日本プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)~和製英語だな~と銘打ったセパ12球団の半数の6球団が参加する対戦カードは大詰めを迎えた(ファイナルステージというらしい)。頭文字をとると、CS、FSかな?
9回裏だったか、巨人の打者ギャレットジョンソンが内角ギリギリに投じられた直球を<オカマ>の腰振りのように腰をひねってよけると、審判のストライクコールであっけなく三振だった。
何やってんだ、それでもプロの打者か!と。三振をしてバッターボックスを離れるギャレットの恨めしそうな情けない表情をみて余計に腹が立った。闘争心がまるっきり伺えない。MLBでああいう形の三振の前後の素振りをする打者は動画を視聴する限り、一人もいなかった。
ま、後で考え直したけれど~。
インサイド、ぎりぎりのあのコースはMLBでは、完全なボール球だ。
一瞬の体感化した判断能力があったから、MLBでそれなりの好成績を収めてきたのだから。
野球ファンはなかなか打者のリアルな目線、心理で判断できない。守備についても同じことが言える。自分がその瞬間に立ち会えばどうだったのかと、想わないことはない。
生きた球はなかなか打てないものだし、痛恨のエラーはする。
だから、ギャレットをよく知らない自分はあの三振のシーンは大目に見るしかない、と云い聞かせる。
しかしどうかな?
今シーズン通してのギャレットをみてきた巨人ファンがあのシーンをどう見るか?
ましてや高橋監督筆頭とする首脳陣がギャレットをどう見ているのか?
(ストレートと書きたいところだが、今回は敢えて止めた。MLBにストレートの野球用語はない。考えてみると、投手の投げる球筋を他の球種と比較して速い球はあっても、物理学的に真っすぐな球は投げられないのだから厳密な用語の使い方だ。
→参考資料資料③
MLB 用語集
ということで、横浜VS巨人戦は見る気がしなかった。
ロッテとソフバンの対戦は是非見たかったが、地上波やラジオの中継放送はなかった。
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6球団の内、3球団は新監督誕生でシーズンを迎えた。
しかも全員、監督コーチ経験無し!
>3人合わせて割れば、素人監督が6球団中3球団もそろい踏みした異常事態が出現したのが2016年セリーグだった。
球団経営者にプロ野球に対する何か大きな勘違いがあるのではないか!
特に阪神の場合、酷過ぎる。監督不適格者を見極められていない!
順位の上から云って、巨人の高橋監督は例の野球賭博問題発生で急きょ監督に就任せざる得なかった。
打者、高橋由伸 - Wikipediaは代打の切り札として極意を極めようとする最中で、まだまだ上り目があった。
>想定すると、代打高橋が2016年の巨人にいたならば、巨人は3勝以上の上積みがあったのではないか。
ちなみに、このウィキペディアの彼と野球との関わり方を読んで、人間高橋由伸 - Wikipediaに共感した。落合博満 - Wikipediaも紆余曲折があった。野球の才能があっても途中で止めたヒトは一杯いると想うし、止めなくて続けていても才能を目いっぱい発揮していない人はたくさんいる。後者を見極めるのがプロ野球のスカウトの力である。ロッテの角中勝也 - Wikipediaは四国アイランドリーグ出身。
ということは高校ドラフトで指名していたら、回り道しないでストレートに伸びていた確率は高い。
高橋は巨人の監督になりたい、などと少しも思わなかったのに、監督を引き受けなければいけない立場に立たされ決断した。
>高橋由伸 - Wikipediaを読み込むと、多分彼の将来設計に監督はなかったと想う。勝利監督インタビューを聴いていると思わず吹き出したくなる。速く終わりにしたいという気分が丸見えだ。
球団は監督業に何の魅力も感じない人物を事の成り行きで監督に据えた。消去法で監督高橋になったのだろう。
