反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

日本のコンテナ、海運業界について

<海運業界研究:現状:基本情報>
市場規模:5兆9043憶円 労働者数:5151人 平均年齢:39.4歳 平均勤続年数:13.1年 平均年収:746万円
 
 海運業界研究引用
「注目したいポイントは、市場規模の大きさと、労働者数の少なさです。他の業界と比較して、海運業界の市場規模は、大きい方だと言えます。しかし、労働者数は、他の業界よりも少なめ。少人数で、大きな市場を動かしている業界だと考えられますね。
また、平均年収が高い点も、海運業界の特徴と言えるでしょう。一般的に、労働者の平均年収は、440万円と言われています(※2)。海運業界の平均年収は、746万円なので、水準と言われている440万円を、300万円以上も上回っていることになります。かなりの高額年収と言えそうです。」
 
<海運業界の現状:業界シェア>
業界シェア1位:日本郵船 業界シェア2位:商船三井 業界シェア3位:川崎汽船
 
引用 W。派手なコマーシャルを打つ訳でなく、普段人目につかない特殊業態だが、業界上位企業の売上高は意外に大きい。
「業績ランキング1位の日本郵船の売上高は非常に高く、その金額は2兆2372憶円、37.9%を占めています。2位の商船三井の業績も非常に高く、1兆7292憶円で業界シェアは29.3%です。3位の川崎汽船の売上高は、1兆2241憶円。」→W。東京急行電鉄 売上高 連結:1兆670億9400万円
 
売上高順 61~80位 
 
 
>「1位~3位の企業だけで、海運業界全体の市場規模の87.9%を占めていることになります。」
W。大手海運会社の船舶の大きさは中小海運会社とはケタ違いで、輸送量に大きな違いが生まれる。当然、給与などの待遇面で格差がある。
平均勤続年数:13.1年という短さはこの業界の労働環境の特殊性によるものである。
W。参考資料
日本海難防止協会情報誌
海と安全 2007年 秋号
【特集】
内航海運の
船員問題を考える
W注 内航海運業とは ?内航海運業界の法的に規制された荷主、オペレーター(内航運送業者)とオーナー(内航船舶貸し渡し業者)の関係。
>W。部外者には解り辛い。一言でいえば、零細企業の多い業界で一定以上の経営規模を持つオペレーターを保護する法律である。
*法的にオペレーターとは
荷主と直接運送契約を行う者で、一般的には自社の保有船舶とオーナーから用船した船舶で輸送を行っています。
また、一定以上の基準船腹量を確保することが要件となっています。なお、オペレーター、オーナーという概念、営業形態は海運一般に見られるものですが、法律上で両者を区分しているのはわが国のみであり、これは零細事業者が大半を占める内航海運業界において事業規模の適正化を図る観点から、昭和41年(1966)より制度化されたものです。
オーナーは荷主との契約は認められておらず、一般的には船舶と船員を保有し、オペレーターとの間に用船契約を結んで、実際の船舶運航を行っていますが、←W。荷主と直接契約を禁じられているのだから、結果的にオペレーターの下請け的海運会社になってしまう。零細海運企業乱立による用船料と運賃の低下(労働条件悪化)に歯止めをかける法律だろうが、荷主、オペレーター、オーナーの構造的矛盾を温存。
 
なかには船舶のみを所有し、他社と裸用船契約を行う形態、船員のみを保有し、他社から船舶を借り受けて用船契約を行う形態があり、後者はマンニング(Munning) 業者(労務供給業者である)と呼ばれています。
 
