反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

高橋真梨子の世界。川上貴光著「高橋真梨子 とびらをひらいて」~ノンフィクションの秀作で知る真梨子ワールド~。好きな楽曲は全部作詞高橋真梨子。マリーとジョニーの一連のアンサーソングは実は4作。

 イメージ 1余り読みたい本も置いていない近所の小さな図書館に、暇つぶしに軽い本でも読むのも良いだろうと、何気なく立ち寄って書棚を移動していると、「高橋真梨子 とびらを開けて」  川上貴光 - Wikipedia文芸春秋 が目についた。『父の背番号は16だった』(朝日新聞社1991年
『“ムッシュ”になった男–吉田義男パリの1500日』(文藝春秋
寡作のノンフィクションライターだが、視点が良いし筆力がある。
 
手にとって少し読んでみるとこうした種類の本にありがちなヨイショはなく、高橋真梨子の生い立ちから、成長するまでを、W好みの事実を積み重ねながら、しかもスリリングに書かれていて、この本が本格的なノンフィクション作品の秀作だと解った。
 
「この本のには私のすべてが書かれています」 高橋真梨子
両親を含めた数粋な運命、環境が持って生まれた貴重な才能を育んだのだと解った。
 
高橋真梨子高橋真梨子になるべくしてなった、のだ。
「昨年暮れの紅白で紅組のトリを務めた高橋真梨子(65)は、戦後生まれの歌手だ。八九年と〇九年に「星の流れに」をカバーしている。
 広島出身の被爆二世だが、最初は「戦争の悲しさを直接知らない私が、分かったふりをして歌っていいのか」と迷っていた。その高橋を曲に向かわせたのは、生前、母が話してくれた原爆の体験だ。
 爆心地から二キロの地点で被爆した母は、幼かった弟をおぶい、転がる死体を踏んで逃げた。「背中で弟の皮が、ずるっ、ずるっとむけた。そう話す母は悲しそうでした」。原爆の後遺症にも苦しみ、戦争に踏みにじられた歌の主人公の気持ちが「分かる」と言ってこの世を去った。高橋は、慰めようもない母への思いを抱えて「星の流れに」を歌っている。」
略歴 幼少期は高橋真梨子 - Wikipedia参照。
その両親と周囲のドロドロした人間関係に翻弄されながら複雑な思いを抱えて歌の基礎レッスンに励んだ。高橋の歌詞の読解力は育まれた環境によって養われた。天成の才能が救ったとも云える。
歌詞を深く読み込んで歌えるだけでなく、誰もまねできない不思議な作詞の能力がある。
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Wの好きな真梨子ソングはどうしたことか全部、高橋の作詞である。
ごめんね・・・ 高橋真梨子 (1996) 
高橋真梨子 君の海に
https://www.youtube.com/watch?v=jBIQH8epb5g W。バックのアレンジにオリジナリティーがある!
    ↓真梨子ソングの中では軽快な曲が好みである。
グランパ  高橋真梨子
2016/03/19 に公開←W。CDで聴いてほしい。
 
ハッピーエンドは金庫の中 ←この曲が一番好み
残念ながらアップされていないようだ。
 
 
メロディーライン、リズムと歌詞のヘタうまフレーズがぴったり一致して、他の巧妙な表現を許さない
ヒット曲、「桃色吐息」を高橋は好きではないと云うが、解る様な気がする。歌詞が絢爛豪華でこり過ぎているのである。
 
ウィキペディアの解説記事の骨格は川上貴光「高橋真梨子 とびらをひらけて」によるものである。

 
<ジョニーとマリーの一連のストーリーソングは4作~「五番街のマリー」→アンサーソング「ジョニーへの伝言」、結末「教会に行く」(ジョニーの死)だけではなかった
 
ペドロ&カプリシャス時代の「五番街のマリー」とそのアンサーソング「ジョニーへの伝言」は何度もTVの歌番組で視聴した。伸びの良いボーカルの上手い歌手、という印象だったが、日本歌謡の情緒に流れっぱなしの傾向を敬遠してきたことから、そんなものか程度に終わった。高橋真梨子に注目し出したのは雑誌「話の特集」のミュージック欄で通好みのシンガーのようにいつも取り上げられていたからだ。そして川上貴光の「高橋真梨子
とびらをひらいて」←とびらをひらいて、というサブタイトルの適切だった!を読んで特別な存在に見えた。
一時は、どうしてもライブが聴きたくて、チケットを手に入れるためにファンクラブに入会しようとさえ思った。Wとしては絶対にあり得ない事であり、さすが自重したが~。
 
ところで「5番街~」、「ジョニーへの~」二人のラブストーリーの結末の歌が「高橋真梨子 教会へ行く 歌詞。ジョニーは死んでしまったのだ。
一連のストーリーソングの中では一番好きな曲。プロ中のプロ、歌手高橋はサラリとした中に情感をこめて唄う。ジョニーとマリーの一連のラブストーリーの内容を理会すると、高橋真梨子の様な唄い方しかできないはずだ。
 
>隠れた名曲「教会に行く」の結末までは知られているようだが、実は上記の三部作の前篇らしき曲があり、余り知られていないようだ。
 
このページに載っている一連のストーリーソングの時系列では「教会に行く」のあとに作られたよう配列されているが、はたしてそうなのか(ヒットしたストーリーソングの後でこんなマイナーは歌詞曲調では売れない)調べる時間がないので、立ち入らないが、
「手紙」が先に作られ、「すすけたランプの小さな町工場」で働きながら同棲していた二人の別れのストーリーを阿久悠がニューヨーク?「五番街」に膨らませ洗練し、一連のストーリーソングにしたとすれば、辻褄が合う
 
