幣記号物大量散布が始まった。


 日本資本主義のグローバル金融資本展開に応じて、新たな支持基盤が開拓されたのだ。元、小泉政権の政策を若手財務省官僚として、率先遂行した経済学者は、米国通貨当局の議長バーナンキの言説を引用していう。
   題して <ヘリコプターマネー論>  「増税は誰のためか」より  高橋洋一インタビュー引用
<お金をすれば増税は必要ないのか>
高橋 名目GDP(W、国民所得の合計)成長率と基礎的財政収支(W~プライマリーバランス~要は国債発行による政府の財政収入と利払いの歳出を差し引いて、財政の真水の歳入、歳出。財政の入りと出の真水で比較できるから、GDP増⇔税収増の関連がよく解る)の関連を調べると、強い相関関係があるのです。名目国成長率が5%になると、財政赤字は0になるんですよ。逆に名目成長率が0になると財政赤字が20%増える。~
 一方で、財政支出のほうはデフレでもインフレでもそんなに大きく変わらないから、財政収支は名目成長率でほぼ決まるのです。~だから一番簡単なのは、名目成長率を上げることなんです。
嘘みたいな話だって皆云いますけど(笑)。
 
名目GDPを増やす方法はたくさんあるのですが、
>~一番関係がありそうなのが、通貨の量の伸び率。名目GDPの伸び率とマネー量の伸び率を調べると見事に連動しているのです。 <統計的に云うと><7割ぐらいの確率>で、お金の量を増やせば、名目GDPは伸びるといえます。(W、そうすると、アベノミクスの「異次元金融緩和」を実行中の日本は<7割ぐらいの確率>が適用できない<その他の場合、の3割に属しているわけか?どうしてなのかな?アベノミクスのカンフル剤の効き目がない今、そして総選挙突入の今、有権者はこの点について、情緒抜きに突き放して、日本経済の現段階を直視する必要がある。アベ解散が典型で、政治はバタバタして余計なことをするなといいたい。個人消費が伸びないことをアベノミクスの不具合の理由に挙げているが、国民が安心して財布の紐を緩める環境を政治が率先して生み出すことではないのか?総選挙は真逆の事態を政権自らが演出している。そもそもアベのような経済観は国家資本主義のものであり、この点において評価は別に、中国の方がよっぽどすっきりして整合性がある。混ぜ混ぜ経済はヒトモノカネの巡りが悪く、好循環を生まない。コレ鉄則。)
ここまでの話は一種の私設物語で、論点や統計の見方のすり替えをして話を前に進めている。)
>そしてお金の量を増やすことは人為的にできる。
**日銀当局がお金を巣って、金融緩和をすれば良いのです。
 
神保 問題はそこなんですよ。「経済が成長すればマネーの量が増える」というのはわかりますだ、逆の因果関係、つまり『マネーを増やせば、経済が成長する』という因果関係も成り立つんですか?
 
高橋 「マネーの伸び率→経済成長率」の方が、因果関係が強いのです。
リーマンショック以降、各国がマネーを増やして大きな危機を食い止めました。それを見れば因果関係はわかるでしょう。
(W。ここに完全なすり替えを見る、見ない、でアベノミクス評価は90度ぐらい違ってくる。米国はバブル当事者であり、その緊急対策をしていた。日本で云えば、規模はまるっきり違うが、日本バブル崩壊後の対策。
EU金融危機は米国バブルの大波が直撃したもの。
ところが日本は、そういった世界経済恐慌状態の悪影響を回避できた。当然、日本のデフレ対策と経済恐慌状態の当事者の欧米とは経済政策が違ってきる。ところが足並みをそろえて同じことをしている。
ソレばかりか、現状のアベノミクスは~毎日新聞社説引用~
「日銀が量的緩和を一段と強化した。アベノミクスの「第一の矢」として異例の大規模緩和が登場し1年半。米国が量的緩和を終了したタイミングでの日本の追加緩和だ。
驚いた市場は反応し、円安、株高が大幅に進んだ。 しかし、である。ここで追加緩和に踏み切らざるを得なくなったのは、昨年4月に黒田東彦新総裁の下、導入した「異次元緩和」が十分効果を上げていないことの裏返しと言える。うまくいっていないものを一段と強化した先に果たして展望は開けるのだろうか。しかも副作用の多い、劇薬なのである。」。
 
(W.総選挙が終わったら、又一時的株高が想定できる。
アベ政権の経済対策は消費税18ヶ月見送り、補正予算 そして国債日銀追加購入30兆円歩ラス=年間80兆円。それで何の関係もないアメリカ独立戦争まで引き合いに出して、信を問うという。キチンと政権を全うし仕事をすべきである。総選挙の意味は国民と共に経済成長を目指すということのようだが、そんなものはアベ等の気分的なものに過ぎず、全国的選挙騒ぎは経済にマイナス効果。選挙結果によって安部退陣→自公政権或いはプラスアルファの政策も、アベノミクスの劇薬注入後では、政策選択肢は限られてくる。
だから、アベ政権は、余計でとんでもないことをしてくれた、と。ここの高橋洋一の発言のいい加減ぶりは、そっくりそのまま、アベノミクスの現状に通じる。こんないい加減なリフレ派の政策がモロに実行されたのだ。
結果はやる前からわかっていた。)
  
