反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第6回、新しい痴呆ケアアセスメント 三好春樹 三大介護をちゃんとやることこそ、人間の尊厳を守るケア 「雑踏ケア」 薬を抜いて症状を引き受けるという覚悟

          新しい痴呆ケアアセスメント - Wikipedia  三好春樹 上野文規 2004年刊行
       問題行動の原因を知るためのアセスメント

    問題行動の原因を脳のせいにしたらそこで思考停止することになる  
問題行動の原因をボケだからだとか、脳細胞が委縮しているというのでは思考停止、考えないということでです。
同じように脳が委縮している人でも、問題行動を起こさない人もいるじゃないですか。             
にこにこ笑って、夜もよく寝て、みんなの人気者というボケの人がいます
脳のせいなら、四六時中、問題行動を起こすはずでしょう。
 夜中に歌う藤田ヨシがぐっすり寝る日もあるんですよ。
なぜ今晩だけこういう症状が出ているのかということは、脳細胞では説明がつかないでしょう。
 
 原因は別のところにあります。
どこにあるかということは一人一人違います。
環境が原因だとしか思えないこともあります。
>こっちの施設では問題行動があったけど、施設が変わっただけで人気者になったという話があるでしょう。

>どうもあの人が夜勤の時に問題行動が起こるような気がする。そうすると、コレは関係障害でしょう。

見たこともない頭の中に原因があるなんて言うのではなくて、私たち介護職が見たり感じたりしていることの中に、原因があるはずなんです
    W、<介護職同士の意見交換>
藤田ヨシさんは「家族が面会にに来て、それで騒ぐんじゃない?
<アリバイ面会>←これは老人のために来ているんじゃなくて、自分は見捨ててないぞということを職員に示すために来ているんです。
老人にとっては家族の顔を見たと思ったらすぐ帰るわけですから欲求不満が残って、よく夜間に問題行動を起こすのです。

 藤田ヨシさんの場合は
部屋の他の人に面会が来て、自分だけ来なかったといって寂しくて騒ぐんじゃないの」という意見も出ました。
       ↑
W。認知症の人に限らず、他の障害で施設に入居している人も、こういうケースは、面会に来てくれ、と自分から言い出すこともある。比較的入居者の少ないグループホームでは、狭い閉鎖空間での入居者同士の相互関係が密になり、この場合、寂しさだけではなく、本人の自尊心からくる対面、見栄(取り繕い)も作用してるようだ。担当のホームヘルパーが代わりに面会をする場合もあった。

      介護職が見たり聞いたり感じたりしている生活の中に原因があった。
 そしてついに原因がわかりました。藤田ヨシの問題行動の90%以上の原因、他の老人の夜間の問題の行動も全部チェックしましたら、全痴呆老人の夜間の問題行動の6割を占めていた原因が発見されました。

>面会簿と照らし合わせはまり関係ありませんでしたが、ある票と照らし合わせることで、因果関係が明らかになったのです。
>それは<排便チェック表>です。
この表と、藤田ヨシさんの問題行動を照らし合わせをしました。そうすると、問題行動が生きた日は、必ず3日以上便が出ていないということがわかったんです。
逆は言えません。つまり、3日以上便が出ていないと必ず、問題行動が出るわけではありません。でも、問題行動の出た日は必ず便秘になって3日目、4日目、5日目、だということがわかったんです。
 
藤田ヨシを3日以上便秘にしない。これが彼女のケアプランになります
3日以上便秘にしないためにはどうしたらいいか

W。この話の持っていき方はいいなぁ~。介護は実際的でなければ。
素人介護でも日常生活動作、身体状況の記録をつけることは重要。それを介護現場に生かすことが大事。

3人で箇条書きにしてください。
<ここで皆さんが介護に向いているかどうかわかります。

  下剤、浣腸、適便は排泄ケアとは言わない。後始末をしているだけ
この施設の婦長が「排泄ケアをちゃんとしています」と言いました。
朝の引継ぎの後、日勤のリダーナースがこういいました。『今日の下剤投与13名、浣腸9名、適便4名」((笑)
>これはは移設ケアではありません「あと始末です」。
>人間を下剤、浣腸という化学物質による操作対象、適便という物理的操作対象にしてしまうものです。
>さらに、こういうことをするればするほど、老人の持っている生理的な排便機能を低下させてしまいます。
>ちゃんとやることをやって、それでも効果がないときに、そのなすべきことと並行して少量の下剤、さらに官庁ということはあり得ます。でもなすべきことをやっていないんです。

