反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第12回。W。<家族、夫婦関係 女性の在り方>は資本主義各国の固有の歴史(下部構造)、法制、文化、慣習という(上部構造)の違いによって、タイプ別→トッド世界の家族型。最古の核家族が最新に転倒の法則。

 前回に続き検討対象は上野「資本制と家父長制~マルクス主義フェミニズムの地平~」である。
 
イギリスの家事労働論争の実際のところは知らない。上野の紹介に頼るしかないが、1970年代~1980年代を通じて継続的に問題点と課題を突き詰めたが
家事労働論争は日本を含む「先進国」共通に<都市、核家族、サラリーマン家庭の妻の座>の延長線上にある<物的に恵まれた主婦層の広範な存在を背景>とし分析したものあり、
イギリス(米国~その他の国々の場合は不明)では70年代から80年代にかけてフルタイム家事労働に従事する主婦層が激滅し<賃労働者にして家事労働者>であるという女性の二重労働が歴史的事実となる労働力市場の再編が急速に進行し、議論の意義を喪失し論争は終息した。
 
 要は<家族、夫婦関係 女性の在り方>は資本主義各国の固有の歴史(下部構造)、法制、文化、慣習という(上部構造)の違いによって、タイプ別に色分けされ、英米は間違いなく一対のタイプである。
 
 更に、エマニュエル・トッド - Wikipedia家産の相続形態を説明変数 (W。注)とする<世界の家族型の仕分け>と<ソレに刻印される社会構造>説も参考になる。
引用
西欧の (W。注)基本的な家族型は、絶対核家族、平等主義核家族、直系家族、外婚制共同体家族の四種であり、これをトッドは親子関係と兄弟関係に従って以下のように分類した。
ここで非平等とは平等への無関心(絶対核家族)と積極的な不平等(直系家族) (W。注)を含む用語である。」                                                                                                                                                                                                                     
 
 
親子関係自由 権威兄弟関係 平等非平等
自由・平等
平等主義核家族
権威・平等
外婚制共同体家族
自由
絶対核家族
権威・不平等
直系家族
  
 
家産の相続形態を説明変数 (W。注) →日本の世界に例のない現、戸籍制度の大きな主眼は家継承と相続
西欧の (W。注) →戸籍制度は西欧の家族型とは相いれず、西洋の直径家族と同類しできない日本固有型
 
積極的な不平等(直系家族) (W。注) 天皇制ー家ー家族ー夫婦(家庭子供)積極的不平等のタテ関係で一塊指向は骨の髄まで埋め込まれている。根本的に民主制や個人の自律性とは無縁な国民性である。言い換えると違いが大きすぎるから西洋志向が強く、その習性文化を積極的に取り入れなければ立ち行かない。
 
人々はこの不平等タテ関係にインクルードされることによって、妙な安心感を得るという東アジア東端付加体列島原住民性は気候風土、地政学的歴史現実の積み重ねによって埋め込まれている。
 
        トッドはまた、イデオロギーも家族構造に影響されていることを示した。
家族型 基本的価値 イデオロギー社会主義民族主義 反動的宗教平等主義核家族直系家族外婚制共同体家族絶対核家族
自由と平等無政府主義自由軍国主義キリスト教共和主義
権威と不平等社会民主主義自民族中心主義キリスト教民主主義
権威と平等共産主義狭義のファシズム-
自由労働党社会主義自由孤立主義-
 
W。トッドの分類は日本の主要なイデオロギー傾向に及ばないことがハッキリした。
 
基本的価値ー権威と不平等、自民族中心主義は日本に当てはまるが、反動的宗教は日本固有の天皇制に直結する神道(プラス近代化変形「儒教」)であり、西洋や東アジアの価値観との共通性はない。
 
むしろ、かつての日本経済発展の最中には政権欲の塊である自由民主党に富の分配能力があった、という自民党一党政治の奇形的政治現象が続いたが、グローバル資本主義が始まると、その意匠は簡単に脱ぎ捨てられ日本固有の機会主義と権力欲の政党に簡単に意匠替えされた。
 
また、かつての社会党民社党がリアルな政治場面で、ヨーロッパ的社会民主主義を実行したとは思えない。
社会民主主義を受け入れる舞台装置が有権者側にも権力機構側にもなかった、というべきだ。
 
だからこそ、その解体消滅は急速で、閉鎖的党ヒエラルキー日本共産党社会民主主義の代替えしているありさまだ。
 
トッドの云う直径家族とはあくまでも西洋型である。

        <ソレにもかかわらず、トッドはこの項で割り切った興味深い指摘をしている>
引用 ①
 
「自由軍国主義とは、ボナパルティスムブーランジェ運動を指す。W。フランス民主主義体制は革命的国家主義である。
 
直系家族は、縦型の組織を生み出す。スウェーデン社会民主労働党が典型である社会民主主義は、平等な労働者を作るのではなく、労働組合を頂点に持ってくるものである。
 
W。下記のナチズムとファシズムの指摘は大いに参考になる。ハッキリとした区別ができず、すぐにファシズムを持ち出すふまじめ非実践的なヒトが日本には多い。 日本の天皇主義はイタリアファシズム系である。日本の直径家族は拡大家族指向の特徴がある。「半直系家族なんですよ」
       ↓
自民族中心主義の典型はナチズムである。
外婚制共同体家族の民族主義は狭義のファシズムであり、イタリアのファシスト党を指す。
ナチズムと異なり、絶対的な序列を作り出さず、連帯を重視する。これは共産主義と通底する考えである。
 
