反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第4回 認知症高齢者と<介護支援caregivers(ケアギバー)> 中山慎吾~介護者の権利についての言葉集など~

    W。 介護環境を包括的に眺めてみたい。     
       認知症高齢者と<介護支援caregivers(ケアギバー)> 中山慎吾
           序章 介護支援者への探求          
       初めに
  介護者(caregiversケアギバー直訳ケア提供者)とはだれか
家族介護者←欧米では多くの国が経済的支援を実(無給介護者)~親族、近隣の人々、友人なども含む)とサービス従事者(有給介護者ペイドギバーズ)
~引用
介護者は英語でケアギバー、すなわちケア提供者と表現する。その際のケアは、日本語の「介護」の互換よりも広いものを含んでいる。
>介護という言葉をどこまで広く考えるかによって、介護者の範囲も広がる、という一面がある。

   「介護」の広い意味
認知症のヒトと特定の家族介護者の2者関係に閉塞した中での介護は必ずしも望ましい状態とは言えない。
   
   誰が支援するか
様々な主体が、介護支援に関わりうる。それらを、フォーマルな分野とインフォーマルな分野に分ける。
● フォーマルな分野 W。制度、権限、カネ
  〇行政 医療法人 社会福祉法人 NPOなど
  〇企業 株式会社 有限会社
  〇地域の団体  
● インフォーマルな分野  
  ボランティア 個人ボランティア グループ
  近隣 見守り団体 小地域ネットワーク
  友人 親戚 家族
 <地域包括ケア 地域連帯の基点>
地域包括センター(介護相談)~~W。介護保険給付費に明記→**地域包括センター介護予防支援費****円 包括センターの担当者を名乗るヒトにはお目にかかったことがない~~ 市町村保健福祉関係課 保健センター

 かかりつけ医は、認知ケアにおいて多様な役割を果たしうる。
認知症の診断と治療に加え、家族介護者hのアドバイスや情報提供も行いうる。
かかりつけ医を中心としたチームケアのアプローチが←W。?、効果的に行いうる場合もあるが、認知症の理解が十分でないかかりつけ医もいる、一面がある。
 
 介護保険ケアプラン作成などを行う介護支援専門員(ケアマネ)は家族介護者を支援する存在である。認知症介護について一緒に考え、不安を取り除く、という役割を果たしうる。←W?
受診の際は同行し、かかりつけ医との情報交換などを測るケアマネもいる。

   認知症のヒトの介護に役立つ支援
徘徊や暴言などの認知症のヒトの行動にどう対応するかは、支援者であるケアマネでさえ、それらの行動にどう対処したらいいかは、大きな悩みなのである
  
   介護者の生活に役立つ支援
電球の取り換えなどの日常的生活支援は、介護保険訪問介護では行われにくくなっている場合もある。ボランティアや住民参加型サービスによってそのような支援が行われる場合もある。 

                第2章
  介護者caregiversケアギバー直訳ケア提供者の「楽しさを伴う活動」を増やす

 1)活動、感情、思考の関係(3者は相互連関)
 例えば、、くよくよ考えるという思考は、気分が落ち込むことに影響する(思考→感情)。逆に考え方次第で、気分が楽になったりすることもある。
顔の筋肉を動かし笑顔を作ることで、肯定的な感情を心の中に生むことがある。
活動→感情」)
    <感情と活動と思考の3者の悪循環>
気分が落ち込むとくよくよ考えたり物事を悪く解釈したりしやすくなる(感情→思考
そのような否定t歴な考え方をすると、様々な活動から遠ざかることにもつながる。(思考→活動)     
活動の減少、、否定的な感情、否定的な思考は
相互に影響しあって悪循環を生じうつ状態の一因となる。
気分が落ち込むと、「こんな生活がいつまで続くんだろうか」とか「なんで私だけが介護しなければならないのか、などとくよくよ考えてしまう。そして、なおさら家に閉じこもりがちになってしまう。
このような悪循環は、認知症高齢者の側にも、介護者の側にも生じうる。

>悪循環から抜け出す手掛かりは、3者のうちいずれかを変化させることになるだろう。

しかし感情そのものを直接的に変化させることは難しい。
それに比べると
>思考や活動の在り方を変えることにより感情をコントロールする余地が出てくる
例えば楽しさを伴う活動を増やすことで、悪循環から脱却する可能性が生まれる。
「楽しさを伴う活動」g増えることは楽しい気分を生む。(活動→感情