      「ヘリコプターマネー論」
高橋 FRBの議長である、ベン、バーナギンがよく「ヘリコプターマネー」という話をしていたのですが、例えば、目黒駅近辺でお金がばら撒かれるといわれれば、みんな目黒駅にいきますよね。ばら撒かれたお金が誰に行くかはわからないけれど、人が動くことで経済が動くわけです。それでみんなが右往左往してインフレになる、という考えが経済学ではあるんです。
 
神保 金融緩和でマネーの寮を具やしただけで名目GDPが延びると聞くと、どうもピンとこないのですが
 
神保 ではマネーが増えれば自動的にみんなの給料が増えるということですか?
 
高橋 マクロ的にはそういうことです。
 >「増えたお金がどこに行くんですか?」と質問されるけど、それはわかるわけがない(W。給料は上がらない、といっているのと一緒だ。増えた金の行き先もハッキリしている。)
>高橋 天から降らしているわけだから、努力したヒトと運が良いヒトのところに行くとしか言いようがない。
>先ほどの例えで云えば、目黒駅に偶々いたヒト、そこに行ったヒトにお金が入って来る。
W、「目黒駅に偶々いたヒト、そこに行ったヒト」「努力したヒトと運が良いヒト」は特定できる。
その他の余りの大勢は天からカネが降ってくる事態に何の関係もないのではなく、そのカネを懐にねじ込んだ人々のカネの力に従属させられる。
なぜならば、、「目黒駅に偶々いたヒト、そこに行ったヒト」「努力したヒトと運が良いヒト」とは金融資本(大産業資本、巨大銀行、保険その他)である。
W、右往左往させるというのは言葉を変えると、資産移転である。


                参考資料 
     社説:日銀の追加緩和 泥沼化のリスク高まる 全文
「日銀が量的緩和を一段と強化した。アベノミクスの「第一の矢」として異例の大規模緩和が登場し1年半。米国が量的緩和を終了したタイミングでの日本の追加緩和だ。
驚いた市場は反応し、円安、株高が大幅に進んだ。
 
 しかし、である。
ここで追加緩和に踏み切らざるを得なくなったのは、昨年4月に黒田東彦新総裁の下、導入した「異次元緩和」が十分効果を上げていないことの裏返しと言える。うまくいっていないものを一段と強化した先に果たして展望は開けるのだろうか。しかも副作用の多い、劇薬なのである。
 
 物価の年間上昇率2%」を明確な目標として宣言し、お金の量を2年で2倍に増やせば、目標が達成でき、経済も復活する−−。第一の矢のシナリオだった。衝撃的な量の資金供給を行うことで人々に「物価上昇の時が来た」と信じこませる効果を狙った。
 
 確かに物価は徐々に上昇基調に転じたものの、円安による効果が抜け落ち原油価格の下落も手伝って、このところ上昇幅は縮む一方である。
設備投資や消費が活発化し、企業収益が増え、賃金が上昇し、さらに消費が増える、といった望ましい循環が起きているとは言い難い。(W.人為的な物価上昇政策が望ましい層は限定される!)
 
 結局、あれほど「デフレ脱却の効果はない」と批判していた白川方明前総裁時代の段階的な追加緩和の手法を取らざるを得なくなった。
 
 一方、量的緩和により日銀が国債を大量に買い占めている影響で、国債市場のゆがみも目立ってきた。
満期までの期間が短いものを中心に極端な品薄状態となり、マイナス金利という異常事態も起きている。
 
 そうした中にあって、さらにアクセルを踏むという
ドル高に作用する米国の量的緩和終了も相まって円安が一層進めば、輸入品の値段が上がる
物価上昇には役立っても、家計を圧迫するだけだ。国債市場のゆがみも一段と深刻化するだろう。
 
 今回の追加緩和により、日銀が年間に買い増す長期国債の額は30兆円拡大し、約80兆円に達する
日銀が政府の借金を丸抱えしていると市場からみなされれば、国の信用が疑われ、国債価格が急落(長期金利は急騰)する恐れがある。経済の大混乱は避けられまい。
 今回の追加緩和をもってしても、日銀の予測では、目標となる来年度の物価上昇率が1.7%と2%に満たない。追加緩和を繰り返し、出口がますます遠のきはしないか異例の政策が長期化することによる弊害が心配だ。
 中央銀行として踏み込むべきではない領域にまた深く、日銀は足を進めてしまった。」