 おそらく皆さんのケアプランで多いのは次の項目でしょう。
①水分を一杯飲ませよう。
②繊維製食品を食べていただこう。
③腹部マッサージをしよう。
これがダメなんです。
だってそういう方法で効果がありますか。効果ないでしょう。

>どうしてか。 そのためには老人の便秘について知る必要があります。

     老人の便秘には水分、繊維質食品、マッサージはほとんど効果がない
イメージ 1  便秘には様々なタイプ
 ① <大腸性便秘>
弛緩性の便秘(環境変化、緊張して交感神経支配なるが、<消化吸収は副交感神経支配>)←水分補給。繊維製品の摂取。腹部マッサージ。 

② <痙攣性便秘>
(直腸空っぽ、浣腸意味なし。炎症などの病気)
③ <物理的通過障害の便秘>
(腫瘍などの病気)

>直腸性便秘
(生活習慣の原因による便秘)
認知症高齢者にとっての生活習慣とは、介護がない、排せつケアがなくおむつを当てている。

直腸は糞便を輩出する器官。 貯留する器官ではない。貯めておくところではない。入ってきたらすぐ収縮して出すのが直腸の仕事。直腸に糞便が言ってきて糞便反射が起こる。

でも便意を感じているのに、おむつをして上を向いている←W.。痔疾患が悪化している場合は痛みで強く踏ん張り切れない。
そうすると直腸は伸びきったゴムのようになります
出さないから便意反射がなくなる、便意がなくなる。これが何日も重なったのが、直腸性の便秘。
  いくら水分をとっても、結腸で吸収されて直腸まで達しませんし、繊維刺激で全土運動を起こすのも結腸までです。マッサージも骨盤の奥野勅賞には効果がありません。

 便秘を直すには「排便優先の原則」を守ることです。  
ウンコしたいと老人が言ったら、最優先で解除してトイレで座らせる。自然排便をするためには排便反射が起きている時を逃さない。
そして上を向いて寝かせたまま排便させない。

>座って踏ん張るという姿勢をとって、重力と腹圧を最大限使うことをやればいいんです。
>最優先ですから食事を最中も「トイレに行きたい」と言ったら、そっちを優先させてください。
排便は1回送れたら便秘につながるんです。習慣性便秘になりますから、「したい」と言ったらすぐやりましょう。
>朝のごはんの後、介護力を集中して座らせるというのが「排泄ケア」です。
>おむつの中に出た便をおむつ交換するのは「後始末」です。排便ケアの不在こそが、痴呆老人の問題行動を作っているのです。

   三大介護をちゃんとやることこそ、人間の尊厳を守るケア。
 私は人間の尊厳を守るケアは「排泄ケア」をちゃんとやることだと思っています。
食事入浴排泄、のいわゆる三大介護こそがケアの基本です。『食事、排せつ、入浴だけでなくて、人間の尊厳を守るケアが大事です』なんていうヒトがいるけれど、それはおかしい。
 食事は移設入浴と離れたところに人間の尊厳がありません。
今日どんな食事をするのか、どんな排泄をするのか、どんな入浴をするのかの中にこそ「尊厳」があるんです。

 でも世の中の人は、寝たきりや痴呆になってしまったら、人間の尊厳なんかないと考えています

 だから「介護予防」なんて言い出すんです。
「介護予防」という表現に抵抗する人はいなかったのでしょうか。
「感染予防」とか「疾病予防」ならわかります。それらはあっていけないことです。

>だけど、生まれてきて育児を受けて周りに依存して
>年を取って介護を言う形で依存するのは人間の自然な姿じゃないですか>
これを会ってはいけないというのは、そのうち「育児予防」なんて言い出すのではないかと思うくらいです。

リハビリやってもここまででしたという人たちに、それぞれの老化と障害に見合った生活を作るんだ、ということは誰も言わない。
ああなったらおしまいだから、ああならないようにしましょうというのが「市民」の声で、その声を聞く厚労省が作っているのが今の制度や政策なんです。

 現場で痴呆老人の介護をしている人たちは、彼らのニーズが個室でないことはよく知っています。
だってやっと眠ってくれた多と思ったら、起きだしてきてスタッフの部屋までやってくるわけでしょう。
ふっと目覚めて、そうすると一人でいるのが不安で寮母室へ行って2時半から3時ぐらいにやっと落ち着いて眠るということが、毎晩のように現場ではあります。