取材 船会社の実情を聞く
「当社の場合も内航船社の例に漏れず、所属船員の高齢化は急激に進んでいる。年齢構成も50~60才代が中心。毎年数人ずつ新卒船員を採用しているが、育成に苦労している。」
「、昨年、司厨部育成に向け、清水海上技術短大の司厨事務科(昨年で廃止)卒を採用したが残念ながら定着しなかった。
同業他社の話では、携帯電話が通じないからという理由で下船してしまう例もあると聞いており、即戦力は求めないが、船乗りとしての素養が必要だと思う。新卒船員を小型船に乗せられないのは、
現在の用船料では育成に必要なコストがカバーできないことと、乗り組み定員が少ないため、新卒者を育成する体制がとれないため。」
 <小型船の用船料は依然低迷>
、現在の運賃・用船料の水準では、いずれ内航の小型船はなくなってしまう。
少なくとも、船舶のリプレース(代替建造)と船員の育成ができる水準が必要だ
 <外航海運も船員不足>
~省略~
 <急がれる船員職業の魅力アップ>
業界全体で考えていく必要があるが、せっかくお正月などの長期停泊がある場合でも、岸壁使用料は船のトン数×単価×日数で算出するため大型船はどうしても岸壁使用料が高くなる。したがって、用船先であるオペレーターからは、経費節減を理由に船の沖だしを求められる。」←W。ナルホドな。岸壁を離れて明らかに休暇停泊している様な船を良く見かける。小型内航船に多い。ひなびた小さな港に正月期間中停泊していた小型貨物船もここ数年見かけなくなったのはこのせいでもあったのだ。
RORO船(W。カーフェリーの様にトラックが直接船内に出入りして積み荷の出し入れをできる船舶。基本的なスタイルは一端、積み荷を船内に降ろして又積む。~クレーンなどの港湾設備はイラナイ、内航の自動車運搬船新聞紙のロール巻き、など各種の決まった積み荷を定期航路で運搬する場合が多い。)の場合は、カーフェリーと同様に、毎日の航海もタイムスケジュールにしたがって隙間のない運航をこなさなければならない。
たまの休みは岸壁でいつでも上陸できる状況にしてやりたいというのがオーナーの心情だが、ままならない。乗組員の気持ちを考え、オーナーが岸壁使用料を負担し、利便を確保することもあるという。
今岡専務は~。

広島シッピング
当社の管理船舶は、4人乗組み/5人乗組みで構成されている小型船が中心で、少人数での運航は、常に余裕の無い状態にある。病気/近親者の不幸/怪我/突然の下船者などのアクシデントが発生して、運航
に支障をきたさないためには、常に陸上担当者と船側の極め細かい連携が求められる。
一方で、高齢者が多くなった職場には健康チェックが欠かせない。チェックリストと
血圧計を配布し乗組員の健康チェックを実施している←W?
<労働環境整備への課題は山積>
「経済が発展していく幾十年も前の過程で、内航船の人材確保は日本の過疎地にある若者で充分に補われていた。
船舶の環境や居住性も、その当時の職場と田舎暮らしの居住性では同等、またはそれ以上であったかもしれない。
しかし、内航船舶の環境や居住性は、今も当時の状況のままに据え置かれている。
目覚しい進化を遂げたものは、運航効率を上げるための周辺機器のみであり、船員のためのものはないといっても過言ではない。
「そこで働く人たちへの配慮や理解は程遠いという現実だ。居住区の面積が狭いこと、
調理担当者が乗船していないこと、
船が着岸時に上陸手段がないこと、陸上に比べ船員保険料など社会保障費の負担が大きいこと。
労働保護法である船員法に定める労働時間が守られていないこと、労働協約がない船が8割を占めるため、組織船に比べ大幅に少ない休暇日数で我慢を強いられているなど、例をあげればきりがない。
 
「船員の高齢化による不安全な要因ついては運動能力の低下高血圧など高齢化による健康条件の不安
視力/聴力の低下 判断反応の遅れ 一人当直での居眠りなどがある
厳しい海上の条件に適合しない労働力であり、これら高齢化の波は急速に広がりつつあると旗手社長は心配する。
<育成・習熟には3年が必要>
単に定員への数合わせは、資格のみを鵜呑みにして、漁船などから転職してきて間もない人達が瀬戸
内海の一人当直にあたるということでもあるという。
 
