<国家官僚> 今までの人生で東大出身の人間と余り付き合った経験はないが、2、3はしっている。
文系の人に限られるが、共通するのは事務処理能力がとても高いということだ。普段はぼっ~としているような人でも手短にまとめられた文章などを読むとなるほどな、と感心する。麻生太郎さんのような口達者なくせに書けない読めないお人とは対極のタイプと言っていい。
要は学校の勉強が異常によくできた人たち。
文系で頭で飯を食っていこうとすれば学者、司法試験、国家官僚、の三つが堅実な道で企業に就職するなんてのは必ずしもも栄達の約束されない不確実な道である。実社会に出ると頭以外の要素も加味された競争にさらされる。学識、資格の価値は薄れてくる。
だから実社会の競争にさらされない東大生が東大生である武器を確実に発揮できる道の一つが国家官僚になる道でこのルートに乗れば確実に将来の生活と何より権限が保障される。
だから頭のいいとされる東大生のなかで企業に一般職として就職する人は身分保障のない道に進むことだから成績の悪い人たちということになる。
<国会議員>
日本に政治で飯を食っている政治家がどれほどいるのか勘定したことはないが膨大な数であることは想像できる。その中の頂点の国会議員は政治分野のエリートだ。
いわば政治分野の東大生のようだが、選抜の方法は入学試験とは完全に違う。
選挙は極論すれば人気投票だ。しかも特殊な人気投票だ。
10人の人気投票権のある人がいるのに実際に投票するのは6人ぐらいで実に4人の人が人気投票に参加しない。
これの意味するところは実際の投票権行使者60%の中で50%以上を獲得すれば当選する。
言い換えると全投票権保持者のうち30%以上の獲得で国会議員になれる。
もっと厳密にいえばこれはあくまで2大政党のマッチレースを想定した場合であり、実際の都市部の選挙では他の政党にも票が集まるから、当選に要する票は20数%に下落しているだろう。
つまり有権者の一部の票をあらかじめ確実に取りまとめることのできるものが絶対的優位に立っている。有権者の五人に一人を票が確実に取りまとめるられる人が選挙で圧倒的に優位だ。これにうわずみすれば確実に勝てる。
5人に一人を確実にものにする手段のその一は利益供与。その二。共同の幻想を与える。
いずれにしても候補者がタレント的人気者でない以上、投票行動固定化作業には相当な資金力がいる。
地盤、看板、かばん。言い換えると組織力、知名度=共同幻想、資金力は有権者のごく一部の票を固定化する道具だ。
有権者のごく一部にる利益供与し続け、政治的幻想を与え続けるのは一過性ではなく継続作業だから新規参入者には簡単に乗り越えられないハードルとなる。二世三世の3板を引き継ついだ世襲、各種業界の利益代表が多くなるのは必然だ。
自民党では世襲、業界代弁者がおそらく70%に亘るのではないか。
もうこの時点で世襲と業界が党内で癒着している。外部で煮癒着は党内での癒着と同時進行している。大した利益供与も受けていないくせに顔なじみだからといって安易に自民党議員に投票するという政治的無知が国家的な規模での癒着利権構造を生み出しているのである。しかもこれらの投票者は有権者のごく一部の人間にすぎないという実態。一部の人間を巧妙に取り込めば国家の政治的頂点に立てるという今日の日本の議会制民氏主主義の現状。驚くべきからくりだ。あれほど執拗に有権者のうちほんの一部しか影響力を発揮しない後援会活動や宗教的囲い込みに精を出せるのは
ちゃんとした理由があったのだ。
しかし大多数の国民の利害とは関係のないところで政治が展開されていくこと。
ここでは官僚も含めた業界の利害が真っ先に優先され国民の利益は後回しにされざる得ない。
自民党の掲げる成長路線や消費税アップとはそういうことである。癒着構造から生まれる権益は決して手放さない。
<外国資本、御用マスコミ>
外国資本にとって日本の圧倒的な貯蓄ほど魅力的なものはないだろう。日本の健康保険制度や年金制度がガタガタになれば外国の保険屋は儲かる。民間保険しかないアメリカでは4千万人の人が無保険者でオバマ民主党は国民皆保険制度の創出を公約としてきたが現時点で成立のの見通しはないし、不可能だろう。
アメリカの金融保険資本は国内で保険にも入れない貧困層を抱えているが故、日本の魅力的な貯蓄をかすめ取ろうとしているのである。郵政公社には300兆円もの貯蓄があったし、兆に及ぶ優良資産がある。民営化し、なおかつ不自然な業務における分社化をしたのは金融、不動産部門が身軽になってむき出しの資本活動させるためである。そのため足手まといにしかならない部門をあらかじめ分社化したのだ。これはとりもなおさずメガバンクがアメリカにカネを流しているような行為をするということだ。結果、300兆の多くはアメリカシフトすることになる。
御用マスコミの根は深い。
一言で言って存在が意識を規定してしまっているということだ。
新聞の公表発行部数はウソだろう。ウソの発表をしなければ新聞の現状の広告料金が下がってしまう。新聞を売って得られる収入、紙代は半分で広告料が収入の半数を占めているらしい。朝日は数億円の赤字を公表した。正社員は高給取りだ。
広告料の減収は致命的である。
かつて、ベトナム戦争時、経団連の顔役は朝日新聞にのりこんで偏向報道やらの是正を求め広告の引き揚げまで言及した。同席した堤清二氏が書いておられる。大手新聞の広告は電通などの大手広告会社が取るし切っている。電通などが圧力をかければ経営サイドとしては意向を汲まざる得ない。抵抗していてもあるとき一線を超えてしまうと後は身を任せるほかない。
まして世界不況で企業は広告料も節減する。
要するにマスコミという企業体が報道の独自性を経営の都合に従属させただけのことである。
換言すればモノを買って加工して価値をつけて売るという普通の企業に業態を近づけただけだ。
むしろこの方が分かりやすく面倒も起こらず合理的でさえある。
テレビ業界は新聞に輪をかけて業態をすっきりさせている。
いうべき言葉が余り多すぎて手間がかかるので省略する。
小泉郵政選挙の報道は異常であった。解散して2日たった時、報道姿勢はガラッと変わっていた。
一方的な情報が意図的に洪水のように流された。メディアの暴力だ。抵抗力の弱い層はそっくり自公に投票させられた。投票したのではなくさせられたのだ。結果。派遣切りに会い、若いのに明日の生活もままならなくなる、母子加算手当のカットの代わりにアニメの殿堂なる珍奇の出現が計画される。自公に入れることは貧しい者、弱い者にとって天に唾する行為だ。必ず自分の不利益に帰ってくる。
今回も自民党は同じ手口を使ってきている。デマ宣伝で国民の不安を煽ろうとしている。不安に駆られた層を自公に投票させるという戦略をとっているようだ。
まともに戦う相手ではない。こんな相手にあれこれの政策を対置するのは間違い。説明していれば守勢に回る。