向きな考え方が持てると、、「楽しさを伴う活動」をさらに増やすことにもつながる。(思考→活動
例えば家族介護者が週1回友達と会い、一緒にお茶を飲むようになったとする。友達とおしゃべりすることで気分がすっきりし、楽しい気持ちになる。楽しい気持ちになると、「大変だけど頑張ってみようか」とか「苦労しているのは自分だけではない」といった考え方ができるようになる。

考え方が前向きになると、友達と会うことを今後も続けるようになり、そのほかの外出の機会にも積極的になる。
 
      2、活動と気分を記録する
>「感情の記録表として、その日の気分を9段階で評価する。
1がとても寂しい気分
9がとても幸福な気分
真ん中の5が「まあまあのきぶん」
その日の気分を数字のいずれかに表す。
 この活動と感情の在り方をチェックすることで、活動と感情が関連していることを確かめることができる
すなわち活動量の多い日は幸せな気分が強く、活動量の少ない日は寂しい気分となる傾向である
  
      自分自身を励ます言葉
1、否定的思考と肯定的思考
>本来は介護も大切だが、楽しい活動をすることも大切だ」と考えてよいはずである。
介護は心の中で浮かんでくる後ろ向きの考え方との戦い、、という一面がある
自分を元気づける言葉を大切にすることは、介護を続けるうえで力強い味方となる

2、介護者権利章典の活用
       <介護者の権利についての言葉集>
〇自分の家族を大切にすることは、とても意味のあることです。
 けれども自分自身を大切にすることもまた、同じくらい意味があります。

〇自分の身体がつらいときには、しっかりと休むことが必要です。
 自分自身の健康を保つことは、、家族のための、最も大切な努力の一つです。

〇すべてがうまくいく生活など、どこにもありません。
 毎日の生活に、失敗はつきものです。
 大切なことは、私と家族のために、小さな事であっても、試みることです。

〇人に助けてもらうことは恥ずかしいことではありません。
 ヒトに助けを求める勇気は、どんな人でも持つべき、大切な勇気です。

いつもニコニコできる人などいません。
時には腹が立ったり、落ち込んだりするのが人間です。腹が立ったり落ち込んだりしても、自分自身を責める必要はありません。

〇自分なりにうまくできたり、頑張ったなと感じたりすることがあったら、自分をほめること、それが、自分だけでなく、家族を大切にすることにつながります。

     簡単なリラックス法としての呼吸法
 <腹式呼吸法の手順>
① 手の平を太ももに置いた状態で、イスやソファーなどに座る
(頭を楽にしてまっすぐの状態にし、目を閉じる。)

② お腹が動くのを確認しつつ、心の中で4つまで数えながら、ゆっくりと息を吸う。

③ 肺が空気で満タンになった状態を感じながら、少しの間、息を止める。

④お腹の動くのを確認しつつ、心の中で4つまで数えながらゆっくりと息を吐く。
(息を吐く際にすべての筋肉をリラックスするようにする)

>重要なのは、、深くゆっくりとした呼吸に意識を集中することである。頭の中に沸き起こる様々な考えや心の動きに対してではなく、呼吸や筋肉という身体の動きに対して注意を向ける。上手く腹式呼吸ができていないのではないか、などと心配したりしなくてよい。
>1回当たり4分以上、1日に2回以上練習する。毎日づづけることが大切で、すぐ効果が出ることを期待しなくてもよい。

  
3、日常の中での呼吸法の活用
イロイロなことが頭を駆け巡る、心臓がどきどきする、といった危険信号に気づく。
その時赤信号が点滅するイメージアや「止まれ」の交通標識を思い浮かべる、、そしてストップ!落ち着いて、ゆっくり呼吸してみよう!と心の中で言い聞かせる。