(株)イコーズ
<船員の引き抜きが横行>
内航の特色として海技資格を有する船員は、その能力に応じて高く評価される船会社を自由に選択し、異動していく傾向が強い。
中途採用(船員の引き抜き)をする船社も船員個人の選択の自由を悪用するという構図だ。業界内部の自社で船員を育成・教育するという意識が乏しいことは事実。
安易な方法で船員を確保するというのが当たり前の世界だと、畝河内さんは嘆く。
<このままでは労務倒産も>
*********
<国内輸送機関別貨物輸送シェア> (%)
         トン キロ        %/トン数
自動車    58,7        91,2
内航海運   37、1        7,8
鉄道      4,0         1,0
航空      0,2         0,0
「陸上におけるトラック業と同様に、顧客に比べて輸送業者が零細であるため、市場は極端な顧客優位の状態になる。その結果、トラック業と競合するコンテナ船やフェリー・RORO 船の分野では、いつまでも低運賃での運航に甘んじなければならず、就労環境整備や安全対策に本腰を入れる余裕がないのが現状である。
また、バルカーやタンカーの分野では、大手メーカーの下請け的な長期関係が固定しており、内航海運業者が常に従属的な立場に立たされてきた。
内航海運の進化と戦略策定
「。長年トラックの優れた利便性に勝てず、道路における渋滞、事故の多発および大気汚染を引き起こしながらも、モーダルシフトが進まなかった。(表参照)
しかし昨今、地球環境保全のために、個々の企業が輸送コストを多少犠牲にしてでも環境に配慮した輸送手段を選択するという風潮が急激に一般化してきた。
やっと内航海運が脚光を浴びる世の中になったのである。
 
    韓国における内航海運の船員事情と課題
韓国聖潔大学校経営学部教授(前)海洋政策研究財団研究員
ハンジョンギル
韓鍾吉
外国人船員雇用の現状
現在、韓国籍船には2005年末時点で、7,960人の外国人船員が主に部員として乗船している。
主な船員供給国は、中国、インドネシアベトナムミャンマー、フィリピンなどである。
そのうち、外国人船員の内航船への乗り組みは、2004年から始まり、一隻あたり3人、もしくは30%以内で、韓国内航海運全体で500人を上限に外国人部員の雇用が労使合意のもと、認められるようになった。
最低通常賃金は、手職級が70万ウォン、員職級が65万ウォンとなっている。韓国人部員のそれは、90万6千ウォンである。
しかし、陸上の外国人労働者は、韓国人と同じ最低賃金が適用されているので人権団体などから是正を求められている。
そして、内航船に比べて雇用環境がよい外航船へ流れる外国人船員も多く、これからさらにベースアップされる可能性が高い。

W注 用船料とは?
引用 最大手の韓進海運が法廷管理になった背景(後) http://www.data-max.co.jp/280913_ry02/
「海運業を理解するためには、まず用船料を理解する必要がある。用船料とは、船舶を船主から借りるときに支払う賃料である。海運会社は船舶を全部自前で保有しているのではなく、船舶を借りて営業をしている。韓進海運は合計151隻の船舶を保有しているが、その60%にあたる61隻は、実は用船である。
海運業は2000年代の初めと中盤は、市況が良かった。そのため、海運業がずっと良くなると判断した韓国の海運会社大手(韓進海運と現代商船)は、船舶の確保に走った。しかも船舶を安定的に確保するため、契約期間も10年以上の長期契約を選んだ。
 しかし、予想は裏目に出て、08年にリーマン・ショックが発生。取り扱い貨物量は減る一方、船舶だけは供給過剰状態で、運賃と用船料は大幅に下がった。
 たとえば、18万トンのバラ積み船の1日の使用量は、06年には14万ドルであったが、今は10分の1の1万4,000ドルになっている。このように今の用船料では、経営が悪化が避けられない状況に置かれているのが、韓進の実情である。なので、韓進海運の経営を立て直すためには、何よりも船主との再交渉で、用船料を下げるのが急務である。
 それに、普通は取り扱い貨物量をまず確保したうえで、船舶を確保するのが順序であるが、どういうわけか韓国の海運大手2社は、逆のアプローチをしている。」
 