>ソロになった後の高橋真梨子のアルバムでは、
「手紙」「五番街のマリー」「ジョニーへの伝言」「教会に行く」が同時収録されており、このラブストーリーの流れを理解して「教会に行く」が唄った考えられたほうが妥当だ。
「教会に行く」をあの歌い方ができるところが高橋真梨子高橋真梨子たる所以だが、4作のストーリーソングの流れに踏まえると、隠れた名曲「教会に行く」高橋真梨子はあの歌い方しかできなかった。

教会へ行く 高橋真梨子 【cover】
https://www.youtube.com/watch?v=DahYJrH-QVM ←W。悪いけど酷いな。素人だろうけど。絵でも何でも芸能は下手なモノを鑑賞するとプロの上手さがよく解る。つくづく高橋真梨子はプロ中のプロ歌手と納得する。
「手紙」→「五番街のマリー」→「ジョニーへの伝言」→「教会に行く」の別れ別れになった二人それぞれの長い年月を経てジョニーの死にたちあう感性をリアルに表現しようとすれば高橋真梨子のように歌いうしかない。
カバーバージョンは解釈不足も甚だしく説得力希薄だが、単純にモノマネをすればよかったと想うが、ソレを許さないのが、高橋真梨子のオリジナリティーの世界であった。
本人の唄は残念ながらネットにアップされていない。
 
 
[2016年9月19日7時48分 紙面から]
W。ロンドン、アルバートホール。ニューヨーク、カーネギーフォール。在留邦人が現地の人たちを誘って、自分自身も楽しみながら胸を張って日本歌手のコンサートを聴かせられるのは、<高橋真梨子しかいない>、指折り数えても他に誰がいるのか、と云う現実がある。箔をつけるためにロンドンやニューヨーク公演しているわけではない。現地の需要があってのことだ。
 
【ニューヨーク16日(日本時間17日)=松本久】歌手高橋真梨子(67)が同地のカーネギー大ホールで、芸能生活50周年記念公演を行った。同所で2回の公演を重ねている日本人は高橋ただ1人。今回、自身の記録を更新する形で3度目のステージに立った。
「クラシックの殿堂」と呼ばれる名所でのメモリアル公演は大成功。「ステージの上で死にたい!」と生涯現役まで誓った。
カーネギー独特の静謐(せいひつ)さでシーンとする中、割れんばかりの大拍手を浴びながら高橋が登場。ヒット曲「あなたの空を翔びたい」の歌唱から、半世紀の歌手人生を飾るメモリアル公演が始まった。
 最初のあいさつで「ここは3回目なんですけど相変わらず緊張します。でも、幸せ。今回が最後のカーネギーになります」。「えーっ」と日本語の悲鳴が上がると「80歳になっても、ここでやるの?」と笑わせ、「今日は一緒に楽しんでください」と会場を埋めた約2800人に笑顔で語りかけた。
国内公演とは、演出をガラリと変えた。派手さを控え、楽器のサウンドも極力抑え、高橋の声の持つ艶感や迫力を際立たせることに徹した。「日本のツアーでは11トン車6台で機材を運ぶけれど、今回は5トン車1台だけ」と、バンドマスターも務める夫でミュージシャンのヘンリー広瀬氏(72)は話す。歌唱のたびに大きな拍手が何度もわき起こり、スタンディングオベーションが見られた。客席の8割以上が現地や海外のファン。
 そのため、日本語曲だけでなく、多くの米国人が愛する英語曲を1つ入れた。ビリー・ジョエルのヒット曲「New York State of Mind」。ピンスポットを浴びながらの熱唱に、称賛の口笛とひときわ大きな拍手が響き渡った。
かつては「歌は仕事です」などとストイックな発言をしていたが、この日は心から音楽を楽しんでいるようだった。「皆さんに心から感謝します。死ぬまで現役歌手として頑張って歌ってステージの上で死にたい!」。
ヘンリー氏は「最近はこの言葉をよく言います。大きな飛躍ですかね」と言いながら、四半世紀に及ぶ公私のパートナーを温かく見つめた。
 今年、125周年の節目を迎えたカーネギーホールで、周年公演第1号がこの日の高橋だった。日本を代表するベテラン歌姫が、自身だけでなく殿堂の歴史にも新たな足跡を刻んだ。
 
カーネギー公演歌唱曲>
(1)あなたの空を翔びたい
(2)ジョニィへの伝言
(3)遙かな人へ
(4)死ぬまで一緒に
(5)Mr.サマータイム
(6)襟裳岬
(7)五番街のマリーへ
(8)はがゆい唇
(9)ごめんね…
(10)OLD TIME JAZZ W。高橋真梨子の「OLD TIME JAZZ」歌詞ページ。「OLD TIME JAZZ」は、作詞:佐藤 三樹夫、作曲:佐藤 三樹夫。
(11)EVERYTIME I FEEL YOUR HEART
(12)HENRY BAND Play「O.Y.A.G」
(13)君に会いたい 多分、コレ ザ・ジャガーズ「君に会いたい」 - YouTube
(14)メロンの気持
(15)時の過ぎゆくままに
(16)フレンズ
(17)グランパ
(18)My Heart New York City My Heart New York City 高橋真梨子 - 歌詞タイム
(19)別れの朝
--アンコール--
(20)New York State of Mind 「ニューヨークの想い」(旧) New York State of Mind Billy Joel - YouTube
(21)桃色吐息
(22)for you…
※(12)に高橋歌唱はなし