      
       認知症のヒトの症状とアプローチ
1、中核症状、周辺症状、身体症状
中核症状  記憶障害、見当障害、失語    軽度から抒情に悪化
        失行、失認
周辺症状  幻覚、妄想、徘徊、うつ、不安   とくに中期の前半(多動混乱期)
BPSD    興奮、暴言、暴力、不潔行為
        ケア拒否
身体症状  摂食 、嚥下障害、失禁、、便秘      中期の後半(自発性低下期)
        脱水、低栄養、運動障害(パーキンソン) や末期(寝たきり期)
        転倒骨折
認知症の中核症状は、最近の出来事を忘れたり、物事を判断する力が弱くなったり、上手に言葉がつかえない、集中力が続かない、場所や時間の感覚が失われる、などである。
*これらは認知面での障害であり、思考の前提となる基礎的な能力が大きく低下した状態である。
認知症の中核症状である認知障害は、長い時間をかけて徐々に進行していく。
認知障害は基本的には不可逆的に進行していく。

一方、認知症という言葉からイメージされやすいのは、徘徊、興奮、暴言、といった、介護者にとって対応の難しい行動である。
これらの行動は、認知症の中核的な症状ではなく、いわば周辺的な症状である。
周辺症状は、、近年では、<認知症のヒトの行動、心理症状BPSD>と呼ばれることも多い。
周辺症状やBPSDという言葉が使われる理由の一つは、
<問題行動>よりも中立的な意味合いがあるからだろう。認知症のヒトの行動を最初から<問題行動>だと決めつけるべきではない。

>が、認知症のヒトの行動にどう対処したらいいか、介護者が悩むことが多いのも事実である。

認知症の周辺症状は、環境を整えたり、、周りの人の対応の仕方を変えたりすることなどによって、、変化しうる。この点が中核症状との違いである。
>周辺症状は、脳の器質的な変化よりもむしろ、周りの人の対応など環境の在り方によって大きく影響を受ける症状である。

認知症の人が持ちうる症状の一つの側面として、身体症状をあげることができる。認知症のヒトの身体症状は、<身体合併症>とよばれることもある。
認知症補人の多くは高齢者であり、一般の高齢者と同様、認知症委以外の情機や身体的な症状をを様々に持っていることが多い。
このような身体症状は認知障害があるために増幅されやすい
>また器質的な変化が脳のどの場所に生じるかによって、身体症状に影響することもある。
>例えば嚥下に関係する脳の部位に変化が生じると、食べ物をうまく呑み込むのがむつかすくなる。
>排尿に関わる脳の部位に変化が生じると失禁が起きにくくなる。

     認知症の症状へのアプローチ
   全人的モデル:その人を中心にしたケア
様々なアプローチを含む総合的な対応方法は、<全人的なモデル>と呼ばれる。
全人的モデル」では、認知症のヒトの立場に立って、その人の生活歴や個別性を重視しながら、本「人の生活を支援する
認知症のヒトへの支援の基本として<その人らしさ(パーソンフッド)>を尊重する支援の重要性~。

     対応困難な行動の諸要因
 中核症状(認知障害
認知障害の在り方に違いがある。
>軽度の時期から中期にかけては、
主として認知障害や判断力の低下、言葉によるコミュニケーション能力の低下、などがみられる。

>中期から後期には、それらに加えて、集中力の低下、私事に従って行動する能力の低下、非言語的コミ能力の低下などがみられる。
>これらに対応するためには
*~~をしてくださいとし指示する場合、1度にたくさんの支持をせず、1つずつ支持をする。
*長く説明することを避け、解り易く話す。
*解り易い選択しを二つ示し、自分で選択できるようにする

  環境因子(生活環境、対人関係など)
行動、心理症状には、生活環境や対人関係などが影響する。
 
  <アルツハイマー型の初期から中期にかけて、次のことが影響しうる>
普段の日課と違うことをする
なれない場所で過ごす
*なれない人々と一緒にいる
周りが散らかっている
*せかされる
 
  <中期から後期にかけて>
大きな音
照明が明るすぎたり暗すぎたりする
*わかりにくい案内表示
落ち着かない状態の人が周りにいる
  
  <これらの要因に対して次のようなことが有効>
*普段の日課をなるべきかえない
*初めてのヒトや場所にはゆっくりなれるようにする。
*落ち着くことができる静かな場所を作る
*1つずつゆっくり活動を行う
*本人が落ち着かない時間帯があれば、その時間帯には難しい活動を行わないようにする。

      <介護現場の本の引用>
     新しい痴呆ケア アセスメント - Wikipediaと遊びリテーション 三好春樹 上野文規
  第1部 痴呆老人のアセスメント

<次回に続く>