反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

<ボランティア、ケア日誌>連載第7.①「リロケーションダメージ ②見当識障害に立ち会って。

 2017年 9月 10日 日 周囲の光景を確認しながら、自分の居場所を確定していく。
一途に生きようとしている姿は神々しいとさえ思った。
自己規律の高い、几帳面な人、誇り高い人である。
 
 午前11時、ベッドの敷布団カバー洗濯。Wの洗濯機を使った。
洗濯終了後、訪ねると、本人はベッドの板に横になり、30分ぐらいスリープして目覚め、周囲の様子が変わっていることに大混乱一種のショック状態。
W立会いの下、朝ごはんからの記憶をたどり、思い出深い部屋の飾り物、赤いバラの造花の花束を見渡し、自分の部屋にいることに確信が持てるようになった
午前中の記憶は完全喪失していなかった。一時喪失した記憶は朝からの行動をたどり、蘇り、
また周囲の光景を確認しながら、自分の居場所を確定していく。
一途に生きようとしている姿は神々しいとさえ思った。自己規律の高い、几帳面な人、誇りの高い人である。
        ↓関連資料
リロケーションダメージとは、自宅から施設への入居、入院や引っ越しのような環境の変化に伴い心身に負担がかかること ...」
 
引用
見当識障害とは「今がいつか(時間)」「ここがどこか(場所)」がわからなくなる状態です。 ... 健康な方でも昼寝をして目覚めたときなど、今が昼か夜か、また、どこで寝ていたのかとっさに判断がつかなかったことがあると思います。」←Wはこの時自分の経験を語った。
   
     対応法
時間の見当識

日ごろの会話のなかに「もう春ですね、暖かくなりましたね」「今日は7月7日、七夕ですよ」など、季節や日付を感じさせる内容を意識して盛り込みましょう。 時計を新しくする機会があれば、日付・曜日・午前・午後の入ったデジタルのものを選ぶとよいでしょう。」←W。実行している。時刻よりも日付曜日が先頭に出ている時計が良い(服薬などに便利)。

「違います」と現実の年齢を告げることはあまり意味がありません。あえて否定せず、相槌を打ちながらご本人の話を真剣に聞いてさしあげて下さいWは過去固執、暗記型の人間なので、いきなり否定形で、本人の思い違いを打ち消すことをやってしまって、本人は自信喪失。人格否定につながる。

場所の見当識

  • ここは自分の家ではない」と思っている場合に「あなたの家です」と説得するのは難しいことです。家かどうかで言い争うより「とにかくここは( 自分の家ではないかもしれないが)居ても安心できるところだ」と思ってもらうことが先決でしょう←W。介護者の対応としては難易度が高い。
  • 転居や改築、施設への入所など住む環境が変わる場合は、本人の思い出の品や使い慣れている家具などをできるだけもっていきましょう。
  • 同様に病気や怪我などによる入院も、混乱を引き起こす原因になることがあります。
    入院した場合は、できるだけご家族が面会に行って、ご本人が不安にならないように気を配ってあげることが大切です。ご家族が思っているよりも早い段階で退院を医師から提案されることもあると思います。

人の見当識

  • アルツハイマー認知症では、時間や場所の見当識と比較すると、人に対する見当識は長く保たれます。それでも、かなり進行するとご家族の見分けがつかなくなってしまいます。鏡に映る自分の姿を自分だとわからなくなることもあります。
  • しかし、知人程度なら、わからなくても上手に「とりつくろ」って不自然さを感じさせません。これはアルツハイマー認知症の方の素晴らしい能力です
 W。介護側が取り繕っていることを気付かない場合、その積み重ねの中で、自分の言動を解ってくれてきたと思い込んで(わかったふりをしてくれていたのに)←素晴らしい能力だ!
細かい説明や説得を度々行うようになり、コミにケーションがうまくいかないようになる。

しかし、現実世界とのズレは在宅の場合、具体的な生活障害、不利益となって立ち現れて来るのでどうしたらいいのだろうかと悩む。
両者の世界の違いのヅレは在宅の場合、
日常生活動作、手段的日常生活動作をできるだけ円滑にするために方的に本人の世界を容認するだけでは収まらない。修正していく必要がある。
課題はその修正方法であり、介護者にとって非常に難易度が高い。

>こんな当たり前の現実への対処方法は認知症介護の「教科書」には載っていない。
 
認知症介護の「教科書」マニュアルは施設介護や訪問介護という環境を前提にしたものであり、在宅介護の生の声、現実はスルーされがちである。
 
認知症地域介護運動(オレンジリング)の講師自身が、症状の進行を前に混乱して、割り切りの段階から、混乱対応の段階に後戻りすると正直に告白している。←シジフォスの神話的努力朝になれば、日はまた昇る!具体的に何がやれるかと問い詰め、実行する力がいる。
 
>理想論、原理論に終始していると、介護者は自分はできないと煩悶し、精神的肉体的負担を大きくしていく。
そしてあれかこれかの選択で介護放棄にもつながる。介護放棄は介護者、自身の存在の否定である。
 
>難易度の高い課題に80点90点を目指す必要はない。ましてや目標値100点など介護者の精神と肉体を痛めるだけになる。