反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

IWJ2015/03/07 【兵庫】日本に徴兵制!? 「若年層から賛同者続出の可能性あり」――内田樹氏が9条で激論の動画を詳細に解説する。

 前々回の「心臓病と命養生」2015/3/18(水) の記事の中で半ば強引に取り上げたIWJ配信動画をIWJは、解説文付きで今度は全面的に採録している。
 
*2015/03/07 【兵庫】日本に徴兵制!? 「若年層から賛同者続出の可能性あり」――内田樹氏が9条で激論、政府批判せぬ「朝日新聞」への叱咤も   W。朝日新聞云々は最初の動画ではなかった。                
 
*最初アップされた動画のタイトルは「内田樹が語る街場の戦争論」という講演のタイトルと同じものであった。
IWJの上記のタイトルは改悪である。レトリックで語ったことをタイトルにしなおし、テキストの内容も講演の本題とはかけ離れたものだ。浮ついた受け止め方をしてはいけないと思うが。こんなことをやっていると、無意味な危機感あおりが先行して、良い報道はできない。
 車にはアクセルもあればいろんな機能があって運転できる。このような中途半端な危機感は、これからの精神衛生上も悪いですよ。手詰まり感を自分たちで作っているようなもの。
 
IWJのテキストは非常に政治センスが悪い。論点の幹の部分や面白い部分を見事に外している。
テキストのような解釈を度の報道でもやっていくと、無内容な危機意識過剰で手詰まり状態になる。
反省すべきは反省してもらいたい。

わたしがこの動画に最初、注目したときは、音声だけでなく画像も乱れがちであった。
その時、コレは内田樹の本よりも数倍面白い掘り出し物だと注目し、もう一回見直したときに、内田樹講演と対談の流れに沿って、テーマごとに析出時間を確定し、仕分けをするメモをとった。
 
>いずれ記事にするつもりであったが、メモを相手によくよく考えてみると、一種の政治漫談のごときものに映って、そのテーマにそって自分の考えを添付しなければと思いなおすと面倒くさくなった。
>わたしは「街場のアメリカ論」を読む限り、内田さんをあまり評価していない。
そういうヒトの存在を知ったのもここ数年で、あまり関心はなかった。

小山乃り子さんは関西では知る人ぞ知るメディア、パーソナリティーである。歯切れがいい、きりっとしている元アナウンサー出身の関西タレントでは珍しい存在である。べたついたところがない。いわゆる仕切り屋さんで、黒柳徹子より、あそこまで「馬鹿」になれないだけで、「高級」ではないかと。
 
自衛官の泥和憲さんは、私が知っている限り、かつての反戦自衛官たちよりも、幅広く地に着いた見解が述べられる貴重なヒトである。
 
会場の舞台を飾る文字看板もときには笑いが漏れる周回内容と合致した、ゆとりを醸し出すもので、とても素人の作とは思えなかった。
 
>司会の小山さんの出だしも良い。いきなり名前を名乗らず、話の途中で思い出したように名前を告げる。話術である。
>関西では、いきなり名前を出すやり方もある。誰とは言わないが既に引退した有名タレントはこの手を使っていた。
アメリカでは、伝説のカントリーシンガーソングライターのジョニーキャッシュが、舞台に登場するなり、アイム、ジョニーキャッシュといって、楽曲を始めるのだが、スーパースターの彼にとって言わずもがななのだが、コレがトレードマークであった
関西の引退した有名タレントはこのジョニーキャッシュ流を知っていて、トレースしたのだろう。
 
>全てを総合して、これからはこういうユトリ路線が大切なのではないだろうか、と考えさせられる集会だった

 さて、IWJのこの集会動画を俎上に仕分けした主要な論点について、書いてみたい
 
(1※3月19日テキストを追加しました!は内田講演に対する主要論点の整理の仕方がわたしとは、まるっきり違うところが多すぎる。誰がこんな整理の仕方をしたのか、反省してもらいたい。話の枝葉と幹を取り違えている
 
「この経済力で、人口が減っているとはいえ1億人もいる中で、日本が北朝鮮化したら、『イスラム国』よりはるか怖い、東アジア最大のリスク要因が発生することになる」──。
コレ内田の最大のレトリック
 