「韓進海運は、海運業で国内1位、世界8位の企業である。コンテナ船を中心に、アジアと米州路線に強みがあった。韓進海運の法廷管理申請は、一時的であろうが、物流に混乱を引き起こしている。海外債権者の船舶仮差押、貨物運送契約の解除、入港禁止、陸揚げの中止など、余波が続いている。
 韓進海運の未払い金は、用船料2,455億ウォン、運搬費2,200億ウォン、装備利用料1,087億ウォン、燃料代363億ウォンである。韓進海運は、これを現金で支払わないと、作業はしてもらえないし、入港ができない状況である。しかし、流動性危機に陥った韓進海運には、そのような資金がない。
 さらに今後、国際海運同盟からの退出も予定されている。それが既成事実になると、営業はほぼ難しくなる。世界1位のマスク社でさえ、国際海運同盟の力を借りないといけない立場であるため、韓進海運はなおさらである。自社の船舶だけで営業を展開するのは、至難の業である。
 韓進海運の船舶はスエズ運河を通行できなくなったりと、波紋が広がっている。また、韓進海運船舶の入港を拒否している国は、すでに23カ国におよんでいる。」
 

W。現状の海運業界の通例として経営規模の大きさを測る目安は売上高でなく(大手でも非上場企業が多く、輸送の主流がコンテナであるためと解説されている)
       ↓
「経営規模を示すのはコンテナ船の積載容量が一般的」
       ↓
引用 MOL JAPAN W。三井大阪商船合併してM(三井)、O(大阪商船)、L(ライン)。コンテナ船の船腹にMOLと大きく明示。
W。基準は①20フィートコンテナ(長さ 6058mm 幅 2352mm 高さ 2591mm) <8、6hight>である。
      
②40フィートコンテナ (長さ 約2倍12192mm  幅、高さは20フィートと同じ、W違えばトレーラーにのらない
イメージ 1
イメージ 2
 
 
 
 
 
 
 
 
MOLホームページ引用
「ドライコンテナは、一般貨物の輸送に向くように設計されており、3種類のコンテナがあります。ドア部分はパッキンによって雨水の浸入を防ぎ、床には強度の高いPlywood(W強度のある合板)を使用しています。サイドパネル上にはコンテナ内部換気のための防水型ベンチレーターを装備しています。」
 
日本の他業種に比べて経営規模が意外に大きい日本の3大海運会社だが、コンテナ船の積載容量を基準にした世界ランキングでは、下位になっている。
イメージ 3
 
 
9位商船三井はコンテナ船が多い
7位韓進(ハンジン、シッピング)は大韓航空を傘下に収める企業集団。
経営破たんし法廷管理下。結局は巨大な固定資本を必要とする(大型船の減価償却には年数を要するが、船舶の有効機能の寿命は意外に短い)大手海運企業に必要な自己資本率が低すぎたた事、が原因である。
 
 
 
 

 
世界最大手のコンテナ船社・デンマークのマースクラインが、アジア~欧州航路の日本寄港を今夏中止と発表。日本出し欧州ゆき貨物は上海・寧波・タンジュンペラパスなどでのトランシップ(積み替え)対応となる。
 
マースクが日本に寄港させているアジア~欧州航路のコンテナ船のサイズは、20フィートコンテナ換算で1万3000個積タイプ。日本の港に寄港するコンテナ船では最大船型だが、いまアジア~欧州航路の主流は世界最大の2万個積タイプへと、急速に置き換えられつつある
 
言うまでもないことだが、船が巨大化し積載個数が増えれば、それだけコンテナ1個当たりの輸送コストが下がる。世界の大手船会社がコンテナ船の大型化に血道をあげる理由はこれにつきる。しかし一方で、大型船になればなるほど、採算確保のため大量の貨物を積まねばならず、港の「選別」がすすむ
 
日本の港が寄港地から外されるのは、「大型船を入れても採算に見合うだけの貨物がもはや日本国内に存在しない」ことを意味する。加えて、アジアの東のはずれの日本に欧州航路を入れると、毎週寄港のサービス頻度を維持するために同型船11隻が必要。これが上海折り返しだと1隻減の10隻ですむ
 