個室がいい人もいれば、大部屋がいい人もいる。
昔は個室を作らせろといっても、当時の厚労省はだめだと反対したんです。
でも今は個室でないとだけだといっている。
現場のニーズはいろいろなんです。
老人がいろいろなんだからケアもいろいろやればいいんだけれど。自立して、若くて頭がしっかりしている自分たちのニーズで作るから現場は困るんです。

 深い認知症の痴呆老人が落ち着くような老人ホームを作らなければいけないんでしょう
何の本的根拠もないのに、行政指導で全室個室でユニットケアでないと認めないなんて言いますが、少人数だと痴呆老人は問題構造を起こしたとたんに排除されているじゃないですか。

 深い痴呆の人を見ているところですごいのは、宮城県仙台市にある いずみの杜診療所http://www.izuminomori.jp/が行っているなっているデイケアです。

何がすごいかというとまず人口密度です。
他のデイサービスが断った深い痴呆の人をみんな引き受けるんです。
なんで見られるかというと「雑踏ケアだからです。
一人のボケの人がワーッと騒いでも、雑踏だからみんな全然気にしないのです
雑踏では、人が何をしていても無関心でいられるです。雑踏は家庭よりもはるかに許容度があるです。

近代の家庭というのは、老人も精神障碍者もみんな施設に追いやって成り立ってい、非常に狭いものです。
だから家庭ケア、ではなくて「雑踏ケア」なんです。
雑踏の中に個別に母性的な関係があればいいのです。


痴呆老人の多くはみんなと仲良くしたいなんて思っていません。
気が合う特定の人がいればそれでいいのです。
それを作るには雑踏の方がいいのです。

もちろん雑踏では落ち着かなくて、少人数でないとだけという人もいるんです。
そのためここでも民家を改造した宅老所を作っています。

   問題行動は痴呆老人の身体不調の非言語的表現
① 便秘
② 脱水症状

     脱脂症状を早めに見分ける方法は以下の6つ。
1、元気がなくなる
2、食欲がなくなる
これらは普段かかわっている介護職でないとわからないでしょう。週に2回来てちょっと見る老いsy三社解らないね。介護職が発見するんです。
3、 尿量が少なくなる。便秘になる。
4、 吐き気をもよおす。
5、 微熱が出る。
6、 皮膚が乾燥する。
つまり痴呆老人の問題行動はこうした身体不調を私たちに訴えているんです。

③ 発熱 冬なら風のことが大半です。
④ 慢性疾患の悪化。高血圧の人は血圧が高くないか。
⑤ 季節の変わり目
特に冬から春にかけて。

季節の変わり目には人間の身体は自然と一緒に、交感神経と副交感神経が入れ替わるんです。
その大きな変化についていけなくなるんです。

⑥ 薬
実つ薬り一杯出だしてい医療系いのところでは問題行動うのゲイン院はこれが一番多いかもしれません、薬をやめてよくなったというケースは、すごく多いのです。
精神科から出している薬はほとんど対症療法の薬です。

 薬を抜いて症状を引き受けるという覚悟が、介護職にあれば、いいんです。
本人が混乱して困るから、その辺の見極めはしなければいけないでしょう。
でも「私たちが見ます」という覚悟ができているのであれば、薬は抜いてみましょう。
すると逆に、多少は症状が出た方が人間らしかったとか、問題行動すら起こさなかったということがわかるケースが圧倒的に多いんですね。

 和田春樹という精神科医は『間違いだらけの老人医療と介護』という本の中で『いらないくするは思い切ってやめよう』と呼びかけています。
>もちろんいい先生についていたら、その先生と相談して、医療の管理下にちゃんとやめてほしいけれど、あんまりいい先生はいませんね。
介護職が意見を言ううとそれだけで腹を立てたりする医師が多いようです。
 そういう場合はどうするか?
主治医を変えるというのが一番いい。
なかなか主治医を変えられない場合は、内緒で薬をやめてもいいでしょう。
 では責任はどうするか?
介護職と家族が責任を取ればいい。

           第3章 
私たちは見たことも脳細胞ではなくて、自分で見たり聞いたり感じたりしているとこrで分類していこうと思います。
これを見事にやってくれたのが、竹内孝仁~~イ) 認知症きらきらネット 動画インタビュー 竹内孝仁教授 Vol https://www.youtube.com/watch?v=ccYFOInoNeA 
ロ) 認知症を治すということ   竹内理論解説  前半https://www.youtube.com/watch?v=pW8XTas9jo8。~~というリハビリテーション医です。
『介護基礎学」という本で痴呆のタイプを3つに分類されました。