以下もその類似。
「たとえば尖閣諸島で、自衛隊員が中国軍に殺されたら、日本の右傾化メーターはあっという間にレッドゾーンに達し、「徴兵制」が甦ることも十分考えられると、内田氏は言う。そして、今の日本には、戦後70年間「いい子」を演じてきたことによる疲れが見え隠れする、とも述べ、こう懸念を表明した。
 
 「そういう状況で、『別に、悪い子でいいではないか』という気運が高まると、沈静化することはできないと思うし、そういった気運が高まったとしたら、日本社会の下層で貧困にあえぐ若者らは、それに飛びつくと思う。『自分は徴兵を受ける』という声が続出するのではないか」――。
内田は、面白半分、脅かし、そして真実も含んだれレトりックとして使用しているろ、自分でも最後に述べている
 
「(A)部数減少が激しい朝日新聞には辛らつな言葉を浴びせ、(B)インターネットの普及なども背景にしながら、(C)今後、日本人に新聞離れが続けば、「日本は、世界に冠たる財産である知的中産階級を失うことになる」と、強い調子で警告を発した。」
 
(A)朝日新聞批判は確かに冒頭から続くが、政治漫談の前振りである、ことが分かる。
よく聞くと読売新聞の部数減の方が激しいと具体的な数字を得げて指摘している。
私に言わせると、今更、朝日新聞どうこうの時代ではないという時代認識がある。では何とか新聞丸出しの読売はどうなのか?である。早まってはいけない。
もっとも、朝日に云いうところの「左翼』的リベラリズムを期待する方が間違っているのである
いざというときに、攻撃される立場にあった者なら誰だって知っていることだ
>それでも今はけなげに、マスコミに何とか報道してもらいたいと、しているのではないか。コレが現状。先は長い!
 
(Bインターネット媒体を同じ意見の者同士が寄り集まっているタコつぼ化して、タコつぼ間の交流のない現象として強烈に批判している。
柱状社会というのがある。階層の上から下まで宗教などの分化によって、「大人の」済分けができている社会。かつてのオランダなのどそうだったらしい。今のアメリカもこの部類である
日本の情報化社会の現状は、そこまで至らないから、ある意味で、ショックドクトリン的状況に耐性がない。昔の記事で織り上げた加藤紘一のいう地上100メートルに浮遊する風船群の危うさである
ネット社会こそ独占化し、風向きに流されやすい体質を持っている、という面も重視する。フォロワー何万人などというのは仮想現実、錯覚を引き起こしやすい源である。
 
C)に関してやっと自分と論点が重なった。
なかなか面白い視点だと、最初は思って、振り返って考えてみたが、新聞購読人口3000万世帯の知的中産階級という発想こそが、内田独特の安心立命論法だとすぐ気付いた
>いわば、内田側から、ある種の共同政治幻想を煽って、それが壊れていく様を、コレまた共同政治幻想にしているのである。小国日本論の系譜である。云っている意味がわかりますか?
 
 確か3000万世帯は異常現象であったが、それなりの論理的歴史的な説明はつく。すでに語りつくされている。
外部から法制によってまじ切られ特権の付与された先進国には類を見ない寡占市場が成立していたのである。戦後日本の余剰労働力人口、狭い国土、都市集中。一定の共同体の存在、中途半端な教養主義。もろに日本的な特性を数え上げたらきりがない。
そういう知的中産階級がなし崩し的に崩れていくのは、世界中でどこにもなかったことだから仕方がないのであって、内田自身も対処法は指摘していない。
むしろ、そんなものは壊れるにまかした方がいい。そこまで心配すればきりがない。政治幻想が取り払われて、見えるものが見えてきてよいことである。

以上の記述中で内田講演から仕分けした主要論点が2点でてきた。
(1)新聞3000万購読者=言論のプラとフォーム論。
(2)ネットメディアの言論のタコつぼ化=タコつぼ相互の交流のない異様性は何をもたらすか。支持されているという勘違い。

(3)動画映像 1時間04分過ぎ。
対米従属を通じて対米「自立」?を求めるといく日本支配階層とその歴代政府の政治的軍事的ねじれ、という内田樹の繰り返しているテーゼが分かり易く述べられている。もっとも難しく論じる力量はないのだが
  
 
<対米柔道の成功体験の二つの刷り込み>アメリカに媚びへ伝ってもOK!
 