今回のマースク撤退により、日本と欧州をダイレクトにむすぶ定期コンテナ航路は、日本の船会社2社(NYK/MOL)が共同運航する1航路のみとなる。名実ともに最後の日本発欧州直航航路。しかし、同航路に投入されるのは9000~1万個積タイプ。2万個積みをそろえる競合他社に比べ見劣りする
 
つまり、こちらのサービスもいつまで日本に寄港するかわからない。先述の邦船2社も1万4000~2万個積タイプを相次ぎ建造中だが、就航時には中国折り返しのアジア~欧州サービスへの投入が確実視されているためだ
 
W。門外漢なので詳しい事情は解らないが、上に挙げた世界の港湾、コンテナ取扱数ランキングの図で
<横浜>港ではなく<東京>港がランクインしているところに注目する。
知っている限り、<横浜>港のコンテナふ頭は本牧が主流で、しかもコメントにある様な20フィートコンテナに換算して2万個も積載できる巨大コンテナ船が効率よく接岸できる港湾環境ではないはず。
東京港のコンテナバースは本牧よりずっと後に新設されたもの。自分の知っている頃はなかったが、それでも巨大コンテナ船の接岸には条件が悪いのではないか。
そんなところに無理をして来ても見合う積み荷が確保できなければ韓国や中国の港経由で日本の荷を積んだ方が採算が合う。
 
巨大コンテナ船(多分、1万3000個タイプ Kライン<川崎汽船>)が手狭なふ頭に接岸しているところをじっくり観察していると、タグボート2隻が船首と船尾に分かれて岸壁の方に押してきっかり40分もかかった。コンテナを満載した船底は港湾の底ギリギリのところまで沈んでいたのではないか。
満載した積み荷の中からガントリークレーンでひっきりなしに積み荷を降ろしても、24時間以上停泊していた。
 
大型コンテナ船はできるだけ入出港に便利なふ頭を選んで停泊しているようで、手狭なふ頭よりもズット沖にあるふ頭にはいつも大きなコンテナ船が停泊している。
停泊料がトン数と時間によるとすれば、巨大コンテナ船は港湾環境が悪く、積み荷のはけないふ頭を避ける。
 
「コンテナ船をめぐっては、この1年で、世界的な淘汰・再編が進んだ。業界3位の仏CMA CGMがシンガポールネプチューン・オリエント・ラインズを買収、中国では政府主導による統合が実現した。一方、今年8月には韓国の韓進海運が倒産した。
 その結果、年初には18社だったプレーヤーが14社に収斂。こうした状況を目の当たりにし、「効率だけではなく規模が必要になった。春から統合を考えるようになった」と3社の首脳の一人は明かす。」
 
 <アライアンス(W。連合、同盟。国際カルテルの一種)協議で加速>
3社の話し合いがスムーズに進んだのは、来年4月から始まる新しいアライアンスグループにそろって所属するためだ。顔を合わせる機会が増え、「アライアンスよりも、いっそのこと合併へ」とトントン拍子に話が進んだ。
 「同じ会社になれば、営業も一本化する。アライアンスとはシナジーが違う」(日本郵船幹部)。例えば、世界の港で別々に持つターミナルを一つに集約するなどして1100億円程度のシナジーが生まれるという。
 そもそもコンテナ船事業は、各社共に赤字を垂れ流し、足を引っ張っていた。これを切り離して統合することによって、「筋肉質な新しいコンテナ船会社が誕生する」(池田潤一郎・商船三井社長)とV字回復をもくろむ。
 ただ、不採算事業を切り離せば、浮上できるかといえばそうでもない。なぜなら、コンテナ船事業は川崎汽船で売上高の半分程度、商船三井で4割、日本郵船で3割を占めるコア事業だったからだ。これをスピンオフすれば、当然、本体の売上高規模は縮小し、世界での存在感は薄れてしまう。残された事業で収益を出さなければ、次こそは会社本体が世界再編にのみ込まれかねない。