これは「年をとる」という変化に直面した時、人がそれぞれ受け入れなくて、どう反応する余暇によって分類しよう、とい分類法です。

 私たちはみんなセルフイメージを持っています。自己像ですね。
自立した個人、自分で自分のことが決められる尊厳を持った人間という自己像を持っていて、これからかずれないようにしようというのが、介護予防とかリハビリテーションです。
そういう自己像をを持っていた人間が年を取って、背中が曲がって、杖をついて、介護を受けなけらばばらなくなったという時に、危機を迎えるんです。

  齢をとっても自己像の拡大ができればいい。それを老人が教えてくれた。
だって老いという自然過程に勝てないわけですから、「自己像を拡大する」ということをすればいいのです。
アイデンティティにとらわれている人は年を取るとそれの枠から現実の自分がかずれていくんですよ。
 齢を取ったら、齢をとったときのことだ、介助を受けてちゃんと「ありがとう」といえばいい。介護を受けるようになった自分も自分なんだ、という人間観を広げればいい、ということになります。
 いざという時に人間かを広げればいいということを教えてくれたのが、村田セツというおばあさんでした。


どんなに自分が変化してもそれをちゃんと受け入れて、その状況をもう一度楽しむ余裕。これさえあれば人生もやっていけますね。
ところは多くの人はそうはいけません。
自分が養ってもらわなくてはいけなくなったときに、自分の思い描いていた人間像から自分が外れてしまうんです。

    葛藤型 回帰型 遊離型
葛藤型
もとの自分に戻ろうとするのに戻れない。そこで葛藤が起こる。こういうのを葛藤型といいます。
問題行動は、暴力行為、粗暴行為、情緒不安定などです。

回帰型
現実の自分が情けなくて自分だという気がしないし、現実の自分を受け入れるわけにはいないとき、心の中だけでかつての自分に戻ってしまうというのを「回帰型」といいます。
家から出ていこうとするので「どこに行くの?」と聞くと、「うちに帰る」。
過去の、人から頼りにされていた自分が一番自分らしかった時代に戻るというのが「回帰型」。

 男の人なら仕事、女の人なら育児、炊事、に戻ります。
彼らは過去に戻ることで自分を取り戻そうとしているような気がします。
>問題行動は 徘徊 見当識障害 人物誤認。

遊離型
何もしなくなって現実から逃避していくタイプ。
この特徴は無為、自閉です。何もしなくなる。最後はご飯も食べなくなるんです。
ほっておくと独り言を言い始める

>どのタイプになるかは、どうも性格も関係があるようだというんです。
葛藤型
人生を一人で切り開いてきた、積極的に生きてきたタイプ。
回帰型
幸せな痴呆ではないか、と書かれています。帰る幸せな過去があるからです。
だから、社会的というよりは、家族関係とか母子関係とかがすごく良い、そういう思い出を持っている人です。
遊離型
困難に直面した時に自分で向き合おうとせず、人任せにしてきたタイプに多いということです。

>この分類で示しているような対処法をやって老人が落ち着いたというケースが、学会なんかで発表され始めています。

 「自立した個人」という人間観から解放されたとき痴呆も自然と個性だけになる。
痴呆のアセスメントを3つ紹介しました。
まず個性を知ろうよということです。
痴呆スケールは活用したらいいが、数量化したら、もう個性は見えなくなりますよ。
 
2つ目は 問題行動の原因を生活の中で一つ一つ探していこうということです。家族関係が原因になっていることもあります。原因を一つに絞らないでください。これが医療と違うところです。

3つ目は痴呆を分類しよう、ということです。
お年寄りのタイプによってかかわり方を変えましょう。

>いいケアをやっているところは、、老いもボケもフワッと受け止められている。
ちょうど寛容度のある親に育てられてきた子供に反抗期というのがあまり感じられないのと同じで、おそらく典型的な「分離型」 「回帰型」 「遊離型」 という形をとらないのでしょう。

確かに、言って過ごしてみると『よりあい』の痴呆老人はなにか自然にボケている感じがします。
「自然にボケている」というのは、変な言い方だと思いますか。
私は年を取ると、最後はみんな呆けるんだと思います。呆けないで亡くなる人は、惚ける前に亡くなっただけではないでしょうか。つまり、呆けも『自然』なんだと感じさせるような雰囲気が「よりあい」にはあると思います。
 
 社会全体がそんな風になって、「葛藤型」 「回帰型」 「遊離型」なんて分類が意味なくなって、呆けた老人に「自然」と「個性」だけが残るようになれば、人間は様委「自立した個人」という人間観から解放されたということになるんだと思います。

 <おわり>