成功体験刷り込み、その1。
サンフランシスコ条約による国際法上の主権回復。
内田に言わせると日本に非常に有利だったということである。しかし、朝鮮半島の生々しい事態、ヨーロッパ東西対立の緊迫した冷戦直下の情勢を内田は考慮していない。
この話をすれば、笑っていられなくなる。硬派丸出しの講演になる!
分かっていて手控え、自分の世界を構築したのが内田議論である
>したがって、それを鵜呑みにしないで政治漫談の一種として聞く大人の対応が必要である。
緊張と緩和ここは緩和も楽しむ緊張の場である!
戦後の先進国に類を見ない経済急成長。
Wは冷戦体制の最大に受益者日本と総括するコレはいいとか悪いとかのではなく、大きな視野でみた動かし難い事実である。近隣の戦争で平和な兵站日本産業を特需を受けた。同時に過剰生産の市場を確保できた
 
成功体験の刷り込み その2
沖縄返還。わたしとは意見が違うがここでは言わない。
 
6年目主権回復(国際法上の!)
  ↓
21年目沖縄返還
  ↓
そのあと何もなし!!
  ↓
刷り込み その3
冷戦体制崩壊
W。冷戦体制の最大の受益者日本経済としては、土台を揺るがす事態であった。

時系列で前後するが
講演 59分過ぎに日本国憲法第9条論を展開している。
>内田の議論は9条2項の国家武力放棄を日本軍事力を弱体化させる目的とのみ限定して語っている
とんでもない。それだけであろうはずがない
 
前文があって。1~8条は天皇の権利と義務を規定したものであり、そのあとの9条である
>>その意味する眼目は米権力が占領統治に使う戦前の日本軍事力の精神的切っ先となった天皇制を飼いならすためには、バランス要因として、どうしても強烈な武装解除要因が必要だった、というリアル政治(軍事)からの要請があったと指摘しなければならないのである。
>>この点を指摘しない、憲法第9条米軍事権力にる日本弱体化論は、リアルな政治の現実をみないで、現状の天皇制を戴くと称するアベ等の憲法観と次元は同じである。
違いはリベラル?天皇論である。
であるからして冗談半分で内田から、憲法を擁護しているのはアメリカと天皇制だという発言が漏れる筋書きができる。

1:11過ぎ オリバーストーン監督の広島発言
アメリカに忖度して動く、「日本は政治的に何も代表していない」
W。忖度(そんたく)というところが凄い!

1:18:30過ぎ 対米従属極まった、忖度(そんたく)は支配上層に顕著
  ↓
対米従属そんたくのキャリアパス現象
1、政権 ココはパスしてみいいそうだ。 丸ごと従属そんたく領域だから、という意味だろう。
2、それよりも直接アメリカにショートカットで結びつく。 W。竹中平蔵などなど、輩か?

1;18;50過ぎ  得意の橋下徹批判! アベ応援の意味での、米軍沖縄司令官を目にした発言で米国メディア発で徹底的にたたかれる。
結果、<学習し>大阪府八尾市の空港にオスプレイを!発言。アメリカご主人様、キャイ~ン

1;21過ぎ  
韓国の反基地闘争を外国人記者に聞かされて初めて知った衝撃を語っている
そんなことは日本の新聞はどこも報道していなかった。実際に在韓米軍の3ぶん1は撤退している。日本の約半分。

1:29過ぎ  
>ココの発言に最初注目したが、
日本の政治支配層の規定を、買弁という用語の解釈から始めているので古すぎ、状況違いすぎで、がっかりした。
>結局、内田のような学者のいの一番にやることは、こういう基本的な政治経済軍事関係のキチンとした研究がまずあって、そののちの政治漫談であればいい。
>ところが、買弁規定ではどうにもならない、会場の外では説得力を持たない。
>オリバーストーンはアメリカに忖度する日本は何も代表していないというが、唯一代表しているものがある。
日本支配層、自らの利益である!ココがこれからの日本政治の核心中の核心である。

泥和憲、の対談での発言は貴重なものである。いきり立っていないところがいい。冷静である。
>最大の注目点はわたしが再三再四指摘している、低強度戦争の解説をアメリ国防省の公開サイトから説明している。
>要は現地の反政府勢力への謀略的援助による反乱助長をアメリカ流民主主義、<市場原理>の移植とワンセットで行うというjことである。
ココの泥発言を聞けば、わたしの指摘する低強度戦争戦略がわかる。