衆議院選挙で民主党、社民、国民新は共通政策で合意し各地で選挙協力をした。社民党、国民新党は一部の強力な候補者をを除いて選挙協力で民主に吹く風の恩恵にあずかった。
両党の候補者の落選した選挙区では選挙協力ではなく民主党独自の候補者を立てていたら自公に勝っていたところもあったように思う。民主は参議院過半数獲得のためもあって社民、国民に譲歩した。
選挙での共通政策には外交安全保障の踏み込んだ合意はなかったが今回の政権協議でこの分野でも本格的な議論を詰めていく予定で来週早々に結論を予定している。
A)論点になっているのは在日米軍基地の問題。具体的には沖縄、普天間基地移設問題。海兵隊のグァム移設費負担などだが、アメリカは自公政権との合意を盾に再交渉には応じないとしている。
B)インド洋、パキスタン沖での無償給油問題。
社民党は即時停止で民主党案は今のところ、来年一月の時限立法の失効を待って再延長しない方針。
C)社民党は非核三原則の堅持を連立政策に盛り込むように主張している。
先ごろ日米核密約によって日本国内に核が持ち込まれていたとの引退官僚の発言もある。
社民党は各論点に党派性を明らかにしたうえで民主党の路線に沿って妥協せざる得ない、と考える。自己主張をし連立を離脱するほど社民党内に反戦活動家の影響力は強くない。反戦活動家の多くは日米安保はいらないと言っている。ところが社民党は日米安保を肯定している。
安保肯定の社民に日米安保や基地問題に腰の据わった立場が取れるわけがない。
また社民党はかつて自社、さ連立内閣で首相まで務めた過去がある。
給油問題は政権としての政治センスの問題だ。国民、マスコミに日本外交に対するコンセンサスがいまだに確立していない現状では即時停止は衝撃が大きすぎる。
この問題の根底には今後の日本外交の戦略問題が横たわっており、油を止めるかどうかは戦術、枝葉のことである。大騒ぎするのは本末転倒であり、じっくりと今後、戦略問題を国民に提起していけばよい。民主党は東アジアを視野に入れた新しい外交を視野に入れている。
当然のことである。
核持ち込みは安保の常識である。むしろ今頃、騒がしくなった真意を探りたい。
まず、沖縄が日本に返還された時点で自民党は本土並み返還と称して核なし変換であるかのように宣伝し時の首相の佐藤栄作はノーベル平和賞までもらったが、沖縄米軍基地に核が配備されているのは常識であった。同時に核のある沖縄の返還は本土の米軍基地に核兵器が自由に配備される根拠ともなった。アメリカの沖縄返還は有償ではなく無償。だが机の下で取引があった。
今問題になっているのは核配備も含めて沖縄が帰ってくる交換条件として日本側が約束したものはなにか?沖縄返還は日本本土が沖縄並みになるということである。乱暴にいえば。アメリカの論理からすれば核のある沖縄が日本の領土になったのだから沖縄の核と日本の米軍基地と境界線を引く必要がなくなったのだ。なぜ区別する必要があるのか?となる。
社民党はかつての社会党のように憲法問題を持ち出すときに非武装中立論といういわば国家論の領域まで踏み込んだ議論を持っていない。今あるのは憲法原理主義のような立場から戦争の危機に広範に存在する素朴な平和への願いを対置するものである。
したがって護憲は日本のパンドラの箱が開いておぞましい魑魅魍魎が再び跋扈しないようにするためのタガのようなものだ。
この観点は正しいと考える。 改憲すれば日本は危なくなる。政治はになっていく実体の存在内容を無視して語れない。ドイツは二回も世界にチャレンジし、やっと懲りてEUの道を率先した。日本はまだ一回しか戦争に負けていない。もう一回、おかしなことにならない保証は改憲をしないことだ。
民主党は政権協議で社民党の存在価値を対内的対外的にも、いい意味で利用してほしい
従米にならない今後のためにも、国内の平和勢力を大事にする必要がある。