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横浜のラミレスはいずれは日本プロ野球の監督をしたいと思っていたヒトだ。
多分、日本プロ野球選手人生の晩年は、MLBと日本プロ野球を監督目線で並列してみていたと想う。群馬の独立リーグの幹部をしていたことを含めるとラミレスは3つの次元の異なる野球目線を持っていた。この多重視角は大きな財産で、新監督の中で圧倒的なアドバンテージになったはずだ。
ラミレスは監督としての最初のボタンに掛け違いは全くなかった。
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阪神の新監督金本は<デモ、シカ>監督である。
監督デモなってやろうか、シカシなあ~。金本の躊躇はこのレベルであった。
身びいきが激しすぎる自己中病の阪神ファンは、金本の最初のボタンのいい加減な掛け違いを無視して、責任を持って監督業に励んでくれていいるものと思っている。
主として関西マスコミ発信の金本象の余計なフィルターを取り除き、実体関係を直視するとよくわかる。
だから、投手分野は担当に丸投げを最初から公言できるし(こんな軽い発言は新人監督ではあり得ない)
シーズン半ば過ぎから、攻撃のときのサインも作戦バッテリーコーチの矢野に丸投げしている。
だったら何をしているのかといえば、片岡打撃コーチの仕事の一部を譲る受け、打撃コーチ目線で試合に参加している。
いつの間にやら、一番楽な立場に自分を立たせているのだ。呈の良い監督業務の放棄である。それで良いとしているらしい球団オーナーは異常である。
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2016年の阪神タイガース4位の下にヤクルト、中日の2球団がいたとは予想できなかった。
今年は10数年ぶりに甲子園球場に足を運んだ。2回も!記事連発している以上、現場をみるのは当然のことと思っていた。
どちらも観衆が少なくくじっくり野球が見られる試合を選んだ。
後の試合の対横浜戦に行く前に広島、巨人以外の各チームの日程表を書き出してみた。
目的はCSに進出するのはヤクルトOR横浜を予想するためだったが、阪神の甲子園球場に居座ってのスケジュールが組まれていることにびっくりした。なんだ、この日程の組み方は!コレは春ごろの金本阪神の人気に便乗し、例年繰り返される終盤の阪神の失速をカバーし面白おかしくシーズンを盛り上げる意図でつくられたものと思った。
結果的にこの甲子園に居座り、対戦成績の良いカードが組み込まれている日程が功を奏して、阪神は借金を減らし、4位に浮上し、何とか格好をつけた。
>阪神は最終盤の戦いにおいて勝ちに行き、帳尻合わせをしたのである。
自分は球場で見て投げるときにタメができて良くなっていると実感した秋山投手をもう一回見たかった。
秋山投手を登板させず、既成の投手で勝ちに行った阪神首脳陣は自己保身と帳尻合わせをしたといわれても仕方がない。そんなみみっち心根で大きなことができるわけがない。
もちろんヤクルト、中日の失陥にも助けられた。
それまで甲子園で負けたことがなかった巨人は、2連敗した。
しかもスコアをみる一方的な負け方だった。
この辺から巨人のチーム状態が下降線をたどっていたのではないか。
甲子園の阪神の試合は全くみていないので実際の良ところはわからないが。
>しかし、阪神のような今までのプロ野球史にないいい加減な方針の野球をしているチーム(ペナントレースの目標に最初から勝負気配は薄い!こんな方針でシーズンに臨んだチームはかつて記憶にない!)の下に2球団も存在するとは、如何に、セリーグの野球がレベルに低状態であるか、という証明でもある。
>実際のところ、阪神中心の試合しか見ていないので他球団の実体に踏み込んでどうこう云えないのだが、阪神の試合は負けるとか勝とか以前に、見るに耐えないモノ感じる。ちっとも面白くないどころか怒りさえ感じる!
>そんな時は見ざる聞かざるが自分の流儀である。
>ただし云うべきことは云いう!