引用
「(´・ω・`)こういうと、「嘘つけー、実際俺ん家は核家族になってるぞ。でも爺さんの時代は3世代一緒に暮らしてた大家族だったぞ」っていう人がでてくるんですが
(´・ω・`)それって本当なんですかねぇ
(´・ω・`)日本って本当に直系家族から核家族になっているんですかねぇ
(´・ω・`)実は日本人って今でも
(;´・ω・`)両親が歳を取るとおじいさんおばあさんと同居するんです。
(;´・ω・`)半直系家族なんですよ


(´・ω・`)まあこれは最近の研究で解ったことなんで、本にもなっておらず論文でしかないわけなんですが、
関東では大体子供が高校生くらいになって手間がかからなくなったら父母と同居しはじめ、関西では父母が子供の近くに移り住むんです。

(´・ω・`)だからですね。結局、直系家族から核家族に完全に変遷しているわけじゃないんですね。長子相続制こそないものの、直系家族に特徴的な三世代同居は廃れていないんです。」
引用終了。
労働党社会主義とはイギリスの労働党が典型であり、社会の変革を望まず、階級としての労働者を維持するものである。
自由孤立主義はイギリスの栄光ある孤立アメリカのモンロー主義を指す。W。元米国大統領の外交政策を勘違い支持して、早々と低強度世界戦争持続の現実に裏切られた米国民の素養にあるモンロー主義が心地よく共鳴する。しかしそれを理解するそぶりをした日本人は政治バカの典型である。
世界政治は政治情緒では動かせない、理論的構造的に進行する。
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共同体家族システムの起源~中心から革新が伝播して周辺に古形が残る~
W。この項を読み込むと、エンゲルスの「家族、国家、私有財産の起源」一元論は間違っていると感じる。
かといって資本制と家父長制の二元論の上野の主張は、明晰ではない。
 
 
引用 引用 ②  W。科学的真実とは一般常識、感覚を覆すものである!
言語学者ローラン・サガールの指摘により、家族型の分布が、中心から革新が伝播して周辺に古形が残るという周圏分布をなすことを示した。
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参考資料
W。新しく作られた阿呆が古い言葉のバカを周辺に追いやってが、江戸、東京方面が日本の中心になると、古い言葉のバカが全国的言葉になった。政治経済の主導権の移動と共に逆転現象が起こったのだ。
 
この法則は、最古の家族型であったアングロサクソン系の核家族が経済政治主導権の移動によって世界的になっている現象と同じである。アナーキー性の高いグローバル資本主義に対応するのは再生産ユニット最少、身軽、金銭過小の核家族である。新しかったはずのイスラムの共同体家族は、古い家族性の核家族を世界化するグローバル資本主義を主導する文化圏と矛盾する。資本制と家族性を二元論的にとらえると、そういう見方になる。
 
イデオロギー文化上部構造に対する経済下部構造の優位性の間接的証明でもある。
>古いモノが新しくモノになり、遅れたモノが先進を追い越す!歴史は検証、応用の場でもある
 
引用
「~省略多し
なんとも痛快無比な調査書である。アホバカだけではない。その逆のカシコイ(賢い)・リコウ(利口)分布も調べていた。近畿中央のカシコイを囲んでエライが広がり、その外側をリコウが拡散していくことがわかった。
 ぼくは何度も唸った。
>どうやら京都で大半の言葉がつくられそれが近世になるにしたがって新しい罵倒言葉ができあがると、古い時代の罵倒言葉が周辺部に向かって円周的に押しやられるというのだ
>かくて、江戸中期あたりで「アホウ・カシコイ」のセットが上方に新たに生まれ、それ以前の「バカ・リコウ」を追い払っていったのだということになってきた。ようするに時間差なのである

 著者はこうした成果を背景に、しだいに「方言周圏論」ともいうべき“体系的”な研究にさえ乗り出している。恐るべきアホバカ研究だ。いったい網野善彦は、この揺るぎない研究成果をどう見るのだろうか。」
引用終了
「これは言語地理学の重要な原則であり、日本では柳田國男の『蝸牛考』~W。カタツムリ分布~でよく知られている。
 
ユーラシア内陸に外婚制および内婚制の父系共同体家族があり
         ↓
>その外側のドイツや日本に直系家族があり、
         ↓
>さらにその外側のイングランド、フランス、東南アジアに核家族が存在する。
 
これは父系共同体家族が最も新しく、→次に直系家族が新しく、→核家族が最も古い残存形態であることを表している。
 
トッドとサガールによれば、ユーラシア中心部で生まれた父系共同体家族は、
兄弟の連帯に基づく巨大な集団を作る点で軍事的に優位であり、征服を通して広まり、集団主義と女性の低い地位をもたらした。
 
かつてバッハオーフェンが主張した母権制から父権制への移行は歴史的事実ではないが、父系社会のほうが新しいという直感は正しかったのである。
 
アングロサクソン自由主義や女性の高い地位が、近代性ではなく辺境の古さに由来するという結論には驚くべきものがある
 
   トッドらは、いつ父系共同体家族に変わったかをいくつかの地域について示している。
 
中国が共同体家族になったのはによる中国統一からである。秦の軍事的優位の一因として共同体家族制を挙げる。
東方六国儒教に明示される直系家族であった。
これに対し、共同体家族の価値観を反映するのは法家思想である。
秦以降の儒教は共同体家族の価値観によって変化し、兄弟の序列を重視しなくなった。
 
エジプトでは、ローマ帝国時代においてもまだ父系的でなく、イスラム帝国によるアラブ化により共同体家族となった。