苦境に立たされているコンテナ船事業
下落が続くコンテナ船運賃
採算悪化の原因は、止まらない運賃下落です
 
 運賃下落の原因は供給過剰 W。絵に描いた様な過剰設備投資不況
運賃下落の原因を一言で言えば「供給(船腹)過剰」です。
>海運各社がリーマンショック前の好況時に大量に発注した船舶が2010 年以降竣工時期を迎えています。
一方、各社の想定ほど需要(=荷動き)が伸びず、需給ギャップが拡大、2010 年後半以降の運賃下落につながりました。
 
 極端な好・不況を繰り返してきたコンテナ船の歴史
コンテナ船が供給過剰に陥りやすい理由、それは近年の各社の投資が大型船中心となっており、竣工船舶隻数の伸び率以上のキャパシティの増加がもたらされているからです。
そしてそれは、コンテナ船の大型化が海運会社にとって一番のコスト節減策であるからです
 コンテナ船大型化によるコスト節減効果 
では、船の大型化によるコスト節減効果はどのくらいあるのでしょうか。Drewry 社の試算によると、ある一定の条件のもとに4,000TEU 型コンテナ船と6,000TEU 型コンテナ船のコストを比較すると(TEU=20 フィートコンテナの1 個分)、
1TEU 当たり年間コストは、4,000TEU 型が2,088 ドルかかるのに対し6,000TEU 型は1,648 ドルと、440 ドル/TEU の差が出るという結果となっています 。
 
その結果、海運各社は効率化のために大型船を投入⇒供給増加⇒競争激化⇒荷物を確保するために運賃下落⇒採算悪化という歴史を繰り返してきたのです。
 
 
供給削減が進まない欧州航路
コンテナ船は上位3 社で30%以上(運航船腹量)のシェアを有しており、シェア上位船社の供給増減が業界全体に及ぼす影響が高いといえます。特にコンテナ船最大手のマースク(デンマーク)が、ユニットコスト競争力のあ
る大型船投入を背景に数量確保を優先、邦船各社が行っている供給調整の影響が限定的なものにとどまっているのが現状です。
海運業界でも航空業界のように、広範囲なネットワーク構築と効率的運営のために、各社が提携を行っており、日本郵船はGrand Alliance、商船三井はThe New World Alliance 、川崎汽船
CKYH というアライアンスにそれぞれ所属しています。
 
W。汎用品の物流に依存するコンテナ業界は資本装備率が高く、経済停滞下で各企業は労働コスト削減の余地はなく、巨大な固定資本の重圧を回避するために連携して船舶の稼働率を下げ、運賃の低下傾向を抑えようとする。
 
 
 コンテナ海運会社
マースクライン デンマーク
 ↓
MARSK LINE VESSEL SCHDULE&ACTUAL THIS WEEK
マースクライン日本寄港日程表の各船舶の動静をクリックしてみると、
確かにヨーロッパ直行便は無い。日本寄港は会社組織としてローカルエリア対応に変更している。
>一番解り易いページがコレだ。
    ↓
Shipping Information and local contact finder https://www.mcc.com.sg/shipping/jp#tab-links
MCC Transport
My MCC 日本語サイトが出来ました。my.mcc.com.sg にログイン後、右上のタブより「日本語」を選択の上お進み下さい。
日本のページへようこそ。
MCCトランスポートはマースクグループ内でアジア域内のコンテナ貨物を取り扱うアジア専業船社です。専門知識を持ったスタッフが、アジア域内に広くめぐらせたネットワークと、お客様にご満足いただけるサービスを提供いたします。
ヨーロッパ⇔日本の間で3種類のコンテナサイズに収まる大量の輸出入品がアジア地域に比べて少なくなって巨大コンテナ船に積載するには採算が合わなくなっている、という現状があるが、マースクの直行便廃止の理由はそれだけではない、と想う。
W。参考資料
スーパー中枢港湾の狙いと施策
目標:アジア諸国の主要港湾を凌ぐ港湾コストとリドタイム 
・港湾コストは釜山港・高雄港並みに約3割低減
・リードタイムは現状3~4日をシンガポール港並みの1日程度まで短縮
目的達成に向けて先駆けて実験的・先導的な施策を展開し将来の日本のコンテナ港ービス水準の底上げに繋げる。
W。記事の発表年が書かれていないが、報告書の日本港湾のインフラ関連の情報に注目すると、その違いがあまりにも大きすぎて、現時点で改善されたとは思われない。
《課題-1》コスト競争力の向上。W。15年以上前なので、この点は是正できたのかもしれない。ただし後れをとっていた間にハブとしての主導権を握られたのも事実だが、厳密にいえば、取扱料金は港湾インフラではない。
       <コンテナ取扱総料金の国際比較>
東京港  100
孝雄港   65
釜山港   64
 