甲子園に試合がある日に2軍の鳴尾浜球場に駆け付け、マジカに野球をみて面白かったし参考になった。
勝ち負けは一切関係がなく、両軍の選手たちの動きに注目した。
高校野球などを何百回見るよりも2軍の試合をじっくりと見た方が野球観を広げれれる。
岡田二軍監督の時代にもっとも多く鳴尾浜球場に通った。
そのころの2軍選手の中で岡田さんが1軍監督になって1軍で活躍した選手は片手以上に及び、その自分の体験から、2軍の野球とはどういうものか(勝利最優先にしない岡田さんの監督の仕方でどうあるべきかも知った)、2軍と1軍のレベルの違いをリアルに知っているつもりだ。
以上のような体験値から云えば、2016年の阪神タイガースの1軍の試合に2軍レベルの選手が繰り返し出場し稚拙なプレー(未熟ならば熟成できるが稚拙は成長力がない!)をしているのをみると、怒りさえ湧いてくる。
1軍と2軍の違いについて、誤解している人が多い。
2軍のレギュラーの選手の多くは1軍に抜擢されると短期間はそれなりの成績を納めることができる場合があるが、コンスタントに力を発揮できない、という事を知らないヒトが多い。
プロ野球とはそういうところだ。
MLBも同じことが言えるが、162試合の過酷日程の事情はかなり違う。
40人枠ロースター(登録選手=大リーガー契約選手)のうち25人ベンチ枠以外の15人の大リーグ契約選手は(基本的に投手と野手は半々)はマイナーの野球をしながら昇格を待ち、過酷日程の中で実際に25人ベンチ枠に必要な選手はかなり出てくる。
日本プロ野球契約選手は70人枠で、MLBよりも30人も余計に枠が広がっている。
MLBの球団の選手契約の視点に立てば、大リーグ契約をしても1軍の試合に出さなくても良い選手を30人も余計に抱えることができると云う使う側にとって便利な制度だ。
MLBでこんなことをすれば球団経営は成り立たないし、無理やり枠を広げると、人気NO1スポーツのアメフトとの関係で、メジャーリーガーの価値が下がって有能な野球志望者を確保できない。
25人ベンチ枠の選手で過酷日程をこなして行こうとすれば、1選手が複数のポジションをこなすとか、DH制を利用して休みをとるしかない(その点、アメリカンリーグの方が有利。日本のパリーグにも同じことが言える)。
また25人選手枠に入った選手に対して3シーズン以上マイナーに落とすことができない(川崎宗則のようなマイナー25人枠に入らない日数の多い選手は4シーズン)=マイナーオプション。
したがって、MLBの40人登録枠は実際の必要があって、設置されている。
多分その起源はアメフト40人選手枠に習ってモノのかもしれない。
以上のような日米野球の契約ルール上の違いや試合数のちがいという大まかな二つの野球環境の相違を前提にして、2016年の阪神の2軍の稚拙レベルの選手を起用する基本戦略をみると実に馬鹿げたことをしている、と気付く。
誤解を恐れずに言えば、2軍で当分の間、飼い殺しや塩漬けにしなければならないレベルの選手が、波状のように1軍の試合に延べて登用され1軍のチーム状態は混沌としてきた。
戦争に例えると、前線が1軍野球とすると、2軍との間に兵站が完備し、先に示した短期間に限ればある程度の力を発揮できる<2軍の稚拙な選手>が繰り返し前線で短期間戦っては2軍に戻っていく。
敵軍も同じような戦法をとっているのならばまだしもそうでないのだから、こんな状態でズット前線を維持すべき1軍兵士が敵と戦えるだろうか?
2軍と1軍が一体となって戦っていくという戦略は間違っている
2016年の阪神球団及び現場首脳陣の戦略的間違いは、<稚拙な2軍選手の見極め>という肝心な仕事をスルーして、1軍のチーム力を低下させたまま放置したことである。
監督金本は最終戦で16年の低迷をファンに対して謝ったらしいが、基本方針の誤りを謝罪した訳ではない。
「来年も勝ちながら育てる」などと来年の抱負を語っている。
その意味するところは、16年に登用した選手の中で、彼等の目から見て、使えそうだと想った選手は、来年の補強との絡みで、ポジションを優先的に与えていく。ソレが秋季キャンプでやるという複数ポジション制である。
>結論的にいえば、
他球団にいけば、レギュラーを務まらない素材の選手をポジションや打順を変えて使い続けたら、もしかして成長してくれるのかもしれないという淡い願望を吐露しているだけである。
自分の感想も同じである。
原口、北條にはレギュラーをシーズンを通して全うできない<素材としての欠陥>がある。
割り云って云えば未熟な選手ではない。欠陥が大きすぎる稚拙な選手である。割り切って配置転換をするのが常道であるが、その勇気が首脳陣にない。
投手と違って野手はなかなか育たないものである。
>ソレでも4位が確保できたのは2016年のセリーグ野球が他球団の特殊事情が重なって、低レベルにあったことに主要な要因を求めることができる。
