反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第7回、レーニン「帝国主義論」~★  一〇 帝国主義の歴史的地位~

   ★  一〇 帝国主義の歴史的地位
その経済的本質からすれば、帝国主義は独占資本主義である。
独占資本主義の主要な現れの、四つの主要な種類を指摘しなければならない
 
第一に、独占は、生産の集積の非常に高度の発展段階で、生産の集積から生じた。これは資本家の独占団体、すなわちカルテル、シンジケート、トラストである。カルテル化の最初の歩みをまっさきに踏みだしたのは高率関税の国(ドイツ、アメリカ)であったが、自由貿易制度のイギリスも、わずかばかりおくれただけで、生産の集積からの独占体の発生という同じ基本的事実をしめした。
 
第二に、独占体は、最も重要な原料資源の、それもとくに、資本主義社会の基本的な、そして最もカルテル化された産業、すなわち石炭業と製鉄業のための原料資源の、略取を強化させた。最も重要な原料資源の独占的領有は、大資本の力をおそろしく増大させ、カルテル化された産業とカルテル化されていない産業との矛盾を激化させた。 
 
第三に、独占は銀行から生じた。銀行は控えめな仲介者的企業から金融資本の独占者に転化した。最もすすんだ資本主義的民族のどれ一つをとってみても、三つか五つほどの巨大銀行が産業資本と銀行資本との「人的結合」を実現し、全国の資本と貨幣収入との大部分をなす幾十億の金(かね)の処理権をその手に集中した。
現代ブルジョア社会の例外なくすべての経済機関と政治機関のうえに、従属関係の細かな網の目を張りめぐらしている金融寡頭制――これがこの独占の最もきわだった現れである
 
第四に、独占は植民政策から生じた。金融資本は、植民政策の多数の「古い」動機に、原料資源のための、資本輸出のための、「勢力範囲」――すなわち、有利な取引、利権、独占利潤その他を得る範囲――のための、さらに経済的領土一般のための、闘争をつけくわえた全世界が分割されてしまうと、不可避的に、植民地の独占的領有の時代が、したがってまた世界の分割と再分割のためのとくに激化した闘争の時代が、到来した。 
独占、寡頭制、自由への志向にかわる支配への志向、ごく少数の最も富裕なあるいは強大な民族によるますます多数の弱小民族の搾取――これらすべてのことは、帝国主義を寄生的なあるいは腐朽しつつある資本主義として特徴づけさせる、帝国主義のあのきわだった諸特徴を生みだした。
 
金利生活者国家」、高利貸国家の形成が、帝国主義の傾向の一つとしてますます明瞭に現われてきて、その国のブルジョアジーはますます資本の輸出と「利札切り」で生活するようになる。この腐朽の傾向が資本主義の急速な発達を排除すると考えたら、それは誤りである。。この腐朽の傾向が資本主義の急速な発達を排除すると考えたら、それは誤りである。いや、個々の産業部門、ブルジョアジーの個々の層、個々の国は、帝国主義の時代に、程度の差はあれ、この二つの傾向のうち、あるときは一方を、あるときは他方をあらわすのである。
そして全体として、資本主義は以前よりもはるかに急速に発達する
だがこの発達は総じてより不均等になるばかりでなく、不均等はまたとくに資本力の最も強大な国(イギリス)の腐朽のうちに現われるのである
 
ドイツの急速な経済的発展については、「まえの時代(一八四八一八七〇年)のそれほどゆっくりでなかった進歩と、この時代(一八七〇一九〇五年)にドイツの全経済およびとくに銀行が進歩した速度との関係は、ほぼ、在りし良かりし昔の郵便馬車の速度と、今日の自動車の速度のんびり歩いている歩行者にとっても、自動車に乗っている人目身にとっても、危険となっているほどの――との関係のようなものである」。
 
合衆国では、最近の数十年の経済発展はドイツよりも急速であった。そしてまさにそのため、最近のアメリカ資本主義の寄生的特徴がとくに明白に現われた。
他方では、

共和国アメリカのブルジョアジーと君主国日本あるいはドイツのブルジョア

ジーとをくらべてみると、きわめて大きな政治上の相違も帝国主義の時代には極度に減殺されることがわかる。
                    終了!