課題-2》大規模で収益性の高いターミナルの形成
香港国際ターミナルの事例
ハチソン社一社による水深ー12.2~ー14.5m、
延長3292m、奥行き500m、ガントリークレーン数32基 ←W。手狭な日本の国際埠頭では巨大コンテナターミナルを増設できない。
営業利益率ベースで見ると、
PSAは47%、ハチソンは38%、
P&Oは港国際コンテナタミナル等の事32基の大ターミナルの一体的経営
 
世界の主要ターミナルの概要
タンジュンペラパス港
(1期)延長1800m 水深15m
ハンブルク港(ブーシャトウカイ) 水深16.5m
延長2900m
横港港(南本牧) 水深16.M
延長700m W。東京港のコンテナふ頭の現状は知らないが、本牧コンテナふ頭がに日本最大級であった。
手狭なふ頭は巨大コンテナ船の入出港作業に手間取るのはリアルな事実。しかも東京湾は奥深い内湾。
日本の国土地理的条件が巨大コンテナふ頭建設に合致しない。
 
《課題-4》ターミナル荷役システムの自動化の促進
W。荷役システムの自動化のできているふ頭に大きなコンテナ船が接岸しているように見える。
 
《課題-5》港湾への円滑なアクセスの確保
主要な課題:
(1)コンテナ船入出港の安定性、定時性確保の為の港湾から自動車専用道路ICへ
港湾の稼働率の向上
10分以内の連絡割合
日本 39%
米国 93%
欧州 93%

(2)湾内の船舶輻輳による航行速度制限等の最小化

(3)背後圏輸送の迅速化及び背後都市の沿道公害の防止の為の幹線道路網との直結化
事例 高雄港のロジステックセンター W。日本ではこのような施設は広大な埋立地を建設するしかない。
 
という事で、
>日本の港湾環境が東アジア付加体列島国の地理的条件下ではどうしても後塵を拝するしかい、というリアルな現実も無視することができない。
>輸出入品が少なくなった、などという事だけを論じるのは現実を直視していない見解である。
そもそも日本の貿易収支は赤字になって久しく、国際収支の黒字は資本収支の黒で埋め合わせている現状が日本経済のリアルな姿である。
この日本経済の現状を別な角度で眺めると、所得の低い階層は政府のマイナス金利政策との相乗効果もあり、安い外国品さえ買えないと云う傾向が強まる。
消費税10%値上げによる便乗値上げラッシュを経て、2020年東京オリンピック以降に、日本の政治経済のリアルな姿が多くの日本国民に目に見える形で広がっていくが、マスコミと政権がどのようにソレを誤魔化して行くのか、今からじっくりと見通して行きたい。
 
なお、記事の内航船の項で、荷主~オペレーター~オーナーの内航船業界独特の法的に規制された関係を説明する際に勘違いが起こり易い記述があった。
外航船業態におけるオペレーターの位置はマースクラインの案内ホームページを参照すると一目で解る。
      ↓
 ↓
MARSK LINE VESSEL SCHDULE&ACTUAL THIS WEEK
各寄港船をクリックすると
船名(Vessel Name) 港外日(Arrival) 着岸日(Berthing) 出港日(Sailing) バース(Berth) 輸入CY(搬入先) 住所 オペレータ TEL
OOCL NAGOYA
2017/01/02 12:00
2017/01/02 12:45
2017/01/03 16:12
A0
青海コンテナ埠頭 第1号・第2号
東京都江東区青海2丁目31-2
山九 ←W。外航船業態のオペレーターは倉庫運輸会社が多く、船舶の所有者ではない
03-3529-3944