>もっと根源的にいえば、セリーグの野球が想いの他、レベルが低くなっているから(選手層が薄くなっているから)、チーム力(順位)はドングリの背比べの様にコロコロ変わる、とも云える。
015年に優勝したソフバン(~ヤクルト~)が次の年に大借金を背負って5位になることはいくらけが人が出たといってもあり得ない。日ハムのBクラスもない。
AクラスとBクラスがシーズンが終わってみると大体固定しているのは、レベルの高い野球をしている証拠とみなすことができる。
1軍レベルの野球であれば、投攻守にコレぐらいの事はできなければ、という基準がある。
その基準をはみ出る場面を度々目にすると、チームへの愛着や贔屓目は次第に萎えてきて、プロ野球へのリスペクトはなくなる。
16年の阪神の野球に関して言えば、投守攻の素材がそのままむき出しになって自分の眼前に投げ出されているだけで、その隙間に満杯に詰まっているはずのプロ野球の醍醐味、面白さを感知できない。雑駁な野球そのものとしか言いようがない。
クライマックスシリーズの横浜VS巨人戦も50歩100歩と思ったから関心が向かわなかった。
巨人のエースが体調不良で登板できないなんてことはCSが始まって以来、なかったように思う。
それ以前の日本シリーズでもエースが登板できない状態になったことなど記憶にない。
3連戦の勝負の結果はやる前から解っていて当然なのである。
2015年→2001年 年度別優勝チーム
パリーグ 10
セリーグ 5
その前に遡っても、
1977年~75年の上田阪急の3連覇。
1979年→80年の赤ヘル古葉2連覇を挟んで、
1982年→85年(この年は阪神の制覇)広岡西武の連覇を受け継ぎ
1986年から1992年(森監督~広岡の参謀役だった)まで、西武の黄金時代があった。
>そうすると、西武黄金時代は実質的に1982年→1992年の実に10年の長きに及び高度経済成長時代の川上巨人の9連覇に匹敵するものである。
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>指名打者制のチーム力アップへの波及効果の結果ともいえる。
>また球団経営に対する投下資本の相違もある。
一端、球団経営がキャッチアップする条件が整うと大規模投資による設備投資や人材が確保できる。
>後発の優位性もある。
*MLBのDH無しのナリーグ、DHのアリーグの2015年→2001年の年度別優勝回数を調べたところ、
ナ、リーグ8、アリーグ6という結果になった。
もっと遡って1983年までの年度別優勝回数をみると
ナ11回 ア13回となる。
↓
ワールドシリーズ歴代優勝チーム
ココから先は不具合と時間不足で説明を省くが、この間、カブスを中心にMLBの試合動画を視聴してきた結論として、DH制のアリーグとDH無しのナリーグでは別な野球をしているという印象を強く持った。
ナリーグの野球はいわばパを含めた日本プロ野球のより強力な程度の野球で、同じ次元の野球である。
ア、リーグ野球はそれとは別の次元の野球であると感じる。
>この現象面だけみるとDH制採用以降の日本プロ野球の方が両リーグの実力差が格差にまで広がって定着していると、読み解くことができる。
企業努力の差や、監督コーチ技術の違い、投下資本に違い、球場の広さなどの違いとDH制が絡み合って格差にまで広がったという事もできる。
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坂路調教設備の設置できる環境の違いによって(当然、関西厩舎は弱い時代に工夫してきた)一気に逆転していた経過を実感している者にとって、セパの逆転の要因がDH制の波及効果だけでないことが分かる。
狭い球場のセリーグでDH制を採用すると、極端な投手受難の時代が来るだろう。
直近のナリーグの動向はDH制採用に向けて動き出しているという記事もある。
野球体験人口の割合が日本よりも少なくて、アメフト断然人気の米国では、細かい野球の多いナリーグ野球(日本の野球と次元は同じとみる)は退屈なものと感じられることも想像できるので、当然の動きである。
(最後の方に2本の面白い関連記事を載せた)
メジャーリーグはこうして生まれた
↓同種類の記事
セに朗報 DH制採用 パとの格差解消へ 米ナ・リーグ現実味で追随も
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20160121/bbl1601210830004-n1.htm←W。そんな簡単なものじゃない、と思う。
単純に考えるならば、セパを1リーグ制にした方が良い。セリーグの大半の球団はCクラスに低迷したまま浮上気配なしだろう。
道理で6大学出身のプロ入団打者がぱっとしない訳だ。ソレにあそこには東大野球部などという論外の存在もある。